4. 発表当日

当日の朝は，あわただしいと思いますが，必ず（家なり，ホテルなりで）朝食をとってくださいね。ただでさえ緊張しているのに朝食抜きだと，貧血を起こしたり，体調不良の原因になります。また，極度に緊張すると，神経性の腹痛や消化不良を起こしやすいので，糖衣錠タイプの胃薬を持参すると，いざというとき役にたちますよ。

• ハンドアウトや原稿は必ず予備を持参→会場へ行く電車等の中で原稿を見ていて置き忘れたり，前日にホテルで準備していて，当日部屋に忘れてきたりということがあります。心配な人は，それにくわえて，自宅にいる家族や当日発表を見に来る友人等にも予備を渡しておくといいのでは？　緊急時は，自宅からfaxで送ってもらえます。そんなことまでしなくても，と思うかもしれません。私も昔はそう思っていました。しかし，実際，PacSLRFでは，初めての英語発表だというのに原稿の後半部分を家に忘れ，結局忘れた部分を一から書き直しました。このあせりは経験しないと分からないのですが，経験してからでは遅いのも事実です。私だって，もし全部原稿を忘れたら，きっと間に合わず，発表をキャンセルせざるをえなかったでしょうから…。決してひとごとではありません。

• 出かける前に当日の新聞にざっと目を通す→発表のネタに使えそうな記事が見つかるかもしれません。とくに，社会言語学，会話分析関連の研究に携わっている人は，著名人（政治家，タレント，スポーツ選手など）の発言などをチェックすると，自分の発表で使えそうなものが見つかるかもしれません。そのようなものは，発表の冒頭でタイムリーなスモールトークなり，ジョークなりにして使いましょう。「今朝の朝刊に載っていましたが…」と紹介するだけで，その発表全体がauthenticで，しかも発表者も余裕のある人のように映ります（少なくとも私が聴衆ならそう思います）。

• 自分の発表のあるセッションは必ず最初から最後まで参加する→自分が発表する以上，他人の発表にも耳を傾けるのが礼儀です。自分の発表の直前に来て，発表が終わったらさっさと帰るというのは，失礼にあたります。

• 合宿制学会で発表するなら合宿する→あたりまえの話ですが，合宿制の学会（白馬夏季言語学会，YLCセミナー等）は，研究発表自体よりも，寝食をともにして参加者同士の親睦を深めるのが主目的です。発表だけして日帰り，という人は，いかにも業績稼ぎにきたようで，ひんしゅくを買います。

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