Make your own free website on Tripod.com

電子辞書掲示板過去ログセレクション
(Sekkyのつぶやき)

辞書関係コンテンツトップページに戻る

※レス以外で掲示板に書いた駄文をまとめてみました(^^)

(ご注意)本ログ内容の著作権は,関山健治が保持しています。他掲示板や他メディアへの無断転載,剽窃等は著作権の侵害となりますので,理由の如何を問わず固くお断りします。ご不明な点はこちらをごらんいただくか,管理者へのメールでおたずねください。


理想のコンテンツとは(>autumnさん) 投稿者:Sekky@管理者  投稿日:11月23日(金)11時32分53秒

>ところで、質問ですが、Sekkiさんが もし英語を専門に使う人のための電子辞書を作るとした
>ら、どんな辞書を入れたいと思いますか。

このご質問は実に鋭いところで,私(=英語の研究者)の視点と,英語を道具として(ビジネス等で)使っている人ではまた違ってくるでしょうから,ぜひ皆さんのお考えもきかせていただきたいと思います。おそらく,私だけでなく,この掲示板にアクセスしてくださっている各メーカーさんにとっても最大の関心事ではないでしょうか。

個人的には,以下のパターンでしょうか

(パターン1)

ジーニアス英和大辞典・ジーニアス和英辞典・LDCE・Longman Language Activator

→SR-8100の後継機のようなイメージです。ジーニアスの大辞典は,大辞典とはいっても実質は中辞典+αのような感じで,文法記述や例文も多いので,リーダーズよりも広範囲の層に受けると思います。Activatorは知る人ぞ知るLongmanの隠れた名著ですが,ノンネイティブ向けの類語辞典としては最高傑作だと思います。LDCE(できれば,文化情報も含めたLongman Dictionary of English Language and Culture: LDELCのほうがいいですが)とActivator,ジーニアスの英和,和英のすべての例文を例文検索でサーチできるようにすれば,あまり使い物にならないジーニアス和英の欠点を補えると思います。※このクラスの機種を買う人は,基本的に和英辞典に頼らなくてもそこそこ英語が書ける人を想定しているので,和英が貧弱でも,例文検索により「お手本」を示してあげれば満足すると思われます。国語辞典も入っていればベストでしょうが,上記のコンテンツの量からすれば余裕がないと思います。

(パターン2)

リーダーズ英和・英和活用大辞典(以上研究社)・Roget II thesaurus・大辞泉・類語例解辞典(以上小学館)

→SR-9500と9200の中間帯のユーザを想定。翻訳者,通訳などで,英英系は必ずしも必要ではないが,語数の多い英和と発信情報(英語を書くときに役立つ情報,例文)が豊富な辞書,日本語表現にも役立つ辞書が必要な人を想定しています。和英辞典は入れていませんが,英和活用大辞典が英語を書くときに役立つ(共起する前置詞等を豊富な例文で示している)ので,代用できます。CD-ROM版の「英和活用」のように,日本語部分にインデックスをつけて和英として使えるようにするのも手です。日本語系辞書は,類語例解辞典(日本語のシソーラス)を入れてみました。その関係で,国語辞典も小学館のものをつけています。プロの間では,広辞苑は相当評判が悪いので,最近出た大辞泉はそれを補ってくれるはずです。Roget's IIはおまけです(コンテンツ量からして,LongmanやOxfordの本格的なthesaurusを載せるスペースはないでしょうけど,英語のthesaurusはないよりはあったほうがいいだろう,ということで(^^)

(パターン3)

グランドコンサイス英和・新グローバル英和・グランドセンチュリー和英・大辞林

→SR-9100のダブル英和をイメージし,三省堂系でかためてみました。三省堂の英語辞書は歴史があり,地味ですがよくできています。国語系も,いい加減に右も左も広辞苑というのは何とかならないかと思い,非広辞苑系の中では一番シェアがある(らしい)大辞林を入れてみました。上記の3パターンの中では,もっともエントリー層を対象にした内容だと思います。

※各社の電子辞書のコンテンツを見ると,英和・和英は同一出版社のものをバンドルするという傾向があるようなので,それにあわせてみました。英和と和英を別々の出版社にできればもっといろいろな選択肢が出てくるのですが…。

皆さんはいかがでしょうか。

SR-9*00の意外な?活用法 投稿者:Sekky@管理者  投稿日:11月27日(火)10時43分37秒

フルキーボードやコンテンツ内容に関心がいきがちなセイコーのSRシリーズですが,付加機能を使えば結構いろいろと楽しめます。説明書には書いていないような活用法をいくつかご紹介します。

<ワイルドカード検索>

リーダーズというマンモス英和辞典で後方一致検索ができるというのはありがたいです(電子ブックプレーヤーの付属ディスクでもできませんから)。11月11日にアメリカン航空のエアバスがニューヨークの郊外に墜落したとき,アメリカでは休日だったと報道していましたが,どんな休日なんだろう,と思ったら,*dayで検索すると,April Fools' Day, Arbor Day...のように欧米の特別な行事が一覧できます。その中には,Veteran's Dayも入っていて,「米国の法定休日,11月11日」のように出ているのでわかります。こういうふうな検索をするときはプレビュー機能のありがたみを感じます(訳キーをいちいち押さなくても,一覧画面でカーソルを動かすだけでそれぞれの語の意味が分かるのですから)。

そのほかでも,犬の種類を調べたいのなら*dog,病気の種類なら*diseaseのようにすれば一覧できます。英語の複合語は,後部要素に主要な意味を表す語がくることが多いので,後方一致ができる電子辞書があると何かと便利です。興味のある分野を後方一致で調べてみるといろいろな発見があって面白いです。

あるいは,医学生の人が論文を書くときに,「コルサコフ症候群」を英語で言いたいとします。和英辞典にはこんな専門用語は出ていませんし,corsakofのように推測してスペルチェックモードで入れても拾ってくれません。そんなときは*syndromeで簡単にわかります。

後方一致は他社製品にも搭載されていますが,この手の検索は収録語数が多い辞書を使ってこそはじめてそのありがたみが分かると思います。コルサコフ症候群という単語自体が入っていないジーニアスでは用が足せないのですから。

<漢字源→広辞苑へのジャンプ>

これは単なるジャンプではなく,ある漢字が使われている(語頭はもちろん,語中,語末でも)語を広辞苑の中からすべてリストアップしてくれます。

たとえば,漢字源で「祭」を調べて,広辞苑にジャンプすると祭の種類が一覧できます。もちろん,ワイルドカード検索で「*まつり」とやってもいいのですが,そうすると「式年遷宮祭(しきねんせんぐうさい)」のように,「さい」と読むものが出てきません。英語と違い,日本語は同音異義語や,同じ意味を持っていても,読みが違う場合(さいorまつり,のように)が多いので,かな読みのワイルドカード検索ではうまくいかないことも多いです。

また,この検索では,読めない単語を引くこともできます。先日も,「魚河岸」という語をどこかで目にして,読み方が分からなかったのですが,「うおかわぎし」「ぎょかがん」のように推測しても読みが違っていると検索できません。このような場合も,「魚」を(河,岸,でもいいですが)漢字源で引き,ジャンプさせれば「うおがし」と読むことが簡単に分かります。

<例文検索>

辞書,特に英英辞書の例文は,実際の使用例(作例でなく)をもとにしているため,英語の文化をもろに反映しています。たとえば,日本でdomestic violence(DV)が問題になってきたのはここ1,2年ですが,SR-8100でdomestic&violenceで例文検索をすると2例出てきます。SR-8100に搭載のLDCEは今から6年前にでた辞書なのに,英語圏ではもうすでに学習辞典の例文に採用されるほど関心が高くなっていたわけです。

このように,単に言葉の意味だけでなく,英語圏の文化のトレンドまで分かってしまうというのが例文検索のウリです。XD-S8000に搭載のLAAD(アメリカ英語版LDCE)の例文検索と結果を比較すると英米の違いもくっきりと分かります。たとえば,pizzaを検索するとS8000は大量に出てくるのに8100では少ない(逆に,teaはS8000は少ないが8100は多い)とか。よく知っている単語を例文検索してみると,その単語が実際に使われる場面が手にとるように分かり,ネイティブの家庭教師を1人雇っているのと同じような効果があると思います。

今度出るIDF-2000Eに搭載のOALDも例文が多く,しかもLDCEと同じコーパスをもとにした生きた例文ばかりなのですが,例文検索がついていないのがとても残念です。

ネット通販 投稿者:Sekky@管理者  投稿日:11月29日(木)15時05分38秒

goさんもおっしゃってましたし,昨日も個人メールでご教示くださった方がみえましたが,ネット通販を使うと,普通の量販店よりもかなり安く電子辞書が買えます。購入機種が決まっている人ならおすすめです。ポイントは,信頼できる業者を選ぶことです。ひとつの目安として,実社会でのオフィスの住所や電話番号が明記されているか(まともな業者ならちゃんと大小の差はあれ,事務所があり,電話や郵便での応対もできるはず),オンラインでクレジット決済のできる業者は,ちゃんとセキュアサーバーに接続しているか(カード番号を入力するページで,右下にカギのマークが表示されるか),きちんとしたサーバーでページを開設しているか(私のような個人ホームページはともかく,ビジネスをフリーのウェブサイトで行うこと自体,信頼できません。自社の独自ドメインである必要はありませんが,少なくとも名のしれたプロバイダでページ運営をしているかどうかは目安になります)のようなことがあげられます。

ちなみに,沖縄はじめ離島は通販だと送料がかなりかかるので,東京等へ出張へ行ったついでに量販店で買った方が安いです。

Quicktionary 投稿者:Sekky@管理者  投稿日:12月 1日(土)11時30分17秒

昨日もおたずねのあったQuicktionaryに関してですが,通常の電子辞書と違い,文字認識で読みとりますので,必ずしも100%認識できるとは限りません。練習というほどではないですが,多少なぞり方のコツをつかむ(まっすぐになぞらないとうまくいかなかったりするので)必要があります。

余談ですが,Quicktionaryは先進的なようですが,実は10年ぐらい前にエプソンから「Tran」という同じようなものが出ています。形はQuicktionaryに似ていますが,語数が少なく(2万語弱だったはずです),しかもQuicktionary以上に認識がデリケートで,スキャンのスピードが早すぎても遅すぎてもアウトになるし,イタリック体は認識できないしで,かなりストレスのたまる代物でした。

それでも,一般市民にとってはスキャナーなど影も形もなかった(そもそも,パソコン自体それほど普及していなかった)時代に,いわば超小型OCRとして商品化されていたわけですから,電子辞書としての完成度はともかく,技術的には夢のようなものだったと思います。スキャナーやプリンターの画質では定評があるエプソンですが,もしかしてその原点がTranだったのかもしれません。

冊子体vs電子辞書版 投稿者:Sekky@管理者  投稿日:12月 2日(日)14時31分54秒

冊子体と電子辞書版の違いがでてきたついでに,いくつか追加します。

SR-8000/8100のLDCEやXD-S3000/8000のLAADでの「成句検索」は,英和辞典の「成句検索」と違い,成句(いわゆるイディオム,熟語)を検索することは*できません*。むしろ,成句検索ではなく句動詞検索と言ったほうがいいかもしれません。つまり,pick up, get awayのような語句(動詞+副詞/前置詞の組み合わせ)は検索できますが,get the nod, kick the bucketのようなイディオム,会話表現は検索できません。

SR-9200収録のCOT(thesaurus)は本文のみのフルテキスト収録です。囲み記事(テーブル)は収録されていません。また,ER-2000/6000のCOTと違い,見出し語にない単語の類語は調べられません(そのため,実質的に検索できる語はER-2000/6000より少なくなります)。

インターネット辞書ザウルス 投稿者:Sekky@管理者  投稿日:12月 3日(月)20時54分37秒

ご存じかもしれませんが,最近量販店で上記のザウルス(MI-J1)が破格値で(定価50000円のところが17000円ぐらい)売られています。ニューアンカー(キャノンのIDF-3000についているスーパーアンカーの1つ前の版)英和・和英,学研新国語辞典,漢字辞典(漢字源ではありません)を収録し,ザウルスの基本機能(スケジュール,電話帳,インターネットアクセスなど)を搭載しています。

本家のザウルスより多少スペックダウンしている(週間スケジュールが閲覧できないとか,To-do機能がないとか)ことや,ザウルスがマルチメディア化して大幅に変化する直前に出たためか,ザウルスとしての人気は今ひとつでしたし,PWシリーズの影に隠れているため,電子辞書としての人気もぱっとしません。

それでも,高校生用辞書とはいえ,フルコンテンツで載っているわけですし,メール送受信,ウェブブラウジングも可能ですから,出先で英語のメールを書く際の辞書がわりになりますし,コピー&ペーストすれば,辞書の記述をザウルスのメモ帳にコピーできるので,その気になれば自前の単語帳なんかも作れます。ニューアンカーの和英というのは,語数は少ないですが,例文の質(英語としての自然さ)には定評があります。また,学研の国語辞典も広辞苑のような百科語は載っていませんが,基本語の語釈は広辞苑よりもはるかに分かりやすいです。携帯電話と接続するのなら別売のアダプターがいりますが,IC公衆電話で赤外線通信をするのならそのままでOKです。PalmやCrieではフルコンテンツ辞書はほとんどないので,PDAを買おうと思っている人はぜひおすすめします。

DATE: 1月 7日(月)16時15分44秒
TITLE: 耐久性のある電子辞書をめざして

この掲示板は各電子辞書メーカーさんもよくご覧下さっているようなので,メーカーさん向けに書かせていただきます(^^)

電子辞書の耐久性に関してこの掲示板でもよく話題になりますが,もうあと数年もしたら英和,和英,国語を搭載したフルコンテンツ電子辞書が1万円を切るぐらいで買えるようになるでしょう。その暁には(電卓がそうであったように)電子辞書も英語科の学習指導要領の中に組み込まれ,学校教育現場で一括購入,なんて時代がきっときます。そこで問題になるのは耐久性です。元気盛りの中学生や高校生が毎日学校へ電子辞書を持っていく時代になったら,今の耐久性ではメーカーを問わず不安です。以下のような仕様を搭載した「学校用モデル」をご提案したいと思います。

3年間保証:破損,盗難,紛失等を含め,3年間(=中高の在籍期間)の保証をつける。保険料も筐体価格に組み込んでおくとか。大手量販店が追加料金を取って実施しているようなもの。故障や破損は原則無償。盗難,紛失は何%かを自己負担とか。もっとも,その前に,こんな太っ腹なことをやっても採算がとれる程度まで耐久性を向上する必要があることは言うまでもありません(^^)

頑強な筐体:現行のクラムシェルタイプ(折り畳み式)にしないで,SIIの海外モデルの一部にあるような,スライド式のハードカバーをつける。サイズ的に液晶解像度は犠牲になるが,最低限現行のSR-950 or IDF-2000E程度の解像度が実現できれば不自由しない。筐体寸法は多少大きく,重くなってもいいから耐久性を最優先。液晶は2層式(液晶パネルの上にもう1枚パネルをはめて割れにくくする)。上記の耐久性でかかるコストは液晶画面のスペックを落とすことで相殺させる。液晶解像度を低くすれば故障の度合いも減る。解像度を落としたためにネックとなるスクロールの煩雑さは,ジョグダイヤルのようなものをつけてカバーする必要があるかもしれない。

キーボードの耐久性向上。キートップの大きなプラスチックキー(SIIなら昔のTR-9500,TR-700ぐらいの大きさ)で打ちやすく。キートップの文字(アルファベット)も大きくし,SIIのUDシリーズのようにキーの種類別に色を変える(視力の弱い生徒,色弱の生徒への配慮)。現行のオフィス電卓程度のクリック感を実現させる。筐体の全面は,キーを含め抗菌仕様。可能であれば,SD-7200のような合成音声でかまわないので,画面上の表示情報すべて(日本語含め)を発音できるとよい。一般の生徒ならSD-7200のような英語フルボイスの発音機能として使えるし,目の不自由な生徒(盲学校など)にもハンディなく使える。

省電力設計:重さを犠牲にしても電池が長く持つように(ふつうの生徒は電池交換のような面倒なことはしたがらない)。単3を4本ぐらいでもいいから,300時間程度持つようにはできないだろうか? 単純計算で,1日3時間実使用(高校生にとってこれはかなりヘビーな使い方)しても,100日持つ計算になる。平日だけ使うと仮定すれば実質4ヶ月(≒1学期間)電池交換不要。大半の生徒(1日1時間使用と仮定)は,300日(≒1学年)電池交換不要。あわせて,電池蓋が落とした際などに外れて紛失しない配慮も必要(ネジで固定するとか)

生徒の学年,レベルに応じた表示情報コントロール機能:ジーニアス搭載なら,「簡略訳語モード」(発音記号と訳語(選択制限や訳語中のカッコ書き等一切取り払う)のみ。例文は例文アイコン選択で表示),「詳細訳語モード」(発音記号+カッコ書きや選択制限を含めたすべての訳語のみ。例文はアイコンで),「フルコンテンツモード」(現行の電子辞書と同じく,語法解説等含めた全情報を表示)の3モードを設定で切り替えられるようにする。簡略訳語モードは豆単がわりに使えるし,大学へ入ってからはフルコンテンツモードで現行の電子辞書と同等の使い方ができる。

単語帳,単語テスト機能:シャープのPW-6500のような感じ。単語テストは,ジーニアスの星印毎にランクわけし,希望するランクの単語のみを抽出する機能と,ユーザが単語帳に登録した単語だけをテストする機能(定期テスト等での勉強用に便利)の両方があるとよい。キャパシティーを増やし,500語ぐらい記憶できると便利なのでは? 登録内容は不揮発性メモリー(内蔵フラッシュメモリのような)に記憶させ,記憶内容喪失を防ぐ。

収録コンテンツ:XD-S1200+αのような感じ。英和,和英,国語(新明解ぐらいの語数でよいのでは?),漢和。英英は必須ではないが,難関高校の生徒向けにあると便利。ホームステイ等の生徒向けに,通貨や各種単位換算のできる電卓もつける。できれば世界時計もあれば便利。

その他:ネームラベルなどを同梱する。

DATE: 1月19日(土)10時00分20秒
TITLE: ACアダプター

先ほどのアプリコットさんのメッセージにもありましたが,SII製品のACアダプターは買ったほうがいいでしょうか?(役立つでしょうか?) というご質問をよくいただきますので,簡単にお話しします。※ここでは,ACアダプターをオプションで買うということを前提にしています。おまけでついてくる台数限定のモデルはアダプターのコストがかかりませんので。

(理屈で考えてみる)

SIIの製品を始め,最近の電子辞書は電池寿命が長くなっているので,アダプターが必要なのか?と思うかもしれません。たとえば,SR-9200はアルカリ単4電池2本で110時間持ちます(カタログのスペック)。コンビニなら,単4アルカリ電池は2本で300円もあれば買えるはずです。一方,ACアダプターは定価が1800円です(定価で購入すると仮定します)。

1日あたり延べ3時間電子辞書を使うユーザ(これはかなりのヘビーユーザでしょう)は,300円の電池で,110/3=約37日使えます。週5日使うとすると,約2ヶ月弱持ちます(もちろん,自然放電等があるのでこんな公式通りにはいきませんが)アダプターの定価1800円分を電池に投資すれば,6組(12本)の電池が買えますので,毎日3時間*週5日のペースで1年以上使い続けると,アダプターのほうが割安ということになります。

(実際は…)

理屈で考えると,アダプターの恩恵は普通の人にはそれほどないようにも思えますが,お金の計算以外の面でメリットも大きいです。

環境面:最近は,自治体の条例で,使用済み電池の処理が厳しくなっています。とくに,昔のように不燃物と一緒に出すと破裂等の危険があるためか,禁止されている場合が多いようで,市役所等の電池回収箱に持参するなどしないといけないところもあります。また,最近の乾電池は水銀を一切使っていないはずですが,それでも,環境に与える影響は大きいようです。このようなことを考えると,アダプターのほうが気楽です。

安心感:とくに冬場は,気温が下がるため,電池の性能も低下します。真夏なら十分使えるぐらいの電圧が残っていても,冬になると,電源を入れたとたんに電圧降下が起こって電源が落ちたりすることがあります。辞書という性質上,使いたいときに使えないというのは痛いです。アダプターがあれば,急な電池切れでも(室内で使うのなら)大丈夫です。また,コンセントが近くにある場所で使うときは常にアダプターを使えば電池の持ちがよくなります。

すぐに使える:これはSR-8100(8000)のみですが,8100は,設定画面でオートパワーオフを無効にすることができます。つまり,電源を自分で切らない限り,入ったままになる(ふつうは何分か使わないと自動的に電源が切れます)機能です。乾電池で使うときにこれを使うと大変(切り忘れたら電池がなくなってしまう)ですが,常時机上で使う人は,アダプターを差し込んで,パワーオフを無効にしておくと,常に電源が入ったままになるので,引きたいときに電源オンする手間が省けます。手間というほど大げさなことか,と言われればそれまでですが,仕事として英語に関わっている人は,とっさに手を伸ばしてぱっと引けるというのはとても便利です。もっとも,私の場合,アダプターを外したときに設定を変えるのを忘れたため,電源の切り忘れで電池がなくなったことが何回かありますが(^^;; 電池使用のときは必ずオートパワーオフが働くようになっていればいいのですが。


DATE: 1月25日(金)10時38分57秒
TITLE: 電子版の百科事典

電子辞書版の百科事典はないのか,とよくきかれますのでご紹介します。

IC辞書では,今のところソニーの機種についているマイペディアのみです。といっても,マイペディアは冊子体では1巻本の百科なので,何十巻もある百科事典にくらべると内容的にはかなり劣ります。広辞苑の百科語の定義よりは丁寧かな,という程度だと思っていいかもしれません。

CD-ROM辞書では,小学館のスーパーニッポニカ(20数巻の百科事典をフル収録)や平凡社の世界百科事典が定番です。いずれも,冊子体の大規模百科事典をフル収録しています。スーパーニッポニカは入手しやすく,大きな書店のCD-ROMコーナーに行けば簡単に手に入ります(パソコンショップにはまずおいてありません)。ライト版は10000円ぐらいなのでおすすめです。画像や音声はほとんどカットされていますが,文字情報はすべて入っています。これらは独自フォーマットなので,PDA等で使うことはできません。

電子ブック版では,マイペディアとニッポニカがあります。マイペディアはディスクのみの単体で買えますが,ニッポニカはハード(電子ブックプレーヤー)の付属品なので,単体では売っていません。現行の本体(カラー液晶付き)は60000円ちょっとするので高いですが,旧機種はYahoo Auction等で時々安く出されています。私は,旧機種を20000円ちょっとで落札しました。本体というより,付属ディスクが目当てでしたが,26巻本の百科事典にしては安い買い物でした。付属ディスクをPsionのCFにコピーし,検索ソフトを使えば世界一小さな百科事典になります。画像や音声の部分をカットし,圧縮をかければ150MBぐらいです。


グランドコンサイス 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 2月 4日(月)09時56分57秒

リーダーズとグランドコンサイスのどちらがいいのでしょうか,というお問い合わせがありますので,簡単にお話しします。
収録語数はリーダーズが公称27万でGCは36万。9万語増というときこえはいいのですが,その中身は相当数が固有名詞や専門用語,複合語です。GCにはアメリカの大学(コミュニティーカレッジも!)の多くが入っているようで,これだけでも何千(何万?)はあるはずです。かなり小さな大学まで入っていてびっくり。そのほか,Tom Hanksのような現存の人名や映画の名前,都市名などもかなり入っていますし,複合語も圧倒的にリーダーズより多いです。
一方で,各語の記述量はリーダーズが多いです。とくに,(( ))でくくられた選択制限や,共起する前置詞などはリーダーズのほうが充実しています。そのため,翻訳者などで,微妙なニュアンスの違いを訳し分けたり,文章の中で使われている単語の意味を(主語やあとに続く前置詞を頼りに)弁別したりする際にはリーダーズのほうが役に立ちます。一方,用例はGCのほうが多いようです。とくに基本語の用例が充実しています。
このようなことを考えると,リーダーズとグランドコンサイスは同じ一般英和といっても,性質はかなり違います。GCの語数は多いのですが,とにかく数を集めた,という気がしなくもありません。学生数何百人の小さなコミカレまで載せれば見出し語の数は増えるでしょうが,その情報が必要な人はどれぐらいいるのか,という問題があります。しかも,このような大学名は,カタカナ読みで訳語を載せ,「○○州の私立大学」としか書いていないので,その大学の位置づけや正確な場所などの情報はわかりません。IPAが載っているので発音がわかるというメリットはありますが。
翻訳者をはじめとしたプロの人は,やはりリーダーズが第一の拠り所になるのではないでしょうか。そして,リーダーズで立項されていない語はGCにあたる,という感じなのかもしれません。グランドコンサイスは,その名の通り「大きなコンサイス英和」であり,ある単語の訳語を知ることに(リーダーズ以上に)特化しています。

広辞苑がベストなのか!? 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 2月 4日(月)10時59分55秒

他掲示板でも話題になっていますが,電子辞書の国語系コンテンツに延々と搭載されている広辞苑ですが,私個人としては(色々なところで言っていますが)何とかならないのか,という気がします。これは,よく言われているような,単に古いとか内容が偏向しているという次元の問題だけではないのです。
意外に知られていないのですが,広辞苑には,障害者や人種への差別用語が何の注記もなく記載されています(以下,説明上の都合で差別的な語をそのまま載せますが,ご容赦ください)。「つんぼ」「めくら」「かたわ」「おし」「びっこ」「くろんぼう」のような語を広辞苑(と,もしあれば他の国語辞典)でひいてみてください。何の注意書きもなく語義が書いてあります。「めくら」などは,複合語の数が他の国語辞典の比ではありません。残念ながら,これは広辞苑だけでなく,大辞林(三省堂)も同じですが,それでも,大辞林は複合語はほとんど載っていません。日本語大辞典(講談社)はこのへんがきちんと配慮されていて,「卑語」のようなレーベルがついています。大辞泉(小学館)は手元にないのでちょっとわかりませんが…。デイリーコンサイス国語辞典のような小型辞書でも,差別語には差別語ということを明記してあります。
いずれにしても,これだけで,広辞苑は現代日本語の辞書としては失格と言っても過言ではありません。「私が21世紀の日本語です」というキャッチコピーとともに広辞苑の5版(現行)が出たわけですが,福祉の時代といわれる21世紀に,上記のような差別用語が「21世紀の日本語」に入っているのなら,冗談ではないという感じです。
ちなみに,英和辞典では,もう20年近くも前から,どの辞書の訳語からも差別用語は姿を消し,deaf, blind等は「耳が聞こえない(耳が不自由な)」「目の見えない(目の不自由な)」と定義されています。和英辞典でも,このような語は「×」をつけて(差別語という意味)いるか,全く載せていないものばかりです。英英辞典にしても,学習英英はもちろん,ネイティブ向け英英でも差別語にはoffensiveというようなラベルを付けています。
差別語を載せるなというわけではありません。国語辞典の用途は受信(日本語を読むためのもの)もあるわけですから,古い文章などで差別語が使われている文章を読むとき,その意味を知るためには必要でしょう。しかし,載せるからにはその語が差別語であり,教養ある人なら決して口にすべきではないものだということを,ラベル1つでかまわないので明記すべきだと思います。ネイティブ向け英英辞典でさえ,f--kのような語にラベルのないものはまずないのですから。
広辞苑の編集自体に私が文句を付けたところで何も変わらないでしょうが,重要なことは,こういう差別用語を平気で載せている辞書を電子辞書のコンテンツとして搭載することは,もうそろそろ考え直したほうがいいのではないか,ということです。電子辞書の裾野が広がり,機械ものが苦手なお年寄りでもたくさんの人が電子辞書を使っています。これは,50音配列のモデルがけっこう売れていたり,セイコーさんのUDシリーズがシニアユーザに人気があるのをみても明らかです。とくに身体的特徴に関する語は,我々若年層以上に年輩の方は敏感なはずです。いくら辞書の内容自体はメーカーさんがノータッチだとはいっても,差別用語を平気で載せるコンテンツを搭載しているということで,メーカーさんにもとばっちりがくる可能性はあります。
広辞苑というブランドをひっさげていればたしかに売れるのでしょうが,長い目で見ればコンテンツの内容の善し悪し(差別語を載せるということ自体は善し悪し以前の問題なのですが)が大きく影響を及ぼすと思います。とくに,セイコーさんのUDシリーズは,業界で唯一「年齢や性別,ハンディキャップの有無などを超えて『誰にでも使いやすいこと』を目的とした,世界共通のデザインコンセプト」(カタログより)であるユニバーサルデザインを採用した電子辞書です。目の不自由な人にも見やすいようにキーボードの文字を大きくしたり,機能毎にキーを色分けしたりという工夫は,ハンディキャップを持った人にも使いやすいようになっているのは事実です。しかし,いくらハードウェアがユニバーサルデザインに準拠していても,かんじんの辞書の中身が差別用語に対して無自覚であっては,ユーザの心証は悪くなります。デイリーコンサイスの国語辞典ならまだいいのですが,広辞苑を搭載したUD-600は一考の必要があると思います。
ちなみに,以上に記した差別語は,例示する必要上最小限のものをあげたわけで,これがすべてではありません。他にも,精神的な障害や性差別なども含めればかなりの数にのぼります。広辞苑と他の(大小さまざまな)国語辞典を引きくらべてみていただければ明らかだと思います。

ジーニアス3版 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 2月 6日(水)18時51分58秒

↑2版とどこが違うのか,というお問い合わせがありましたので簡単にお話しします。
収録語数は2版にくらべて3000語増だそうです。とくにコンピュータ関係の語が大幅に増えています。その他,地球温暖化をはじめ,環境問題やbarrier-freeのような福祉関係の語も。2001年11月に出た辞書なのに,World Trade Centerをひくと,「…2001年9月のテロで主要なビルは崩壊」と書いてあります。このことからも,G3は昔のような活字を使わないで,すべてDTPで編集されているような気がします。だとすれば,G3のIC辞書版があまりにも早く出たのも納得がいきます。
レキシカルフレーズ(口語的な決まり文句)が多数例文として取り入れられました。いわゆるイディオムとも違い,英語国民の日常会話でごく当たり前のように使われる表現です。これはイギリス系の学習英英の影響を受けています。
頻度表示の星印が大きく変わりました。従来の5段階から4段階になっています。また,最近の指導要領や英英辞典の定義語彙などを参考に,各語のランクがかなり書き換えられています。ただ,ジーニアス大辞典の頻度表示とは違い,実際の出現頻度に必ずしも即しているわけではない(実際には頻度が少なくても,日本での英語教育的に重要な語はランクが高くなるようです)のは注意が必要です。
一方で,ダウングレードした面もあります。たとえば,旧版では動作動詞と状態動詞が[D][S]というラベルで区別されていました。これは英和辞典の中でも珍しい試みで,とくに上級レベルの人は重宝したと思いますが,3版では一切カットされました。また,[ほめて][けなして][男性語][女性語]といったスピーチレベルを表すラベルも省かれています。これは,LDCE2版が3版に変わったときと同じような現象であり,より簡略化することで「ユーザーフレンドリー」に徹していることがうかがえます。たしかに高校生レベルでここまで細かな表記はいらないかもしれませんが,上級学習者にとっては[ほめて][けなして]の区別は重要です。また,lovelyのように女性が好んで使う語には[女性語]という指示がないと困ることも出てきます。こんな違いはノンネイティブには分からないので,日本人の男性がlovelyを多用して変な誤解を受けたとか,よくききます。
このあたりの簡略化は,ジーニアス大辞典が出たことも大きいと思います。専門的な記述は大辞典に譲り(大辞典は[S][D]もあります),G3は旧版以上に学生層をターゲットにしてきたのかもしれません。そのため,上級学習者にとってはG3では物足りなく感じるかもしれません。これはジーニアスに限ったことではなく,カレッジライトハウスが出た後は本家のライトハウスが易しくなったとか,他社にもあります。
いずれにしても,G2からG3への変化はそんなに大きなものではありません。レキシカルフレーズが増えたのは大きな変化ですが,英国系の学習英英はOALDもLDCEもすでに採用されています。
#話がそれますが,グランドコンサイスも語数が増えたぶん,1語あたりの情報量は減っています。とくに翻訳者等で,リーダーズをリプレイスするものかという期待はしないほうがいいかもしれません。
たとえば,最近アメリカで話題になったSuper Bowlも,GCでは「スーパーボウル」としか書いてありません。これだけでは,何も知らない人はボーリング場の名前かと思うかもしれません(^^)(いちおう【フットボール】という分野表記が入っているのでそれはないでしょうが)。一方,リーダーズでは6行にわたって百科的な情報が解説されています。前もお話ししたように,GCは高級なリーダーズではなく,名前の通り,高級なコンサイス英和だと思っていいと思います。

ジーニアス和英とG3 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 2月 6日(水)19時23分04秒

ふと思ったのですが,ジーニアス和英は,ジーニアス英和の2版をもとに作っています。そのため,G3搭載機種でも,ジーニアス和英の中にある英和部分はG2です。ですから,「すばらしい」をジーニアス和英で引き,その中に出てくるfabulousにはちゃんと「女性語」のレーベルがあります。同様に,「あるく」を引いてでてくるwalkにも[D](動作動詞)の表示があります。
英和の改訂にあわせ,和英もG3をベースにしたものに近々改訂されることはまず間違いないので,旧版ジーニアスのマニアックな記述に未練がある人は,この春モデルのG3搭載機を購入するといいかと思います。
あと,前お話しした記憶がありますが,PW-6800には学習英和辞典がありませんが,どうしても必要なときは,引きたい単語を日本語に直してジーニアス和英で引いてやれば,ジーニアス英和の記述が出てきます(もちろん,もとの英和より簡略化されてはいますが)。

辞書持ち込み可の入試では…? 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 2月 7日(木)16時54分59秒

別件で調べものをしていてびっくりしたのですが,某旧帝大系大学院の入試で,語学(英語)の試験では辞書が持ち込めるのに「ただし,電子辞書は認めない」という注意書きがありました。目が点というか,どういう頭の固い教員なんだ,という感じですが,こういうところは少なからずあるようです。入試に限らず,大学生の学期末試験とかでも。ですから,学生の人は気をつけたほうがいいかもしれません。当然電子辞書も持ち込めると思ったら使えず,冊子体辞書を誰かに借りようにも誰も持っていない,ということも起こり得ます。
なぜ持ち込めないのか,その根拠をきいてみたい気もしますが,カンニングの手段に使われるとでも思っているのかなぁ…。まるで,経理や簿記の検定で,そろばんは認めるが電卓は認めない,というのと同じです。ほかにも,電子辞書は目によくないとか,紙の辞書だと前後の単語も目に入るから語彙力がつくだとか,時間をかけて単語を引いたほうがよく覚えられるだとか,変な理屈をつけて電子辞書を悪者にする話はよくききます。電子辞書を電卓のように考えている英語教師が多いからかもしれません。たしかに,(「数学」はともかく)小学校の「算数」の時間に電卓に頼るのは計算技術をつける上でマイナスかもしれませんが,辞書の場合,冊子体辞書でも電子辞書でも,ページをめくるかキーを押すかという,ひく方法が違うだけであり,どちらも結果は同じなんだけど…。

英英辞典の効用(>ればさん) 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 2月16日(土)15時04分27秒

>英語の学習のためにPW-M670を購入しようと思っていますが、
>英英辞書というのはどのように役立つか今ひとつ分かりません。
>英語を学習するときの使用例を教えていただけますか?

英英辞典の使い方はいろいろあると思いますが,一番の効用は,ある物なり事なりを英語で説明する力がつく,ということです。これは,長い目で見れば英語運用力(いわゆる英語を話す力)をつけることにもつながります。英会話といっても,いわゆる挨拶や旅行会話程度のレベルを過ぎて,内容のある会話を英語でできるということは,突きつめていけば自分の言いたい内容を分かりやすく相手に「説明」する力があることに他ならないと思います。英和辞典でdogをひいても「犬」と書いてあるだけですが,英英なら4本足のほ乳類の動物で,ペットとして飼われる…のように「説明」してありますので,英英になじんでいれば知らず知らずのうちに(というのは大げさですが)英語を英語で説明する力がつきます。とくに,英語に興味がある人で,英会話学校へ行き始めたような人(英語で意思を伝えるのが大変でも,英語を話すことが楽しいと思える人)にとっては,英英辞典をうまく使えば会話学校以外でも,「なるほど,英語ではこう言うのか」というように自習することができます。

あるいは,もっと単純に,例文を見るためだけに英英を使うということもできます。英和辞典の例文は基本的に日本人が作った文なので,無味乾燥なものが多いです。一方,英英の例文は,コーパスといって,実際に英語圏で使われている文章からとったものがほとんどなので,イキイキした文章が多いです。

その他,色々な使い方がありますが,以下のページでもいくつか紹介していますのでごらんください。

http://sekky.tripod.com/jishointro.html


高校生と英英辞典(>fukuさん) 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 2月18日(月)08時16分54秒

>Cママさんとの会話の中にあるように、僕も高2なのでPW-9100のほうがいいのか
>XD-R6100とXD-R8100を比べた場合、受験対策と将来のことを総合的に考えると、英英を重視す>るべきかそれ以外の辞書を重視するべきか、どちらのほうがいいでしょうか

>ちなみに、現在の志望方向は、国公立の経済系学部です。

あくまでも私の考えですが,英語を専門にするつもりがなければ,高校生で無理に英英を使う必要はない気はします(もちろん,英語に興味があって英英辞典を使ってみたいという動機があれば別ですが)。というのは,高校生,それも大学受験をする人の場合,私大型の人でも3教科,センター型なら標準で5教科7科目の基礎学力が要求されます。国公立を受けるなら,それに加え,二次対策で2〜3科目の高度な知識が要求されるでしょう。これだけ多くの科目を学ぶのなら,英語だけに時間をかけておれない,というのも本音だと思います。英語系の大学,それも最難関校で,英語の配点が高いところを受けるなら,英英辞典に親しんでおくのも有効だと思いますが,それでも大多数の受験生は英英など使ったこともないのにそういう大学に合格できます。私は高校生の頃から英語にとても興味があったので,「英語の辞書へのアプローチ」にも書いたように学習英英を使って楽しく英語を学べましたが,そのぶん他の科目が手薄になり,大学受験では非常に苦労しました。

販売店さんは商売ですから,英英辞典を使えば英語力がつくとか,この機種はTOEICやTOEFLにぴったりだとか言ってすすめるかもしれませんが,(こういう言い方は失礼かもしれませんが)そういう店員さんのほとんどは,実際に自分が英英を学生時代に使っていたわけでもないのに,マニュアル通りにセールストークをしているだけに過ぎません。

自ら学習英英を使い,英文科の授業では学生にも使わせて辞書指導をしてきた私の経験からすると,学習英英とはいえ,やはり初めて使うときは敷居が高いです。英和のほうがはるかに気楽です。今の日本の英和辞典は,二言語辞書としては英語圏の出版社のものをはるかにしのぐ水準がありますので,大学受験なら英和だけでも十分対応できると思います。

#誤解を招かないように補足しますが,これはあくまでも大学受験で英英辞典を使って勉強する必要があるのか,という話です。受験突破という目先の目標でなく,英語そのものに興味があり,英英辞典も使ってみたいな,という人の足を引っ張っているのではありません。というより,そういう人は,ぜひちょっと背伸びをして英英の世界を体験していただきたいと思います。学校の授業で学ぶ英語とは別の世界が開けてくることは保証します(^^)

新製品ラッシュの中で… 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 2月18日(月)10時51分12秒

今年になって急に電子辞書の新製品が相次ぎ,私でも各製品のスペックがこんがらがってしまいます。電子辞書を売ることのプロである量販店の店員さんの苦労も大きいこととお察しします。
…が,商品に関する誤った説明がとても多いのがやはり気になります。以下にあげるのは,すべて私が実際に見聞きしたものです。社名,店名は伏せますが,いずれも,家電量販店としては名の知れた店です。ちなみに,一社だけでなく,複数の量販店が混ざっています。
(セイコーのSR-8000と8100の違いを質問したお客さんに)「搭載辞書はどちらも同じですが,8100は二画面表示や例文検索など,いろいろな機能がついていますので8100のほうが高いです」※8000と8100では機能的には全く同じなのですが。
(SR-9200に関して)「他の機種は10万語あるかないかですが,この機種は100万語以上の単語が入っています」 ※100万語というのがどこから出てきたのか分かりませんが,リーダーズの収録語数は公称で27万です。もしかして,セイコーさんのカタログにある,広辞苑やCOD等すべてを合計した140万語という数字を出しているのでしょうか。語数や辞書の中身に関する説明の誤りは,これに限らず,ここに書ききれないほどあります。電子辞書を担当する店員さんは,ただマニュアルを覚えるのでなく,実際に冊子体の辞書を手にとっていただきたいです。
(カシオXD-S8000の英英に関して)「他の機種の英英はイギリス英語を扱っていますが,カシオの英英は学校で勉強しているのと同じアメリカ英語ですので,TOEFLやTOEICにも役立ちます」(ちなみに,以下はカシオさんを叩いているわけではなく,販売店さんの説明自身を問題にしているので念のため(^^;;) ※何回もここで書いていますが,この説明はいい加減何とかならないものでしょうか。同じような説明を,沖縄,大阪,東京と,私が立ち寄った量販店で耳にしているので,もしかしたら販促マニュアルか何かにこう書いてあるのか,と思いたくもなります。LDCEやLAAD,OALDはイギリス英語とアメリカ英語(に加え,必要に応じてオーストラリア英語等にも)を対等に扱っています。決してイギリス英語オンリーではありません! また,アメリカ英語オンリーの辞書だからTOEFLやTOEICに役立つというのも事実無根です。たしかに,TOEFL/TOEICはアメリカのテスティング協会(ETS)が作っている標準テストであるのは事実ですが,イギリス英語を学ぼうが,アメリカ英語を学ぼうが,しかるべき英語力があればしかるべきスコアがとれます。アメリカ英語独特の表現がたくさん出るとかいうことはありません。こういう変な説明がはびこっているわりには,「(カシオ製品に搭載の)LAADは他書と違い,固有名詞もかなり入っている」という重要な(かつ正しい)事実がおざなりになってしまっています。
(インクリメントサーチについて質問したお客さんに):「この機種(カシオXDシリーズを指さして)ではこういうサーチ(インクリメントサーチ)ができないので,単語を全部タイプしないと引けません」 ※まさかと思いましたが,大手の量販店さんの大きな店舗の店員さんがこういう説明をされています。メーカーさんにとっても,インクリメントがついていないだけで,ここまで事実無根の説明をされてはたまったものではないでしょう。インクリメントがついていても,いなくても,単語を途中まで入れて検索することはできます。ただ,インクリメントなしの機種では,訳キーを押すまでは候補語画面が出ないというだけのことです。こんなことは,各機種をちょっとさわれば素人の人でも分かるのに,電子辞書を売って給料をもらっている店員さんがこれでは困ります。
(PW-M710とPW-9100の電池寿命について):「M710と9100では寿命が倍近く違います。9100のほうが新しいので電池をあまり食わないのです」 ※寿命が違うのは事実ですが,M710は単4が1本,9100は2本使用ですから,倍違うのはあたりまえです。別に9100がとびぬけて省電力というわけではありません。
★以上の例はあくまでも一部です。とはいえ,私が出張中などにたまたま立ち寄った量販店で,必ずと言っていいほどこういう変なセールストークに遭遇するのですから,実際にはかなりのケースがあると予想されます。お客さんのほとんどはウェブで下調べなんてしませんから,店員さんの言葉が唯一の情報です。カシオさんの機種を購入するつもりできた(らしい)お客さんは,インクリメントの変な説明を鵜呑みにして他機種に変えたみたいですし,こういう事例が積み重なれば,せっかく時間をかけて開発した製品の価値が実績に反映されなくなるわけですから,メーカーさんにとっても影響は大きいと思います。
僭越ですが,メーカーさんの方は,ぜひ会社の帰りにでも通勤経路にある量販店に立ち寄り,自社製品のセールストークがどうなっているかを調査されることをおすすめします。場合によっては,素人のふりをして,自社製品と他社製品を指さして,これとこれがどこが違うか,ときいてみてもいいのではないでしょうか。

IC辞書搭載の学習英英辞典 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 2月18日(月)19時40分49秒

↑よくお問い合わせがありますので,まとめてみました。
Oxford Advanced Learner's Dictionary (OALD):2000年秋改訂の第6版。IDF-2000E,PW-6800, PW-M670, DD-IC5000に搭載。学習英英辞典の老舗的存在。その歴史は戦前にまでさかのぼり,来日して英語を教えたAS Hornbyというイギリス人が作ったIdiomatic Syntactic English Dictionary (ISED)という辞書が前身。ISEDの頃は,学習英英辞典とはいえまだまだ難しかったが,改訂を重ねる都度易しくなっている。とくに5版からはLDCEのように統制語彙を導入し,6版では統制語彙を5版より減らし(3500→3000語),より分かりやすくなった。とはいえ,LDCEより統制語彙が1000語多いこともあり,難しいのは事実だが,逆にLDCEよりも深みのある定義になっている。
※ OALDは記述の仕方がLDCEやLAADとはかなり違います。たとえば,LDCEは品詞毎に別見出しになっていますが,OALDはなっていない(英和辞典と同じ形式)とか,動詞に自動詞他動詞の区別をしないでごちゃまぜにして並んでいるというのは戸惑います。特に,ある程度英語ができる人は,求める動詞の語義を絞り込むのに,自動詞か他動詞かで見ていることも多いので,そういう人には使いにくいです。もっとも,英語圏の人は自動詞他動詞の区別ができない人も多いので仕方ないのでしょうが。
※OALDの例文は,LDCEと同じコーパスに基づいているそうですが,私の印象ではLDCEより人工的なものが多いです。特に,(固有名詞が例文理解の障害にならないようにと言う教育的配慮かもしれませんが)人名や地名を代名詞に置きかえていたり,文構造を単純にしたりしているみたいなので,LDCEやLAADにくらべておもしろい例文というのは少ないです。
Longman Dictionary of Contemporary English (LDCE):SR-8100に搭載。1995年秋改訂の第3版。1978年に,OALDの独占だった学習英英市場に彗星のごとく現れた。今でこそあたりまえの統制語彙(基本的な語のみを用いて定義する)を初めて搭載し,英英辞典に対する敷居を大幅に低くした。文法情報を大幅に盛り込んでいるのが特徴。3版になってからは,記述が大幅に易しくなったが,一方で2版よりもレベルが落ちたのも事実で,専門家の間ではいまだに2版の評価も高い。OALDや日本の英和辞典と違い,品詞毎で別見出しになっている。そのため,単語を調べるとき,求める語の品詞が分かっていれば能率よく引ける。
Longman Advanced American Dictionary (LAAD):XD-R8100に搭載。2000年秋初版発行。基本的には,アメリカ英語に特化したLDCEだが,細部が以下のように異なる。LDCEよりも5年新しいのも大きなメリット。
→固有名詞の収録:数はそれほど多くないが,イギリス系の学習英英には珍しく,固有名詞も入っている。
→アメリカ英語独特の語句の増補:単にLDCEからイギリス英語の記述をカットするのではなく,アメリカ英語独特の語やイディオムを大幅に追加している。
→例文と頻度表示の刷新:例文はすべてアメリカ英語コーパスからのもとに差し替えられた。そのため,LDCEにない例文もかなりある。また,単語毎についている頻度表示もアメリカ英語コーパスをベースにしたものに変わっている。
→イキイキした例文:LDCEよりもさらに生の例文が増えた(みたい)。会社名,人名,地名等もそのままになっているものが多く,アメリカの文化を知る手段としても有益。

>dictianさん 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 2月21日(木)09時21分24秒

>770が使いにくいのはどのような点なのか教えていただきたいのですが...

こう言っては何ですが,LM-6000よりも筐体が安っぽくなった気がします。6000のように,液晶パネルの上にもう1枚プラスチックが入っていないで,パネルがむきだし(これは最近の国内の電子辞書も同じですが)なので落としたりしたときの衝撃が心配です。画面解像度は6000と同じだと思いますが,6000よりもスリムなボディーになっています。ということは,キーボード部分のサイズが6000よりも圧縮されているということです。画面部分よりもキーボードの部分のほうが小さいので(私のHPの写真をごらんいただければ分かると思います),入力するときに違和感があります。キーの大きさが小さくなり,しかもラバータイプになったというのもダウングレードした例かもしれません。しかも日本メーカーの電子辞書と違い,タッチがすごく重いです(これは6000でもそうなのですが)。

内部的には,辞書の容量が大きくなったからかもしれませんが,処理速度が遅くなりました。6000と違い,時間のかかる作業(ワイルドカード検索など)をするときに棒グラフが出ないのも難点です。あと,6000では辞書画面からthesaurusやconfusablesに移動するときにカーソルキーで簡単に移動できますが,770ではconfusablesはシフト+Cとか,面倒です。もっと言えば,外箱からマニュアルの分量に至るまで,6000にくらべればはるかに簡略化されています。6000のパッケージは飾っておきたいぐらい高級感があるのですが(^^)

6000の完成度があまりに高すぎるから余計に感じるのかもしれません(現行の日本の電子辞書の中で,あと10年たっても陳腐化していないモデルがどれぐらいあるのか,と考えれば,いかに6000のスペックが先進的だったかが分かります)。聞きかじりですが,LM-6000までのモデルは,以下のリンク先にある人が開発等にも携わっていて,その操作性や機能はいくつかの特許もとっています。とくに,百科事典やバイブルで実現されている検索機能(まず入力語が見出し語にあるかどうかを調べ,見出し語に見つからなければ本文の全文検索をし,それでも見つからなければ入力語の変化形を調べる,というように検索範囲を広げることを自動的にしてくれる)は彼の特許の中に入っていたと思いますが,日本の電子辞書にも採用してほしいものです(といっても,フランクリンの特許だから採用できないのでしょうが)。彼は,LM-6000が発売された年(1991年)にフランクリンを去ったそうですが,6000以降のフランクリンのモデルが,それまでの機種と全く毛色が違う(良きにつけ,悪しきにつけ)のも偶然ではない気がします。

とはいえ,Bookmanカードを増設することで,引用句辞典やコロンビアの百科事典も検索できるのは大きなメリットです。しかも,メリアムの辞書から百科事典へジャンプすることも簡単です。

http://www.intermemory.net/pny/index.html


>dictianさん 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 2月23日(土)09時17分56秒

>小型になった分だけ犠牲になるものは多いのですね。これらは、ある程度
>仕方がないですね。

LM6000とほぼ同価格でBookmanに対応したので,それ以外の基本仕様が犠牲になってしまったのでしょう。Franklinの製品は,同一機種を名乗っていても細かなリビジョンアップがされている場合があります。LM-4000も発売時期によって仕様がかなり違うようです(内蔵のゲームの種類や液晶画面など)。LM-6000も現行のものと,私が留学中に(10年前)購入したものとでは,液晶解像度や音声合成の質が全く違うようです。

>使い勝手とすれば、これが一番の違いのようですね。大変参考になりました。

日本製のIC辞書は,メーカーさんにもよりますが,かなりFranklinに影響を受けているものも多いです。たとえば,以下の仕様は,日本製品に先駆けて,LM-6000が10年近く前にすでに搭載していました。

・複数文字ワイルドカード:IC辞書の老舗のセイコーのモデルは,先日のフルキーボードモデルでようやく搭載しました。日本製ではシャープPW-5000(97年夏)が嚆矢だと思います。

・語頭に1文字のワイルドカードが使える:これも国内の電子辞書が対応したのはここ1,2年(SR-8000以降)です。シャープ,カシオの製品のように,まだ対応していないものも多いです(^^)

・「*」のワイルドが複数使える:せっかく語頭にワイルドが使えるようになったのに,*tial* とか,?sp*a*lyのようなパターンはいまだに日本製の機種は全く対応していません。もしかしてFranklinの特許か何かなのかな?

・発音機能:合成ですが,ほぼすべての見出し語が発音できるというのは,セイコーSD-7000(フルボイスの電子辞書,99年)になってやっと搭載されました。

・クリアキー等を押さなくても次の入力語を受け付ける:IC辞書はセイコーしかなかった頃は,ある単語を引いて,次の単語を入れるときは,一旦クリアキーを押して画面を消さないとキー入力を受け付けてくれませんでした。

・プロポーショナルフォント:今回のシャープさんの新製品で大々的に宣伝していますが,LM-6000にはすでに備わっていました。しかも,(主観ですが)6000のほうが見やすいです。

・オンラインヘルプ:これのおかげで,マニュアルレスで使えます。しかも,パソコン用語でいう,context-sensitiveな(その場その場の状態に適したヘルプ内容が出る)ものです。当時,アメリカでさえまだまだDOSが幅をきかせていた時代に,ウィンドウズライクなヘルプ機能はとても画期的でした。ちなみに,国内製品では,SR-8000で初めて搭載されました。カシオの製品にも最近はついていますが,context-sensitiveではありません。

・ジャンプ機能:最近の国内製品では当たり前ですが,セイコーさんの初期の製品にはついていませんでした。

・単語帳機能:最近やっと日本製の製品にも備わってきましたが,6000のものは,単に記憶させるだけでなく,ハングマンやアナグラムといったゲームと連動し,単語帳に記憶させた語をゲームで出題させることができます。

>し、しまった!多分、捨ててしまいました...(;_;)

最近の6000のパッケージは,プラスチックの透明なパッケージのようなので,高級でも何でもないのですが(^^;;

>まったく同感です。これに匹敵するものを国産の電子辞書に求めてしまう
>ので、国産の電子辞書がなかなか買えないので困っています^^;

最近の英英モデルはかなり良くなってきたと思います。とくに,SR-9200は,語頭にワイルドをおいても検索スピードがそれほど落ちないので,クロスワードを解くときは必需品です(これがあれば英字紙のクロスワードでも楽に解けます)。LM-6000では,語頭にワイルドをおくととんでもなく時間がかかりました(コーヒー1杯飲んでもまだ検索していたり)

電子辞書の操作系(>ysさん) 投稿者:Sekky@千葉  投稿日: 3月 1日(金)21時52分23秒

>(ちょっと飛びますが)辞書とは調べたい語句を調べるものです。この原点に立つと、
>辞書を選んでから語句を入力するという方針では電子辞書が単なる「辞書の寄せ集
>め」に終わってしまいます。電子辞書が優れた「一つの辞書」であるためには
>語句の入力->検索/辞書の選択の順であることが必要かと思います。

これは以前に私もどこかで書いたのですが,(こじつけかもしれませんが)DOSの発想とWindowsの発想にも通じると思います。Windowsソフト(例えば,ワープロソフト)はわりと人間の思考に沿った操作系になっています。そのため、「何を」「どうする」の順で指示します(範囲指定をしてから,動作を指示する)。一方,DOSの一太郎などは,Winと逆で,メニューで動作を指示してから範囲指定をします。電子辞書の操作系もDOS式(『どうする』を先に(調べる辞書を先に)選んでから「何を」を(調べる単語を)選ぶ)なのだからysさんのように違和感を感じる人が出るのでしょう。Franklinなど,アメリカ生まれの電子辞書の多くは(セイコーのような日系のメーカーさんの機種は違いますが)Windows方式で,とにかくプロンプトの画面で単語を入れれば、まず辞書画面が出ます。そして、必要に応じてthesaurusに移ったりできます。

ただ、日本の電子辞書,つまり2言語辞書が主である(=複数の辞書種を入れ替わり立ち代り使用する)場合は,Windows式が思考の流れとしては自然であっても,とくに初心者には、検索辞書を選んでから単語を入力する,というDOS式の操作系のほうがわかりやすいのは事実です。これは紙の辞書と同じ流れだからです。つまり、紙の辞書を引くときは,引きたい辞書を書棚から出して,次にページをめくるからです。もっとも、複数辞書を引き比べたりする時はWindows式のほうがやりやすいので、今後は検討の余地があるかもしれませんが...(だいぶ前に、メーカーさんにこのへんの仕様を提言したことがありましたが,今までの操作系とがらっと変わるわけなので難しいようです)

ちなみに、ソニーさんの最新DD-ICシリーズはマルチ辞書検索モードがあり,これを使うと複数辞書を一変に検索し,候補語が辞書を問わずリスト表示されます。

差別語の扱い(>河崎さん) 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 3月 7日(木)21時10分17秒

>"deaf"と「つんぼ」, "blind"と「めくら」という言葉自体にはそれほどのニュアンス
>の差があるとは思えません. "deaf"や"blind"だって, 比喩的に, 多くの場合には否定
>的な意味合いで使われるケースは多々あるはずですが, 別に差別語とはされていないは
>ずです.

(以下,前回同様,説明の都合上差別語をそのまま使っている箇所があります)
これはまさにおっしゃるとおりだと思います。残念ながら私にはネイティブの語感がありませんので何とも言えません(皆さんの中で,帰国生や現地在住の方がいらっしゃいましたらご教示下さい)が,deafやblindはかなり直接的な表現です。今のところ,New Oxford American Dictionaryのような最新のネイティブ向け英英でも用法ラベルが付いてはいませんが。むしろ,deafよりはhearing-impairedを使うほうがいいのかもしれません。話がそれますが,日本の英和辞典は,deafやblindに「つんぼ」「めくら」という訳語を避けることで,目や耳の不自由な方々の心情へ配慮しているのでしょうが,一方で,deafの「耳の不自由な」という訳語のニュアンスを鵜呑みにして,deafはpolitically correctな語だと思わせてしまう危険が出てきます。

>現に, 本来は言い換え語であったはずの「身障」ということばは, いまや差別語と化
>しつつあります.

ある語が差別語とするか否かは変化がめまぐるしいと思います。politically correctな語でも,その語が世間で使い古されてくると逆に差別的な色彩が濃くなってきたりします。Negroは直接的だから,間接的にcoloredと言えばいいだろう,と言っているうちにcoloredも差別語になり,逆に直接的なblackが好まれたりというのもその例です。余談ですが,私の地元の名古屋にある「身障スポーツセンター」という施設も,おっしゃるように「身障」という語のニュアンスの変化により「障害者スポーツセンター」と名称変更しています。

>います. ただ, 国語辞典の場合は正しい日本語を伝えることも大きな目的の一つで
>あり, 辞書の編者が差別語ではないと考えるのであれば, そのまま掲載するのも見
>識ではないでしょうか. ただし, 最低でもスピーチレベルのようなものは示すべき
>ではないかと思いますし, 「くろんぼう」なんていうのは単純な差別語ではないか
>とも思います.

そう思います。これは辞書編纂の方法論の問題なので微妙なところですが,私個人としては,小学生向けの国語辞典ならともかく,広辞苑という大規模辞典は,規範主義(差別語をはじめ,通常の文脈で教養ある人が用いるには不適切とされる語は排除する)にとらわれるの*ではなく*,たとえ差別語であっても,その語が現代日本語に存在しているのであれば辞書にも盛り込むという記述主義をとることが望ましいと言えます。ですから,私も広辞苑に差別語が記載されていること自体には異論はありません。実際,LDCEやOALDのような学習者向け英英辞典でさえ,最近はいわゆる4文字語(f--kやs--tのような)も立項していますし,それどころかコーパスからとってきた生々しい文脈の例文までご丁寧に載せてくれています(例文検索機能で4文字語を検索してみればびっくりするぐらい出てきます)。ただ,載せる以上は,河崎さんのおっしゃるようにスピーチレベルの注意書きなり,ラベルなりは必要です。広辞苑は差別語をラベルなしで載せていて,しかも語義からも差別語であることをくみ取りにくいので問題になるのだと思います。

ある語を差別語と認定するか否かは,その辞書の編者の思想にもよるでしょうから口を挟むことはできませんが,一方で,辞書は小説や芸術作品とは違い,同じ書籍でも電話帳のような公共性の高い位置づけの出版物であることは忘れてはならないと思います。「めくら」「つんぼ」etc.を差別語ではないと広辞苑の編者がとらえるのなら,それはそれで個人の自由ですが,公共性の高いメディアである以上,これらの語が一般社会で最大公約数的にはどのようなイメージを持たれているかを尊重し,その結果をラベル等で示す必要はあると考えます。

#余談ですが,英語の場合,同じ意味を表す語でも,テクニカルタームを用いるとタブー度が下がるようですね。p--sよりもurinate,s--tよりもdefecateのように。英和辞典の訳語でも,これらのペアは英語の側のタブー度やスピーチレベルの違いによってそれに相当する日本語をあてる必要があるとは思いますが,タブーな語でもニュートラルな訳語をあてている辞書がまだまだ多いのが現状です(ラベルが付いているからいいだろう,と言うことかもしれませんが)。お食事をしながらごらんになっている方もいらっしゃるでしょうから,具体的な訳語はあげませんが(^^)

冊子体辞書の良さ 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 3月 8日(金)09時23分10秒

> あと, これは以前から疑問に思っていたことなのですが, 冊子体辞書の電子
>辞書に対するアドバンテージはないのでしょうか?

これはかなり多いと思います。とあることで,冊子体辞書と電子辞書のメリット,デメリットを整理しているところですが,冊子体辞書のメリットは以下のようなことがあげられます。

・書き込みができる:引いた単語にアンダーラインを引くなり,覚えた単語にチェックするなり,辞書に載っていない単語を欄外に追加するなり,好きなようにできます。しかも色ペンを使えば何色にでも色分けできます。電子辞書にだってしおり機能や単語帳機能があるではないか,と思うかもしれませんが,これは紙の辞書への書き込みの限られた側面の代用にしかなりません。技術的には,ザウルスのようにタッチパネルとペンオペレーションを採用すれば辞書画面に手書きデータを合成表示させることができます(Wizというシャープの電子手帳で,自筆メモとして同等の機能が実現されています)し,カラー液晶にすれば色分けもできますが,コストがかかりすぎるでしょう。

・耐久性:辞書で使われている,いわゆるインディアペーパーは,もろいようで案外丈夫です。鞄の中に詰めて満員電車で押されても,転んだひょうしに地面にたたきつけられても,冊子体辞書なら使えなくなるほど損傷することはまずありません。極端な話,プールや浴槽に落としても,乾かせば(ページが波打ちますが)十分リカバリーできます。電子辞書をプールに落としたら…と思うとぞっとします。残念ながら,現段階での電子辞書の耐久性はどのメーカーのものでもまだまだ及第点にはほど遠いと思います。というより,小型軽量化や液晶の大画面化が進んでいる現行の機種は,一昔前の機種より明らかに脆くなっています。せめて今の携帯電話ぐらいの耐久性にならないと,冊子体辞書と同じ感覚で持ち歩くことはできません。

・視認性:以下で河崎さんがおっしゃっているとおりです。ただ,一覧性やコントラスト(コントラストは,CD-ROM辞書なら冊子体と大して変わりませんが)は冊子体辞書に軍配が上がりますが,文字の大きさは電子辞書が有利です。ノーマルフォントでも冊子体辞書の2倍ぐらいの大きさはありますし,ズーム表示すれば老眼の方でも快適です。年輩の方に電子辞書が売れているのもこのへんが原因だと思います。

・選択肢の多さ:冊子体辞書は様々な種類がありますので,英和1つとっても何十という種類の中から選べます。電子辞書は,学習英和は(事実上)新英和中辞典かジーニアスぐらいしかありません。

・挿し絵や表などが入っている:電子辞書では基本的に削除されています。ただ,辞書の挿し絵というのは単に埋め草や飾りで入れているのではなく,挿し絵がないと理解しにくい語に入れているわけなので,ないと不便なことも多々あります。

・拾い読みができる:(このへんから「特徴」と呼べるかどうかは怪しくなりますが)特定の単語を調べる目的でなく,暇なときにぱらぱらとめくるということができません。もっとも,技術的には「ランダムサーチ」とでもいうキーをつけて,そのキーを押せばアットランダムに見出し語を選んで表示させることぐらいは何も難しくはないでしょうけど,これが採用されないのは,拾い読み目的で電子辞書を使う人が少ないからなのでしょうか。

・「辞書」として一般に認知されている:いまだに電子辞書は豆単と同じだ,という程度の認識しか持っていない英語教員が多数います。中高の英語教師はもちろん,大学の研究者にもいます。フルコンテンツの機種が出て10年もたっているのにです。この世界ではそれなりに有名な英語教育雑誌の投書欄でも,無知としか思えない電子辞書批判の投稿が時々あります。河崎さんのおっしゃるような,解像度の問題や視認性の問題をあげて批判するならともかく,ゲーム感覚では英語力はつかないだとか,電池がなくなったら使えないだとか,目が悪くなるだとか,変な理屈をつけています(ちなみに,私は10年以上電子辞書をメインの辞書として使い,しかも最近はレビュー等で1日何時間という単位で複数機種を使うことがありますが,視力は冊子体辞書だけを使っていた頃と変わりません)。こういう状況ですので,大学の語学の試験でも,辞書を持ち込んでもいいが電子辞書はダメだとか,いろいろと制約があります。

・いつでも使える:冊子体辞書は専門的な(電子辞書のコンテンツで解決できない)調べもの以外はほとんど使わない私ですが,締切が迫っている場合など,出張中に大量の英語文献を処理する必要がある場合は冊子体辞書も持っていきます。航空機内では,巡航中しか電子機器が使えないからです。

追加 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 3月 8日(金)09時27分44秒

重要なことを忘れていました。紙辞書の最大の特徴は「安い」ということです。電子辞書1台買う値段で,紙辞書なら何冊も買えます。しかも,電子辞書は電池交換が必要ですので,パワーユーザなら新品の電池が1ヶ月ぐらいで(機種によりますが)なくなります。故障したとき(とくに液晶を割ったとき)の修理代もかかります。

電子辞書vs冊子体 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 3月 8日(金)12時07分22秒

↑の話題が出たついでなので書きますが,前も書いたように,とくに学校教育現場で電子辞書をさわってもいない教員が,無知としか言いようのないレベルで,電子辞書に関して批判することがいまだにあるのはとても残念です。

これは,数学教育の現場とは大きな違いです。多くの数学教師達は,電卓,とくに中高の現場でのグラフ関数電卓の有用性に以前から気づいています。複雑な計算式も,グラフ化すれば簡単にイメージがつかめるからです。二次方程式を解くにしても,解の公式を丸暗記するのではなく,式をグラフ化して,グラフの交点から解を求めてみればとても分かりやすいと思います。カシオさんも,学校単位で1クラス分のグラフ電卓を無償で貸し出しし,グラフ電卓を使うといかに分かりやすい授業ができ,生徒に興味を持たせられるかをPRしています。今どき,「入試では電卓が使えないから授業でも使ってはいけない」とか「電卓を使うと計算力が身につかない」などと言って数学の時間での電卓使用を頭から禁止する教師は少数派でしょう。少なくとも,教員同士の研究集会でそんなことを言ったら笑われかねません。基礎計算力を身につけるのが目的の,小学校での算数教育でさえ,新しい指導要領では電卓の指導が含まれています。言いかえれば,今の小学校中学年以上の子供は誰でも電卓の1台ぐらいは持っているということです。算数や数学教育では,暗算や筆算の技能を身につけることも重要ですから,電卓に頼りすぎるのも(とくに低学年では)弊害があるかもしれません。しかし,その弊害を考慮する必要のある算数,数学科でも,これだけ電卓指導が普及しているのです。

一方,英語教育での電子辞書の位置づけはどうでしょうか。電子辞書は翻訳機ではありませんから,算数教育における電卓(=頭を使って計算をしなくても答えを出してくれる)とは位置づけが違います。言いかえれば,フルコンテンツの機種なら(英語を学ぶ上でなくては昔からなくてはならないものである)冊子体辞書と機能的には全く同等(ジャンプ機能等を考えれば同等以上)のものです。計算力のない子供でも,電卓を使えば苦もなく答えを出せますが,文法力のない生徒が電子辞書を使ったからといって苦もなく英語を訳したりすることはできません。

それなのに,なぜ学校教育現場での電卓使用を奨励して電子辞書には否定的(な教師がまだまだ多い)なのか,不思議です。電子辞書を批判すること自体はけっこうだと思いますが,事実をきちんと把握した上で極力客観的な立場で生徒の前では言うことが望まれると思います。私が現場教師から小耳に挟んだ以下のような電子辞書否定発言は,事実誤認,もしくは勝手な思いこみで教員の価値観を生徒に押しつけていると言われても仕方ないと思います。

・「電子辞書はや豆単と同じで,単語の意味しか載っていない」:昔の電子辞書はみなそうでしたが,最近はフルコンテンツタイプ(冊子体の文字情報をまるごと収録)の電子辞書が主流になっています。念のためですが,ほとんどの電子辞書は,フルコンテンツタイプであっても,単語を検索しただけでは例文や細かな解説は出ません。例文キーなどを押して呼び出す必要があります。これを知らない教師が「電子辞書には例文が載っていない」と勝手に思いこんでいるケースもよくあるようです。

・「重い辞書を持ち運び,自分の手で苦労をして引けば単語も覚えられる」:こういう変な精神論を生徒に押しつける教員がけっこういるそうです。重い辞書を持ち運ぶことと単語の記憶の効率性には何の因果関係もないことは,心理学の素人の私でも見当はつきます。また,ページをめくって辞書を引くのと,キーを押して引くのとで効率に違いがあるかどうかなんていう調査は,私はきいたことがありません。もしかしたらそうなのかもしれませんが,それ以上に,素早く引けるという電子辞書のメリットのほうが大きいと思います。

#以下のサイトにも言及してあります。

http://sekky.tripod.com/edicfaq.html


WordNet(>dictianさん) 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 3月13日(水)08時20分24秒

>もしもパソコンでEメールを書くことが多ければ、そしてWindowsをお使いなら
>WordWebというフリーの英英で類義語が検索できるソフトがありますから、
>それを使ってみるのも良いかもしれません。

ご存じかもしれませんが,WordWebのもとになったデータベースであるWordNetがPrincetonのHPで公開されています。以下のサイトでオンライン検索ができます。たとえば,instrumentを検索して,その中のmusical instrumentを選んでhyponymを指定すると,楽器の種類が階層的に一覧できます。いわゆるthesaurusは類語の中でもsynonymのみを扱っているのに対し,WordNetはさらに広げて「上位語」(たとえば,school busの上位語はbus),「下位語」(上位語の逆),「仲間語」(taxiならbus, coupe, jeep...といったもの),「部分語」(carならairbag, doorなど)などが一覧できます。WordNetはWordWebと違い,直近の語だけでなく,ある語の類語ネットワーク全体をツリー表示で眺められるのがポイントです。

WordNetは語学学習用というより,認知心理学の研究用なので語学雑誌等でもあまりとりあげられませんが,究極のthesaurusといってもいいようなものなので,このデータベースを使って上級向け電子辞書のthesaurusができればおもしろそうです。

WordNetは以下のリンクにあるオンライン版だけでなく,スタンドアロンで使えるものもダウンロードできます。 http://www.cogsci.princeton.edu/~wn/wn1.6/ です。最新版は1.7ですが,ウィンドウズの検索エンジンができていない(Unixのみ)ので,Winやマックの人は上記のサイトで1.6をダウンロードしてください。なお,1.7ではマックは対応しないそうです。

http://www.cogsci.princeton.edu/cgi-bin/webwn1.7.1


LAAD, LDCEの問題点(>ヒロさん) 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 3月13日(水)08時53分32秒

>使い勝手の面では、語義中の太文字(例えばdogなら3番目の意味の 「dog eat dog」)
>も成句検索できて欲しかったです。英英の成句検索で検索できるイディオムは少ないです。

これは一般にはあまり知られていないようですが,ロングマン系の英英を搭載している電子辞書(カシオ,セイコー)共通の問題点だと思います。もとのデータベースのインデックスの仕様の差だと思いますが,ロングマンの英英では,いわゆるイディオムに加え,イディオムというほどのものではないが,日常会話で決まり文句のように使われる表現(G3のタームで言うならレキシカルフレーズのようなもの)が本文中に太字ででています。ただ,ヒロさんがおっしゃるように,この太字の表現はXD-S8000/R8100やSR-8100の成句検索では検索できないのです。ロングマン系英英を搭載した機種の,英英モードでの「成句検索」は,成句検索ではありません。むしろ句動詞検索(give upやset offのような語)と言ったほうがいいです。SR-8000/8100では「成句・句動詞検索」という機能名を使っているのでまだいいのですが,XDシリーズは,「成句検索」としか書いていないので,これは誤りです。ちなみに,ジーニアスの成句検索では,成句,句動詞のいずれも検索できます。OALDでは,イディオムも,レキシカルフレーズっぽいものも,すべて「IDM」というラベルの下にあるので,OALD搭載機は英英の成句検索モードでちゃんと検索できます。

>例文検索は便利ですが、ただズラ〜ッと並ぶだけでなく、
>その例文の出典の単語も表示されるといいのになぁと思ったりもします

これは元データのインデックスの問題のようです。ジーニアス英和辞典の例文検索(SR-9500, PW-M670など)なら,出典の語も表示されますがOALDやLDCE, LAADなどでは表示されません。同じジーニアスでも,ジーニアス和英はだめです(このへんの不統一は何とかしてほしいものです)。

GCとリーダーズ 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 3月13日(水)09時43分14秒

GCのほうが旗色が悪そうなので,ちょっとヨイショします(^^)

リーダーズがGCにかなわない点として,用例があります。GCは学習辞典ではないのに基本語には用例がかなり載っています。もちろん,ジーニアス等の学習英和には及ばないですが…。PW-6800は例文検索でGCの例文も検索できます。

また,GCはまだ出て1年たつかたたないかぐらいの辞書なので,評判が確立されていません。とくに,GCの場合,翻訳者等のプロの人がメインユーザでしょうし,学習辞典よりもユーザははるかに少ないですから,一定の評価を得るにはかなりの時間がかかります。リーダーズにしても,出たばかりの頃は無名同然だったと思います(当時は,ランダムと研究社の大英和が主流でしたから)。リーダーズはいかにも手作りで作られたという感じがありますが,GCはコンピュータを駆使して編集されていることがうかがえます。このことは,改訂サイクルが短くできるというメリットにもつながります。リーダーズは初版から2版までに15年かかっていますが,GCはそんなことはないと期待したいです。

OALDとLDCE/LAAD 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 3月13日(水)09時59分47秒

英英搭載機はメーカーによってOALDかLDCE/LAADかが分かれていますが,同じ学習英英と言っても,OALDとLDCE/LAADはかなり毛色が違います。以下にまとめます。

・難易度:OALDのほうがちょっと難しめです。統制語彙数が3000語(LDCEは2000語)というのも大きいです。一方で,LDCEよりも深みのある定義になっています。colour(LAADはcolor)なんかを引いてみてください。LDCE/LAADはただ色の例をあげているだけで,辞書の定義ではありません。redやblueがcolorだというぐらいは「advanced」の学習者なら百も承知なのですから,中,上級レベルの学習英和でこの定義はひどすぎます(^^;;

・イディオムの扱い:前述です。OALDはかなり多くの定型表現をIDMというラベルの下に入れている(のでOALDの成句検索機能で検索できる)のですが,LDCE/LAADは本文の中に太字で書いてあるだけです。

・例文:例文の数自体はOALDもLDCE/LAADもそれほど変わらないはずですが,例文検索機能を使ってみると,同じ単語でも,LAADやLDCEの(XD-S8000, SR-8100など)ほうが,OALD(PW-6800など)よりもヒットする例文数が多いような気がします(気のせいでしょうか?)。おそらく,OALDよりもLDCE/LAADの例文のほうが,1文あたりの長さが長い例文が多いからなのでしょう。トータルの例文数は変わらなくても,1文あたりが長い例文が多ければ,単語の数も多いわけですから,例文検索でヒットする数も多くなります。もし例文検索を重視するのなら,ロングマン系の英英を搭載した機種のほうがいいかもしれません。ついでに言うと,OALDもLDCEもBritish National Corpus (BNC)というイギリス英語のコーパスをもとに例文を載せていますが,同じコーパスを使っているのに,例文はかなり違います。OALDの例文は,コーパスデータそのものというよりは,固有名詞を代名詞に置きかえたり,長いぶんを短くしたりといった修正がかなりされているようです。学習者への配慮(いくら生の例とはいえ,固有名詞が難しかったり,文構造が複雑な例文は,理解しにくいですから)なのでしょう。いっぽう,LDCEやLAAD(とくにLAAD)の用例は,多少の修正はあるのでしょうが,コーパスの生データにかなり近くなっています。社名や人名の固有名詞もそのままのものが多いです。また,挿入句が入っていたりする例も多いので,文も長めです。個人的には,LDCEやLAADの用例のほうが読んでいてもおもしろいものが多いと思います。

試験等での電子辞書使用 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 3月16日(土)10時44分55秒

以前に書いた上記の件に関して,掲示板ユーザの方からとても興味深いご指摘を個人メールでいただきました。この件は一般性もあるでしょうから,この場で考えてみたいと思います。個人メールをそのまま転載できないので以下に要点をまとめますと,

・電子辞書や電卓等が試験に持ち込み不可であるのは,不正行為(電卓で計算機能以外の(ソルバーなど,方程式等の数式を解く機能など)機能を使ったり)の可能性があり,多数の受験生がいる場では1人1人の機種を確認するのは不可能であるという事情なのではないか。

・電子辞書の複合検索(例文検索のことでしょうか?)などで出てきた例文を英作文の問題の解答に丸写しした場合,英語力を測定するのではなく,電子辞書の使い方の優劣(私の注・それに加え,受験生の持っている電子辞書の機能の優劣もですね)で判定されてしまうのではないか。ポケコンなどに翻訳機能のついたものを使われたらまずいのではないか。

ということです。これはおっしゃるとおりだと思います。考えてみれば,以前の私の発言は,英語の試験における電子辞書の使用を,数学の試験における電卓の使用と同列に考えていたようにも読みとれるので,これは区別したほうがいいと自分で感じました。たしかに,(たとえ「算数」でなく「数学」の試験であっても)ソルバー機能を試験で使われれば公平に評価することはできないと思います。同じことは,ポケコンや一部の関数電卓についているプログラム機能にも言えます。公式がプログラムされていて,変数を入れるだけで解を出してくれるのであれば,数学の試験としてはマイナスになるでしょう。もちろん,ソルバーを搭載していない関数電卓では,自分で計算式をタイプしないといけないわけですから,不正行為にはならないでしょうが,何百人といる試験会場で1人ずつ電卓の機能をチェックすることは不可能なので,関数電卓であろうが,普通の電卓であろうが一切不可にするのが公平であると言えます。#情報処理検定では,たしか一定の基準を満たした関数電卓は持ち込み可能なはずですが,どうやってそれを試験官がチェックしているのだろうと思います。ご存じの方は教えてください。

一方,英語の試験の場合,辞書(電子辞書であれ,冊子体辞書であれ)が使えるか,使えないかでは有利,不利の違いがありますが,もし辞書が使える試験であるならば,電子辞書を使うか,冊子体辞書を使うかでは大きな違いはないようにも思えます。

言いかえれば,電子辞書と冊子体辞書の違いは,ソルバーやプログラム機能のついた関数電卓と普通の関数電卓の違いではなく,普通の関数電卓と計算尺の違いというような感じでしょうか(少なくとも現時点でのIC電子辞書の機能からすれば)。

たしかに,例文検索機能を使えば,冊子体辞書以上に効率よく例文を探すことができます。英作文をするときに強力なヘルパーになるのも事実でしょう。しかし,それでも,例文検索をするには,検索すべき英語のキーワードを入力する必要があります。言いかえれば,ある日本文を英作文する際,どういう英単語を使えばいいかを最低限知らないと例文検索は使えません。また,どういう英単語を使えばいいかを知っていれば,冊子体辞書でも(労力はかかりますが)「例文検索」はできます。もし,学習辞書は例文が多いから英作文の際のアンチョコになるというのであれば,電子辞書だけでなく冊子体辞書の持ち込みも禁止する必要があります。
入試はもちろん,大学の学期末試験などでも,英語の試験のほとんどは辞書持ち込み不可です。これは,個人メールを下さった方がご指摘のように,学習辞典の例文などが英作文の際に真似されたり,和訳問題などは辞書持ち込み可では作りにくいからなのでしょう。言いかえれば,日本での英語の試験(入試であれ,学年末試験であれ,もっと言えば,英検のような資格試験であれ)は辞書さえ使えれば,本人の英語力にあまり関係なくかなりの点数がとれるような問題なのでしょう。

試験で辞書(電子辞書,冊子体辞書問わず)持ち込みを認めるか,認めないかは上記のような現状があるので難しい問題だと思います。辞書の種類(一般辞書か,学習辞書か)によって不公平が生じるのも事実でしょうから,一律「辞書持ち込み不可」とするのが公平なのかもしれません。しかし,「辞書持ち込み可」という試験であれば(今のところは)電子辞書でも冊子体辞書でも機能的な面での有利不利はあまりないような気がします。もちろん,紙をめくるよりキーを押した方が基本的には速く引けるので,電子辞書のほうが有利でしょうが,そうなれば結果として学生も電子辞書を購入する(せざるを得ない)でしょうから,差はつかないのかも。もっとも,翻訳ソフトは関数電卓でいうソルバーのようなものなので,翻訳ソフトとCD-ROM辞書ソフトをインストールしたノートパソコンを持ち込み「CD-ROM辞書がインストールされているので,これも電子辞書です」と言って翻訳ソフトでカンニングされては困るでしょうが…。

ちなみに,私の英語のクラスでは(クラスにもよりますが)辞書持ち込み可の試験をしています。というより,不公平が生じないように,すべて持ち込み可にしています。その気になれば,ノートパソコンに翻訳ソフトをインストールして持ち込むことも可能です(ただし人数分のコンセントがないので,AC電源は一切使えない旨言ってありますし,使えるスペースは自分の机上のみ(隣の空席の机に置いてはいけない)に限定していますが)。もちろん,辞書が持ち込める以上,いわゆる受験英語のような穴埋め問題は出題できません。多量の英文を速読させたり,多量の日本文を英訳させたり,要約,自分の主張を英語で書くなど,丸暗記では対処できない問題にする必要はあります。当然ですが,翻訳ソフトに問題文をタイプしている暇はありません。

さすがに,入試で辞書持ち込み可にするのはどこの大学も難しいようですが,インターネットが普及し,多量の情報が簡単に引き出せる今の世の中では,「いかに多くの情報を頭に入れているか」を測定する試験ではなく,「いかに多くの情報をとりだせる手段を体得しているか」を測定するのも意義があると思います。言いかえれば「たくさんの情報を知っている」ことよりも「たくさんの情報がどこにあって,どうやったら手に入れられるかを知っている」ことのほうが望まれるのではないでしょうか。

SR-8000とSR-8100の相違点(>smileさん) 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 3月21日(木)08時41分18秒

>早速ですが今、SR−8000を買おうと思っているのですが、SR−8100との違いを
>知りたいのです。機能的には同じと聞いたのですが、あとはキータッチと見た目の
>違い位でしょうか?それからSR−8000のキーボードの反応が遅いとも聞いたことがありま>す。それは気になりますか?やっぱり新しい方にしたほうが良いでしょうか?

SR-8000と8100は,内部的には全く同じと言ってもいいと思います。コンテンツの中身はもちろん,機能面でもです。少なくとも,目に見える面では同じです。いくつか私の気づいた変更点をあげます。

・筐体が変わった:これはsmileさんもご存じだと思いますが,キーボードやボディーがSR-9500, 9200と同一のものになりました。また,タッチタイピングの際に複数のキーを押しても取りこぼしがないようになっています(これも9500や9200と同じです)

・電源を入れたときのスプラッシュ画面(オープニングの画像)がなくなった:そのため,電源オンですぐ使えます(8000では1秒ちょっと待たされます)。

・液晶の物理的なサイズが若干大きくなった:横方向に数ミリ大きくなりました。解像度は同一です。

・モードキーですぐに電源が入る:電源キーはもちろん,英和,英英等のモードキーでも電源が入り,そのモードに切り替わります。

・スクロールスピードが多少速くなった:下矢印キーを押し続けて連続して行スクロールをすると明らかに8100のほうがスピードアップしていることが分かります。8000でも遅いと言うほどではありませんが。

・電池寿命が多少延びた

これぐらいでしょうか。目に見えない内部的な面ではほかにも改良されている点があるかもしれませんが,そこまでは分かりません。

8000と8100の価格差にもよりますが,かなり差があれば,8000がおすすめだと思います。筐体まわり,とくにキーボードがフルキーボードになったというのは大きなメリットですが,コンテンツや機能は全く同じですから,安い方を買ってもいいのでは? デザイン的には8100のほうが洗練されているようですが…。

キーボードの反応が遅いというのは,おそらくタッチタイピングをしたときに取りこぼしがあるということだと思います。2年前はSR-8000に限らず,これは当たり前でしたが,最近のフルキーボードモデルではパソコン並の快適さを実現していますので,キーボードにこだわるのなら8100のほうがいいと思います。このへんは個人の好みもありますので,店頭でキーをさわってみてください。

SR-8000は99年12月に発売以来,丸2年の間,セイコーの電子辞書のフラッグシップモデルとしてロングセラーを続けてきました。半年単位で新製品を出してくるメーカーさんが多い中で,2年もの間同一機種が,それもトップスペックのモデルとして売れ続け,しかも昨年冬のモデルチェンジでも,全く同一仕様で筐体をリファインして(SR-8100として)延命しているということからしても,SR-8000が,先進的機能と基本的な操作性を両立させた,トータルバランスのとれたマシンであることが分かると思います。相撲力士で言うなら,千代の富士や北の湖のような感じでしょうか。横綱はたくさんいても,名横綱と呼べる人は少ないのです。例文検索や2画面表示,オンラインヘルプ,英英辞典の搭載,プレビューなど,以降の他社製品で採用された新機能の多くはSR-8000の影響を受けています。

逆引き広辞苑の効用(>こまさん) 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 4月 1日(月)10時07分42秒

>質問したいのは、逆引き広辞苑のことです。普段どのように使っているのか、
>何かに使えるのか、入っている方がいいのか教えてください。広辞苑と両方
>入っているものが多いような気がします

冊子体の逆引き広辞苑は10年近く前から出ていますが,電子辞書になってから一般に知られるようになったと思います。ただ,これの活用法は意外と知られていないようです。この掲示板開設以来,1500件近い書き込みがありましたが,逆引き広辞苑に関するご質問はおそらく初めてであることからしても,あまり注目されていないことがうかがえます。

簡単に言うと,逆引き広辞苑の使い方は

・類語辞典(thesaurus)として使う:とくに,「ある単語と同じ種類のものを表す単語を知りたいとき」に使うと便利です。たとえば,「うなぎ」で逆引きすると,「うみうなぎ」「えらぶうなぎ」「おおうなぎ」「しびれうなぎ」…のように,ウナギの種類が一覧されます。専門的な話になりますが,日本語の単語は,語末が意味的に重要な要素になることが多いのです。言いかえれば,複合語などは,語末に上位語(意味の根幹となる語。上の例では「ウナギ」)がきて,語頭には上位語の概念をより特定する下位語(上の例ではうみ,えらぶ,やつめ,など)がきます。こういう日本語の語形成上の特徴により,語末から引ける逆引き広辞苑では,意味上の根幹になる語をキーにして入れれば,その後の下位語が一覧できるわけですから,表現をする際に似たような語を探すことが簡単にできます。

・語呂合わせやしゃれ,川柳などを作る際:上の「うなぎ」を逆引きすると,ウナギの種類だけでなく,「ゆうなぎ(夕凪)」のような,全くウナギとは関係ないが,偶然「…うなぎ」で終わる語も出てきます。そのため,夕凪とウナギをかけて何かしゃれなどを作ることができます。

・日本語の語彙を増やすために:逆引き検索では,ある単語に近縁の語が一覧されるので,語彙力をつけるときにも役立ちます。外国語として日本語を学んでいる人はもちろん,日本人にとっても有用です。

・クロスワードパズルやなぞなぞを解く際に:日本語のクロスワードは,上位語がカギに出ていて,それをヒントに下位語を升目に書かせるものが多いのです。たとえば「福井にある○○温泉」のようにカギがあって「あわら(芦原)」を入れさせるようなのです。逆引き広辞苑がなければ,日本地図なり旅行案内書なりをみないといけません。

…今思いつくのはこれぐらいでしょうか。上にあげたのは一般向けの例ですが,日本語の研究用としてはほかにもいろいろな使い道があります。

たとえば,日本語には連濁という現象があります。簡単に言うと,「あお」+「そら」が「あおそら」ではなく「あおぞら」のように(後部要素が有声音で)読まれることです。ただ,どんな場合にも連濁するわけではなく,漢語(=音読み)の場合には連濁しない(「低空」は「ていぐう」にはならない)という制約があります。しかし,これには例外があり,漢語でも連濁する場合があります。「あお」+「しゃしん」が「あおじゃしん」になる(「しゃしん」は漢語なのに連濁する)ようなものです。こういう例外の語を知りたいとき,ふつうの国語辞典ではお手上げですが,逆引き検索で「*じゃしん」と入れてやるだけで「いろじゃしん」「かおじゃしん」「ぬのじゃしん」…と出てきます。もちろん,「*しゃしん」で検索すれば規則通り連濁しない語がリストされます。

現行機種のお買い得度? 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 4月 2日(火)11時53分09秒

おもしろいデータを出してみました。現行機種の収録コンテンツ(冊子体)の合計価格とその電子辞書の定価との差です。たとえば,収録コンテンツの合計価格が10000円でそのコンテンツが入った電子辞書の定価が20000円だとすると,数値は2.00になります。つまり,この数値が小さいほど冊子体辞書に近い(ぐらい安い)ことになります。辞書別の価格データをこういう場所に載せるとまずいかもしれないので,計算結果のみを出しました。定価の高い安いに左右されない機種選択のためにも,お役立てください。

※冊子体辞書の価格は,Amazonに記載の価格データ(値引き前)に基づいています。洋書タイトルの場合も,Amazonに記載の日本円で算出しています。
※冊子体辞書が存在しない場合(大修館監修のthesaurusなど)は計算に入っていません。逆引き広辞苑は,冊子体広辞苑をワイルドカード検索で検索したものと考え,計算に入っていません。
※電子辞書の価格はカタログ記載の標準価格に基づいています。定価が高くても値引率の大きい機種があるので注意してください。オープン価格の機種は大手量販店での実売価格に基づいています。

★注:この数値は,あくまでも冊子体コンテンツと電子辞書の定価のバランスをみるものであり,各機種の機能面は全く反映されていません。そのため,この数値が大きい(割高感がある)機種でも,電子辞書独自の付加機能が充実していれば,実質的な買い得感は高くなります。

DD-IC70000.84
SR-850 1.45
IDF-4500 1.50
DD-IC5000 1.53
SR-9200 1.57
XD-S950 1.79
XD-R6100 1.80
SR-950 1.81
PW-9100 1.84
SR-9600 2.02
XD-R8100 2.04
PW-M670 2.11
PW-6800 2.15
PW-8100 2.17
XD-R5100 2.23
SR-900 2.25
IDF-2000E 2.29
IDF-4000 2.33
XD-R1300 2.87
SR-8100 2.97
IDF-3000 2.97

★ここからも分かるように,汎用機(英英なしモデル)のほうが割安感があります。一方,英語専用機は同じメーカーのものでもかなり高めです。需要の関係でしょうか。IDF-4500は値段だけみると高い印象がありますが,この数値からも明らかなように,コンテンツ内容を考えるとかなり割安であることが分かります。SR-9200も同じことが言えます。IDF-3000/4000やPW-8100, SR-900/8100などの数値が高いのは,発売時期が古い(SR-8100は事実上2年前のSR-8000と同じですから)こともあるでしょう。冊子体辞書はいくら古くなっても値下がりしませんが,電子辞書の価格は年々下がっていますからね。

カシオさんの機種は,ハイエンドのものほど買い得感が高くなっています。XD-R1300やR5100の価格は,コンテンツの内容を考えるとちょっと高いですね。

ソニーさんの機種は定価がオープン価格なので,他社と同列には比較できませんが,それでも割安であることにはかわりありません(IC7000が激安なのは,冊子体のマイペディアがかなり高いことが大きいです)。この数値を考えれば,液晶解像度が低いのも文句は言えないのかも(^^)

電子辞書のマニュアル 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 4月 3日(水)10時45分49秒

margoさんもおっしゃっていましたが,電子辞書のマニュアル(とくに,収録辞書の記号の説明など)はメーカーさんによってその詳しさは千差万別です。電子辞書本体は購入前に店頭で試すことができますが,マニュアルは買ってみないことには分かりません。機械ものに強いユーザでも,操作はともかく,辞書の記述に関するものは詳しく説明されていないと使いこなせません。

margoさんもご指摘のように,シャープさんのマニュアルはとても丁寧です。とくにPW-6800/M670のOALDは,17ページ半も使って記号の意味はもちろん,簡単な文法書に匹敵するような内容まですべて日本語で説明されています。たとえば,[C]という記号は「可算名詞」と書くだけでなく,可算名詞には複数形があるだとか,単数形では必ず限定詞をとるだとかということまで例文付きで書いてあります。はじめての人には敷居が高い文型表記にしても,かなり詳しく書いてあり,これだけの説明があれば,英英がはじめての人でもフルに使いこなせるでしょう(英英が使いこなせない,という人の中には,英語力自体はあるのに英英の表記や記号が分からないから使えない(英英の定義自体は理解できるのに)という人も結構います)。これを通読するだけで,簡単な英文法の復習にもなります。

冊子体のOALDでさえ,こんなに丁寧な日本語の説明はありません(内容からすると,冊子体OALDのStudy Pageの記述をシャープさんが日本語に直し,マニュアルにつけているような気がします。こういう(通読する人はそんなにいない内容に)地味な作業に時間と人手を使うというシャープさんの姿勢からは,電子辞書を単なる電化製品ではなく,冊子体辞書という「書籍」の延長線上にとらえていることがわかります。ジーニアスもOALDほどではないにせよ,冊子体ジーニアスの使い方説明に準じた内容になっていますので,十分だと思います。できれば,この内容をすべて本体に盛り込み,オンラインヘルプのような形で参照できるといいと思いますが(^^)

カシオさんのマニュアルも同様に丁寧です。ただ,最新機種(XD-Rシリーズ)からは辞書の使い方や記号の説明は,紙のマニュアルには記載されず,本体のガイド機能のみになりました(従来の機種は紙のマニュアルとオンラインのガイド機能で同じ使い方説明がみられました)。これはこれでいいと思います(個人的には,紙のマニュアルでも説明が参照できるとありがたいのですが,メーカーさんにとっては同じ情報を2つの場所に載せるのは不経済でしょうから)。

セイコーさんの機種は,冊子体辞書の使い方説明をそのまま縮小コピーして載せてあります。そのため,他社のものと違い字が小さいのですが,内容的には(冊子体と同じものなのですから)十分です。

問題はキヤノンさんの機種です。IDF-2000E以降,明らかにマニュアルの質が落ちました。とくに2000Eのマニュアルは辞書の内容に関する(記号説明など)ものが一切なく,本体の使い方にしても簡潔すぎて,とてもメインターゲットである高校生には使いこなせないでしょう。辞書の記号説明に関しては,後日「凡例集」という別冊が出て,購入した人は販売店で頼めば無料でもらえるようになりました(…ということを知らない人も多いですが)が,それでも,記号の意味がただ説明してあるだけであり,他社の製品にはとても及びません。

同じことは,最新のIDF-4500にも言えます。4500のマニュアルは,本体の使い方説明は旧機種(IDF-3000/4000)なみに丁寧になりましたが,辞書自体の説明は簡潔すぎます。コンテンツが多い機種なのに,辞書の説明はすべてのコンテンツをあわせてわずか24ページ半です。PW-6800が,コンテンツ数は4500よりも少ないのに,使い方説明に30ページ近く使っていることをみてもわかります。

しかも,IDF-4500の記号説明にない記号が実際にはあります。漢字源でとくに顕著ですが,漢字を引くとでてくる「区」(区点コード)「S」(SJISコード)「J」(JISコード)「名付け」(人名での読み方)「漢」(漢語読み)「呉」(呉音)「常」(常用漢字)…のような記号はマニュアルには書いてありません。これはちょっと問題です。
メーカーさんにぜひお願いしたいのですが,電子辞書は単なるハイテク情報機器ではありません。何百年という歴史のある紙の辞書が進化した21世紀バージョンの「辞書」です。「辞書」である以上,「電子」の部分の説明(機器の使い方の説明)だけでなく,コンテンツの使い方や記号,約束事の「辞書」としての説明もきちんとされる必要があります。それが,データを提供している辞書出版社さんや冊子体辞書の執筆者への礼儀でもあるでしょう。辞書の執筆者は,自分が書いた辞書の内容をフルに活用してもらうことを願い,使い方の説明にはかなり丁寧に時間をかけています。その大部分が,電子辞書ではカットされてしまったとしたら,メーカーさんが電子辞書を単なる字引程度にしかとらえていないとも思われかねません。本気でコンテンツ内容の説明を充実させれば,電子辞書自体の説明よりもボリュームが多くなるはずです。最低でも,冊子体辞書の冒頭に載っている説明と同等の内容は電子辞書にも(紙のマニュアルでもオンラインでもかまいませんが)盛り込む必要があります。

コンテンツを増やしたり,機能を競ってつけたりと,最近は競合対策として目に見える部分はどこのメーカーさんの製品もどんどん良くなっていますが,一方で,マニュアルの出来や細かな操作性など,購入しないと分からないような点の出来が悪くなっています。電化製品に限りませんが,新機種が旧機種よりも性能(マニュアルの内容も「性能」の一部です)が悪くなることは,ふつうはないでしょう。しかし,最近の電子辞書では,目に見えないところで旧機種よりもスペックダウンしている場合がかなりあります。マニュアルの出来もそうですし,前もふれたIDF-4500でショートカットキーが中途半端にカットされたとか,XDシリーズで一覧画面の見通しが悪くなったというようなこともそうでしょう。これは早急な改善が望まれます。

#このHPでもマニュアルの中身をを各社並べて比較すれば優劣が明らかに出て興味深いのですが,著作権の問題もあるでしょうからできないのが残念です(^^)

British National Corpus 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 4月13日(土)09時34分37秒

電子辞書の例文検索を活用している人は多いと思いますが,それよりもはるかに大容量の例文がPC上で検索できます。いわゆるコーパスと呼ばれるものですが,最近はパソコンの性能が向上し,大容量ハードディスクが普及したため,研究者はもちろん,一般の人でも使いやすくなりました。

たとえば,British National Corpus (BNC)というコーパスがあります。これは,LDCEやOALDの例文のもとになったコーパスで,総語数が約1億語という巨大なコーパスです。1億語といってもピンとこないかもしれませんが,1日8時間早口で,盆も正月も関係なく毎日読んだとして,すべてを読むのに約4年(!)かかるという量です。BNCは,つい最近まではEU諸国でしか使えませんでしたが,今はCD-ROMで提供されているため,誰でも気軽に入手できるようになりました。値段も送料別で50ポンド(!)と格安です(日本円にして,送料含めて20000円ぐらい?)。もちろん,一般の人が入手できるコーパスとしては最大のものです。大規模コーパスは,ほかにもBank of English(COBUILDのデータ元になっている)があり,これは4億語近いものですが,一般の人が入手することはできません(契約してオンラインで検索することはできますが,半年契約で数万円かかります)。

BNCは,もともと大型コンピュータで検索するもので,入手できるCD-ROM版では従来のSARAという検索エンジンをWindows環境で使えるように移植したものがついてきます。ですから,一般の人が使うにはちょっと敷居の高い面があります。電子辞書の例文検索のように,例文検索モードにしてキーワードを入れれば例文がずらっと出てくるというわけにはいきません(そのかわり,かなり複雑な検索もできるのですが)。付属のオンラインマニュアルもそれほど丁寧には書かれていないので,BNC Handbookという別売のガイドブックを読み,多少トレーニングをする必要があります。もっとも,BNCはSGML規約に基づいたフォーマットなので,SGMLの知識がある人は簡単です。

例文検索を多用している人で,ある程度のPCの知識のある人にはぜひおすすめします。以下のサイトにあるOrder formをプリントアウトし,サインして送ると折り返しCD-ROMが送られてきます。

※重要なことを忘れていました。1億語のコーパスだけあって,BNCの容量は巨大です。CD-ROM2枚とはいえ,圧縮されていますので,インストール時には約10GB弱の空き容量が必要です。使用時には作業領域が必要なので,この倍ぐらいのスペースは確保しておいたほうがいいと思います。BNC自体は安いのですが,ハードディスクを増設しないといけない人も多いでしょうから,コストはかかりますね。BNC本体よりも増設HDのほうが高いでしょうから(^^)
 コーパスに関しては以下のリンクもごらんください。学会でのコーパス関連の講義ハンドアウトをJPEGにしてあります(画像ファイルなので重いです)。

http://sekky.tripod.com/sssekky.html
http://sekky.tripod.com/0111sekky.html

http://www.hcu.ox.ac.uk/BNC/


GC和英! 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 4月15日(月)14時11分21秒

↑6月に出ますね。和英で見出し語25万というのは史上初です。EPWINGリーダーズでできる和英引き機能のような感じでしょう。おそらく,GC英和と同じで,学習辞書的要素は一切カットして,とにかくある日本語に対する英語訳語を羅列することに徹しているのかな?

考えてみれば,最近の和英は発音記号が載っていたり,語義の使い分けが詳しくなったりと学習辞書としての機能が進化していますが,一方で和英は悪者にされがちで,ある程度英語のできる人は和英を使わないで英和と英英で英語を書いていますから,GCのような語数本位の和英でも問題ないのだと思います。GCを買う人は専門家でしょうから,ある日本語を英語で何というかさえ分かれば,細かな学習情報なしでも英語を書くことは問題なくできるはずですから。

リーダーズ英和を,訳語部分から和英のように引く(EPWINGリーダーズのような)機能はぜひIC辞書にも搭載してほしいと,メーカーさんはじめ,いろいろなところで言っているのですが,なかなか実現されません。そんな中でGC和英が出てくるのですから,楽しみです。シャープさんがPW-6800の後継で出してくると,SR-9200と対抗できるおもしろいモデルになると思います(^^) 時期的に言って,電子化(されるのなら)は2003年の春商戦向けでしょうか…と言っていると,G3搭載の機種のように,予想よりはるかに早く出してきたりするのかもしれませんが(^^;;

http://www.sanseido-publ.co.jp/publ/grand_con_waei.html


60000アクセス御礼m(..)m 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 4月20日(土)11時25分05秒

今気づいたのですが,いつの間にか掲示板のアクセスが60000ヒットになっていました。このカウンターは掲示板を有料サービスに切り替えた時(昨年末)からカウントしていますので,実際には(無料掲示板で2ヶ月ほどやっていましたので)もう少し多いかもしれません。

ともあれ,電子辞書という地味な,しかも特定分野の掲示板でここまでアクセスしていただけるとは私も予想外で,感謝しております。今後ともよろしくお願いいたしますm(..)m ついでといっては何ですが,アクセスログをもとにした,本掲示板に関する興味深いデータをいくつかお知らせします。

・この掲示板は,1日のアクセスの3割弱が12時から13時までと17時から18時までの約2時間に集中しています(平日は)。電子辞書というと,一見学生向け商品のように思われますが,アクセス状況から見ると,一般社会人の皆さんもかなりの人数が(学生以上かも?)電子辞書に関心をもっていらっしゃることがうかがえます(おそらく,昼休みや勤務終了後に機種選択などのご参考にアクセスしてくださっているのでしょう)。

・多少の上下はありますが,通常は総アクセスの半数以上は2回以上アクセスしてくださっているリピーターさんです(もっとも,リモートホストをもとにしていますので,同じ企業内で別の人がアクセスされている場合も常連さんになってしまいますが(^^;;)。そのうち,2割ぐらいは5回以上おこしいただいている常連さんです。いつもありがとうございます(^^) 本掲示板で購入前にご質問をくださった方で,購入後も電子辞書そのものに興味を持ち,定期的にアクセスしてくださっている,というメールをよくいただきます。1台買うつもりが,購入後,掲示板で他機種をお使いのユーザさんのコメントに刺激され,買い増しでもう1,2台追加購入された,という方もいらっしゃいます。電子辞書は,道具としてだけでなく,その日進月歩での進化の過程にも興味深いものがあるようです。

・大ざっぱなアクセス元情報(プロバイダ名や企業,学校名程度)とアクセス数はログに残るのですが,(これは電子辞書には関係ありませんが)ここ数ヶ月になって急にブロードバンドが普及していることがうかがえます。ほんの数ヶ月前までは,アクセス数上位は大手プロバイダ(Nifty, ODN等)が占めていたのですが,最近はYahoo BBが猛烈な勢いで普及しているようです。

・各電子辞書メーカーさんも,掲示板や各種コンテンツは定期的にアクセスしてくださっているようです。メーカーさんからたまに個人メールをいただくのですが,この掲示板でユーザの皆さんからいただくレビューやご要望,不具合の指摘等は,メーカーさんにとっては大変貴重なものだとうかがっています。立場上,メーカーさんがじかにこの掲示板上でお答えすることはできないようですが,次期機種の開発の際などは皆さんからの素朴なコメントが参考になっているかもしれません。

ネット掲示板にはダークサイドも少なからずあるようですが,電子辞書やその関連分野の話題のディスカッションに専念できる本掲示板の健全な環境は,いつも貴重なお時間と課金を費やしてアクセスしてくださっている皆さん1人1人の良識のおかげであると確信しております。今後とも,よろしくお願い申し上げますm(..)m
電子辞書と関係ない話題で恐縮ですが,アクセスログにはブラウザの種類やOSも集計されるので,パソコン業界のトレンドも少なからず反映されます。驚いたのは,OSも,ブラウザもMSのほぼ独占状態になってきているということです。総アクセスの8割以上(9割と言ってもいいぐらいです)がIEです。私が初めてインターネットを使った頃は,Mozaicの全盛時代で,しばらくたってNetscapeが幅をきかせてきたのですが,今ではネスケも全体の1割あるかないかです。最近猛威を振るうウィルスがIEやOutlook Expressのセキュリティーホールに突っ込んできているのも,このシェアを見れば分かります。

OSは,WinXPがどんどん増えてきていて,すでにWinMEを抜いてはいますが,それでもトップのWin98にははるかに及びません。全体の3割強はWin98です。ちょうどインターネット普及期とWin98の時期がかぶっているので,その影響が大きいのかもしれません。OSをアップグレードするのは敷居が高い面もありますので,今後Win98モデルの買い換え時期になってくるとこの勢力図も変わってくるでしょう。企業内,学内のLANからのアクセスが多いので,Win2000も98に並ぶぐらいの多数派です。一方,Macは完全に少数派で,Unixとほぼ同じぐらいです。

漢字源も! 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 4月23日(火)08時59分14秒

G3が電子辞書業界では話題になっていますが,G3とほぼ時期を同じくして,冊子体漢字源も改訂されているんですよね。新JIS漢字(第3,第4水準)が追加されたりとか。改訂規模からいけば漢字源のほうが明らかに大きいのですが,こっちは電子化されないせいか,話題にものぼりません(ほかにも,IDF-3000に搭載の学研新国語辞典も改訂されています)。日本(という非英語圏)で,英語の辞書の増補がこれだけ話題になっているのに,漢和辞典や国語辞典の改訂は注目されていないというのも不思議な話です。

前もお話ししたように,電子辞書搭載の漢字源は冊子体漢字源まるごと収録ではありません。というより,冊子体漢字源は10000数千字の親字が入っているはずですが,電子辞書版はそのうちのJIS漢字(6355字)のみです。単純計算で冊子体の約半分強でしょうか。フォントの関係(第3水準以上のJIS漢字や非JIS漢字のフォントがない)でしょうが,非JIS漢字,第3,第4水準漢字も含め,冊子体漢字源のまるごと収録版を出せれば,国文学,国語学,中国文学等の研究者や漢文,漢詩愛好者を中心にけっこう需要はありそうです。「国語重視機」という電子辞書のカテゴリーがいずれ出てくるのなら,真っ先に考慮すべきコンテンツだと思います。

LDCEとLAADの違い(>cougarさん) 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 4月24日(水)09時01分17秒

>このたび英英辞書を購入しようと思っているのですが、ジーニアスのついたものとなると、カシオの
>XD-R8100しかありません。
>ただ、一般的には「ロングマン現代アメリカ英語辞典」よりもセイコーのSR8100にみられるような
>「ロングマン現代英英辞典」のほうが人気が高いようですので、どちらの英英辞書をとったらよいの
>か迷っています。
>こちらの過去ログを拝見しますと、それほど両者に目だった違いはないように受けとめているのです
>が、使っていく上でさしたる不都合はないのでしょうか。両者の違いは大きなものではないのでしょ
>うか。

LDCEとLAADは同じロングマンですから大きな違いはありません。LDCEを使いこなしている人なら同じ感覚でLAADも使えるでしょう。両者の違いは,以下のような点です。

・LAADのほうが新しい:LDCEは95年,LAADは2000年発行です。単に新語が増補されているだけでなく,語義の順番なども最新の英語の動
向が反映されています。たとえば,mouseを引くと,LDCEはネズミ(動物)が第一語義ですが,LAADではコンピュータのマウスが一番最初
にきています。たしかに,最近は衛生状態もよくなったので都市部ではネズミなどそんなにいないですしね(^^)

・固有名詞が若干入っている:イギリスの出版社の辞書は「ことば典的」な内容が伝統的です。つまり,辞書と百科事典を明確に区別し,固有名詞は載っていない場合がほとんどです。CODもそうですし,LDCEもです。でも,LAADはロングマンの辞書といってもアメリカ英語に特化した辞書なので(そのためかどうかは分かりませんが)アメリカ式の辞書編纂,つまり,百科語彙も積極的に載せるスタンスです(これは日本の英和辞典も同じ立場です)。そんなに語数は多くありませんが,LAADには固有名詞も載っています。

・アメリカ英語に特化した編集:LDCEは英米両方に目を向けた内容ですが,LAADはアメリカ英語に特化しています。ですから,LDCEに載っているイギリス英語独自のイディオムなどはカットされています。また,コーパスに基づいた頻度表示(S2W1のような)もベースになっているコーパスがアメリカ英語オンリーのものなので,LDCEとはかなり違います。例文も,LDCEはイギリス英語のコーパスを中心に,アメリカ英語も補ったような感じですが,LAADの用例はアメリカ英語のみです。そのため,よくあげる例ですが,LDCEとLAADは規模はほぼ同じといっても,例文検索機能でpizzaとteaを検索すると,ヒット数が大きく違います。アメリカ文化に根付いているpizzaはLAADのほうが多くヒットし,逆にteaはLDCEが多いのです。

フルボイスの機種 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 4月26日(金)10時42分10秒

日本人は英語に関してはけっこうウルサイ人が多いようなので,発音機能付きといっても合成音声だと抵抗がある人もけっこういるのかもしれません。

私としては,SD-7200のようなフルボイス機のコンセプトは,英語学習用というよりは目の不自由な方向けの電子辞書として有効かもしれない,と思います。英語だけでなく,日本語の音声合成エンジンも搭載し,広辞苑と英和,和英ぐらいを搭載すれば,とても便利になると思います。よく分からないのですが,点字の英和辞典も出ているそうですが,性質上,どうしても大きく,重くなってしまい,気軽に持ち歩くことはできないようです(どなたか詳細をご存じの方はご教示ください)。しかし,電子辞書で辞書テクストを全文発音する機種なら,いつでもどこでも持ち歩けますし,何と言っても点字の辞書よりも語数や情報量がはるかに多くなります。そのためには,SD-7200の機能に加え,以下のような付加機能をつける必要があります。

・キーボードの細工:目の不自由な人が打ちやすいレイアウトにするなり,マークをつけるなりする

・キーを押すたびに押したキーを発音する:「あ」のキーを押したら「あ」と発音する。「英和」のモードキーを押したら「えいわもーど」のように発音するなど。

FranklinではLM-6000をベースにしたそのような特別モデルがあったはずです。ぜひ日本のメーカーさんにも同様の機種を望みたいです。広辞苑のような大規模国語辞典が目の不自由な人でも使えるというのは大きなことだと思います。

プレビュー機能 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 4月26日(金)19時37分55秒

フルキーボードモデルで思い出しましたが,SR-9200/9600等のプレビューはけっこうバッテリーを食うようです。ちょうどSR-9200の電池が切れかけで,警告シンボルがついたり消えたりしていますが,すぐ交換するのも何なので,警告が出てどれぐらいまで使えるか実験中です(^^)

気づいたのは,電源を入れた直後の入力待ち画面や,スペルを入れている途中(プレビューが出ている)では電池切れシンボルがついているのに,訳キーを押して語義画面にするとシンボルが消えるということです。言いかえれば,入力待ちや入力中の画面のほうが,語義表示画面よりも消費電力が大きいということですね。入力待ちといっても,インクリメンタルサーチである以上,キー入力をバックグラウンドでスキャンしているので,インクリメンタルサーチのない機種よりは電池を食っているのかも。

週刊STの今週号の電子辞書の特集で,ソニーさんが初めてIC辞書でインクリメンタルサーチを採用するにあたって(DD-IC100?),最初は,省電力設計のIC辞書ではそんなことできないと言われたと書いてありますが,同じことなのかもしれません。

SR-9600や9200を使っている人は,入力待ちや入力中の画面で放置しないほうがいいかもしれませんね。

日本語ジャンプの仕様差(>dictianさん) 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 4月28日(日)11時23分25秒

>今の電子辞書はキーだけなので、(特に日本語の)範囲選択をする際の操作が煩雑で、
>機種ごとに操作手順も違い、とても使いやすいものとは思えません。

同感です。ハードよりもソフトのほうが進化しているという今のIC辞書の現状からすればしかたないのでしょうが,操作手順もそうですし,日本語ジャンプの細かな仕様も違うので複数機種を併用していると困ります。具体的には,以下のような違いです(データベース用語を多用してすみません)

たとえば,SR-950は範囲選択という概念がなく,とにかくジャンプしたい単語の頭にカーソルを合わせるだけで,そこから始まる単語を最長一致(文字数の多い単語から降順でリストする)で候補語リストとして出してくれます。日本人(日本語母語話者)なら,ジャンプする単語はたいてい文字数の多い単語なので,この仕様で十分です。一方,外国人は単漢字にジャンプすることも多いので,この仕様だと面倒です(文字数の降順でリストするので)。

PW-9100は範囲指定をして,指定した単語が辞書にない場合,前方一致で候補リストを出します,そのため,「接続助詞」という語にジャンプしたいとき,「接続助」を範囲指定すると,「接続助」という単語がないので,「接続助」で始まる語を探し,「接続助詞」を拾ってくれます。しかし,「接続」を範囲指定すると「接続」という語があるので,これが検索されます(「接続助詞」はリストされない)。「接続助詞と」を範囲指定すると,該当なしになります。

IDFシリーズは,指定した単語が辞書にない場合は,範囲指定した単語の語末から1文字ずつ削っていき,該当語があれば表示します(PW-9100とは逆の発想です)。「接続助」でやると,「接続」「接」(単漢字)がリストアップされます。ですから,「接続助詞と」を範囲指定すると,「接続助詞」「接」(単漢字)が出てきます。

このように3者3様の仕様です。個人的には「範囲指定」ということをしなくてもいいSR-950の操作系がもっとも直感的だと思います。ただ,外国人の便宜を考えるとキヤノン方式のほうがいいのかも。

>マルチジャンプが主流になりつつあるトレンドを考えると、タッチ入力を併用して
>使いやすさを向上させるという進化の方向もあり得ると思って期待しています。

使いやすさという点では,ペン入力での範囲指定が最高だと思います。ただ,IC辞書の場合,手書きメモ等でタッチスクリーンを多用するザウルスと違い,ジャンプ先の範囲指定だけのためにタッチスクリーンを実装するのですから,もったいない気はします。ごく普通のユーザは日本語ジャンプをそんなに多用はしないでしょうから,そのためにコストをかけるのはメーカーさんも消極的になってしまうのでしょう。あと,タッチスクリーンを備えた液晶は通常のLCDより若干視認性が落ちることや,故障しやすい(落として,たとえ液晶割れしなくてもタッチスクリーンにダメージがあると使えなくなる)のも難点です。

>機能も入ってきて、ユーザーコンテンツのためにメモリカードも使えるようになり、
>単語帳の語数制限もなくなり、ユーザー辞書も追加できて、PDA的機能も増えていく、
>なんていう風に進化していったら楽しいだろうな〜。>メーカーさん

こうなると,IC辞書の進化型というよりPDAの進化型でしょうか。個人的には,インターネット辞書ザウルスのようなコンセプトでコンテンツをIC辞書なみにすればけっこういけそうだと思います。

>すでに持っている人には良いかもしれませんが、電子辞書を買おうと
>思っている人には初期投資額が大きすぎます。カラーとか動画とか
>電子辞書には不要な機能が多すぎて、電池使用時間も短いし...

ザウルスの進化がマルチメディア方面にいってしまったので,辞書というテキストベースの「文房具」としての用途からは,今のザウルスはかなり外れてしまったと思います。Wizやモノクロのザウルスの頃はよかったんですが(^^) PDAのシェアでPalmに追いつかれてきている(追いつかれた?)のも分かる気はします。

電子辞書の動向(>dictianさん) 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 4月28日(日)17時58分03秒

>タッチスクリーンだと表示部分が積層構造になり、重さの点でも不利になります。
>ですから、辞書のジャンプのためだけにこれが採用されることはあり得ないので、
>そのためにはPDA的機能を取り込むことが必須ではないかという発想になったのです。
>タッチ入力が主流になるとはとても思えませんが、他との差異化をはかるために
>どこかのメーカーが採用することは「あり得ないとは言い切れない」程度に期待
>しています。^^;

シャープのフルコンテンツ第1号機(PW-5000)がよくできていたと思います。ザウルスポケットのような筐体で,すべてペンオペレーションでしたが,ジャンプしたい単語を2回タップするだけでジャンプできました。もちろん,日本語ジャンプはない(というより,国語系コンテンツ自体がありませんので)ですが,現行機種でもPW-5000のようなタッチスクリーンでペンによるドラッグでの範囲指定ができればいいのに,と思います。

#PW-5000はジーニアス和英がない頃に出たので,英和はジーニアス,和英はプログレッシブという,最高のカップリングでした。ジーニアスのIC辞書初搭載もこの機種です。5年前の機種なのに,液晶解像度は現行のソニーDD-IC5000/7000と同じで,当時としては最高水準だったはずです。どこのメーカーさんもそうですが,第1号機は時間をかけて開発するだけあって,他社が腰を抜かすような夢のようなスペックなんですよね。その後しばらく「つなぎ」のような平凡なスペックの製品を入れて時間を稼いでおいて,ある日突然フルモデルチェンジするというパターンです。以下にかなり荒っぽいのですが,「つなぎ」のモデル(->)とフルモデルチェンジ(⇒)をまとめてみます(途中はかなりはしょっています)。

これを見ても分かるのですが,私の勝手な推測では,ソニー,カシオが近い将来台風の目になりそうな予感です。1号機以来,目立ったモデルチェンジをしていないのですから,いつスーパースペックの電子辞書が出てもおかしくありません。とくに,Crieや電子ブックプレーヤー等で携帯情報機器の実力が業界でもトップクラスなのは明らかなのに,IC300やIC5000/7000のような期待はずれのモデルしか出してこないソニーは要注意かも。メモリースティックという秘蔵っ子もありますし(^^)

シャープ:PW-5000 -> 6000 -> 7000 ⇒ 8000/8100 -> 9000 -> 6800 ⇒???
セイコー:TR-700 -> TR-7700 ⇒ SR-8000 -> 900 -> 9100 ⇒ SR-9200/9500/9600
カシオ:XD-1000 -> S6000 -> R6100 ⇒ ???
ソニー:DD-IC100 -> IC1000 -> IC5000 ⇒ ???
キヤノン:IDF-3000 -> 4000 -> 4500 ⇒ ???

ジーニアス和英vs新和英中辞典 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 4月29日(月)11時23分00秒

ジーニアス英和にカップリングしていつの間にか電子辞書の業界標準コンテンツのようになってしまったジーニアス和英ですが,以前にもお話ししたように,英和をひっくり返して作っているので,とくに日本独特の語などで「??」という記述があります。

さっき気づいたのですが,「道場」をジーニアス和英で引くとashramという訳語が出ています。恥ずかしながら,私も初めて見た単語です。「禅などの修行所,道場」というジーニアス英和の訳語がそのまま和英にも出ています。「道場」にあたる訳語はこれしか載っていません。おいおい,ちょっと待てよ,という感じです。

普通の日本人なら,「道場」という日本語からは「空手道場」のような武道を練習する場所を思い浮かべるのではないでしょうか。剣道でも,柔道でも,少林寺でも,何でもいいですが,このような格技を練習する場が「道場」です。さらに言えば,「厳しさ」「張りつめた空気」「元気なかけ声」といったようなイメージが伴う語です。

禅を修行する場所も道場というのかもしれませんが,日本人,それも,学習和英のユーザの大半を占める学生の観点からすれば,「道場」を和英で引いて禅の道場のみが出てくるというのは不親切です。不親切ですめばいいのですが,柔道部の中学生や高校生が,部活のことをペンフレンドに紹介するときに,「禅などの」というジーニアス和英の選択制限記述を見逃して,I usually practice judo at the ashram in my high school.なんて書いてしまうとおかしなことになります。日本の高校は公立高校でも禅を教えるのか,と思われたり。

こういう記述になってしまっている原因は簡単です。ジーニアス「英和」には,(空手等の)「道場」という,英語でそのものズバリの単語のない語は載っていないからです(英和は,英単語の訳を提供するものなので,それでいいわけです)。しかし,禅の道場はashramという1語で言えますので,英和にも載っています。そうなると,英和の訳語部分から和英を作る際に「道場」という訳語はashramしかないので,和英の「どうじょう」もashramしか出てこないのです。このようなことは,ジーニアス和英のように英和のデジタルデータをもとに作ったハイテク辞書独特の罠であり,一から和英を書き起こしていれば絶対に起こらないことです。ジーニアス和英の編者もこのあたりのことはご存じのようで,日本独特の語に関しては一から書き下ろしたりしていますが,このように見過ごされてしまうケースもあります。

新和英中辞典でも,ルミナスでも,スーパーアンカーでも,ashramは出てきません(日本人にはなじみが少ないからでしょう)。そのかわりに,exercise hall(これだけでは無味乾燥な語なので「道場」にある張りつめた空気などが伝わってきませんが,ashramよりはましです)やjudo schoolなどをあてています。スーパーアンカーは,近似値の英語で置きかえると,上記のような「道場」の細かなニュアンスが表せないというスタンスからか,dojoとそのまま日本語にしています。

「和英を使うとろくな英語は書けない。英英を和英のかわりに使えばいい」と言うのは簡単ですが,私の大学の学生でも,英語が専門で,しかもかなり英語ができる学生でも英作文の際に和英を全く使わないと言う人はまずいません。ジーニアス英和はともかく,和英はこのようにいろいろと問題があります。和英のコンテンツだけで言うなら,新和英でもいいですし,IDF-3000のニューアンカー,TR-6700のカレッジライトハウス(ルミナスの前身)のほうが,ジーニアス和英よりは使いやすいです。むしろ,ジーニアス和英は類語辞典のかわりに使うほうがいいのかもしれません。

#電子辞書メーカーさんが,英和はジーニアス,という固定観念をうち破れば,和英でもジーニアスを載せる必要がなくなるので,まともになるのでしょうが(^^)

GC vs リーダーズ revisited 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 4月30日(火)11時10分23秒

今までにもこの比較は何回かとりあげていますが,訳語自体を考えるとやはりリーダーズのほうに軍配が上がってしまいます。

先日気づいたのはspotterという語です。欧米では機関車や飛行機の番号をチェックするという趣味があります。飛行機や機関車には固有の番号がついているので,自分が空港なり駅なりで見た番号を控えておいて,それを集めるのが目的なのでしょう。そんなことしてどうするのかと思うかもしれませんが,何かをコレクションする趣味というものは,集めること自体が目的なのですから,どうするかという問いはナンセンスでしょう(^^) 日本ではそれほど一般的ではない趣味でしょうが(最近は羽田や成田でもそれらしき人をよく見かけますが),ヒースロー空港などへ行けば,展望ロビーに双眼鏡を持ったスポッター達が何十人といるそうなので,切手収集等と同様の市民権を得てきていると思います。

ともあれ,このような意味でのspotterという語は,リーダーズには「機関車(バスなど)のナンバーや形式を覚え込んで識別するのが好きな人。スポッター」とちゃんと出ています。また,映画の題名にもなったtrain spotting (train spotter)には「機関車のナンバーを覚え込む人。おたく,マニアックな奴」と出ています。

GCはどうでしょうか。spotterには上記のような訳語はなく,最も近い訳語は「…観察者」です。これではあいまいです。スポッター,スポッティングという語は,主に,数が有限で1つ1つが番号等で区別できるものを観察,識別する趣味に用いるような気がするので,「昆虫観察者」「爬虫類観察者」をinsect spotter, reptile spotterとは言わないような気がします。

train spotterは,GCでは「(ナンバープレート集めが趣味の)機関車マニア,ださくてくそまじめな人,まじめすぎてさえない奴」となっていますが,これではまるで機関車のナンバープレートを盗んでコレクションする人を連想し,おかしな訳語です。プレートを集めるのではなく,プレートに書かれたナンバーを記録する趣味の人がtrain spotterなのですから。ちなみに,CODでは以下のようになっています。

1. a person who collects locomotive numbers as a hobby
2. a person who obsessively studies the minutiae of any minority interest or specialized hobby

CODの2はGCの「ださくてくそまじめな人,まじめすぎてさえない奴」に相当するのでしょうが,CODは「普通の人があまり興味を持たないような細かなことにのめり込んでいる人」というような意味合いなので,「まじめ」とか「さえない,ださい」というGCの語義からは「ガリ勉」を連想し,ちょっとずれてしまいます。むしろリーダーズの「おたく」という語義がぴったりかもしれません。

これは一例ですが,GCの場合,語数が多いので引いた単語が載っている確率はリーダーズより多いですが,訳語自体はおかしなものが少なからずあります。語数の多い辞書を求める人は,自分のよく知っている専門語などをひいてみて,確かめたほうがいいかもしれません。

MED 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 5月 3日(金)12時16分35秒

前にも少しお話ししましたが,Macmillan English Dictionary (MED)という学習英英辞典が発売されました。ペーパーバック版に加え,紀伊国屋書店からコンパクト版(学習英和辞典ぐらいのサイズで表紙が紙ではない)も出ました。概要を以下に記します。

・統制語彙は2500語:数値だけで言えば,LDCE/LAAD(2000語)とOALD(3000語)の中間。ただ,LDCE/LAADの2000語は,たとえ基本的な単語であっても辞書の定義にはあまり必要ない語はカットしてあります。たとえば,baseball, CD, January, homeworkというような語は中学生でも知っている基本語ですが,LDCEの統制語彙2000語には入っていません(辞書の定義にはあまり必要ない語だからでしょう)。一方,MEDではこれらの語も統制語彙として入っています。ですから,実際にはLDCE/LAADとほぼ同レベルの記述です。

・収録語が10万(公称):LDCEやOALDより2万語ぐらい多く,COBUILDなみの語数です。もっとも,英和辞典とは語数のカウントのしかたが違うようなので10万といっても英和に換算すると6,7万といった感じでしょうか。学習英英の中では語数が多い方ですが,一方で,とくにLDCEやLAADで充実している話し言葉の決まり文句(G3で言うレキシカルフレーズっぽいもの)がかなり少ないです。

・イギリス英語が主体の版とアメリカ英語主体の版がある:これは類書にないユニークな特徴でしょうが,あまり知られていないようです。イギリス英語主体の版は当然イギリス英語のスペリングや発音がメインに出ていますし,イディオムなどもイギリス英語のものが主体です。難点としては,どちらの版も見かけはほとんど同じなので混同しやすいことです。アメリカ英語版は,表紙のサブタイトルにFor advanced learners of American Englishと書いてある(イギリス英語版には太字部分がない)ことで区別できます。紀伊国屋が出しているコンパクト版はアメリカ英語版がベースですが,ペーパーバック版は多くがイギリス英語版のようです。

・コーパスをもとにした頻度表記(星印):OALDにはない特徴ですが,実際にその単語が用いられる頻度を3段階で表しています。日本の英和辞典の星印と違い,実際の使用頻度に基づいているのがミソです。

・コロケーション(語と語の結びつき)の囲み記事:類書よりも多いです。

★全体的にはLDCEに近い感じです。ただ,良きにつけ,悪しきにつけ,保守的というか,内容的に手堅い編集になっています。私にとって,辞書を読む大きな楽しみである用例にもそれが感じられます。LDCEやLAADは,学習英和とは言っても,コーパスからとってきたナマの英文をあまり触らずにそのまま載せていることが多く(初級者にはちょっと難しい例文も多いのですが),学習英和の無味乾燥な教科書的例文にうんざりしている人にはとても面白いものでした。IC辞書で例文検索を使うととくにそう感じます。作例でないものが多いので,「この例文はどういう場面なんだろう」とコンテクストを想像するのも勉強になるのですが,MEDの用例はかなり教育的配慮? をしているようで,コーパスをもとにしているとはいえ,当たり障りのない例文が多くなっています。LDCEはもちろん,OALDでさえ,taboo wordsを用いた例文は何十例とありますが,MEDでは(CD-ROM版で検索したところ),物議を醸す語やコンテクストはほとんど排除されています。

MEDの例文(追加) 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 5月 3日(金)12時52分58秒

よく出す例ですが,アメリカ英語版MEDでpizzaが使われている例文をCD-ROM版で検索すると,10数例しか出てきません。LAADの半分以下です。総例文数はLAADとそれほど変わらないのにです。Pizzaという語はアメリカ人なら幼稚園の子供でも知っている語ですし,アメリカの食文化の中にも浸透しているのですが,MEDでは(2500の定義語にもpizzaはないですし)重要語とみなしていないので,例文にも現れない(もとのコーパスではあっても,例文にする時点で「教育的配慮」でより基本的な語に差し替えた?)のかもしれません。

#賛否両論あるでしょうが,私個人としては,辞書,それも英英のような上級学習者向け辞書の例文は,英語文化圏の「におい」を日本にいながらにして,ほんのわずかでも嗅ぎとることのできるようなものにすべきだと思います。もちろん,その単語の使い方を示すという「教育的」な目的もあるのでしょうが,幸い,日本の場合は優れた英和辞典がたくさんありますので,そういう用途はある程度英和で肩代わりできると思います。

英語をある程度学び,英英辞典というお花畑に踏み込んだ学習者にとって,英英辞典のイキイキとした例文は宝物のようなものだと思います。英英を使っている人だけの特権とも言えるのかもしれません。たとえば,LAADのor(「そうでなければ」の意味で)の例文として,They have to deliver the pizza in 30 minutes, or it's free.というものがあがっています。「教育的配慮」をするなら,orの例文にdeliverやpizzaという(初級学習者には難しめの)語を使って混乱させてはいけないので言いかえよう,となるのでしょうが,LAADでは(おそらくはピザを注文する場面での会話コーパスか何かからとったもの?)自然なままにしてあります。これにより,アメリカでは宅配ピザ屋が普及していて,競争も激しいので迅速な配達にしのぎを削っているんだな,というような文化のにおいが何となくわかります。じゃあ日本の寿司の出前はどうなんだ,遅いから催促の電話をしても,無料どころか「今出るところです」としか言わないではないか,と突っ込んだりもできます(^^) 月並みですが,あることばを学ぶということは,その言葉が話されている地域の文化を学ぶことにもつながります。もちろん,現地でしか学べないことも多いのでしょうが,自然な例文を載せた辞書を使えば,多少の文化の香りぐらいにはふれることができます。

なぜジーニアスか?(>新人さん) 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 5月 5日(日)10時09分05秒

>辞書に余り詳しくないのですが、購入を検討しています。色々店頭を見て回っ
>て不思議に思っているのことがあります。電子辞書の大半がジーニアス(改訂版
>または3版)を採用していますが、ジーニアスは良い(人気のある)辞書なので
>すか。素人なのでよく判らないのですが、書店に行くと他にも多くの辞書があり
>ます。電子辞書業界がジーニアスを選んでいる理由は何でしょうか。ちなみに、
>私が受験生当時に使っていたのは研究社の新英和中辞典でした。不躾な質問です
>が、どなたかご教授願います。

dictianさんのおっしゃる理由(例文の質)もそうですが,それ以上にもっと単純な理由として,「ジーニアスがよく売れている辞書だから」ということがあります。研中のように40年弱の歴史のある老舗の辞書が,ジーニアスという,まだ15年もたっていない新興の辞書,それも辞書編纂には歴史の浅い出版社の辞書に押されてしまったのは,dictianさんのおっしゃる,いわゆる宝島事件がちょうどジーニアスが発売されたばかりのことにあったことも大きく影響していると思います。

ジーニアスがよく売れているのはなぜか,それは,高校現場という(一括購入などで)辞書の売れ行きに大きな影響を及ぼす場所で絶大な支持を受けているからです。新人さんがおっしゃるように,ジーニアスが出る前は新英和中辞典が高校ではメジャーだったのに,わずか10数年でジーニアスに置き換わってしまったのは,宝島事件を無批判にとらえて踊らされた現場の先生がいかに多かったかを物語っています。「欠陥英和辞典の研究」の著者は,当時は大手予備校の英語講師だったためか,「予備校の先生が研中は欠陥だらけだ,ジーニアスのほうがいいと言っているのだから…」と中身を吟味もしないで(もちろん,丹念に読んだ人も多いでしょうけど)研中=×,ジーニアス=◎と安易に考えてしまったのでしょう。ジーニアスが出たばかりで,研中にくらべて新しい,というのも大きかったと思います。

受験指導のプロとしての予備校講師の発言,というのは,現場の(高校等の)教師にはかなりの影響力があるようです。もし,同じことを大学の英語学者や民間人(翻訳者,一般の英語ユーザなど)が書いていたら,ここまで影響力はなかったはずです。最近,広辞苑の批判本がけっこう出ているのに,一般にはあまり話題に上らないのと同じです。#「欠陥」の内容はたしかに頷くところも多いのですが,明らかな事実誤認や,とくに学術的な事柄に関して,初歩的な誤りがかなりあり,とくに専門家の間では内容の信頼性が疑わしい,と思われたのも事実です。よく例に出されるように,中期英語の年代の誤りとか,ホーンビーの動詞型の総数の誤り,C.T.Onionsという人名の表記の誤りなどです。これらのことは,英語学専攻の学部上級生なら知っていることですし,中期英語の範囲などは大学1年生でも分かるようなことです。

電子辞書業界も,IC辞書の黎明期は研中ばかりでした。しかし,今では老舗のセイコーさんでさえジーニアス搭載モデルをメインのラインナップにしています。付加機能が豊富だという理由でPW-9100はよく話題になりますが,SR-8100があまり話題にならないのも,搭載コンテンツによるところが大きいと思います。

もっとも,英和はともかく,なぜ和英までジーニアスを奉る人がけっこういるのか,私は理解できません。ジーニアスだから,という理由で,無批判に受け入れている人が多いようです。しかし,前の「道場」の例をはじめ,英作文の際に和英を首っ引きで使わないといけないレベルの学習者にとっては,ジーニアス和英よりはルミナスやスーパーアンカーのほうが例文も多く,掲載例文をうまく真似できれば和英を使ってもかなり自然な英文は書けると思います。ルミナスは,「訳語間の使い分けやニュアンスを記す」という新機軸を取り入れたことで,和英辞典の一大革命を巻き起こしたライトハウス和英の流れを汲んでいますし,スーパーアンカーは先行他書の孫引きをしないで,一から書き起こしているという点で,とても自然な例文が多い辞書です。

研中の例文 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 5月 6日(月)13時00分35秒

研究社中辞典の例文に関してはいろいろと言われていますが,私の専門である社会言語学の立場でいくつか見てみます。宝島で話題になった「戦後の日本は女性と靴下が強くなった」というようなものは論外ですが,ほかにもかなりあります。SR-8100の例文コレクションでこの手の例文をデータとして集めていますが,いくつか以下に紹介します(^^)

She's an air hostess with JAL.→G3の注記にもあるように,今ではflight attendant(ANAはcabin attendantと言っていますが)が普通でしょう。

(以下訳文のみ)

「西日本の人には納豆のうまさが分からない」
「ずんどうの人は着物が似合う」

→作文者のステレオタイプとしか思えないこの手の例文が研中にはよくあります。価値観は人それぞれ違うので,上記のように考えること自体は個人の自由でしょうが,辞書という中立的な書物の例文に載せる必要はないでしょう。そもそも,「ずんどう」ということば自体差別語です。

「病人は機嫌を損ねないように扱わねばならない」→これも同じです。このような平叙文で一般論っぽい響きを持たせると物議を醸しそうです。「病人」という主語もセンシティブなので,無難な例文にするなら「孫の機嫌を損ねないようにおもちゃを買ってやった」のようにするとか。

「男よりも女のほうが早く年をとる」「女は移り気なもの」「悪妻は百年の不作」「男は度胸女は愛嬌」「女3人寄ればかしましい」→この手の男女に関することわざもどきの例は枚挙にいとまがありません。ことわざ辞典ならともかく,英和辞典になぜこういう例文が必要なのでしょうか? 辞書ユーザの半分(語学関係の仕事は女性の比率が圧倒的に多いので,半数以上?)を占める女性の心証を考えていない例文です。

「彼が仙台支店長に左遷されたときは,みんなびっくりした」→「左遷」というマイナスイメージの例文で,具体的な地名を出す必要はないでしょう。仙台の人にしてみれば気持ちいい例文ではないはずです。そもそも,東京から新幹線で2時間もかからない仙台が「左遷」の対象になるような辺鄙な場所とはとても思えませんが(^^;; 新幹線のなかった旧版時代の遺物例文かな。遺物で思い出しましたが,94年改訂の6版でさえ,青函連絡船が登場する例文がかなりあります。青函トンネルが開通し,連絡船がなくなったのは1988年だったはずですが。

「あなたの目は青く,私のは黒い」→昔の中学校の教科書に出てきそうな例文ですが,「だから何?」と突っ込みたくなる,コンテクストの分かりにくい文です。

「彼はケーキを食べ過ぎて病気になった」→甘党の私にはひやっとする文ですが(^^) でも,ケーキを食べ過ぎるとどういう病気になるのかがよく分かりません。虫歯なのか,高血圧なのか??
ケーキバイキングが大好きという人でも,それがもとになって病気になったという話はきかないですし,ケーキを食べ過ぎるよりは酒やタバコを飲みすぎるほうが病気になるリスクは大きいと思いますが。

「ワイフ(妻)はストライフ(争い)と押韻する」→押韻の説明のためなら,わざわざ「妻」と「争い」を結びつけなくても他にいくらでも例があるでしょう。

Trains are operating a shuttle service between Tokyo and Hakata→これは文法的なものにもつながりますが,shuttle serviceというのは,短距離の間を頻繁に往復する(そのためほとんど待たずに利用できる)バスなり,飛行機なり,電車なりに使います。駅からイベント会場までピストン輸送するバスのようなものです。もっとも,短距離というのは相対的な距離なので,(長距離の移動手段である)飛行機の場合は,ワシントンとニューヨークの間とか,ロスとシスコの間ぐらいでもshuttle serviceと言えるでしょう。しかし,この例のように東海道・山陽新幹線の全線を往復するのは日本では長距離路線ですから,shuttle serviceとはちょっと言いにくいです。

などなど。このようなPC(political correctness)の点で疑問のある例文が研中には多く載っています。辞書は,同じ書籍とはいっても,小説などとは違い,個人の嗜好に応じて作者や作品を選ぶという性質のものではありません。ですから,記述内容は,極力無色無臭の中立であるべきだと思います。「イキイキした例文」「楽しい例文」は必要でしょうが,ある特定の人種なり,地域なり,性別なりを話題にして,差別につながりかねないような例文を作って「イキイキ」させていては困ります。例文検索で調べてみましたが,ジーニアスにはこの手の例文はほとんど見られません。

宝島論争 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 5月 7日(火)09時46分03秒

↑すでにサーチエンジンで検索された方はご存じかと思いますが,簡単に言うと,大手予備校の講師が研究社のライトハウス英和(初版)と新英和中辞典(5版)を批判した

>(*)別冊宝島102 「欠陥英和辞典の研究」 副島隆彦&Dictionary-Busters著
>  1989年11月24日発行、JICC出版局

という本(dictianさんのテキストから引用させていただきましたm(..)m)が発端になっています。当時は大学受験者が多く,受験戦争が加熱していた時代(私も89年当時予備校生でした)ということもあり,この本は大きな反響(良きにつけ,悪しきにつけ)を呼びました。英語学専攻の大学院生の修論でこの本の内容を扱ったものもあったそうです。別冊宝島というのは,警察やホテル業界の裏事情といった暴露ものが多いのですが,英語学者や英語教師の注目も集めました。私が大学院を受けたときにも,英語辞書学で卒論を書いたこともあり,この宝島事件に関しては面接でいろいろと感想や意見を聞かれました(^^;;

たしかに,「欠陥」の内容にはうなずける面も多いです。英語学者,辞書編集者サイドからは酷評されたとはいえ,この本が今の英和辞典の改善に少なからず影響を与えたのは事実でしょう。ただ,一方で,英語学のイロハを知っていれば書かないような,初歩的な誤解や誤りが目立つのも事実です。辞書批判の本質には直接関与しない誤謬とはいえ,このような誤りが多いことが学者や出版社サイドの心証を悪くしたのかもしれません。また,真摯な辞書批判とは思いにくい誹謗中傷的な書き方が散見されるのも問題です。批判の矛先を辞書の内容だけに向けていればいいものを,研究社や当該辞書の編集者にも向けてしまったため「名誉毀損」と判断されてしまったのでしょう。
実は「欠陥」には「英語辞書大論争」という続編(1991)があります。「欠陥」の内容に関して寄せられた様々なコメント(批判にせよ,擁護にせよ)を掲載し,それを吟味する内容で,こちらのほうがおもしろいです。

今では,どちらの本も絶版になっているので手に入りにくいですが,かなり売れているので古書店などを探せばまだ手に入ると思います。辞書に興味のある方は必見です。ただし,鵜呑みにしないで,批判的に読んでください。前述のように,内容的に「??」な箇所はかなりありますので。できれば,大学関係の方は図書館で「英語青年」「現代英語教育」「時事英語研究」のような研究社の英語雑誌のバックナンバー(89年末〜90年前半)に載っている「欠陥」の批判記事を探して,それとあわせて読むといいと思います。

宝島以外にも辞書に関する問題点を扱った本はいくつかあります。宝島に匹敵するほど厳しいコメントも多いですが,誹謗中傷に走らない建設的な内容です。

・「私の愛する英語辞典達−ちょっと辛口の辞書批評」飛田茂雄(南雲堂フェニックス)→ランダム英和の執筆者が各英和辞典の記述を検証。

・「英語教育と辞書」山岸勝榮(三省堂)→スーパーアンカーの編集主幹の著者が,現行英和,和英辞典の問題点を検証。これを読むと,スーパーアンカーを買いたくなります(^^)

英英辞典をもっと気楽に使う(>dictianさん) 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 5月 8日(水)11時28分24秒

>現時点では、正しい例文が必要な場合は英英に頼っておく方が無難ですよね。

同感です。英英の長所に関しては,英語で考える習慣が身につくだとかいった大々的な口上で語られることが多いのですが,そんな大げさなものではなく,もっと単純に考えて,例文の信頼性が英和よりも高いからというような理由で英英を使ってもいいと思うのです。とくに英語学習系の掲示板で時々見るのですが,「英英はTOEICで700ぐらいはないと使ったらいけない」だとか,「英英は大学受験には時間の浪費でしかないから使うな」といった,ただでさえ高い英英の敷居をさらに高くしかねないコメントが見られます。英英を使おうとして挫折した人がいうならまだ分かりますが,実際に英英を使っている人が,使ってみようという人へのアドバイスとしてこう言ってしまうのはどうかなぁという気はします。私の経験では,学習英英辞典なら,使い方さえ間違えなければ,高校1年生で英語に興味がある(得意かどうかというよりも,英語が好きかどうかに左右されると思います)人なら十分使えると思います。英英を英和の高級品ととらえるから挫折するのであって,よく知っている単語を引いてみて,こういう言い方をするんだ,と悦に入る? だけでもいいのでは,と思います。電子辞書なら英和とワンタッチで見比べることも簡単ですから,私の学生時代よりははるかに敷居が低くなっていると思います。

英英辞典(とくに学習英英)は,日本の英和のように大学教員が兼業して書いているのではなく,訓練を受けたレキシコグラファー専業の人が書いているので,内容の信頼性には定評があります。例文にしても,大規模コーパスを用いて引き出した実際の出現例を元にしているので「作文」による変な例文が混ざる余地はありませんし。

掲示板ご利用について 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 5月14日(火)14時25分34秒

いつもご利用いただきありがとうございます。掲示板の書き込み内容に関して,以下の点にもご留意いただければ幸いです。

・故障や不具合等へのメーカーさんの個人的な対応について:故障をした際の対応は,状況によって臨機応変に対処していただける場合があります。保証期間後なのに故障内容によっては無償対応していただけたり,送料を無料にしてくださったりというようなことです。このように,メーカーさんが柔軟に対応してくださったためにとても気持ちがよかったというユーザの称賛の声は,そのメーカーさんにとっては励みになるでしょうし,他のメーカーさんにとっても,自社のユーザサポートを改善する上での参考になると思います。ただ,このような対応は当該社員さんとユーザ個人特有のもので,各社員の方個人の判断でされている場合もあると思います。そのため,もし書き込まれる際は,サポート担当者名や細かな状況,やりとりのメールの中身などは伏せていただき,無用なトラブルがないようにご配慮いただければ幸いです(今のところこのようなことはまだありませんが,自主規制ということで(^^;;)。

※言うまでもないことですが,「臨機応変な対応」はあくまでも個々の状況に応じたイレギュラーなものであり,特別なものです。ですから,同じ状況で担当者によって対応が違ったとしても当然であり,それを非難すべきではありません。間違っても「電子辞書掲示板ではこのような場合無料だったという人がいたが」のように,「臨機応変な対応」を「あたりまえの対応」としてメーカーさんに持っていかないでください。このような人がいると,メーカーさんも例外なくマニュアル記載の保証規定通りの対応しかしてくださらなくなり,結果としてユーザに不利益が生じます。

パソコンのユーザサポートでは杓子定規な対応が多いのに,電子辞書のサポートセンターでは,どこのメーカーさんでもユーザを尊重したフレキシブルな対応をしていただけているようで,メーカーさんには大変敬意を表しております。今後とも,ユーザ本位の対応をメーカーさんがしていただけるよう,ユーザの皆さんもご協力くださいm(..)m

・量販店,ネット通販等の価格情報について:安い店の情報や実売価格を掲示板で出していいかというご質問を時々いただきますので,拙掲示板でのスタンスを明確にしておきます。私は,量販店の店頭や通販サイトに表示されている価格は,店の住所等と同様に,その店が一般に向けて公開しているパブリックな情報と判断していますので,掲示板で紹介していただいても全く問題ありません。首都圏以外の人でも居ながらにして東京の量販店の価格情報を得られるというのは,インターネットの大きなメリットでしょうし,安い店を情報交換してその店で買う人が増えれば,店の側にとってもプラスになるはずです。

ただ,値切ったりして個人的に安くしてもらったような場合,上述の「イレギュラーな対応」になりますので,担当者名等は出さないようにお願いします。

今後とも,よろしくお願い申し上げます。

ワイルドカード検索について(>kyouさん) 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 5月16日(木)13時41分55秒

>「複数文字ワイルド」が◎で「1文字ワイルド」が−の機種などは
>「?」「*」を入れる不明な文字が複数でなくてはいけないということなのでしょうか?

複数文字ワイルドというのは「*」(メーカーによっては「〜」)を使うものですが,1文字以上に対応するワイルドカードです。

たとえば,c?tでワイルドカード検索をすると,「?」は1文字ですから,cat, cot, cutなどが出てきます。しかしc*tだと1文字以上なら何文字でもいいわけですから,catやcutはもちろん,cabinet, cabriolet, cadet…のように,言いかえればcで始まりtで終わる単語が全部出てきます。

このことから明らかなように,複数文字ワイルドは1文字ワイルドを内包しています(だからc*tでcat, cutも出る)が,1文字だけでなく,何文字はいってもいいわけですから候補語が膨大になります。

また,重要なことは,1文字ワイルドは1単語の中に複数を置けます(lib?a?yなども可)が,複数文字ワイルドは(国内メーカーの機種では)1単語につき1つしか置けません(lib*a*yはだめ)。

カタログ等ではワイルドカード検索の用途まで紹介されていないのであまり知られていませんが,以下のように1文字ワイルドと複数文字ワイルドを使い分けるといいと思います。

・1文字ワイルドを使うとき:クロスワードを解くとき,スペリングの一部分があやふやなとき(libra?yのようにすると,lかrかあやふやでも引けます),ファックスやコピーを重ねた論文などで,判読できない語を解読するとき(つぶれたりかすれている文字を?でおきかえる)など。

・複数文字ワイルドを使うとき:スペリングの確認。specia*yのようにするとspeciallyかspecialyか迷ったときに簡単に分かります。複合語を後部要素から引く(「〜の仲間」を調べるとき)。たとえば,〜snakeで蛇の種類が出るなど。脚韻を踏む単語を調べるとき(文学の研究や英詩を作るとき)。

フルコンテンツvs非フルコンテンツ(>Yoshiさん) 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 5月18日(土)09時57分12秒

>もどこでも辞書が引けます。だから、歩いていてふと、「あの単語の意
>味は?」と思ったときにでも引くことができます。面倒がって引かないよ
>りは、内容が少なくたって引くほうが学習効果だって高いですよね?

たしかにこのページではカード型辞書をはじめ,非フルコンテンツのモデルはほとんど取り上げられませんね(^^) 私はちょっとYoshiさんとは立場が違い,学生に電子辞書を紹介するときは「最近の機種はどこのメーカーのものを買っても機能にそんなに差はないけど,買うときは必ずフルコンテンツの機種を買ってください。いくら安いからといっても,フルコンテンツでない機種を買うぐらいなら,冊子体の辞書を買った方がはるかに有効です」と言っています。これはもちろん,大学生の場合,英語専攻非専攻を問わず,語学の授業で英語を履修する以上は「学習者」であるからなのですが。賛否両論あるとは思いますが,非フルコンテンツ辞書は冊子体で言うなら単語集のようなものですから,分からない単語をサッとひいて,そこに載っている訳語に置きかえて「分かったつもりになる」という弊害が出てくるからです。これは,とくに和英辞典に関して顕著です。非フルコンテンツの和英は訳語を並べてあるだけで,ニュアンスの違いまでは分かりません。また,和英から英和へのジャンプもできませんので,英作文で頼りすぎると変な英文ができあがります。

Yoshiさんがおっしゃるように,非フルコンテンツ辞書の最大の魅力はその携帯性だと思います。大画面液晶のフルコンテンツモデルはポケットには入りませんので,電車の中やカフェで新聞を読んでいてふっと調べたいと思ったときに,カバンから出して引くのは面倒です。この単語の意味を知らないと命に関わるような場面ならともかく,ふつうは面倒だな,と思えば「家に帰ってから引こう」となり,結局は引くことを忘れてしまいます。一方,ポケットに入る辞書ならその場ですぐに引けます。たとえ例文や細かな解説に乏しくても,意味だけでもすぐ分かるのは大きなメリットだと思います。非フルコンテンツのこういう小回りのきくフットワークはハイエンドの機種には真似できないと言うのはたしかに事実です。液晶画面が小さいので液晶割れの心配も少ないというのも大きいでしょう。

しかし,最近になって,フルコンテンツ=大きくて持ち運びに不便,というイメージをうち破るような小型機がどんどん出てきました。PW-M670などは,フルコンテンツなのに胸ポケットにゆうゆう入るサイズで,しかも数年前の大型液晶のハイエンドモデルと遜色ない機能を備えています。PA-J20は非フルコンテンツの中でも最も小さい部類なので,これにはサイズ的に及びませんが,数千円の非フルコンテンツモデルとM670をくらべるとサイズの点ではほとんど変わりません。しかも,9ドットフォントの採用で,非フルコンテンツタイプよりもはるかに大きな液晶画面を備えています。こうなってくると,非フルコンテンツの特色であった「サイズ」に関しては今ではそれほどメリットとは言えなくなってきています。J20はとてもスリムですが,今ではカタログにも載っていないみたいです。

もっとも,「価格」に関してはまだまだ非フルコンテンツに軍配が上がります。フルコンテンツモデルは最も安いものでも,新製品なら20000円ちょっとはしますが,非フルコンテンツなら10000円出せば発音機能のついたハイエンドの機種が買えます。ただ,これもフルコンテンツの新製品ラッシュによる型落ち機種が増えたことで,今後はその価格差も縮まっていくことでしょう。キヤノンのIDF-3000が完全なフルコンテンツモデルなのに10000円弱で売っているところがあるというのもその例です。

>ボキャブラリーの方は実用辞書だけに名詞に力を入れているらしく、
>鰹=bonito なんて単語がしっかり載っているのですが、反面、「cemetary」
>を和英で探すのに、 「墓地」なら出るが「墓場」では出てこない等、意外
>に基本的な単語が載ってなかったりするところが、ちょっと辛い所です。

非フルコンテンツ=安い=電子辞書入門機 というイメージがある(だから,学生相手の各種景品などに使われる)ようですが,この例からも分かるように,実は非フルコンテンツのほうが使いこなすには骨が折れるのかもしれません。「墓場」で引いて出てこないので,あ,この辞書には載っていない,と思ってしまう人ではうまく使いこなせないでしょう。Yoshiさんのように「墓場」→「墓」「墓地」のように日本語を言いかえて引くことができるレベルの人で初めて役立つと言えます。

DI-2000 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 5月18日(土)10時10分50秒

非フルコンテンツモデルで思い出しましたが,名機? としてDI-2000(カシオ)というのがあります。これは,電子辞書ブームが起こる前(94年ぐらい?)に出たのであまり注目されませんでしたが,現行の非フルコンテンツモデルとほぼ同等のスペックなのにカード電卓のサイズの機種です。厚さも2ミリあるかないかなので,J20よりも小さいと思います。英和と和英(国語はなし)ですが,非フルコンテンツとはいえ,英和はニューセンチュリー,和英は新クラウンという三省堂の学習辞書をベースにしている(冊子体の第1語義のみを抜粋して,例文や文法解説,補足説明などをカットしている)ので語数はかなりあります。150件入力できる漢字電話帳もついています。

発売当時は私は大学院へ入ったばかりでしたが,英語教育関係の学会の展示ブースでカシオさんが実演していたのを覚えています。定価は10000円以上したはずですが,当時はフルコンテンツモデルがようやく出始めた頃なので,かなり反響はあったと思います。晩年? は2000円ぐらいで在庫処分していて,私もその時に買ったのですが,以来この薄さ,小ささの機種は出ていません。

ジーニアス和英をthesaurusとして使う 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 5月21日(火)11時03分38秒

ジーニアス和英は,ハイブリッド編集と言われているように,ただある日本語に相当する英語を載せるのでなく,訳語部分にジーニアス英和のその語の記述をピックアップして載せています。

そのため,裏技ですが,中級以下の学習者向けthesaurusとしてけっこう使えます。英語で引くふつうのthesaurusと違い,日本語にして引けばいいわけです。たとえば,「飛ぶ」はflyしか知らない人でも,ジーニアス和英で「とぶ」を引けば,fly, flit, sail, soar, skim...と類語が出ています。ただ類語を羅列してあるネイティブ向けシソーラスと違い,類語間の意味の違いも(ジーニアス英和の記述を抽出して)載せてあります。シャープのPW-M670やPW-6800, PW-9100などでthesaurusが必要な人はお試しください。多くの訳語が載っていませんので,留学中のタームペーパーを書く際などには使いにくいですが。

ジーニアス英和大辞典on CD-ROM 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 5月22日(水)15時18分47秒

↑前にどなたかがお知らせ下さったと思いますが,詳細が分かりました。発売は6月上旬,定価14000円(税抜)だそうです。EPWING形式なので,マックでも検索ソフトがあれば使えますし,WinCEやPsion等のPDAでも使えるはずです。

ジーニアスの大辞典は,辞書の中では珍しく「大は小を兼ねる」もので,ジーニアス英和の学習辞典的な要素はそのままに,語数を大幅に増やしたものです。ジーニアス英和の増補版と言えるかもしれません。日本の英和にしては珍しく,自前のコーパスを用いて編集しているので,例文も新鮮です。とくに,アメリカの日常生活英語(空港のアナウンスやテレビコマーシャルなど)が例文になっているものが多いです。CD1枚で14000円は高いですが,冊子体とのバランスをとっているのでしょう。

ED-7780 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 5月23日(木)16時39分38秒

>#あと、セイコーUKのED-7780に興味がありますが、ボキャビルのモードに関してその有効
>性や使用するときの注意点があれば教えていただきたいと思います。

ボキャビルモードは,SATやGREなどでよくある「ある単語に近い意味を持つ語を以下のA-Dから選びなさい」という形式の問題を出してくれます。というと,IDF-2000EやPW-M310にあるような受験用単語集のテストモードのようですが,ED-7780のすごいところは,コンピュータがユーザの出来具合(正答率)をモニターしていて,それに応じて出題される単語のレベルが自動的に上下したり,repetitionの度合い(同じ単語を繰り返しテストするかどうか)が変わってくることです。大げさですが,家庭教師とマンツーマンで受験指導を受けているようなものです。

レベルは200近くに細分化されていて,日本の中学1年生レベルからネイティブの大学生レベルまであります。どこから始めるかは自己申告(開始レベルを入力)でもいいですし,小テストに答えることでコンピュータが適当なレベルを決めてくれるようにもできます。あるいは,7780に搭載されている単語帳機能(覚えておきたい単語を登録できる)に登録した語をコンピュータが調べ,その語と同じぐらいのレベルから始めることもできます。正答率が高ければ1つずつレベルアップしていきます。200もレベルがあるとなかなか進みませんが,ほとんど満点が続くと,飛び級式に飛ばして進むこともあります。この場合でも,正答率が下がるとペースも下がり,同じレベルの問題が何回も繰り返して(選択肢の順序は変わります)出ます,

このボキャビル機能は,問題が多数登録されているのではなく,内蔵のthesaurusのデータを元にその都度コンピュータが問題を作ります(10万通りぐらいの問題が作れるらしい)。選択肢も,IDF-2000Eの単語集のように内蔵語からアットランダムに出る(2000Eの場合,newspaperの選択肢にAmericanが出たりします)のではなく,コンピュータが類義語,反意語,似たような発音の語,同じ意味だけど品詞が違う語,といった情報をもとに「ひっかかりやすい」選択肢を作ってきます。たとえば,paste [N}(pasteの名詞の意味に近い語を選ぶ)の選択肢は,seal, cement, apt, pastと出ます。pastやaptはpasteと発音や綴りが似ている語だからひっかけ選択肢だろう,ぐらいは分かっても,sealもcementも意味は似通っているので迷ってしまいます。この場合,pasteの「名詞」というのがミソで,「接着剤」という意味(動詞の「貼り付ける」でなく)と近い語を選ぶ必要がありますので,cementになります(動詞であればsealでいいわけです)。

完璧にレジューム機能が働くので,途中で電源を切っても次に再開するときは中断したところからできます。ですから,空き時間や通勤通学時などに簡単に勉強ができます。テストは5問から30問まで(設定で選ぶ)の好きな問題数でやれます。もし5問を選ぶと,5問ごとに正答率を勘案してレベルアップするか,そのままか,レベルダウン(繰り返しが増える)かが判定されます。テストの区切りで辞書モードやthesaurusモードに切り替えても,どこまで進んだかは覚えているので,ボキャビルモードにすれば中断したところから再開します。ちなみに,最高レベルではteenybopper, telecopy, theorization, tongue lash...などが出題されます。ネイティブには難語なのでしょうが,日本人の上級学習者なら,theorizationなどはtheorizeの派生語で,theorizeはtheoryの動詞形,と考えるでしょうからそれほど難しくはないかもしれません。ただ,これは出題語の話であり,選択肢になる単語も同様に難しい語が多いので高正答率を保つのは難しいです。

ED-7780で使われているレベルのアップダウンに関するロジックはかなり複雑な仕掛けのようで,満点が何回も続いてもレベルがなかなかあがらないときもあれば,2回ぐらいですぐ上に行くときもあります。アメリカの学校の先生とセイコーさんが共同開発? したというようなことをききました。これぐらいのロジックを日本製の電子辞書の受験単語集にもつけてほしいものです。

ボキャビルモードがすごいので霞んでしまいますが,英英(アメリカンヘリテイジの簡約版)と2種類のthesaurusも搭載しています。
>また、入手できるお店や価格に関しても情報もあるとうれしいです。

SIIの製品ですが,アメリカ支社のほうなので,日本では入手できないと思います。お客様センター等に問い合わせても,国内で扱っている小売店がない以上,どうしようもないみたいです(メーカーさんが直接販売することはできないでしょうから)。アメリカのAmazon.comでは$53.88で手に入りますが,海外への発送はしてくれません。現地へ旅行へ行ったときにでも買うか(ただ,在庫があるかどうかは保証できませんが),アメリカ在住の知人に購入してもらい,それを知人経由で日本に送ってもらうしか方法はないでしょう。私も,留学中の知人にお願いしてアマゾンで購入してもらいました。

ED-7780はテスト好きな? 日本人には大受けすると思うんですけど,輸入販売は無理なんでしょうか…>メーカーさん この掲示板でも,個人メールでも,海外向け製品の中で最もお問い合わせが多いのがED-7780なのですから,ER-6000のように販売店限定でいいので扱う店があればいいと思います。

ちなみに,ER-2000と6000はそれぞれ,COT(SR-9200搭載のthesaurus)とCOT&CODを搭載した,セイコーさんの海外向け機種です。とくにER-6000は今思うとSR-9200への布石だったのかも。

ER-6000はSR-9200の英英部分と同じように思えますが,thesaurusはコンテンツこそ同じでも,9200よりも優れています。たとえば,antenna((動物の)触角)の類語を知りたい場合,9200では出てきません。COTにはantennaが見出し語にないからです。しかし,ER-2000/6000ではantennaと入れるだけでthesaurusの類語部分の中でantennaがある語を拾ってくれます(要するにthesaurusの全文検索ができるということです)。feelerという見出し語の類語の中にantennaがありますので,antennaを入れるとfeelerが検索できます。そこには,antenna以外でもwhisker, tentacleなどの類語が出ています。

ER-6000は大きい(SR-9200よりも!)ので持ち運びに不便ですが,ER-2000はPW-M670とほぼ同サイズですのでどこへでも持っていけます。Thesaurusの単体マシンとして,留学などには便利です。残念ながら,ER-6000はヨドバシの新宿西口店など,一部で手に入りますが,ER-2000はED-7780と同じく国内では入手できません。ほんの1年半ほど前は秋葉原LaOXのDuty Free館で山積み(それも2000円で!)されていたのですが。秋葉LaOXはたまに海外メーカーのモデルで珍しいものが置いてあったりします。

ED-7780詳細 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 5月23日(木)19時19分31秒

海外製品のためカタログが日本では手に入らないでしょうから、もう少し詳細をお話しします。

キーボードはプラスチックです。ストロークは浅いですが、まずまずです。もっとも、ボキャビルモードではキーボードは使わず、液晶画面左右の6つのキーのみ使います(「電子辞書へのアプローチ」の筐体写真を参照)。選択肢のすぐ横のキーを押して答えるわけです。縦に3つキーがあることからも分かるように,7780は縦3行の解像度です。1つ1つのドットが肉眼で区別できるぐらい粗いです(^^)

本体は教育向けモデルらしく,武骨です。日本製の電子辞書も学校向けモデルを出すとしたらこんな感じになるのでしょうか。液晶も二重構造になっているので割れにくいと思います。ハードカバーがついていて,カバーを裏返して差し込むと使用時のスタンドになり,傾斜がつきます。

ThesaurusはRoget's II(SR-9600に搭載)とWord Finderという独自のもの(Oxfordの同名書籍とは関係ありません)の2種類がついています。Word Finderのほうがかなり幅広く類義語をとらえています。ボキャビルモードも,Roget's IIをもとにしたSynonym QuizとWord Finderを元にしたAssociative Quizの2種類があります。それぞれで独立して成績,レベル管理をします。

ボキャビルモードは,先にお話ししたように,ユーザの出来具合をモニターして出来具合に応じてレベルやペースが変動するオートモードで使うのが基本ですが,変数をマニュアル(手動)でコントロールすることもできます。たとえば,pace(同じレベルの問題を繰り返し出題する度合い)は最初は10(繰り返しをしないで,同じレベルに属する単語をまんべんなく出題)で,出来がよければ20まで徐々に上がります(10以上になると,同じレベル内の単語でもスキップされる率が高くなります)。逆に,出来が悪いと1まで徐々に下がります(10以下になると,同じレベルの中の同じ単語が繰り返し出される確率が増えます)。これはオートにしておけば出来具合に応じてペースが上下しますが,あるペースに固定させることもできます。たとえば,20に固定しておくと,出来がよかろうが悪かろうが,かなりはしょってどんどんレベルが上がっていきます。

ほかにも,Difficultyという変数があります。これは,ノーマルとチャレンジの2つのモードがあります。ノーマルの場合,選択肢は出題語よりも易しい(レベルの低い)語が選ばれます。ですから,レベルが上がっていっても,出題語は難しくなりますが選択肢が易しいので勘で答えることもできます。一方,チャレンジの場合,選択肢のほうが出題語より難しくなります。そのため,問題の難易度も上がります。たとえば,出題語のstartの場合,ノーマルだと正解選択肢がbeginになるのに,チャレンジだとinitiateが正解選択肢に入るというような感じです。オートにしておけば,ふだんはノーマルモードになっていますが,満点が続いてどんどんレベルアップしていっているときなど,コンピュータが「易しすぎる」と判断したら自動的にチャレンジモードに変わります。そうすると途端に難しくなります(^^) ネイティブ向けだけあって,けっこう難しいです。小テストの結果でコンピュータが自動で選んでくれるレベルはかなり実際よりも低いようで,私もこれなら楽勝と思っていたら,レベルが上がるにつれて骨のある語が増え,手こずりました。一応英語で生計をたてている私でも,上の方のレベルは歯が立ちません。いい線行っているな,と思っても,1回出来が悪いとペースが急に下がり,なかなか先へ進めなくなります。

辞書の中身はフルコンテンツでありませんので期待しないほうがいいです(^^)
あと1つ,学校等での使用を想定しているためか,ログインモードがMain UserとGuestの2種類あります。ふだんはメインユーザのほうで使いますが,友人等に貸すときはGuestモードで使ってもらうということのようです。毎回のQuizの出来具合がモニターされるので,他人に貸すとレベル等が狂ってしまうからなのでしょう。

辞書のラベル(1) 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 5月24日(金)11時55分21秒

よくお問い合わせがありますので,英英辞典で使われている文法,用法のラベルに関して連載? でお話しします。最近の英英搭載機は,コンテンツ自体の使用説明が詳しくないものが多いので,何かの参考になれば幸いです。とりあえず最初は用法ラベルから…。(注)この解説は,冊子体英英の説明書き(OALDならStudy Pageのコラムなど)に書いてあることをもとに,私が書き下ろしたものです。詳細は冊子体辞書の説明をごらん下さい。

※各ラベルの説明では,OALDをもとにしたそのラベルが使われている語の例をあげておきます。

※この連載内容の著作権は私にあります。他のコンテンツ同様に,個人利用のためのプリントアウトやダウンロード,再配布(印刷したものを友人にあげるなど)はご自由に行っていただいてかまいませんが,他掲示板や他メディアへの転載,その他著作権の侵害になる行為は固くお断りします。

時代的な差異を表すラベル

old-fashioned(OALD, LDCE, LAAD):20世紀の初めぐらいに使われていたが,今では古めかしい響きのある語。(例)aerodrome→日本語では「空港」に対する「飛行場」のような感じ。

old use(OALD, LDCE, LAAD):20世紀以前に使われたが今では使われていない語。(例)alas(間投詞としての用法)

特定のコンテクストで使われる語(いわゆるスピーチレベルを示すもの)

formal(OALD, LDCE, LAAD):正式な場面での話し言葉や書き言葉で使われる堅苦しい語。公式なビジネスレターや契約書,学術論文,堅苦しいスピーチなど。日常会話で使うと皮肉やおどけた感じを伴う場合がある ※誤解している人が多いようですが,formalの語は書き言葉だけでなく話し言葉でも(堅苦しい場面なら)使われます。(例)abate(日本語では(「減らす」でなく)「減ずる」に近いニュアンスです)

informal(OALD, LDCE, LAAD):日常会話や親しい者同士の手紙,メモ等で使うくだけた語。くだけた場面なら,教養ある者もしょっちゅう使う語だが,論文や公文書,公式のスピーチで使うと場違いになる。(例)boggle(日本語では「ぎょっとする」(「驚く」でなく)といったニュアンス) ※informalのラベルが付いていても,話し言葉だけでなく,くだけた場面(親しい友人への私信など)なら書き言葉でも使えます。

ちょっと中途半端ですが,字数制限があるのでここまでにします。(to be continued)

辞書のラベル(2) 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 5月24日(金)12時54分07秒

(1)の続きです。

slang(OALD, LDCE, LAAD):いわゆる「スラング」です。特定の集団(若者同士や,同じ職業,同じ趣味を持つ人同士などの限られた集団)の中のみで使われる語です。いわゆる「若者ことば」もスラングの一種です。informalの語と違い,場所をわきまえれば誰にでも使えるというわけではありません。「限られた集団」以外の人が(に)使えば不快感を与える恐れもあります。外国人は乱用しないほうがいい語です。とくにOALDでは,△の中に!が入っている記号(タブー語を表す)といっしょにslangラベルが付いている語があります(arseなど)。このような場合,通常のスラング以上に強烈な語ですので,教養ある人や外国人は絶対に口に出したり書いたりすべきではありません。 (例)ganja(いわゆるマリファナですが,marijuanaという(無味無臭の)語ではなく,隠語のような意味合いがあります。日本語で言う「ヤク」のような感じ?(この手の業界(笑)はよく分かりませんので外しているかもしれませんが) 日本にいる外国人が「マリファナ」と言っても普通に響くでしょうが,「ヤク」と言えば日本人はびっくりするでしょう。同じことが,私たちがslangラベルの付いた語を使うときにも言えます。

△の中に!がついている記号(OALD),taboo(LDCE, LAAD):いわゆる「卑語」です。主に排泄やセックスがらみの語であり(OALDは人種差別や障害者差別の語もこのラベルになっていますが),four-letter wordのようなものがこれにあたります。いずれにしても,外国人はもちろん,ネイティブの人であっても教養ある大人が使うと人格を疑われかねない語です。タブー語の代表であるS--t! (間投詞)は学習英和などでもあげられていて「くそったれ」「こんちくしょう」という訳語があててありますが,実際のニュアンスはもっと強烈だと思います。「こんちくしょう」ぐらいなら日本人(の男性)なら「エライ人」が使ってもそんなに違和感がないと思いますが,英語のs--tはフルスペルで書いてはいけないほどのインパクトがあります。#ちょっと前に台湾で滑走路上の機械か何かにぶつかって墜落したシンガポール航空機のボイスレコーダーに,この語が録音されていたそうですが,Time等のメディアで報道されるときは,そこだけ「驚きを表す語」のように言いかえてありました。

offensive (OALD, LAAD), racist (LAAD):人種や障害を持つ人などを意図的に侮辱するためのことば。例はあげませんが,ネイティブ,ノンネイティブを問わず,絶対に使うべきではないことばです。LDCEはラベルなしで語義の中でconsidered offensiveと書いてあります(OALDやLAADもそうなっている語があります)。

vulgar(LAAD):tabooほどではないにせよ,下品な語なので外国人は使うべきではないもの。

impolite(LAAD):初対面など,相手をよく知らないときは使わないほうがいい語。

literary(OALD, LDCE, LAAD):英米文学作品の中で使われる。普通の話し言葉や書き言葉では使われない。しばしば,古めかしいイメージを伴う。(例)adieu(日本語では「さようなら」に対応する「さらば」のような感じでしょうか)

biblical(LAAD, LDCE) 聖書や教会での説教で使われる語。普通の話し言葉や書き言葉では使わない。古風なイメージを伴う。※OALDではliteraryを使うようです。

辞書の収録語数 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 5月26日(日)10時33分01秒

先ほどの小次郎さんへのレスでもお話ししましたが,辞書の収録語数に関してです。「英語の辞書へのアプローチ」でも書いたのですが,日本人は収録語数の大小にかなりこだわる人が多いようです。それの是非は別問題なのでここでは述べませんが,問題は「収録語数」の数え方が出版社によってまちまちだということです。

先にもお話ししたように,大半の人は,収録語数=主見出しの数と考えています。しかし,実際は,○○語収録,という数字は,主見出しだけでなく,派生語,変化形,イディオム,スペリングバリエーションなどもすべて含んでいるのが普通です。

日曜日ですので,暇な人は主見出しを数えてみてください(^^) …もちろん,最初からしらみつぶしに数えるわけではありません。何でもいいですから,冊子体辞書(収録語数が示されているもの)を用意してください。100ページおきぐらいに,そのページに載っている主見出し語(発音記号の前にある太字の語で)の数を数えて,その平均を出してください。1500ページの辞書なら,15ページぶん数えて平均を出すことになるわけです。次に,その平均値×総ページ数(あたりまえですが,冒頭の説明書きや巻末の付録等を抜いた,辞書本体のみの総ページ数です)を出してみてください。ランダムサンプリングとはいえ,公称の収録語数とかなり違う(少ない)ことが分かるはずです。リーダーズにしても,公称語数は27万ですが,この中にはイディオムや派生語等もすべて含まれています。とくにリーダーズのようなイディオム等の多い辞書の場合,公称語数に占める主見出しの割合はかなり下がるはずで,10万強ぐらい?

一番の問題は,公称の収録語数のカウント方法の基準が出版社や辞書によってバラバラだということです。さらに問題なのは,最近の電子辞書は各社の辞書を寄せ集めているので,基準がバラバラな公称語数をカタログに寄せ集めて載せているということです。もっとも,収録語数の数字を出すのは出版社さんであり,電子辞書メーカーさんではないので,メーカーさんは悪くないのですが(^^;;

たとえば,セイコーさんのカタログでは,研究社の新和英中辞典の収録語数が70000語,ジーニアス和英の語数が80000語になっています。普通の人は,これだけ見ればジーニアス和英のほうが語数が多い,と思うでしょう。しかし,実際は両者の辞書では収録語数のカウントの基準が違っていると思われます。もっとはっきり言えば,新和英中辞典のほうが収録語数が明らかに多いのです。冊子体の両者の辞書のページ数や記述密度をくらべれば明らかです。

#このあたりのことにご関心のある方は,大昔の辞書学MLのログですが,ごらんください(以下のリンク)98年3月4日のところで,実際に学習英和の編纂にも携わっていらっしゃる先生がコメントしてくださっています。

http://lexis.ias.tokushima-u.ac.jp/ml_log2/1998/free/numbers.htm


英英辞書のラベル(3) 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 5月29日(水)10時18分10秒

(続きです)

spoken:話しことばでしか用いられない語。(例)blah(名詞)
written:書き言葉でしか用いられない語。時としてformalliteraryと同義で使われるようです。(例)anew
nonstandard:文法的に疑問のある言い方だが,しばしば用いられるもの。外国人は真似しないほうがいいです。(例)ain't
technical:いわゆる専門用語。専門家が,専門分野を語るときに使います。(例)viscous ※物理学で使われる用語。通常はstickyなどを用いるはずです。日本語で言うと「粘性の」と「ねばねばした」の違いだと思います。

ジーニアスvs新英和中辞典(>ちびさん) 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 6月11日(火)12時57分21秒

>私がまだまだ気が付いていないジーニアス
>の優れた点があるのでしょうか。

・選択制限(主語や目的語にどのような名詞がくるか)が細かく明記されている:たとえば,「伸ばす」の意味のstretchをひくと,新英和では「<手足などを>伸ばす」としか書いてありません。ジーニアスでは「<人・動植物が><身体・手足・翼など>をいっぱいに伸ばす」とあります。このことから,stretchは人間だけでなく,鳥などが翼を広げるというときにも使えるということが分かります。人間以外が主語になる場合はそんなに多くはないでしょうから,新英和,ジーニアスとも,用例には出ていません。しかし,ジーニアスの場合,用例になくても上記のような記述を見れば,人間以外でも使えるんだ,ということが分かるわけです。ついでに言うと,「いっぱいに伸ばす」というのもポイントです。食事をしていて目の前にある塩を手を伸ばしてとるときにはstretchは不自然でしょう。LDCEにはto straighten your arms, legs, or body to full length(太字は私です)とありますが,ジーニアスの訳語は英英の語義を極力損なわないで載せていることがうかがえます。

・例文がイキイキしている:英英にはかないませんが,句レベルの例文(例句と言うべきか?)が多い新英和にくらべて文単位の例文が多くなっています。そのかわり,その語義以外の面も入ってくるので新英和の例文より分かりにくい,という印象があるかもしれませんが。あと,前にも何回かとりあげましたが,新英和は刊行が古いこともあり,少なからず差別的なニュアンスのある例文が多くあります。過去ログの「Sekkyのつぶやき」に具体例がありますのでごらんください。
・スピーチレベル表記が多い:「正式」「略式」のようなスピーチレベル表記が新英和とはくらべものになりません。新英和では何もついていない語でも,ジーニアスでは何らかの表記がある場合が多いです。これは,とくに英語を書く際には重要な情報です。

・レキシカルフレーズ(日常的な決まり文句)が多い:これはG3で初めて実現されたものですが,従来の「イディオム」という概念には含まれなかったような日常会話での決まり文句が豊富に入っています。たとえば,「To drink here or to go?」などという言い方(実際はHere or to go?と言う場合も多いですが)はアメリカのマクドナルドへ行けば必ず耳にしますが,日本人にはなじみがない表現です。このような表現を積極的に収録しています。辞書と英会話表現集を融合した感じです。

・新しい:G3は昨年11月に出たばかりのピカピカの辞書です。M670でWorld Trade Centerをひいてみてください(^^) 初版から数えてもわずか15年弱です。一方,新英和は改訂以来8年が経過しています。初版から数えると35年ぐらいたっています。しかも,新英和の初版は,OEDというオックスフォードの英語大辞典から,例文を無断借用して掲載したということがあり,わずか1年で当該例文を差し替えて改訂版を出しています。このようなこともあり,たとえ改訂を重ねているとはいえ,不自然な例文が少なからず残っています。これは,例の宝島事件で副島氏が明らかにしたこととも通じます。新しいからいいというわけでもないでしょうが,部分改訂を重ねた辞書は,どこかに抜けがあることは決して珍しくはありません。「英語の辞書へのアプローチ」等,拙サイト内の文章でも,何年も改訂を重ねていると誤りがそのままになってしまっていたりすることはしょっちゅうですから。※念のためですが,OEDからの例文借用問題は,誹謗中傷を目的として言及したわけではありません。この件は当時の新聞公告でも出ていますし,辞書に関わる人なら知っている基本的なことですから。

その他に関しては冊子体ジーニアスの「まえがき」をごらんください(^^) 最大の理由は,ジーニアスが文法や語法に力を入れた辞書であるということです。日本人英語教師の文法,語法好きは有名ですから,教師の嗜好にぴったり合った辞書なのでしょう。もちろん,教師の嗜好と生徒の嗜好は全く違います。ですから,ジーニアスは教師(とくに高校の英語教師)や研究者の間では評価が高いのは事実ですが,生徒にとっては必ずしもそうだとは言えません。生徒の中でも「ジーニアスはいい」という人も多いですが,その中のどれぐらいの生徒が,他の辞書と自分の目で比較して「いい」と言っているか,怪しいものです。多くは「私の英語の先生がいいと言ったから」というような理由なのではないでしょうか。

和英辞典は有害?(>Yoshiさん) 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 6月14日(金)19時56分26秒

>ルが高く、和英辞典は、英語力が無い人が外国人に会ったり海外に行った時に
>シドロモドロで辞書を引きながら使うものというようなイメージがあるのではないか
>という気がします。

同感です。とくに英語ができる人ほど,「和英辞典は英作文等をする上でマイナスになる」という印象を持っているようです。この考えにはたしかに一理あります。「このジュースには砂糖が含まれていない」と言いたいとき,和英で「ふくむ」をひいて,includeが出ているからといってそれを上記の文脈で使ってしまうとおかしな文になる(液体の中に砂糖が含有されているような場合はcontainを用いる)というような例を考えれば,たしかにその通りでしょう。

>例えば、available のスペルを忘れたので和英で引こうと思っても、「有効」
>とかの類義語では出てこず、available の直訳であっておよそ日本語の単語では

和英の場合,発信用の辞書ですから,最も一般性のある訳語を優先して載せていると思います。「有効な」の場合,「このクーポンは1ヶ月有効です」「この薬は胸焼けに有効です」のような意味で使われることが多いと思います。ですから,validやeffectiveなどが訳語になっているのでしょう。「有効」=availableというのは,どちらかというと専門的な文脈で見られる気がします(リーダーズには法律用語のラベルが付いています)

>また、発音の表記や動詞の活用、名詞の複数形が載っておらず、英和を併用することが前提
>になっているという点も不満です。

ライトハウス(現行のルミナスの前身)和英やニューアンカー和英など,一部の学習和英では発音記号や変化形も載せるようになりましたが,このような辞書はまだまだ少数派ですね。

>複数の訳語がある場合の微妙なニュアンスの解説が不足しており、この点でも英和
>を併用しないと怖くて使えないのが現状の和英辞典ではないでしょうか。

これはルミナスが得意としていますが,それでも,英語の単語同士のニュアンスの違いを日本語で説明するというのは限界があり,また,そのような微妙なニュアンスの違いが気になる人はそれなりのレベルの英語力はあるでしょうから,結局は英英に流れてしまうのでしょうね。

私個人としては,英和辞典と同様に,和英辞典も英語を学んだり使ったりする上では欠かせないものだと思います。「和英を使っていては英語力がつかない。和英に頼らないで,自分の知っている単語を使いこなして英語を書きなさい」とよく言われていますが,「自分の知っている単語を使いこなす」ことができれば苦労はしないわけです。そういう人はかなり単語力もあるでしょうから,和英を使わずに英和や英英だけで済ませればいいと思います。大多数の平均的な英語学習者は「自分の知っている単語」の数以上のレベルの内容を表現したい(しないといけない)から和英にすがりつくのでしょう。料理のレシピを説明するとき,「小麦粉」を英語では何というか知らなければお手上げです。でも,和英があればflourだと分かります。とりあえず小麦粉=flourと分かれば,flourが不可算名詞だと知らずにfloursのようにやっても,料理はちゃんと作れます。

言いかえれば,和英を「ある日本語を英語で何というかを知るための道しるべ」と割り切って考える(=和英で引いた単語を,必ず英和や英英で引き直す)のなら,今まで言われてきたような和英の弊害はそんなにないと思います。しょせんは英和や英英と併用することを前提にした「道しるべ」ですから,細かな学習辞書的記述に走るよりはある程度の語数(10万語超ぐらい,専門用語も豊富に)を備えた和英も必要でしょう。電子辞書ならジャンプ機能で和英→英和,英英へ簡単に移れますので,和英は訳語を並べただけの物(そのかわり語数を多く)でもいいと思います。極端な話,(一般にはアピールしにくいでしょうが)電子辞書には和英コンテンツはカットして,そのかわりに搭載されている英和の訳語部分をすべてインデックス化して,訳語から見出し語を逆検索できるようにしても「道しるべ」としての和英なら有効だと思います。リーダーズのCD-ROM版にある訳語検索のような感じです。

>かるそうですから、この巨大な辞書の編集には長い月日がかかると思い
>ます。でもきっと将来出てくるはずだと信じています。もうどこかでプロジェ
>クトは始まっているのではないでしょうか。Sekkyさんご存知ありませんか?

現物をまだ見ていませんが,グランドコンサイス和英がこれに近いコンセプトの和英だと思います。

ちなみに,「ニューアンカー和英」(現行のスーパーアンカーの前身)の「はしがき」と「本辞典編集のねらい」は現行の和英辞典の問題点を知る上で必見です。

電子辞書のマニュアルについて(>はるさん) 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 7月 5日(金)19時56分29秒

>レビューにもありましたように、説明書はとてもお粗末なものでしたが、私は日頃から説
>明書を読むのはあまり好きではなく、使用しながら身に付けていくタイプなので、順序な
>どは気になりませんでした。ただ、その場合、どうしてもわからない場合のみ説明書に頼
>るのですが、困った時に説明書はあまり役に立ちませんでした。英英辞典を使うのは初め
>てで例文に出てくる「sth」の意味がわからなくてジャンプして英和に飛んだら「南」
>と出て来た時は苦笑いしました。

前にも書いたのですが,はっきり言って2000Eのマニュアルはひどいものです。IDF-3000, 4000のときはとても丁寧なマニュアルだったのに,2000Eになってから急にひどくなりました。同じメーカーの製品とは思えないぐらいです。4500は少しましになりましたが,それでも3000, 4000とは明らかに出来が違います。キヤノンの電子辞書は,本体の出来がとてもよいのに,マニュアルがこれでは初めて電子辞書を買った人は戸惑うでしょう。

電子辞書のマニュアルは,「電子」の部分(操作の説明)と「辞書」の部分(辞書の見方や凡例)の2つから構成されます。これらはどちらも大事なものですから,両方を対等に扱う必要があります。IDF-2000Eのマニュアルには「電子」の部分しかありません。後になって,別冊で辞書の見方や記号説明を書いた凡例集というのが作られました。これは量販店の店員さんに言えば購入者は無料でもらえるのですが,はるさんはもらいましたか? もっとも,この凡例集にしても必要最低限という感じで,詳しいとはお世辞にも言えないのですが…。

マニュアルの「電子」の部分に関してのわかりやすさは,カシオの機種が抜きんでています。これに関しては「Sekkyのつぶやき」の4月 3日(水)10時45分49秒をごらんください。電源キーひとつの説明にもかなりの字数を使っています。

辞書の使い方説明は,シャープのマニュアルが分かりやすいです。OALDにしても,シャープ(PW-6800)は16ページ半も使って詳しく説明しています。たとえば,[U]という記号の説明は「不可算名詞」と書くだけでなく,不可算名詞とはどういう名詞で,どういう例があるのかまで書いてあります。冊子体OALDのStudy Guideの部分を翻訳したような内容ですが,翻訳臭さが全くなく,冊子体OALDを知らない人が見れば一から書き下ろしたものだと思うぐらいの見事な日本語です。これだけの訳文は,英文法自体を熟知している人でないと書けないはずです。これだけ見ても,シャープの機種はマニュアルにかなりコストをかけていることが分かります。同じOALDでも,キヤノンのIDF-2000E(凡例集)は6800のマニュアルの3分の1ぐらいの大きさしかないスペースにわずか9ページです。コンテンツが全く同じなのに,なぜここまでの分量の差が出るのか,ということをメーカーさんは考える必要があるでしょう。カシオの最新機種では辞書の使い方説明はオンラインヘルプ(ガイド機能)に譲り,マニュアルには一切載っていませんが,これも一つの方法でしょう。また,セイコーの機種は,冊子体の説明書き部分をそのまま縮小して載せています。もともとが冊子体辞書のものなので字が小さく,見にくいという難点はありますが,はしょったりしないで冊子体辞書と同等の情報を提供しているので親切です。シャープの機種のように冊子体辞書の説明書きを翻訳なり再整理なりするのが大変なら,せめてセイコーの機種のように冊子体の説明書きをすべて電子辞書のマニュアルにも載せてほしいです。

Reading Penはいかが? 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 7月 6日(土)12時01分42秒

発音機能に興味がある人は多いようですが,単語単位でなく文章を発音できる機種はないか,というおたずねがたまにあります。

定番ではセイコーのSD-7200でしょう。合成音声ですが,新英和,和英中辞典内のほぼすべての単語はもちろん,例文も発音してくれます。ネイティブの肉声とは明らかに違う「機械の音声」だということは普通の人がきいてもわかりますが,それでも,ネイティブがこれを聴けば十分意味は通じるレベルです。SD-7200には自由文発音といって,中辞典の例文以外でも自分でキー入力した英文を読んでくれる機能があります。辞書に入っていない固有名詞(日本人の名前とか)でもローマ字読みで読んでくれるので,十分実用になります。ただ,7200の難点は,自由文発音機能があるとはいえ,発音させたい文章をキー入力しないといけないということです。ですから,学生が教科書の英文を勉強する際のお手本にしようとしたら,キー入力が面倒です。

そんな人におすすめなのがWizcomというイスラエルのメーカーが出している「なぞって訳す」電子辞書です。これは,OCRを内蔵した電子辞書で,英文(活字しかだめで,手書きは付加)をスキャンするとその文章を発音してくれます。もちろん,本来は電子辞書(英英)ですから,意味を知りたい単語にカーソルを合わせれば定義がでます。American Heritage College Dictionaryというアメリカのカレッジ版英英のフルコンテンツ(語源以外)を収録しています。レベル的にはCODと同じ感じです。英文をなぞるだけで発音してくれるというのはとても便利です。二行以上にわたる文でも(200文字以内なら)2回に分けてなぞればくっつけて読んでくれます。

もともとは,目の不自由な人やdyslexiaの人向けに開発されたものらしいですが,英語学習にも役立ちます。今は日本代理店でも購入できるようですので,詳細は以下のリンクをごらんください。

http://www.wizcomtech.com


機種選定に関するご質問について 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 7月16日(火)14時50分04秒 Q:

↑最近,具体的な用途や英語レベル等の情報が一切なく,ただおすすめの機種を教えてください,というご質問が,掲示板上というよりも個人メールで大変多くなっています。あらかじめお断りいたしますが(掲示板上でなく)個人メールによる電子辞書関係のご質問には,一切お答えいたしませんのでご了承ください。インターネットはギブアンドテイクの世界ですから,素朴なご質問であっても掲示板上でやりとりをすれば,他のユーザさんで同様の疑問をお持ちの方にも還元され,情報のリサイクルが有効に機能します。※もちろん,掲示板運営上のコメントや,メーカーさんからのご指摘,その他個人的な内容は従来通りメールでかまいません。

★なお,電子辞書を購入予定の方で,機種選定に関するご質問をされる場合は,まず以下のサイトをごらんください。

「初めて電子辞書を購入しようと思っているみなさまへ」:http://sekky.tripod.com/edicintro.html
→事例別に最適な電子辞書の種類があげてあります。まずここをごらんください。

「電子辞書へのアプローチ」:http://sekky.tripod.com/icdic1.htm
→これをごらんいただけば,電子辞書にはどのような種類があり,どういう機能がついているのかが分かります。個人によって必要な機能は違いますので,自分にとって必要な機能は何か,考えてみてください。冒頭のQuick Indexを使えば,「広辞苑が必要かどうか」「英和・和英辞典はどの辞書がいいか」の2点をもとに機種を絞ることができます。

上記のサイトで自分にとって必要な機能と電子辞書の種類を絞り込んだら,電子辞書仕様比較表
http://sekky.tripod.com/edicspec1.html
http://sekky.tripod.com/edicspec2.html
http://sekky.tripod.com/edicspec3.html

を参考に,候補機種をいくつかしぼってみて下さい。各メーカーさんのホームページや拙掲示板の過去ログも参考になります。また,リーダーズとグランドコンサイスの違い,学習英英辞典の違い(LDCEとOALDの違いなど),ジーニアスの旧版と新版(G3)の違い,など,電子辞書コンテンツに関する知識は,過去ログの中から私の書き込みを抜粋した「Sekkyのつぶやき」:http://sekky.tripod.com/tsubuyakilog.html も参考にしてください。

これだけ事前に調べていただければ,ある程度自分のニーズにあった電子辞書がどういうものかということが把握できると思いますので,より詳しいお話ができると思います。

今後とも,よろしくお願い申し上げます。m(..)m

クロスワードに最適な機種(>すまいる。さん) 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 7月17日(水)09時15分06秒

>クロスワード検索はseikoだけみたいですね。ちょっとがっかり(笑)

日本語のクロスワードを解くためにワイルドカード検索を使う場合,(1)語頭に「?」が使えること,(2)派生語や慣用句などもワイルドカード検索でヒットすること,(3)広辞苑でワイルドカード検索ができること,の3点をクリアする必要があります。カシオの機種は英和,英英でしかワイルドカード検索が使えないのがネックになります(詳細は「電子辞書へのアプローチ」の4.1.をごらんください)。

ただ,クロスワードの中には「八郎潟で有名な××半島」というようなカギがよくあります。このように,後部要素が確定しているカギなら,ワイルドカード検索を使わなくても逆引き広辞苑で用が足せます。カシオの機種にも逆引き広辞苑が入っていますので,「はんとう」と入れてやれば検索できます。「逆引き広辞苑なんて必要なの?」という声をききますが,こういう用途がありますね。

クロスワードを解くという観点ではセイコーのフルキーボードモデル(SR-9500/9600/9200)
に勝る機種はありません。これらの機種にはプレビュー機能がついています。そのため,ワイルドカード検索でヒットした候補語リスト上でカーソルを上下に動かすだけで,画面下半分にその語の語義が表示されます。他機種のように,いちいち訳キーで語義を出し,パズルのカギとは違うからリストに戻って,次の単語をまた訳キーで…という面倒な操作がいりません。クロスワードを解く際,ワイルドカード検索でパターンを入れただけでは膨大な候補語リストになりますので,カーソルの上下だけでその語の語義がチェックできるというのはとてもありがたいのです。

しかも,他機種だと,クロスワードを解いた後は,クロスワードで引いた単語が履歴にたくさん残ってしまいますが,プレビューで表示させた場合は(訳キーを押して表示したものと違い)履歴に一切残らないというのもメリットでしょう。このようなメリットはクロスワードフリークの人にとっては大きいでしょうから,パズル雑誌にSRシリーズの広告を出すとか,懸賞の賞品にするとかしてもいいと思いますが。とくに,リーダーズ搭載のSR-9200は日本語はもちろん,かなり難解な(英字紙に載っているような)英語のクロスワードでもサクサクと解けます。日本語も,英語もクロスワードを楽しみたいという人は,それだけでもSR-9200を買う価値はあります。難解なクロスワードを解いて賞品をもらえば電子辞書を買ったもとは十分とれますね(^^)

LAADの例文 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 7月17日(水)11時07分43秒

PW-9500にかまけてばかりいるのも何ですから,XD-R8100の良さにもふれてみます(^^)

XD-R8100はLAADという英英辞書を業界で唯一載せています。カシオさんのカタログなどでは,今主流のアメリカ英語を優先した辞書だとか,TOEIC/TOEFLに役立つだとか,時代のニーズに応える(World Englishesが叫ばれる今,アメリカ英語に特化した辞書がなぜ「時代のニーズに応える」のかという突っこみはなしにして(^^))といった宣伝文句になっていますが,もっと大きな特徴としては,以前にmorelさんがご指摘くださったように,例文が生のアメリカ英語からそのままとってきたものが多く,そのため,例文全体が1990年台後半のアメリカの息づかいを反映しているといっても過言ではないからです。例文検索でこれらの例文が自在に検索できるというのは,PW-9500は逆立ちしてもかないません。XD-R8100の例文検索は英英のみで,ジーニアス英和,和英の例文は検索できませんが,私にとっては,逆ならともかく,LAADの例文が検索できるだけでも十分すぎる価値はあると思います。へたに英和,和英も検索できるようにして,ヒット数が多くなって途中でカットされてしまうぐらいなら,英英だけでもいいと思っています。

前にもふれたように,LAADの例文は,時事的な出版物(新聞やニュース週刊誌など)からピックアップしたものをあまりリライトしないで辞書に載せているようです。morelさんもご指摘くださったgun control (21/1)もそうですし,domestic violence (6/3), global warming (9/2),sexual harassment (20/1),alcoholism (7/2)など,現代のアメリカや世界全体で問題になっているキーワードを入れると,何十という例文がヒットします。※LAADのヒット数/OALDのヒット数

人名や商品名などもLAADは代名詞に変えたりしないで,オリジナルのものをそのまま使っている場合が多いです。

-Jordan has repeatedly led his team to the Promised Land of the NBA Finals.
-In the 1992 presidential race, George Bush cleaned Buchanan's clock in every southern state.
-A Big Mac retails for $1.90 nationally.
-Clinton was asked flat out if he had ever had an affair.
-Johnson earned the nickname "Magic" while playing high school basketball.
-"Titanic" was still pulling in crowds after 18 weeks.
-Collins says she was drugged and then raped on their first date.

こういう生の例文が満載されているのがLAADの一大特徴であると言ってもいいでしょう。クリントンの疑惑まで例文になっているとは…。別に大学の出版局が出しているからというわけではないのでしょうが,OALDの例文は無味乾燥なものが多いのは事実です。私が留学していたときはビッグマックは3ドルだったから,かなり安くなったんだとか,意外な発見があったりします。タイタニックはたしか97年冬のロードショーだったはずですが,2000年秋に刊行されたLAADの例文にすでに反映されているのは驚きです。刊行直前まで新しい例文に差し替えたりしているのでしょう。もっとも,レイプやアルコール依存症,薬物乱用などを生々しく描写した目をそむけたくなるようなものもかなりあります。辞書に道徳の教科書的な位置づけを持たせるなら,たしかにそのような例文は物議をかもすかもしれません。Marijuanaという見出し語には例文が1つもないのに,辞書全体では何十というmarijuanaが使われている文章がありますが,これなどは,杓子定規に言えばmarijuanaを使わなくても他の単語で言いかえればすむことです。

一方で,英英辞典を使って英語を学んでいるときに,アメリカの影の部分を他国にいながら垣間見ることができるというのは,とても有効であると思います。月並みな言い方ですが,外国語を学ぶということは,そのことばが使われている国の文化を学ぶことと切り離すことはできません。ことばを学びながら,その国の文化を少しでも知ることができるのなら一石二鳥であると思います。
正直なところ,日本の英和辞典の例文は,例文のための例文といった感じで,つまらないものや時代錯誤のものが多いのは事実です。某英和辞典のI went with George and Clinton, oh, and Jim.のようなものはその典型です。明らかにこれは執筆者が作文したものでしょうが,過去の大統領を勢揃いさせて洒落たつもりなのでしょうが,現実には考えにくい文脈です。大統領の同窓会でもあったのでしょうか(笑) そもそも,「行った」ってどこへ行ったのでしょうか。また,Iが誰なのか分かりませんが,総理大臣ならともかく,普通の日本人ではありえないでしょう。学習英和辞典を使う人の多くは高校生や大学生,一般社会人であり,総理大臣や政治家ではありません。生の例を使わないで作例を使えば,例文がより身近に感じられるはずですが,上記のように一般庶民にとって身近に感じられない例文をわざわざ作文するぐらいなら,生の例文を使ったほうがまともになります。

定評のあるジーニアスでさえ,drugで例文検索すると風邪薬だとか新薬だとかいった,医学がらみの文脈で使われているものがかなり多くヒットします。drugの注記に「最近では麻薬の意味で用いられることが多い」と書いてあっても,ジーニアスの例文全体ではそれがあまり反映されていないのです。麻薬がらみの例文でも,ほとんどは「麻薬中毒者」「薬物乱用」のような句レベルのもので,今のアメリカが抱えるドラッグの問題が垣間見られる例文はありません。レイプなどはアメリカの犯罪件数のワーストを占める重要な問題ですが,ジーニアスでは1例のみ(それも法律用語の例として)です。臭いものには蓋というつもりなのか,日本の高校生への教育的配慮なのかは分かりませんが…。

Sentence 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 7月21日(日)13時55分38秒

大学の語学テキストを中心に出している朝日出版社という出版社が,自社の口語英語辞典5種類をCD-ROM化(Sentenceという製品)して発売しました。1枚に全5種類の辞書を収録し,見出し語検索と,収録されている50000ちょっとの例文検索ができます。日本で手に入る口語英語の例文コーパスとしては大きいものの一つだと思います。CNNと提携し,CNNマガジンなども出している出版社なので,CNNで使われた例文なども購入者はネット上でダウンロードできるようです。

詳細は以下のリンクをごらんください。

http://www.asahipress.com/sentence/


英英搭載機種の選び方 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 7月23日(火)10時08分43秒

↑お問い合わせが多いのですが,「電子辞書へのアプローチ」などでは最新機種が反映されていませんので,ここにまとめておきます。学習英英辞典を搭載した機種を購入予定の方のご参考になれば幸いです。

・広辞苑搭載機種を選ぶべきか?

初めて電子辞書を購入される方で,国語辞典が必要かどうか迷っている方は,国語辞典の入っている機種をおすすめします。ふだん国語辞典をあまり使わない人でも,電子辞書を購入すれば思ったより引く頻度は高くなると思います。日本語の場合,私たちにとっては母語ですから,テレビや新聞などででてきた語できいたことのない単語があっても,国語辞典をとってきて引くのはおっくうだからといって,類推ですませることが多いものですが,電子辞書なら簡単に引けます。とくに,留学(学位留学や,長期の語学留学)で使うために購入する場合は,国語辞典は必携です。渡米前は,英語漬けの生活になるのだから国語辞典などいらないと思うかもしれませんが,行ってみるとその必要性を痛感します。現地ではまともな国語辞典は手に入りません。ロスやニューヨーク,シアトルといったクラスの大都市なら日系の書店で手に入りますが,日本で買うよりはかなり高いです。

一方,以前に汎用機(英英なしでコンテンツの多い機種)を購入した人で,英語学習等の必要性から,セカンドマシンとして購入を考えている人は,(おそらく1台目の機種に国語系コンテンツは入っているでしょうから)広辞苑搭載,非搭載(=英語専用機)の両方から,英語系コンテンツの中身に重点をおいて選択すべきでしょう。

・英英辞典はオックスフォード(OALD)がいいのか,ロングマン(LDCE/LAAD)がいいのか?

同じ学習辞典といっても両者はレベル的にかなり違います。詳細は「Sekkyのつぶやき」の過去ログをごらんください。かなり荒っぽく言うと,

(語義の難しさ):LDCE/LAAD<OALD,(例文の難しさ):LDCE/LAAD>OALD と考えていいと思います。

必要な機能は?

最近の電子辞書には様々な付加機能がついていますが,自分にとってどの機能が必要かを把握することは大切です。以下に代表的な機能とその用途をお話しします。

・例文検索:ある単語(複数可)が含まれる例文を,英英(+英和,和英)の全例文の中から検索し,一覧する機能です。たとえば,冊子体辞書では,in front ofという句が使われている例文を見たい場合は,in front ofの項目の中にある例文にしかアクセスできませんが,例文検索なら,他の見出し語の中の例文でもin front ofの使われている文章を出してくれます。この機能は,とくに中級以上の学習者にとっては英語を書く際に和英辞典のかわりとして重宝します。留学予定者や大学の英語学科の学生等,英語を書く機会の多い人には必須の機能でしょう。

・日本語ジャンプ:機種によってはスーパージャンプなど,呼び方は違いますが,従来のジャンプ機能を改良し,英単語だけでなく日本語の単語にもジャンプできるようにした機能です。これにより,広辞苑で引いた単語の語義の中で分からない単語を再度広辞苑で引き直すということが簡単にできるようになりました。また,英和で引いた単語の訳を和英で引き直すこともできるので,類語等にも目を配った深みのある英語学習ができます。

意外と知られていませんが,日本語ジャンプは日本語を学ぶ留学生にも便利な機能です。広辞苑で引いた語義は難しい場合が多いので,和英で引き直すことで理解しやすくなります。私たちが英英の語義を英和で引き直すのと同じことですね(^^)
・単語帳:辞書で引いた単語の中から任意の単語を半永久的に記憶し,必要に応じて呼び出せる機能です。履歴(しおり,ヒストリー)機能と違い,ユーザが選んだ単語だけが記憶されますし,古いものから消えていくことはありません。大学受験生や高校生は定期テストの範囲の単語や豆単から抜粋した語を記憶して学習用に使えます。また,学位留学をする人のようなハイレベルの英語学習者でも,リーディングアサイメントの中で,授業のディスカッションでキーワードになりそうな語を選んで登録しておき,空き時間にざっと目を通しておけばスムーズに授業に参加できます。英和の訳語はともかく,英英の語義を紙の単語カードやノートに書くのは大変ですが,単語帳機能ならワンタッチです。英英の語義なら,そのまま授業で話すときにも使えますね。

・画面分割表示:ジャンプ機能で英英から英和にジャンプするときなど,ジャンプ前(英英)とジャンプ後(英和)の画面を並べて見られると便利です。ジャンプ機能(少なくとも英単語へのジャンプは)はどの機種にも付いていますが,画面分割のできる機種は限られます。

・類語辞典:シソーラス(thesaurus)とよばれるもので,ある英単語と似たような意味を持つ語が一覧できる辞書です。もちろん,thesaurusに載っていても厳密にある単語とある単語が同じ意味ということはありませんので,正しく使うためにはニュアンスの違いなどを英和や英英で確認する必要があります(電子辞書ならジャンプ機能で簡単にできます)。シソーラスは諸刃の刃であり,うまく使えば自然な英語を書く上で有益なツールになりますが,一方でthesaurusに頼りすぎてよく知らない語をthesaurusに載っているからといって「知ったかぶり」して使うと大恥をかくことがあります(経験者は語る(^^;;)。学位留学をした人は,thesaurusを使いすぎたために逆に英語を直されたりしたことが1回はあるのではないでしょうか。ESL(語学留学)レベルの英語学習なら必ずしも必要ではないかもしれませんが,英語でペーパーを書いたりする機会の多い人は必須です。

英英辞書搭載機種の具体的特徴(順不同)

(国語辞典搭載機)=英語重視モデル

・XD-R8100(カシオ):例文検索と類語辞典,広辞苑をすべて搭載した唯一の機種。そのため,国語辞典搭載機の中では,英語に最も力を入れた機種と言えます。後述の英語専用機がほしいけど,国語辞典がないのはちょっと…という人におすすめです。日本語へのジャンプや単語帳,画面分割など細かな付加機能はありませんので,コンテンツ内容を重視する人向け。大学の英語学科の学生や英会話学校へ行っている人などがメインターゲット?

・PW-9500(シャープ):大画面と小さなフォントの搭載により,画面の一覧性は業界一です。類語辞典や例文検索といった英語系の機能はカットされていますが,ことわざ辞典,カタカナ語辞典など,国語系コンテンツが重視されています。また,画面分割,単語帳,日本語ジャンプなどの付加機能も搭載され,その使い勝手もとてもよくなっています。筐体サイズが大きいので,どちらかというと据え置き用途がメインの人向けです。学生というよりは,主婦やサラリーマンなどで「やり直し英語」に興味を持っている人にぴったりかもしれません。留学用途など,英語を重視する人は他機種のほうがいいでしょう。

・IDF-4500(キヤノン):画面解像度は他機種にくらべて低いのですが,一方でコンテンツバランスと高機能を両立させた機種です。4500の一大特徴は,単語帳機能の性能です。辞書別の制限が一切なく,合計で最大1000語を4つのチャンネル(記憶領域)に分けて登録できます。たとえば,定期テスト用,受験用,英会話学校用,洋画に出てきた単語用,のように区別して記憶できるわけです。留学生なら,科目別,教科書別にすると便利でしょう。テストモードがあることや,並び順をアルファベット順・登録順の選択ができること,チェックマークをつけた単語(=覚えた語)を隠して(フィルタリングして)表示するなど,様々な機能があります。一方で,ジーニアスが旧版だったり,例文検索がないなど,中途半端な面もありますが,辞書としてだけでなく,英語学習ツールとしての機能を重視する人にはおすすめです。

・DD-IC5000(ソニー):語数の多いリーダーズ英和と学習英英の組み合わせに加え,国語辞典(広辞苑ほどの語数はありませんが)を搭載しています。例文検索や単語帳などは備わっていますが,英語を重視する人にとっては類語辞典がないのが難点です。また,過去ログでもふれていますが,画面解像度をはじめ,細かな操作性に難があります。
(国語辞典非搭載機)=英語専用機

・SR-8100(セイコー):付加機能の豊富さは他機種を寄せつけません。例文検索はもちろん,常時2画面分割で表示する(見かけ上,2台の電子辞書を1つの画面で使うことができます)機能などは使い込むほどその便利さを実感します。フルキーボード搭載というのも大きなメリットです。単語帳はありませんが,例文を登録する(例文コレクション)はあります。また,10画面のみですが,任意の画面を記憶する(ブックマーク)機能があります。容量が少ないですが,単語帳としての使い方も可能です。類語辞典は他機種のものと違い,語数が多く,平均的な英語学習者には使いにくいかもしれません。英語上級者のセカンドマシンに最適な機種です。

・PW-6800(シャープ):英和辞典で最大の語数を誇るグランドコンサイス英和を搭載しています。語数の多い英和と学習英英の組み合わせは,上級学習者のニーズにぴったりでしょう。専門的な英語を読む機会が多いだけでなく,英語を書くことも多い人向け。類語辞典が貧弱なのが心許ないですが,外資系企業のビジネスパースン,海外の院レベルでの留学生などをターゲットにしていると思います。英和は語数が多いかわりに例文や文法記述が少ないので,これらの情報はOALDに頼る必要があります。そのため,学習英英辞典が使いこなせない人には不向きです。

・PW-M670(シャープ):小型軽量タイプの学習英和,英英搭載機。英語学習のために電子辞書を購入する人で,どこへでも持ち歩きたい人向け。英会話集もついているので,英語学科の学生から主婦層で英会話に興味がある人まで様々なニーズに応えます。

細かな仕様の改悪? 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 7月24日(水)22時03分25秒

メーカーさん向けの内容かもしれませんが,最近の新機種で目立つのが,旧機種の仕様を改善するどころか,メーカーさんが意識しないうちに「改悪」になっているケースがよくあるということです。機種を特定して恐縮ですが,具体例をあげます(順不同)。いずれも些末なことなので一般ユーザさんの利用には支障はないでしょうが,私のように,研究目的とはいえ同じメーカーの新旧機種を併用していると,けっこう気になります(^^;;

(PW-9500):単語帳機能で英和などの複合語(2語以上からなる見出し語)を登録したとき,呼び出すとその語が頭に出ない→sea anemoneを登録して呼び出すと,この語が頭に来ないでseaの複合語の冒頭にあるsea airが最初にきてしまう。そのため,どの語を登録したか分からなくなる。PW-9100/6800はこんなことはなく,登録した語が先頭に表示された。

(IDF-4500):IDF-4000や2000Eで備わっているリスト画面でのショートカットキーがきかなくなった。また,他の画面でも,ショートカットキーのついている場面とついていない場面が混在していて戸惑う→単語帳に登録する際のダイアログではショートカットキーが使えるのに,単語帳キーを押した後の選択画面では使えないとか。

(XD-R8100) リスト画面(単語を引いて,戻るキーを押した後の画面)のフォントサイズが,設定に関係なく16ドット(大フォント)に固定されてしまう。XD-S8000などでは英語系コンテンツは12ドットでリストされていたので,R8100になってから一覧性が悪くなった。

(SR-9600/9500/9200/950) 履歴が全辞書一括になり,しかも引いた辞書種まで記憶されるようになった→そのため,広辞苑で引いた語をカタカナ語辞典で引き直す際などには使えなくなった。

などなど。

次世代電子辞書に何を求めるか? 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 7月29日(月)20時27分53秒

(メーカーさん向けの内容かもしれません(^^;;)
いろいろなところで書いていますが,ここ1,2年で各社のIC電子辞書が出揃い,いわゆる汎用モデル(国語,英和,和英(+英英)をベースに,各種コンテンツを追加したもの)の機種はほぼ一段落ついたと思います。数年前のような,メーカー間の優劣の差も(大きな点では)なくなってきていますので,今後は広辞苑+ジーニアス+αという図式も徐々に変わっていくでしょう。各メーカーさんも,きっと私が知る由もない腹案をそれぞれお持ちなのでしょうが,それでも,それでうまくいくかどうかというのは,メーカーさん自身も本当のところは分からないというのが本音なのかもしれません。拙掲示板も,直接のレスはないにせよ,各メーカーさんが定期的にごらんくださっているようですので,ユーザの皆さんからのご提案やレビュー等は今後の製品にも反映されるかもしれません。

私個人としては,現行の汎用機のラインが一番売れ筋になるのは昔も今も変わらないでしょうから,今後はより安く(+小さく)ということに主眼が置かれると思います。汎用機の中でも,高解像度液晶+種々の付加機能を入れたハイエンドの機種と,機能面や液晶解像度を犠牲にしても,安く,小さくすることに重点をおいたエントリーモデルの二極分化は今後進んでいくと思います。エントリーモデルは現行の非フルコンテンツモデルを吸収していくでしょうから,近い将来は電子辞書=フルコンテンツになるかもしれません。

うちの大学でもそうですが,中堅以下の大学,高校での電子辞書の普及率はまだまだです。フルコンテンツだと最も安い機種でも20000円前後はしますから,彼らにとっては勉強道具に2万円も払うのは高い,ということのようです。紙の辞書を全員に買わせるだけで一苦労ですから(^^;; これが,実売で10000円弱となれば話も違ってきます。普通の大学生なら,日本語ジャンプやプレビューなどの付加機能を犠牲にしても値段の安さが優先されることは多いと思います。

このようなローエンドの機種は,学生のレベル的にもジーニアスや広辞苑はきついでしょうから,もう少しレベルを落としたコンテンツ(スーパーアンカーやフェイバリット)の搭載が望まれます。英英にしても,LDCEやOALDのようなフルサイズ学習英英ではなく,Longman WordwizeやActive Study,Oxford Wordpowerのようなもうワンランク下のレベルのコンテンツの需要は(とくに中堅以下の四大・短大の英文科などで)大きいと思います。

一方,上級者向けのコンテンツも充実させる必要があると思います。個人的にはSR-9200のコンセプトは正しかったと思いますが,実際はCODの知名度の点で損をしているかもしれません。戦前の英学者ならともかく,最近の大学生は,LDCEやOALDで育った世代の英語教師(私もそうですが(^^))に英語を教わっていることもあってか,英文科の院生でもCODを知らない人が多いですからね(年輩の英語の先生には信じられないでしょうが,事実です)。むしろ,最近の大学生で熱心な学生(学習英英の次のステップをめざす学生)は,CODよりはAmerican Heritage Dictionary (AHD)やWebster's New World(WNWD)などのアメリカ生まれのカレッジ版英英をよく使っています。英語の主流がイギリス英語からアメリカ英語に変わったことや,英文科学生=英文学を学ぶ学生という図式が薄れ,より時事的,実際的な観点で英語を学ぶようになったので,新語を積極的に増補しているアメリカのカレッジ版辞書のほうがしっくりくるのでしょう。同じオックスフォードでも,最近のラインナップであるNODE(イギリス英語)やNOAD(アメリカ英語)のような辞書のほうが使いやすいと思います。
上級者向けのコンテンツとしては,今述べたネイティブ向け英英に加え,sunnyさんがおっしゃるような英和活用大辞典のような専門家向けコンテンツも必要になってくると思います。和英辞典のかわりに英活を載せるというのは営業上厳しい(和英辞典がないというだけでマイナスイメージになる)でしょうが,EPWINGの英活のような和英インデックスをつけるだけでも有効だと思います。広辞苑+リーダーズ英和+英活+NODE+COTのような機種がポストSR-9200のコンテンツになればいいのですが(^^) これなら,9200のデメリットの一つである発信型辞書の非搭載ということが解消できます。もしメモリに余裕があれば,英活の和英索引に加え,リーダーズにも訳語部分に日本語インデックスをつけ,訳語からひっくり返してリーダーズが引けるようにすれば,グランドコンサイス顔負けの日本最大の「バーチャル和英辞典」ができあがります。SR-9200を使うぐらいの上級ユーザは,もともと和英辞典に頼らなくてもそれなりの英語が書けるでしょうから,学習和英を載せなくても,語数の多い和英(に相当するもの)を載せ,発信向けの細かな情報(前置詞の種類とか)はそこから英活へジャンプさせれば十分だと思います。

一方,今後(きっと)注目されるのは,(私の勝手な読みですが)ローエンド機でも,英語専用機でもない,新たな層を対象にしたモデルだと思います。新たな層というのは,いわゆる早期英語教育の対象となる,小学生をメインにした「お子さま向け電子辞書」です。今度の指導要領から,総合学習の中で,いよいよ小学校にも英語教育の波が押し寄せてきました。幼稚園やそれ以前の子供を対象にした英語教育は日本でもすでにある程度定着していますので,そういう教材は揃っていますが,辞書というものは彼らには必要がないので,今まではほとんどありませんでした。しかし,小学生の場合,国語等と同じくオプショナルで辞書を持たせるのは興味を持たせるためにも有効でしょうから,彼らを対象にした辞書が必要となってきます。今ある中学生用の辞書をもうちょっと易しくしたような辞書がもし電子化されるなら,小学生というマーケットが開拓できると思います。辞書本体はそれほど重厚なものでなくても,発音機能やゲーム,種々のギミックなど,実用を度外視して楽しく英語を学べるようにする仕掛けを搭載する必要があるでしょう。という点では,むしろ一般向け機種よりもCPUの負担が大きくなるかもしれません(^^)

機能面では,そろそろ翻訳機能を搭載した「IC翻訳機」が出てもおかしくないと思います。翻訳というと大げさなようですが,パソコンの翻訳ソフト程度の水準でかまわないので,電子辞書にも搭載されれば,と思っています。何だかんだ言っても学校の英語教育はいまだに文法訳読が主流ですから,翻訳機能がある電子辞書というだけで大ヒットすると思います。

LEXIS英和辞典 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 8月11日(日)10時47分10秒

旺文社が全く新しいコンセプトの英和辞典を出しますね。語用論的な記述が多いとか,Planet Boardという,ネイティブインフォーマント100名の意見をもとにまとめている語法セクション(American Heritage DictionaryのUsage Panelのようなもの)など,従来の日本の英和辞典とはひと味違った内容だと思います。ジーニアスをはじめ,今までの英和辞典は規範的な(こういう言い方はしない,のような)編集になっているものが(大辞典などは別として)多いのですが,Lexisではネイティブインフォーマントのコメントをもとに,実際の言語使用を反映したかなりあいまいな(こういう語法はいいという人もいればよくないという人もいる,のような)記述も多いようです。詳細は以下のHPをごらんください。旺文社系のコンテンツが電子辞書にも参入してくると面白いのですが,Lexisに対応したレベルで新しい和英辞典が旺文社にはないのが残念です。

http://www.obunsha.co.jp/body_new/lexis/main.html


Sentence 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 8月12日(月)14時41分19秒

↑以前ご紹介した例文データベース「Sentence」ですが,東京へ行ったときに入手しました。税込みで6000円です。CD-ROMですが,書店流通のようなので,パソコンショップ等ではなく,大きな本屋さんで買えます。こういうとき,沖縄には「大きな本屋さん」がないので困ります。

これは便利です。朝日出版社が今までに出した6種類の口語辞典やスラング辞典,ビジネス例文辞典などの例文が,英単語,日本語をキーワードにしていっぺんに検索できます。電子辞書の例文検索では望めない,日本語をキーにした検索も可能です。また,音声や画像データがないぶん,他のCD-ROM辞典にくらべてとても軽いのもメリットです。Win95でも動くソフトなんて最近は少ないです。

ただ,最初のバージョンということもあって,細かな点の使いにくさも目立ちます。例文一覧画面と詳細表示画面を上下のウィンドウで分割するのはいいのですが,詳細表示ウィンドウしかコピー&ペーストできない(あるキーワードでヒットした例文をいっぺんにコピペできない)のは,私たち研究者にとっては大きなマイナス面です。著作権の問題なのかもしれませんが…。

そのほか,詳細画面でもCTRL+A(全選択)のようなウィンドウズ標準のキー操作が使えないとか,検索結果の印刷はできるのに保存ができない,せっかくの日本語検索も,漢字表記と仮名表記をいっぺんに検索できない(「たばこ」で検索すると「煙草」が含まれる例文はヒットしないし,逆に「煙草」をキーにすると「たばこ」という表記は出てこない)など,細かな点はまだまだ改良の余地があると思います。とくに,表記の違いの問題は,マニュアルでは「仮名で入れれば漢字も検索できる」と書いてあるのに実際はできないので困ります。

いずれにしても,今後のバージョンアップで操作性はよくなっていくでしょう。また,正規ユーザには(登録制)追加の例文データも今後随時提供されるようです。例文検索を多用し,英語を書く機会の多い人には是非おすすめします。

#これの中身がまるごとIC辞書化されて,従来のコンテンツの例文と一緒に例文検索ができれば,どちらかというと書き言葉が多い冊子体辞書の例文と,口語例文の多いSentenceの例文をいっぺんに引けるわけで,最強の例文検索機能になると思います。

http://www.asahipress.com/sentence/


プログレッシブ搭載機の終焉? 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 9月 2日(月)10時13分04秒

ソニーさんの最新カタログによると,プログレッシブ英和・和英搭載のDD-IC1000/550がいずれも生産完了になったようです。ソニーさんの後継機は,いずれも研究社系のコンテンツを入れてきていますので,今後はIC辞書でのプログレッシブ搭載機は出してこない可能性もあります。IC辞書どころか,CD-ROM辞書のMS-Bookshelfでも新版は研究社中辞典になってしまいましたし…。

プログレッシブは,学習辞書の詳しさ(基本語は他の学習辞書よりも詳しい場合が多いです)と大規模辞書の豊富な語数を両立させた辞書で,ファンも多いです。ジーニアスに載っていない語でも,わざわざリーダーズにあたらなくてもプログレッシブには出ている場合が多いですし,ジーニアスほど微に入り細にわたった語法記述もありませんので,実務で使う人には使いやすい辞書だと思います。とくに和英は,通常の国語辞典程度の語数がありますので,他の学習和英で出ていないような堅い表現でも載っています。

今思うと,ソニーさんがDD-IC100で初めてIC辞書に参入してきたときは,プログレッシブというユニークなコンテンツを入れてきたこともあり,細かな操作性などは霞んでしまったぐらいですが,こういうコンテンツ面での個性が(これは他社にも言えますが)どんどん失われてきて,ジーニアスと研究社中辞典の独占状態になっているのは憂うべきことだと思います。ソニーさんも,ライセンスコストのからみもあるのでしょうが,研究社コンテンツに流れないで小学館で統一していれば(大辞泉や類語例解辞典など,日本語コンテンツも),もっと魅力的な電子辞書が生まれていたと思います。

いずれにしても,プログレッシブファンの人は,今ならDD-IC1000が10000円弱(冊子体コンテンツの合計よりも安い!)で手に入るのですから,おすすめです。

各メーカーさんのカタログより 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 9月 2日(月)11時38分46秒

他掲示板でもだいぶ前に話題になっていましたが,電子辞書カタログの表紙にはそれぞれ独自のキャッチコピーがあります。ここには各メーカーさんの電子辞書へのスタンスがさりげなく出ていて興味深いです(^^) 以下,最新カタログより。

「電子辞書はカシオ」(カシオ・2002年秋版):シェアトップのメーカーだからできる技でしょうが,シェアNo.1というPRをさりげなくした上で,ブランド名を前面に出しています。意地悪なみかたをすれば,機能面やコンテンツ数などで他社と差別化できる要素がないからなのかもしれませんが(^^;;

「英語辞典を極める,キヤノン」(キヤノン・2002年6月版):日本語系コンテンツも充実している機種がほとんどなのに,あえて英語に特化したキャッチコピーを使っています。電子辞書本体の写真を表紙に載せているメーカーさんが多い中で,戸田奈津子さんをアップで載せているのもその影響? カシオやシャープといった汎用機主体の高シェアメーカーと直接勝負はしないで,昔から英語用途に力を入れているセイコーに対抗するスタンスなのか,とも深読みできます(^^)

「いつでも役立つ,知恵のコンビニ」(シャープ・2002年夏版):キャッチコピーの秀逸さは業界一? カラー液晶だとか,操作性の良さだとか,具体的な面でPRできる要素は多いのに,ありきたりな文句でなく,顧客の印象に残るような(抽象的な)表現をしています。以前に辞書数のカウントに関してもふれたのですが,様々な意味で,営業面での力の入れ方が大きいのがうかがえます。

「さらに使いやすく」(セイコー・2002年6月版):使い勝手の良さを前面に出したPRで,これ以上述べる必要はないでしょう(^^)

「コンパクトなボディに,21冊の辞書を収録」(ソニー・2002年8月版):これも明快で,コンテンツの冊数をアピールしています。コンパクトなボディというのはIC辞書1号機のDD-IC100のカタログでも使われています。ウォークマンをはじめとした小型化技術では最高水準のメーカーだからなのかもしれません。ちなみに,最新のソニーのカタログでは,電子ブックプレーヤーは後のほうに押し込められ,表紙裏側のラインナップにさえ出ていません。しかも,リーダーズ搭載のDD-S25やジーニアス搭載のS15はすでにカタログからは姿を消しています。このことからも,電子ブックプレーヤーが風前の灯火であることがうかがえます。知恵蔵のような消耗品コンテンツでさえIC辞書に入ってしまうようになったのですから(^^;;

SRシリーズの例文検索 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 9月 3日(火)10時25分46秒

かなり重箱の隅をつつく内容で恐縮です(^^;;

使っていて気づいたのですが,SR-9700でmanをキーにして例文検索をすると,以下のような種類の例文がいっぺんに出てきます。

(1) He was a man of advanced years. のような入力キーワード(man)そのものが使われている例文

(2) Anne had two men trying to win her affections. のような,入力キーワード(man)の派生形(men)が使われている例文

(3) His manners are abysmal.のように,manで始まる単語(manner)が使われている例文

(4) You are most welcome to my hymble abode.のようにmanで始まる単語(many)の派生形(most)が使われている例文。

ちなみに,「man&」のように,単語の最後に&をつけると,キーワードの完全一致(=mannerなどは除外)で検索されるので,(1), (2)のタイプの例文しか出ません。

ふつう,manをキーにして例文検索をする場合,ユーザが求めている例文は(1), (2)のようなものだと思います。(3)ならまだわかるでしょうが,(4)のような例文が出てきたら,「??」と思うでしょう。私も,manを入れて(4)のような例文が出てきたとき,はじめはなぜこの例文が出てくるのか分からず,インデックスのミスか? と思いました。

★通常のユーザは,manと入れればmanに関連する例文が出てくるはずだ,と思っていますので,(3), (4)のような例文まで出てくると混乱するのではないでしょうか。

単語末に「&」をつけることでその前の単語を(前方一致でなく)完全一致で検索するというのは,SR-9500でも使える一種の裏技ですが,マニュアルにはこのへんの記述がはっきりと書いてありません。ちょっと前に9700を購入された何人かの方がお話しされていたケースも,これにつながるものだと思います。たしかに,マニュアルの「英単語&と入力すると,その英単語の変化形を使っている例文も検索します」という記述は誤解を招くと思います。「&」をつけなくても(2)や(4)のような「変化形を使っている例文」が出てくるからです。

「「英単語」と入力すると,その英単語で始まる単語を使っている例文を検索します。そのため,manと入力すると,manに加え,mannerやmanageなどが含まれる例文も検索されます。一方,「英単語&」と入力すると,その英単語自体を使っている例文を検索します。いずれの場合でも,原形だけでなく,入力した単語の変化形もあわせて検索されます(ワード・インフレクター機能)」

のようにすると(あくまでも例ですが)誤解を招かないと思います>メーカーさん

キーワード1つでもこれだけ厄介ですから,複数キーワードの場合はさらに分かりにくくなります。できれば,man, man&, man&woman, woman&man, woman&man& での結果の違いを例を出してマニュアルに入れておくといいのですが…。

↓以下のまとめ(エンドユーザーさん向け) 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 9月 3日(火)10時36分17秒

下の内容は分かりにくいので,9700をお使いの一般の方向けに分かりやすく書き直します。

9700で例文検索をするときは,以下のようにするといいと思います。

★「ある単語が使われている例文を見たいとき」

「man&」のように,キーワードの末尾に「&」をつけます。そうすると,左の例ならmanや,その派生語であるmenが含まれている例文のみが出ます。「man」のように「&」をつけないと,manner, manyのように,manで始まる単語も一緒に出ますので,不要な例文が多くなります。

複数のキーワードを入れる場合でも,「woman&man&」のように,最後に&をつけるとmanyやmannerなどが使われている不要な例文は出ません。

★「ある単語の派生形が使われている例文を見たいとき」

上述の方法でも派生形が使われている例文を見ることができますが,原形や余分な派生形(比較級を見たい場合に最上級まで出てくる)まで出てきます。そのため,ある単語の特定の派生形が使われている例文を見たい場合は,(原形でなく)その派生形をじかに入れるといいです。

たとえば,「more&」といれると,moreが使われている例文のみが出ます。※「many&」と入れると,moreだけでなく,manyやmostが含まれる例文も出ます。※ある単語の原形のみが使われている例文を見ることはできません。

Eiken Times 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 9月 3日(火)10時48分21秒

↑最新号にIC電子辞書の使い方に関する記事が出ています。私の元原稿をエディターさんが肉付けしてくださったのですが,英検を中心とした資格試験受験対策用という観点からIC電子辞書の使い方を,とくに付加機能の活用を中心に解説しています。「四つ巴?」になった広辞苑+学習英和・和英・学習英英モデルの紹介もあります。ご興味のある方はぜひごらんください。

#Eiken Timesというのはウェブ上の雑誌なのでしょうか? 1ヶ月で完全更新され,バックナンバー等が残らないようなのでお早めにごらんください(^^)

http://www.eiken.or.jp/eikentimes/tokusyu/index.html


ソニーさんの逆襲? 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 9月 5日(木)17時05分02秒

私個人の主観ですが,DD-IC500Sは,ソニーさんの電子辞書としては,1号機のDD-IC100以来の快挙になるかもしれません。

たしかに,細かな操作性や画面の見やすさは(もし旧機種と同仕様であれば)いろいろ難点もあるでしょうが,それよりもリーダーズという大規模英和を小型機の筐体に搭載したという点で,SR-9700を含め,他社製品と大きく差別化できそうです。何だかんだ言っても,コンテンツバランスのいい機種は細かな仕様上の問題点が霞んでしまうぐらいのインパクトがあります(^^)

前機種のDD-IC5000/7000の場合,大型筐体だったので,液晶解像度や操作性などで他社の競合機種にくらべてはるかに差をつけられた感じがあったのですが,IC500SはPW-M670のような小型筐体で,英語系コンテンツではSR-9200に匹敵するコンテンツが入っているのですから,SR-9200予備軍(学習辞書系コンテンツは必要だが,大規模英和もほしい,という人)で,9700では物足りないという人が飛びつくかもしれません。翻訳者など,プロユースには9200のほうが明らかに有利ですが,9200のユーザは,英語のプロから英文科の大学1年生まで,けっこう幅広いようなので,学生層は携帯性や学習英英を重視して今後500Sを選ぶ可能性があります。サイズが小さいというのは侮れませんね(^^)

機能面でも,例文検索(リーダーズ,新和英,OALDという三種三様のコンテンツを串刺しで検索できるので,例文の使い回しの多いジーニアス英和・和英搭載機より,ヒット数では有利かも)や英英と英和の両方を串刺しで検索できる成句検索(これは,英和で成句検索のできない9700が及ばない点です),辞書間の壁をとりはらった一括検索,SR-9700とほぼ同等の「とっさのひとこと」の検索機能など,他社製品にもひけをとらないと思います。国語系コンテンツが弱いのは難点ですが,逆に英語系のコンテンツは日本文化を説明したもの(これは留学生にアピールできるでしょう)やコンピュータ用語辞典など,役立つものが多いです。開発期間を考えると単なる偶然だと思いますが,英語重視機なのにthesaurusがないのは困るとか,キーを押すたびに光る仕掛けは無意味だとか,IC5000が発売された際にこの掲示板で酷評したことも改善されています。

SR-9200がメインターゲットとしている上級者層は,それなりに数が多いと思いますが,一方で,SR-9700のような汎用機ベースの英英搭載機では物足りないし,かといって学習辞書が一切ない9200は敷居が高い,という人も,日本人の英語力が向上してきた今では,かなりいるはずです。IC500Sは,言ってみれば,9200と9700の中間層の電子辞書難民? を吸い上げる(他社が斬り込んでいなかった高需要層をターゲットに投入してきた)という点で,ソニーさんの底力が感じられます。PW-6800やIDF-4500など,IC500Sとかぶる機種を出しているシャープ,キヤノンはもちろん,SR-9200の下位層とSR-9700の上位層がIC500Sにとられるとなれば,英語重視機に強いセイコーも安閑とはしていられないかもしれません。

理想的なスペルチェック・ワイルドカード検索をめざして 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 9月 6日(金)11時50分31秒

(メーカーさん向けかもしれません(^^;;)

以前からいろいろなところで言っているのですが,上記の2つの付加機能はどこのメーカーの機種にもついていますが,今まで細かなところの操作性や機能にはあまり注意が払われていませんでした。語頭に不明文字があるとワイルドカードが使えない(=クロスワード解答用には使いにくい)とか,スペルチェックモードに切り替えないとスペルチェックができないといったことです。

最近になって,これらの問題点を改善した機種が徐々に出てきています。前者に関しては,99年12月にセイコーのSR-8000が対応したのを皮切りに,徐々に対応機種が増えています。カシオ,シャープといった主要メーカーがいまだに未対応なのは残念ですが。後者は,2000年3月にキヤノンがIDF-3000で採用して以来,同社の機種はすべて対応しています。セイコーがSR-950で初対応し,SR-9700でも継承しています。

しかし,まだ未対応の要素があります。

(1)「変化形はスペルチェックで引っかからない」→dagでスペルチェックするとdogが出てくるが,dagsでスペルチェックをしてもdogsは出ない。
(2)「変化形はワイルドカード検索でヒットしない」→dog? でdogsが候補に出ない。
(3)「複数文字ワイルド(*,〜)を複数使えない」→*tio* のようなパターンで検索できない。

(1)に関して,SR-9700ではワードインフレクター機能により,変化形を入力してスペルキーを押すと,*その変化形のスペルが正しい場合にのみ* 原形がでてきます。ですから,dogsをスペルチェックするとdogが表示されるので,変化形を入れても辞書が引けます。しかし,この機能も,変化形のスペルが間違っていればお手上げです。ですから,dags(誤スペル)でチェックをかけてもdogsは出てきません。このへんは,米系メーカーの機種のほうがきちんとしています。Franklinにせよ,セイコーの海外向け機種(ER-6000など)にせよ,変化形の誤スペルでも正しい候補を出してくれます。英語を学んでいる人を対象とした日本メーカーの機種よりも,ネイティブも視野に入れた米系の機種のほうがスペルミスもきちんと対応してくれるというのは,皮肉といえば皮肉なことです。

(2)も同じです。これも何年も前からいろいろなところで言っていますが,最新機種でも変わりません。内部的なことは素人なのでハズしているかもしれませんが,日本製のIC辞書は,スペルチェックやワイルド検索用のインデックスを別に用意しないで,通常の検索用インデックスの内容を流用しているのかもしれません。インクリメンタルサーチ搭載機で,dogsのような変化形が見出しリストに出ないのは,検索用インデックスに変化形が入っていないからでしょうから,このインデックスでスペルチェックやワイルドカード検索をすれば,当然変化形はヒットしません。SR-9700は,せっかくワードインフレクター機能で変化形もインデックスに入っている? のですから,これをワイルドカード検索にも対応できればよかったのに,と思います。ちなみに,米系の機種では,dog?でワイルドカード検索をしてもちゃんとdogsが候補に出ます。スペルチェックやワイルドカード検索用のインデックスを別に持っているからなのでしょう。これらの機種は,辞書に収録の語数よりもスペルチェック可能な語数のほうがはるかに多いことからしても,別インデックスを使っているのは明らかです。こんな細かいことどうでもいい,と思うかもしれませんが,とくに英字紙のクロスワードなどは,変化形を升目に入れる場合がかなりあり,そうなると変化形に対応したワイルドカード検索は必須になってくるのです。

#ちなみに,Franklinのthesaurusは優れもので,複数形で入れると類語もすべて複数形で返してくれます。比較級で入れればmore ...のように返しますし,ing形ならing形で出してくれます。

ジーニアス英大on CD-ROM 投稿者:Sekky@東京  投稿日: 9月 8日(日)20時59分50秒

↑やっと発売されました。冊子体のものとバランスをとるためでしょうが、CD1枚で定価16000円というのは高いです(^^;; 装丁等にかかるコストを考えればCDのほうが原価ははるかに安いはずなのですが…。

検索方法はシンプルで、前方一致と後方一致、成句検索のみです。図版データが収録されています。個人的には、図版はいいから、例文検索に対応してほしかったです(^^;; EPWINGなのでDDWIN等で検索できますし、Win/Mac対応の検索ソフトもついてきます。PsionやWinCEマシンにインストールすれば、史上初? のポケットに入る大辞典になります。

IC辞書では、来年の春モデルあたりに「IC辞書で業界初の大辞典を搭載」とかいって搭載機が出てくるかな…? 現行機種のコンテンツでは、学習英和と一般英和のギャップが大きいので、SR-9700のような学習者向け機種と、9200のようなハイエンドのプロ向けモデルの2つに分けざるをえませんでした。DD-IC500SやPW-6800はこの2つのランクを融合させた機種ですが、学習英英が使いこなせない人には使いにくい面がありました。しかし、ジーニアス英大は、ジーニアス英和+大辞典クラスの専門語彙という感じの辞書で、英語辞書にしては珍しい「大は小を兼ねる」辞書です。基本語は、無印ジーニアスなみ、あるいはそれ以上に詳しいぐらいですので、汎用機にはぴったりのコンテンツなのではないでしょうか。

例文検索の効用(>Tomoさん) 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 9月11日(水)09時53分25秒

>例文検索に関してなのですが、今の私の辞書にはついてないので、その便利さがあまりわ
>からないのですが…

英語を書く際,和英辞典を使う人は多いと思いますが,和英辞典の例文を見てもどうも自分の言いたいことにぴったりの表現が載っていないということはよくあると思います。例文検索なら,自分の言いたいことに相当する英単語を入れれば,その語が使われている例文を複数辞書(英英,英和,和英。機種によっては英英のみ)から検索してくれるので,適切な例文が見つかるかもしれません。紙の辞書なら,ある単語が使われている例文を知りたいときは,その単語のエントリーの中にある例文しか探せませんが,例文検索なら辞書全体から探してくれます。

そのほか,ある単語の使い方をより深く知りたい場合にも役立ちます。stream(小川)という語を例文検索すると,This streams meet the river in three miles.やshallow streamなど,たくさんの例文がヒットします。これらの情報から,streamにはmeetという動詞が後続することや,shallowという形容詞が伴うといったことが分かります。上級学習者の人なら,ちょっとしたコロケーション辞典として使えるわけです。

(C) Kenji Sekiyama. All Rights Reserved