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2002年2月4日更新(春期セミナー予定をアップしました)

★研究会の出版物

◎機関誌「ことばと人間」(目次)

第1号(1997年3月発行)

第2号(1999年3月発行)

第3号(2001年3月発行)

※バックナンバーをご希望の方は,こちらまでご連絡下さい。第1号,第2号は1冊1000円,第3号は1冊1200円(送料別)です。


◎会報

No. 33(2001年6月15日発行)


★イベント

◎第28回春期セミナー

とき:2002年3月27日(火)〜29日(木)
ところ:国民生活センター(神奈川県相模原市)

テーマ:これからの外国語教育

プログラム(合宿形式)

第1日目 3月26日(火)

10:00-10:20 受付
10:20-10:30 開会式
10:30-12:00 講義(1) 「英語教育に役立つ英語学入門」藤井 洋子(日本女子大学)
12:00-13:00 昼食
13:00-14:30 講義(2) 「外国語教育と社会言語学」西村 美和(群馬県立女子大学)
14:30-15:30 部屋割り,鍵配布・フリータイム
15:30-17:30 ワークショップ1(分科会)
18:00-19:30 夕食・フリータイム
19:30-21:00 ワークショップ2(分科会)
21:00-22:00 言語学ラウンジ(参加者や講師がざっくばらんに交流できる場です)

第2日目 3月27日(水)

8:00-9:00 朝食
9:00-10:30 研究発表(学部生または大学院生)※ 発表をご希望の方は,申込用紙の余白にその旨明記してください。
10:40-12:10 特別講演「これからの外国語教育」 講師:吉田 研作 先生(上智大学教授)
12:00-13:00 昼食
13:00-16:00 シンポジウム「学校英語教育のあり方」
司会: 平賀 正子(立教大学)
パネリスト: 伊藤 克敏(神奈川大学),木村 松雄(青山学院大学),岡田 善明(神奈川県立有馬高等学校)
16:30-18:00 ワークショップ3(分科会)
18:00-19:00 夕食
19:00-19:30 フリータイム
19:30-21:00 レセプション(交歓会)

第3日目 3月28日(木)

8:00-9:00 朝食 ※ 9:00までに部屋を片づけ,鍵を返却してください
9:00-10:00 フリータイム
10:00-12:00 ワークショップのまとめと講評(全体会)
12:00-12:50 昼食
13:00-14:30 講義(3) 「これからの英語教育」平賀 正子(立教大学)
14:30-14:40 閉会式

ワークショップ(分科会)のテーマ・講師名・概要

※ 参加者は,下記のワークショップの中から1つを選択していただき,各々のテーマで学びます。

A・「言語能力とは何かを考える−日本語教育の視点からー」 荻原 稚佳子(早稲田大学)

 よく「あの人は外国語が上手だ」と言いますが、ことばを上手に話すとは、どんな能力があることを意味するのでしょうか。外国語教育を行う教師は、学習者が効率的に言葉を習得できるよう、それぞれの学習者が現在持っている言語能力がどんなものでどの程度何が出来るのか、また、次に何をどの程度できるようにならなければならないかを、常に把握していなければなりません。
 今回のワークショップでは、外国語教育の会話能力に焦点を当て、言語能力とは何なのかを学び、その後、実際の日本語学習者の会話を聞くことで、具体的に言語能力について考えていきます。日本語教育に関心を持っている学部生を対象に、入門レベルのワークショップにする予定です。

B・「日本語のメタファー:認知意味論の視点から」 篠原 和子(東京農工大学)

 言語理論にはさまざまな立場がありますが,本ワークショップでは近年日本国内でも盛んに研究が行われるようになりつつある認知意味論の立場から,日本語のメタファーの分析を受講者のみなさんと一緒に行ってみたいと思います。まず,レイコフ&ジョンソンを初めとする認知意味論のメタファー理論の概要と,この理論で研究対象とされている主なメタファーについて,講義と演習を行い,またメタファーにおける「経験的基盤」の重要性についての解説します。
 そして,日本語のいくつかの主要な概念メタファーから実際に具体的な例文を出来るだけ集め,それらを分析・分類し,またそのメタファーの経験的基盤について考察をする予定です。

C・「学習者語用論とこれからの外国語教育」 関山 健治(沖縄大学)

 日本語がとても上手な留学生と話していて,不愉快な思いをしたことはありませんか? 発音や文法が完璧な人ほど,逆に相手に与える印象を悪くしてしまうということは,よくあります。なぜこんなことが起こるのでしょうか? それを研究する分野が学習者語用論(L2 Pragmatics)です。このワークショップでは,英語・日本語の教科書の分析や,簡単なデータ収集の実習を通して,これからの外国語教育と語用論との関係を考えます。英語教育,日本語教育に関心を持つ学部生,院生はもちろん,現場の英語・日本語教師の参加も歓迎します。

D・「失語症と言語学」 渡辺 眞澄 (多摩リハビリテーション学院/名古屋大学大学院)

 失語症は、大脳の損傷によって起こりますが、損傷部位や、範囲によって、症状や重症度が異なります。また、話すことだけではなく、聴いて理解すること、読んで理解すること、書くことにも支障をきたすことがあります。このワークショップでは、まず、失語症がどのようなもので、失語症のタイプとそれぞれの症状を概観したあと、言語学がこれまで失語症の解明にどのように貢献してきたのかを紹介します。さらに、「話す」、「聴く」、「読む」、「書く」という、言語の諸側面に現れる障害を知るには、言語学的要因以外にも考慮されるべきことが数多くあることを示したいと思います。事前の知識は必要ありません。興味がある方は、ご参加ください。

参加費(2泊3日)

非会員(一般) 35,000円
非会員(学生) 32,000円
会員(正会員・準会員・通信会員) 32,000円

※ワークショップを含め,全日程参加が原則です(社会人院生の方など,合宿参加が困難な方はご連絡ください)。費用は26日昼食から,2泊7食,レセプション,資料代を含みます。

その他の注意事項

★(重要)一度納入された参加費は,いかなる理由があっても返金できません。くれぐれもご注意下さい。

申し込み方法

※ E-mail・Fax・郵送のいずれかでお申し込みください

★E-mailでお申し込みの場合

参加費を以下の振りこみ先にお振込みいただいた後,sekiyama@okinawa-u.ac.jpあてにE-mailでその旨をご連絡ください。折り返し,申し込みフォームをメールでお送りいたしますので,必要事項をタイプした後,メールで返信してください。(E-mailによるお申し込みの場合,この開催要項に付属している参加申込書(郵送用)は使いません)

★Fax,郵送でお申し込みの場合

参加費を以下の振りこみ先にお振込みいただいた後,この開催要項に付属している参加申込書(郵送用)に必要事項を記入し,春期セミナー事務局まで郵送,またはFaxでお送りください。

参加費用振り込み先

口座番号:00130-8-770583
加入者名: 横浜「言語と人間」研究会(郵便局備え付けの振込用紙で送付して下さい)

お問い合わせ先(E-mailまたは郵便でお願いします)

(E-mail)sekiyama.kenji@nifty.ne.jp
(郵便)〒902-8521 沖縄県那覇市国場555 沖縄大学法経学部 関山健治研究室
内 横浜「言語と人間」研究会事務局


◎2001年12月例会

とき:2001年12月8日(土) 13:00-17:00
ところ:神奈川大学

内容

研究報告

「予測可能性と相互行為の文法との関連性:日英語の重複発話からの一考察」 内田 らら(日本女子大学大学院)

会話での重複発話に関し、先行研究では、個人の発話での統語的・音韻的・語用的区切りの予測間違いによって生じると指摘されている。しかしその場合、なぜ、ある特定の、内容的に関係のある所で始まるのか説明できない。

そこで本発表では、日英語の重複発話に焦点をあて、重複発話で何が行われるかやどの内容で重複発話が多く見られるかを分析する。そして、重複発話は、発話の区切りの予測間違いのみならず、会話のコンテクストとの関係で、その場で話すことで内容が効果的に伝わるために生じると主張する。

さらに、日英語で重複発話が出る状況の違いを具体例と共に明らかにし、それが両言語話者の社会文化的特徴とどう関係するのかも探りたい。

講演

「擬態語の認知メカニズム」 小田 弘美 先生(ヒューレット・パッカード研究所)

※研究会員(正会員,準会員)は無料です。通信会員,非会員の方は,資料代として500円を当日お支払い下さい。
★会員以外の方のご来聴も歓迎します。


◎2001年11月例会(終了しました)

とき:2001年11月10日(土) 14:30-17:00
ところ:神奈川大学20号館(会場は20号館入口に掲示します)

内容(タイトルをクリックするとハンドアウト(JPEG画像)がごらんになれます)

研究報告

「大規模コーパスがとらえることばの生態−BNC World Editionを中心に−」 関山 健治(沖縄大学)

本発表は,2001年3月の横浜「言語と人間」研究会春期セミナーでの講義「コーパスで実感することばとコンテクスト」の続編である。British National Corpus (BNC)は,オックスフォード大学が中心となって構築された約1億語の大 規模コーパスであり,OALDやLDCE等の学習英英辞典の編集において,主に大型コンピュータ上で利用されてきた。しかし,今年になって,一般の研究者もCD-ROM の形で入手することが可能になり,手元のパソコンでもBNCにアクセスすること が可能になった。わずか1万数千円で1億語のコーパスを検索できるようになったことで,言語研究の方法論にも大きな変化が訪れようとしている。

本発表では,BNCが実際の言語研究においてどのように活用できるかの実例を紹介するとともに,近年盛んに研究が進んでいる日本語のコーパス構築に関しても,主に会話分析への応用という点から考えてみたい。

「外国語教室におけるTeacher Gestureの特徴」 草薙 優加(明海大学大学院)

外国語教室において、教師は学習者の言語習得レベルにあわせ教授内容をより効率的に伝達し、学習者がより理解出来るようにさまざまな努力をしている。このような努力は言語レベルではTeacher Talkという形で、非言語レベルではTeacher Gestureという形で認めることが出来る。我々が普段の会話の中でよく身振りを使うように、Teacher TalkとTeacher Gestureは同時に起きて補いあう関係にあるが、Teacher Gestureに関する研究報告はまだ数少ない。

今回は筆者のPilot Studyから見い出した、Teacher Gestureの特徴(情報を付加する、聞き手の注意を喚起する、教室コントロールに寄与する)を具体例を用いて紹介する。また、最近実施したTeacher Gestureに対する教師と学習者へのアンケート、インタビュー結果もあわせて報告する。

※研究会員(正会員,準会員)は無料です。通信会員,非会員の方は,資料代として500円を当日お支払い下さい。
★会員以外の方のご来聴も歓迎します。


◎2001年10月例会(終了しました)

とき:2001年10月13日(土) 14:30-17:00
ところ:神奈川大学20号館

内容(タイトルをクリックするとハンドアウト(JPEG画像)がごらんになれます)

研究報告

「初対面会話におけるスピーチスタイルの選択〜母語場面と接触場面の比較〜」  伊集院 郁子(東京大学大学院)

日本語にはデス・マス体とダ体という二つの発話末スタイルが存在し、日本語母語話者は敏感にこれらの使い分けを行っている。本発表では、大学生二者間(同 じ年齢又は学年の女性同士)の初対面会話データを基に、会話という相互作用において参与者がいかにスピーチスタイルを選択、確立していくかを、母語話者同士の会話(母語場面)と母語話者と日本語学習者の会話(接触場面)との対比で分析する。両場面の特徴を現象面から考察するだけでなく、スピーチスタイル操作における言語使用者の待遇意識の一端も明らかにしたい。これらの分析を通して、母語話者が対話相手(母語話者か否か)に応じていかにスピーチスタイルを使い分けているか、また母語話者と学習者との間にどのような相違が見られるかを論じる。

「ことばの類像性と隠喩性:俳句の分析をとおして」 平賀 正子(立教大学)

ソシュール以来、ことばの表現(シニフィアン)と意味(シニフィエ)は恣意的な関係にあるといわれてきている。本研究では反対に、表現と意味の非恣意的な関係を類像性という観点から探る。具体例として、詩的言語(俳句)をとりあげ、その分析をとおして表現(俳句の形式)を構成している音声や文字、修辞構造は、その表現が意味している内容と無関係ではなく、密接に関係していることを示し、この関係が、類像性と隠喩という視点から説明することができることを明らかにする。最後に、日常言語にも同様の類像性や隠喩性が働いていることを指摘し、ことばの不思議にせまってみたい。


◎2001年6月例会(終了しました)

とき:2001年6月30日(土) 14:30-17:00
ところ:神奈川大学20号館

内容(タイトルをクリックするとハンドアウト(JPEG画像)がごらんになれます)

研究報告

「韓国人日本語学習者のあいづち習得」 内藤 真理子(明海大学大学院)

「聞く」はinputに分類され、「話す」に比べ受身的なイメージを禁じえない。しかし、「聞き手」ということになると事情はまた異なってくる。対人コミュニケーションにおいて、聞き手はあいづちを打つことで音を発しており、そしてこのあいづちを用いることで会話をコントロールしているといえるからである。

本発表ではこのような会話をコントロールする機能としてのあいづちに注目し、上級の日本語学習者があいづちをどのように用い、そしてまた話し手はあいづちを打たれることによりどのように会話を展開させているのかを観察し、その特徴を考察する。なお、調査対象としたのは日本語能力試験1級に合格した、日本に1年以上滞在した経験がない韓国人である。

「復興言語によるコミュニケーションの可能性:ケルノウ(コーンウォール)語の事例から」 木村 護郎(一橋大学大学院)

現在、世界各地で少数言語の復興が盛んになっている。 現代において少数言語が復興される場合、その言語共同体は 以前のような地域共同体の言語というより、分散して住む話し手の ネットワークになるだろう。意識的に使用の場を作り出 さざるをえない復興言語のコミュニケーションは、母語による 日常的なコミュニケーションとも、外国語による異文化コミュニケーション とも異なる様相を示している。 本報告では、言語復興の先駆的事例ともいえるイギリスの ケルノウ(コーンウォール)語話者の合宿における参与観察記録を中心に、復興言語の示す新しい言語コミュニケーションのあり方 の特徴および意義、また人間の言語コミュニケーションへの示唆について考えた い。


◎2001年5月例会(終了しました)

とき:2001年5月26日(土) 14:30-17:00
ところ:神奈川大学20号館

内容(タイトルをクリックするとハンドアウト(JPEG画像)がごらんになれます)

研究報告

日本語における「励まし」の特徴と問題点」 黒川直美(明海大学大学院)

従来、数多く行われてきた発話行為の研究は、「謝罪」「依頼」等、日常生活において頻繁に起こりやすい発話行為についてのものである。それに対し、「励まし」「不満表明」のように、日常生活において起こる頻度の低い発話行為についての研究は、あまり行われていない。「励まし」の場合、「謝罪」などと比べて場面に依存するところが大きく、何を「励まし」と捉えるかが明確ではないということが、研究されていない原因の一つと考えられる。

そこで本発表では、日本語における「励まし」に焦点を当てた基礎的研究を紹介する。まず、アンケート調査により日本語における「励まし」の特徴と発話上に起こる問題点を明らかにする。また、「励まし」のように、励ます側と励まされる側に誤解が生まれやすい発話行為に有効な研究方法についても考察する。

「C.S.ルイスの『ナルニア国年代記物語』におけるコミュニケーション場面の分析」 堀越 喜晴(恵泉女学園大学非常勤講師)

本発表では、イギリスの作家C.S.ルイスの児童向け連作ファンタジー『ナルニア国年代記物語』中の、会話や心の中の葛藤など言語的コミュニケーションによって展開されている部分のいくつかを抽出し、それらを分類、分析する。文学作品の中の言語的コミュニケーションと日常におけるそれとの大きな違いは、前者がその細部に至るまで作家の創作意図によって統括されているということである。発表では、著者ルイスによって言わば仕組まれたコミュニケーションをまず言語学的に分類する。次いで、彼がなぜそのような合意、あるいは誤解を生じさせたかについて考察する。これにより、作家ルイスの目を通して、我々が日常営んでいる言語行動における理解や誤解の本質に迫りたい。


◎第27回春期セミナー(終了しました)

★以下をクリックするとハンドアウト(JPEG画像)がごらんになれます。

講義(1) 「国文法から見た語用論−助詞の分析を中心に−」村山 康雄(文教大学)

講義(2) 「コーパスで実感する『ことばとコンテクスト』」関山 健治(沖縄大学)

研究発表 「コウビルド・コーパスからみた実際に使われる英語の用法・意味−イギリス英語に特徴的に見られる"lovely"について−」安田麻衣子(明治学院大学 学部3年)

研究発表 「聞き手はどのようにして話題を引き出すのか:日英語のトークショーから」 内田らら(日本女子大学大学院)

研究発表 「アメリカ英語における「命令表現」の役割:相手への配慮を示す表現として」 成岡恵子(日本女子大学大学院)

特別講演 「ディスコースの諸相」 講師:橋内 武 先生(桃山学院大学)

シンポジウム「ことばとコンテクスト−語用論と言語習得を中心に−」

−子どもの言語習得の観点から− 伊藤 克敏(神奈川大学)
−語用論の観点から− 牧内 勝(恵泉女学園大学)
−英語教育の観点から− 佐久間 晶子(成蹊大学


横浜「言語と人間」研究会伝言板

役員連絡メーリングリストの参照(YLC役員専用)