電子辞書掲示板過去ログ
(2005年3月前半)

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ありがとうございました  投稿者: 英語大好き  投稿日: 3月15日(火)21時42分47秒

Sekkyさん大変参考になる投稿をありがとうございましたm(_ _)m
LP9300の購入を考えていただけに正直助かりました。初夏に出るSIIの新機種を待とうと思います。

>評価されやすい場面にのみ実装し,利用度の低いところには実装するメリットはないと判断する発想
このような発想を私は支持しません。

>辞書マニアさん  投稿者: Sekky@管理者  投稿日: 3月15日(火)17時34分45秒

>LP9300は、英語例文検索では20字まで入力が可能ですが、決定キーを押してから検索を
>開始。一方、セイコーのT6700の例文検索は、30字も入力(&キーを入れなくても自動
>に検索開始)できますし、入力し終わった時点で、ほぼ同時に検索結果が出ています。

これは旧機種と同仕様ですね。解像度が変わり,横方向に余裕ができたので入力ボックスを大きくするのかと思ったら,結局そのままでした。複数のキーワードをつなぐ場合,20文字はけっこう少ないですね。

>技術力の圧倒的な差でしょうか。ユーザの立場に立った心がけの問題?

電子辞書に参入しているメーカーさんは,シェアの差こそあれ技術力自体の差はそれほどないような気もします。むしろ,開発者の(というよりメーカーのかもしれませんが)思想というか,スタンスの違いが少なからず影響を及ぼしているのではないでしょうか。ある機能を実装するときに,せっかく実装するのであればあらゆる場面で使えるようにしようという発想と,評価されやすい場面にのみ実装し,利用度の低いところには実装するメリットはないと判断する発想の違いかもしれません。前者の場合,仕様面での一貫性という点ではすっきりしていると思いますが,ユーザ全員が使う見出し語検索はともかく,ユーザの中の一部しか使わない例文検索にまで同等のインクリメンタルサーチを搭載するのは(見方によっては)無駄だと思う人もいるかもしれません。SIIさんのワイルドカード検索などがその典型でしょうが,コストをかけて英語系コンテンツだけでなく,あらゆる搭載コンテンツに実装しても,おそらくそのことを高く評価するユーザはごくわずかだと思います。ワイルドカード検索の存在すら知らないユーザが多いのに,その中でSIIさんやキヤノンさんの機種に限っては語頭に「?」が置け,しかも「?」と「*」を混在させられるということを知っていて,そのためにこの機種を買いました,というようなユーザは非常に稀だと思います。コストをかけても多くのユーザからの評価に結びつかないことに時間をかけるよりは,もっと多くのユーザが望んでいることにウェイトを置くというスタンスと,たとえわずかであっても普通の人が気づかないような視点でワイルドカード検索をとらえ,特定メーカーの製品を指名買いするユーザがいる以上,そういう人の要望に応えたい,というスタンスの差が根底にはあるのかもしれませんね。メーカーさんも企業である以上,アピールしやすい部分を中心になってしまうのは避けられないでしょうが…。

>別売でワードプラスソフトの「ロイヤル英文法」があるが、これは英語表現で検索できず、
>品詞や文法用語を知っている必要がある。例えば、"suggest"で検索できない。書籍には
>英語表現別の索引がある。

データプラス用のロイヤル英文法は,英単語の索引や日本語表現の索引が付いていないので,はっきり言えばフルコンテンツではないですね。付録の類例リストなどが省かれているのは仕方ないにしても,この手の文法書は通読するものではなく,必要なときに何らかの手がかりをもとに検索するものですから,索引は心臓部分と言っても過言ではないと思います(システムソフト電子辞典シリーズのロイヤルは英単語からでも検索できるのですが…)。

本来,文法書というものは文法を知らない人が文法の知識を得るために引くものであり,そのために文法事項だけでなく,英単語,日本語の意味などからも引ける詳細な索引が付いています。冊子体ロイヤルの索引の詳しさは,数ある文法書の中でも出色だったのですが,データプラス版ではそれが全く生かせません。初学者が「〜すべきだ」ということをどう英語で言うか調べたい場合,和英を引くよりも文法書の日本語索引を引いたほうがはるかに詳しい情報が得られますが,データプラス版ロイヤルのキーワード検索は文法事項を検索するもののようで,こういった表現からは引けません。英単語でも引けないとなると,結局は「〜すべきだ」は助動詞のought toかshouldを使うのだと判断し,目次から助動詞の章を検索し,その中でshould (ought to)の用法の箇所を見つける必要があります。すなわち,「〜すべきだ」をどう表現するか知りたい場合,助動詞のshouldなどで表すという文法的知識がなければデータプラス版ロイヤルは引けないことになります。もっとも,それぐらいの知識がすでにある人であれば,わざわざ文法書を引かなくてもそれなりに英語は書けると思いますが…。

文法学者向けのレファレンスグラマーの本ならともかく,学校英文法ベースの一般向け文法書を引くのに文法の知識が要求されるというのは本末転倒であり,ロイヤルを編集された方もそういう予備知識は想定していないはずです。全文検索など,電子辞書独自の索引を付けろとは言いませんが,最低限冊子体についている索引ぐらいは完備して,冊子体と同様の検索だけでもできるようにしてほしいと思います(冊子体より高価なのですから)。キーワード検索はついていますが,これは日本語しか入れられないですし,インクリメンタルサーチがきかないので,適切なキーワードが入れられなくて該当なしになるケースが多いです。索引こそがロイヤルの生命であるのに,その一部を割愛するというのはちょっと疑問を感じます。

XD-LP9300など(4)  投稿者: Sekky@管理者  投稿日: 3月15日(火)14時50分9秒

(総括)

今回の新機種を使ってみて感じたのは,目で見て(耳で聴いて)分かる面で著しい大進化があった反面,カタログスペックに出にくく,実際にある程度の期間使ってみないと分からないような面の問題点が旧機種以上に目立っているということです。テキストビューアの存在も大々的にPRしていますが,ファイル名に制約がある(DOS時代の8-3の制約)ため,ウィンドウズのようなロングファイルネームが使えない(半角英数字8文字以内にリネームしないといけない)ことや,かんじんのビューアの仕様(テキスト内のジャンプ機能が弱い)などはほとんど表面には出ません。自分のSDカードを持って行って,店頭のデモ機でビューアの使い勝手を調べる勇気のある人などまずいないでしょうから,買ってから気づくことになります。ビューアとして使えるテキストファイルが10ファイルから100ファイルになったのは大きな進歩ですが,テキストファイルはライブラリ画面のコンテンツリストでも常に先頭に表示されるので,何十というテキストファイルと追加の辞書コンテンツをカードに入れている人は,カード内の辞書を検索したい場合,スクロールを何回もしないといけません。ほかにも,カードコンテンツやテキストファイルの並び順を変更できない(インストール順で並ぶ)など,コンテンツ追加を前面に出している割に,そのインターフェイスは初代データプラスと変わっていません。

先ほどもふれた変化形検索にせよ,ワイルドカード検索の仕様にせよ,細かな仕様面の不統一にせよ,カタログからはうかがい知ることのできない面は,旧機種と全く変わっていません。それどころか,複数検索,例文検索の大幅な速度低下やキーアサインの問題など,旧機種のハイエンド機であるH9100/9200よりも後退した面が少なからず見られるのは大変残念です。

たしかに,コンテンツの面ではLP9300は英語上級機の名にふさわしいものを持っています。マクミランの英英やロイヤル英文法といった英語教員向けの増設コンテンツや,理化学英和や自然科学系和英などの専門家向けコンテンツ,独仏西中韓の外国語辞書などをインストールすれば,リーダーズ,G大,理化学英和の3冊の英和に,ODE, OALD, MEDの3冊の英英,NOTE,大修館類語(+CP500付属のActivator,ロジェシソーラス)の4冊の類語,マイペディア,ブリタニカの2冊の百科事典,英語以外の5ヶ国語辞書などが1台ですべて検索できます。コンテンツに関しては申し分ないでしょう。液晶解像度も,HVGAなら全く不自由ありません。今まで述べた細かな点は,普通のエンドユーザなら全く気にならないどころか,それがなぜ問題なのかさえ分からない方も多いと思います。そう考えると,現時点ではカシオさんの一人勝ち状態であることはある程度事実なのかもしれません。

しかし,その差は今後急速に縮まるでしょう。競合他社さんがHVGA液晶を投入してくるのは時間の問題でしょうし,少なからず遅れをとったからには,単なる解像度をあげてお茶を濁すことはしないはずです。たとえば,ダブルウィンドウ表示などは,W検索を実現しているシャープさんならいつ搭載してきてもおかしくないでしょうし,SIIさんにしても,英語専門機の(SR-T6700の後継の)次期機種では大きな動きがあるのではないでしょうか。SR-E9000のプレスリリースの中で,COBUILD搭載の新機種も販売予定である旨の記述がありましたが,わざわざ前後の脈絡もない情報を公式サイトでアナウンスするのもおかしなものですから,もしかしたらCOBUILD搭載というのは当て馬であり,T6700の後継機種はCOBUILD搭載であること以外の(プレスリリースで出していない)部分で決定的な大きな変化があるのではないのか,という気も(勘ぐりですが)します。当然,LP9300をもっとも意識して,しかもSR-E9000とうまく棲み分ける機種になるでしょうから,英語重視の上級学習者が満足するものになるはずです。COBUILDを載せるのであればODEは載せにくいでしょうから,Collins社が最近出したCED(ODEクラスのネイティブ向け英英)やNOTEクラスのthesaurusあたりが搭載されるのでしょうか。SIIさんにせよ,シャープさんにせよ,コンテンツ追加型機種での速度低下は(少なくともROM内蔵コンテンツでは)ないですし,細かな使い勝手には定評のあるメーカーなので,もしLP9300クラスの最上級機が他社から発売されたとき,LP9300が色あせてしまいそうな気はします。

カシオさんは新機種の半数以上をデータプラス仕様にしていますが,言いかえれば専用機の身軽さ,使いやすさよりも発音やコンテンツ追加といった(表面的な)スペックの高さをメーカーさんが重視してきているとも言えます。そのうちにカラー液晶が一般的になり,レスポンスにしても,「パソコンのCD-ROM辞書より速ければ(IC辞書の従来機種より遅くても)いいだろう」というようになっていくと,IC辞書の先行きにも一抹の不安を感じざるをえません。

いつも言っているのですが,とくに辞書のパワーユーザにとっては,電子辞書はステイタスシンボルでもなければ,飾り物でもなく,筆記用具やカバンなどと同等の道具であるにすぎません。自分に必要なコンテンツが過不足なくROMに内蔵されているのであれば,コンテンツ追加の機能などなくてもかまいません。検索速度や操作性といった電子辞書の基本に立ち返り,一からじっくり考え直してみる時期にきているのではないでしょうか。

最近は,各メーカーさんも高校や大学への売り込み(というと言い方が悪いですが)の機会が多くなり,いかに多くの教員や生徒に電子辞書に親しんでもらうかということを日夜考える必要に迫られていると思います。しかし,一方で電子辞書黎明期の頃のように,直接ユーザと接触がなくても電子辞書の根幹を左右するような基礎的な研究もおろそかにしてはならないと思います。最近の電子辞書関係の学会報告は,ほとんどが,いわゆる外国語教育の視点からの実践報告になっています。それはそれとして有益であり,私自身もよくしますが,一方で外国語教育には直接関係ない視点での,いわゆる電子辞書自体に関する基礎研究も重要であると考えています。ユーザの検索行動の観察による電子辞書のユーザビリティーテスト(というと大げさですが)やスペルチェック,変化形検索といった各種機能の検証(スペルチェック機能が多くのユーザに使われていないのは,スペルチェック自体の水準にも一因があるように思われます)などは私も手がけていますが,今後こういう地味なことに関心を持つ同業研究者やメーカーさんの開発者の方々が増えていくことを願っています。

カシオ LP9300 例文検索  投稿者: 辞書マニア  投稿日: 3月15日(火)14時32分2秒

LP9300は、英語例文検索では20字まで入力が可能ですが、決定キーを押してから検索を開始。一方、セイコーのT6700の例文検索は、30字も入力(&キーを入れなくても自動に検索開始)できますし、入力し終わった時点で、ほぼ同時に検索結果が出ています。技術力の圧倒的な差でしょうか。ユーザの立場に立った心がけの問題?

あれやこれやのいろいろな面で、まだまだカシオのLP9300は、使い勝手の練り上げが必要だと思います。セイコーがコンテンツや拡張機能の面でカシオにほぼ追いつけば、やはりセイコーさんが使い勝手では一枚も二枚も上かも。お互いを並べて検索キー手順とスピードの比較をすれば、どこにどんなキーを配列すべきか、どんな機能が優先すべきかが見えてくるはず。

カシオさんの電子辞書開発チーム、頑張って下さいね。もうこのへんにしておきます。

XD-LP9300など(3)  投稿者: Sekky@管理者  投稿日: 3月15日(火)13時29分47秒

(キーアサイン等)

LP9300をXD-H9200+英活と考え,カシオさんの英語ハイエンドの後継機と考えるのなら,おそらくはモードキーの割り当てがもっとも大きな改悪点と言えると思います。根本的な問題は,H9200よりもコンテンツが(それも,オマケ的なコンテンツでなく,英活というメインコンテンツが)増えているのに,モードキーの数は,ライブラリキーの新設により1つ減っているということです。その結果,H9200では(少なくとも英語系コンテンツに関しては)ほぼすべてモードキーに割り当てられていたのに,LP9300ではメニューに追いやられてしまっています。OCDは(H9200でもそうだったので)ともかく,LP9300の目玉であるNOTEや英活がなぜメニューに押し込まれてしまったのでしょうか。このために,LP9300で英活を使おうと思うと,最短でメニュー×2→F(ショートカットキー)の3ストロークが必要になります。英活搭載のH9100はモードキー1つ押すだけだったのに,です。英活はメーカー問わずにハイエンド機の目玉コンテンツということもあってか,モードキーの「おもて」(機能キー等を併用しなくていい)に割り当てられているのに,なぜ他機種で英活をカットしてLP9300だけに残しているのにこんな奥深くに入れてしまうのか,よく分かりません。最上位機のLP9300をわざわざ買う人は,他機種にないLP9300独自のコンテンツが目当てであるわけで,単にリーダーズやG大ぐらいが必要ならもっと安い機種を選ぶのではないでしょうか。皮肉なことに,他のデータプラスシリーズで英活を追加インストールしたほうが,ショートカット機能を使えばシフト→ショートカットの2ストロークで英活が起動するので,使いやすかったりもします。別にコンテンツ間に優劣をつけるつもりはありませんが,それでも英活は冊子版で15000円以上するものであり,これをどうしても使いたいという人がわざわざ高価な英活搭載機を買うのではないでしょうか。LP9300は英語重視の上級機なのですから,せめて,メニューキーで表示される階層メニューの「英語系」をトップに持ってくる(これだけで,英活を2ストロークで選択できます)ぐらいの配慮は必要なのではないでしょうか。

H9100にせよ,H9200にせよ,英語系コンテンツのほとんどは表か裏のモードキーにおさまっていました。今思うと,これが道具としての使い勝手のよさを実現していたのだと思います。プレビューを出した状態で別のモードキーを押せば,入力語はそのまま保持して別辞書モードに簡単に移動できるため,テレビのチャンネルを切り替える感覚で気楽に(ジャンプ操作などをしないで)コンテンツ間の移動が,搭載の英語系コンテンツのほぼすべてでできました。ジャンプの際も,ジャンプ先辞書キーを押すだけでダイレクトに飛べるというのが非常に便利(これはSIIさんの機種ではできない点です)だったのですが,LP9300ではモードキーの数が減ったため,こういうことのできるコンテンツも少なくなりました。

モードキーの数を増やすというのも(筐体寸法をこのままにしていては)無理でしょうが,せめて従来機のように5つのモードキー(裏コンテンツを含めると10コンテンツ)のままであれば,英活とNOTEもモードキーに割り当てられ,ほぼ従来機なみの使いやすさを維持できたと思います。発音キーを訳キーに割り当て(発音は訳を出さないと聴けないので,逆に訳を出してしまったら遊んでしまう訳キーに発音キーを割り当てるのは合理的です)ればキーボード最下部の特殊キーが1つ余るので,そこにライブラリキーをアサインしてもよかったのではないでしょうか。あるいは,下で辞書マニアさんがおっしゃるように,ODEとOALDを同一キーにして串差しできるようにする(SIIさんの機種の中にはOALDとCODを同様に串刺しできるものもあります)とか,G和英とG大和英インデックスも一緒に串差しするようにすればキーが2つ浮きますので,そこにNOTEと英活を入れることは可能です。

欲を言えば,モードキーは完全にカスタマイズできるようにするのも一つの方法です。せっかく高解像度になったのですから,DOS時代のパソコンのファンクションキー表示のように,画面最下部にモードキーの位置にあわせて割り当てた辞書名を表示するようにもできるのではないでしょうか。モードキー1つぐらいは学習機能をつけて,モードキーに登録していない(メニューから呼び出す)コンテンツで,もっとも最近呼び出したもの1つを自動登録するようにすれば,現行のショートカット機能のように主導で登録するものよりもはるかに便利です。

(ジャンプ先の指定)

ジャンプの際,複合語ジャンプに対応したのは大きなメリットだと思います。一方で,ジャンプ先を自動判別するのでなく,ジャンプが(仕様上)可能なコンテンツを(ジャンプ先にその語が載っているかどうかに関係なく)一覧表示する仕様は何とかならないものでしょうか。これも他社製品ではとっくの昔に改善されていることです。ジャンプ先辞書をショートカットのアルファベットで選べるのはいいのですが,増設コンテンツが多い場合など,ジャンプ先候補が1画面でおさまらない場合,スクロールすると辞書ごとのショートカットのアルファベットが変わってしまう(つねに画面最上部のコンテンツがA,最下部がKとなる。そのため,ジャンプ先候補画面を1行スクロールすると,KだったコンテンツはJになってしまう)ので,長年使ううちに「指で覚える」ことができません。そのため,ジャンプのたびに画面を見てアルファベットを確認する必要があります。また,親切心なのでしょうが,ジャンプ先辞書名(とくに英英系)が日本語訳になっているので,似通った名前が並び,分かりにくくなります。「オックスフォード新英英辞典」「オックスフォード現代英英辞典」という書名を見て,前者がネイティブ向けのODE,後者が学習者向けのOALDだということは直感的に理解しにくいです。辞書に慣れている人のために(というより,LP9300はそういう人向けの機種だと思うのですが),ODE,OALDという略称も併記してあると分かりやすいです。そもそも,「オックスフォード”新”英英辞典」というのはおかしな訳語なのではないでしょうか。NODEと呼ばれていた初版は原書名にもNewがついていたので「新英英辞典」でいいのでしょうが,NODEの2版はNewがなくなり,その結果略称もNODEではなくODEになりました。辞書学をやっている人なら(実体はNODEの2版なのでしょうが)NODEの2版とは言わず,ODEと呼ぶと思います。

(その他)

液晶解像度が上がったとはいえ,ファームウェアの仕様が旧態依然なためか,「??」なところはほかにもたくさんあります。たとえば,複数辞書例文検索では,横幅がかなり広くなったのにかかわらず,なぜか辞書種のタブが(旧機種と同じ)4つしか表示されません。解像度が上がり,あと3つぐらいは表示できるスペースが確保されているのに,なぜか昔のままになっています。

変化形検索も相変わらずです。beerにジャンプしようとすると,ジャンプ先候補にbeeが出てくる,deedにジャンプしようとするとdeeが出てくる,挙げ句の果てに,JulyにジャンプしようとするとJu(Juneの略称!)が出てくる,Mrs.にジャンプするとMr.が出てくる(!)というのは,正直なところ失笑ものだと思います。いちおう英語教員をしている私が見れば,beeに形容詞用法があるはずないと常識的に分かりますので,個別単語毎に変化形テーブルを作らないで,er語尾のつく語は機械的にerを除去した語を原形として提示するような仕掛けなのかなと考えるだけですみますが,中学生や高校生(最近は大学生も含めないといけないかもしれませんが(^^;;)ならbeerとbeeが意味的につながりのあると解釈してもおかしくはないでしょう。

かりにも,今回のラインナップの中に「中学生向け機種」というカテゴリーを業界に先駆けて新設しているカシオさんであるのなら,こういった細かな点もしっかり対応していただきたいという気はします(昨年の春モデルの段階で同じことを問題提起しているのですから)。手元にはLP9300しかないので「中学生モデル」「高校生モデル」と称している機種が同じような挙動をするのかどうかは分かりませんが,万一,学販用型番を設定し,学校斡旋販売などをしている機種で,beerからジャンプしてbeeを返すような仕様であるのなら,これは少なからず問題であると思います(LP9300は上級機だから別にいいというわけではありませんが)。こういう挙動をするような変化形対応ジャンプを搭載するぐらいなら,むしろ一切対応しない(変化形を入れても原形を推測せず,該当なしと返す)ほうがはるかに良心的です。後者であれば「仕様」として解釈できるからです。変化形を入れて原形を推測しないというのは,単に「仕様面で遅れている」だけのことで済ませられますが,変化形解析のアルゴリズムで誤った形を返すというのはさすがにまずいでしょう。形容詞でer形の変化をするものは有限であり,数はそれほど多くないのですから,個別に例外措置として変化形テーブルを用意して対応することも可能なはずです。名詞なら,可算不可算のデータを参照するだけで,sがついていてもそれが複数のs(=sをとって原形を返せる)なのか,偶然sで終わる単語であるのかぐらいは機械でも判別できると思いますが…。

もっとも,こういう仕様が放置されているのは,メーカーさんだけの問題ではなく,こういうことに気づく現場の英語教員が少ない(言いかえれば,変化形からのジャンプなどを教室内の電子辞書指導であまり扱っていない)こともあるのでしょうから,我々教員サイドも反省する必要はあると思います。英語翻訳選手権をはじめ,高校現場にも積極的にアピールしているSIIさんの機種と同列で比較するのは酷でしょうが,高校市場にはあまり参入していないシャープさんをはじめ,他社製品でもこんな仕様のものはありません。

XD-LP9300など(2)  投稿者: Sekky@管理者  投稿日: 3月15日(火)11時38分55秒

(仕様の不統一)

カシオさんの製品には伝統的に言えることですが,コンテンツ間での仕様の不統一が目立ちます。今回はハードウェアが全面的に変わるということで,こういった細かな点も改善されるかと期待していましたが,相変わらずです。以下はその一例です。

・単一辞書の検索では,プレビューを出している状態でレイアウトキーを押すと,上下分割と左右分割の切り替えができます。しかし,なぜか複数検索モードではこれができず,上下分割固定になります。なぜモードによってこういう違いが出るのでしょうか。

・訳語フル表示の画面では,文字サイズキーによりフォントサイズの切り替えができます。しかし,プレビュー画面では強制的に16ドットフォント固定になります。なぜこのように固定する必然性があるのか,よく分かりません。他社製品でも昔はそうでした。SIIさんの機種でも,プレビュー初搭載のSR-9200の頃(3年ぐらい前)は,同様の仕様だったはずで,ここでも苦言を述べた記憶がありますが,(そのためかどうかは分かりませんが)翌年夏の次期機種(SR-9700)ではプレビューでも最小フォントで表示できるようになりました。しかし,カシオさんの場合,プレビュー搭載はむしろ後発であり,しかも今回の新製品が初搭載でもないのに,他社がとっくに改善している点がそのままになっています。たしかに解像度が向上したために,フォントサイズが16ドットでも一覧性が向上した(XD-Hシリーズなどは,プレビュー行が少なすぎてプレビューにならないコンテンツも多かったですから)のは事実ですが,だからといって旧機種の仕様をそのままにすればいいというものではないでしょう(12ドットで出せればさらに見通しがよくなるわけですから)。もちろん,中韓コンテンツなど,フォントサイズの制約(12ドット表示ができない)のある辞書種もあるので,複数検索などは16ドット固定でもいいと思いますが,12ドット表示のできるコンテンツの単独検索で,プレビューを16ドットにする必要がなぜあるのか,よく分かりません。

・フォントサイズの問題は,テキストビューアに関しても同様です。一覧性が要求されるテキストビューアであるのに,なぜ16ドットフォント,しかも罫線付きレイアウトに固定されてしまうのでしょうか。罫線の有無は好みの問題があり,線が入ったほうが見やすいという人もいれば,私のように罫線なしでいいから1行でも表示行数を増やしてほしいという人もいます。フォントサイズも同じで,目が悪いので大きなサイズがいいという人もいれば,一覧性を重視して最小フォントのほうがいいという人もいます。カシオさんの最新機種では,フォントサイズに加え,行間も(罫線の有無を含めて)3段階に調節できるようになり,これらを組み合わせて,しかも辞書ごとに独立して設定できるようになったのは大きな進化だと思います。ここまで細かく設定できるのに,なぜプレビューとテキストビューアが例外的に固定されてしまうのか,理解できません。

・ワイルドカード検索に関しては今まで何度も指摘していますが,日本語系辞書で全く(広辞苑の逆引き以外は)対応していないのも時代錯誤でしょう。百科辞典系では「〜」を語頭においたいわゆる後方一致の利用度が高い(「○○の仲間」を一覧するときなど)のですが,一切対応していません。「?」が語頭に置けないということも同様です。

・コンテンツごとの検索方法が微妙に違うのも気になります。多くの辞書では(他社製品同様に)モードキーを押せば見出し語入力の画面になりますが,一部のコンテンツ(ブリタニカや自然科学系和英大辞典など)では,まず検索方法を選ぶ画面になります。もちろん,六法や中日辞典など,検索モードの多いコンテンツならそれでいいと思いますが,ブリタニカは日本語,英語,キーワードの3つですので,それなら検索方法を選ばせるのでなく,G大やリーダーズのように,入力画面にボックスを3つ置いてカーソルキーで選ばせればすむことです。自然科学系和英大辞典にいたっては,日本語とキーワードの2種類しかモードはありません。4種類の検索モードを持つG大でもモードキーを押せばすぐに見出し語入力できるのに,なぜ2種類の自然科学系和英大辞典ではいちいちモードを選んでから見出し語を入れないといけないのでしょうか。さらに不思議なのは,マイペディアは自然科学系和英大辞典同様に2種類のモードしかありませんが,こちらはG大のようにすぐに見出し語入力ができます。細かなことだと思うかもしれませんが,ブリタニカや自然科学系和英大辞典式の入力方法だと,単語を検索し,次の単語のスペリングをタイプしたときに見出し語入力画面に戻らず,検索方法の選択画面に戻ってしまい,キー操作が1つ余分になります。たかがキー1つの問題だと思うかもしれませんが,キー1つ余分に押すかどうかが問題というよりは,同じ機種に搭載されているコンテンツなのに,基本操作の方法が微妙に違うというのは,パワーユーザには非常にストレスを感じると思います。

・プレビュー機能はカタログでも大きく扱っていますが,複数検索や例文検索,成句検索などでは働きません。これも,その必然性が理解できません。

XD-LP9300など(1)  投稿者: Sekky@管理者  投稿日: 3月15日(火)10時53分29秒

↑カシオさんの春モデルもほぼすべて出揃いました。LP9300を中心にふれますが,ハードウェア的には他のP型番の機種(データプラスシリーズ)共通だと思います。

液晶解像度のアップは大きな改善点だと思います。解像度のアップに伴い,左右分割でプレビューが見られる(従来機や他社製品の多くは上下分割)ようになったことで,プレビュー画面の利用価値が大幅に増えました。訳語だけを知りたい場合なら,プレビューだけで(多義語を除けば)用が足りてしまうことも多いです。プレビューだけですませてしまうとヒストリーに残らない(訳キーでフル画面表示しないとヒストリーに記録されないので)ので,引いた単語を後で再呼び出ししたくても残っていないことが多くなりましたが,これは仕方ないでしょう。

しかし,スピードや操作系に関しては,決してほめられたものではありません。他のメディアでは,解像度の向上やTTSによるフルボイスの音声機能などにかきけされ,このようなマイナス面が霞んでしまうでしょうから,ここでは(多少手厳しくなると思いますが)詳細にまとめてみます。

(検索速度)

XD-H9100/9200などの従来機よりも明らかに低下しています。とくに,複数検索がらみ(複数辞書一括検索,複数辞書例文検索)の遅さは目を覆うほどで,体感で分かるとか分からないという微妙なレベルではありません。増設コンテンツに関しては目をつぶるにしても,なぜROMに内蔵されたコンテンツでこれほどまで遅くなるのでしょうか。店頭のデモ機で試してみれば誰でも分かると思いますが,複数検索で(日本語にせよ,英語にせよ)検索すると,リスト画面がずらずらと表示されるのが目で見ても分かるぐらいの遅さです。データプラス系でない機種(XD-Hシリーズにせよ,最新のXD-Fシリーズにせよ)はほぼ一瞬で表示されることからしても,もしかしたらデータプラスシリーズではROM内蔵のコンテンツもファイル形式や圧縮のロジックなどが(増設コンテンツと互換性を確保するために)他機種と違うのではないか,と思いたくなります。これは,増設コンテンツの有無に関係なく,デフォルトの内蔵コンテンツだけの状態でも同じです。

とくにLP9300では,後述のようにコンテンツ数の割にモードキーが少ないので,従来のH9100やH9200以上に複数検索モードを利用する(させられる)ことが多い(英活などをメニューの奥から呼び出すよりは複数検索で検索したほうが楽なので)のに,この遅さでは困ります。多くのコンテンツに搭載されているような単語であれば,時間はかかりますがずらずらと出てくるので,検索経過が分かり,まだいいのですが,1,2のコンテンツ(とくにカードの)にしか出ていない単語だと,「検索中です」のメッセージのまま数十秒という単位で待たされます。これでは,複数検索はとても使い物にならないというのが正直なところです。待たされても求める情報が出てくればまだいいのですが,表記や綴り字間違いのために,何十秒も待たされたあげくに「空振り」になってしまうこともあります。

内部的なことは素人なので外したコメントかもしれませんが,複数検索では,どうやら各コンテンツ毎にあるインデックスを順に検索しているような気もします(検索したコンテンツからリスト画面に結果を逐次出しているため,五月雨式にリストされるのではないでしょうか)。これだと,検索順位が上のほうにある(と思われる)広辞苑やマイペディア,英語ならリーダーズやG大を検索してから,カードコンテンツでもっとも後にインストールしたものを検索するまで,かなりのタイムラグが生じてしまいます。そのため,専門用語などを複数検索すると,リーダーズの候補が出てから(増設した)理化学英和の候補が出るまでかなり待たされることになります。

たとえば,追加コンテンツをインストールするごとに,内蔵,増設含めたすべてのコンテンツを包括したインデックスを自動構築するようにはできないのでしょうか。コンテンツ毎にインデックスを持っているよりも,全コンテンツのインデックスを(膨大であっても)複数検索用として1つ別に用意したほうが迅速になるような気もしますが…。イメージとしては

(リーダーズ)
aaa
bbb
ccc

(G大)
aaa
ccc
ddd

というようなインデックスを
aaa, リ,G大
bbb,リ
ccc, リ,G大
ddd,G大

のようにマージして,複数検索専用のインデックスを作るわけです。これなら,別々のインデックスを順にサーチするよりもはるかに速いような気が(素人目には)するのですが…。というより,コンテンツ追加のできない機種では複数検索も通常検索なみの速さなのは,非データプラスの機種には,こういう専用インデックスがすでに搭載されているからだと思うのですが。もちろん,「閉じた」(追加できない)環境なら,全辞書を統合したインデックスは不変であるのに対し,コンテンツ追加型機種なら追加するたびに統合インデックスを作り直さないといけないので,各辞書ごとのインデックスを順にサーチするしかない(?)というような事情はあるのでしょうが,コンテンツの追加,削除などそうしょっちゅうするわけではないので,追加,削除の際に多少時間を要してもその都度統合インデックスを作成するようにしてもいいのではないでしょうか。

なるほど  投稿者: じゃむ  投稿日: 3月14日(月)21時19分8秒

ななしさんお返事ありがとうございます。

じつは個人的にプチロワを使いたい理由というのが文法説明の親切さと例文の豊富さというところにあるので、もう一度見直してみたら電子辞書だとそんなに変わらないかも、ということに気が付きました。
確かにフランス語だとどうしても見当の付かない変化形が出てきたときにある程度の見当をつけて見出しを引かなくてはいけなかったりします、そのときに間違いがあるというのは困ったところですね。
ただ、クラウンは使用したことがないのでわからないのですが、変化形がそのまま辞書に載っているのはDico以外にはないような気がするのですが、電子辞書のプチロワではそれができるのでしょうか。もしそうならばますますプチロワにこだわって探したいところです。

SIIのものは高校生の時に使用していて、唯一最初からフランス語が入っているものとして重宝していました。
ただExwordと比べると長く使う上で重要な液晶の美しさとか、キーの適当な大きさなどの点で見劣りするものがあります。そのあたりSII製のものを使用している方の意見を聞いてみたいと思います。

Hachetteの仏英・英仏辞書が入っているというのはすごく理想的ですね。私自身フランス語をカナダで習得した、というのがあるのでこの辞書は重宝しておりました。
二つ持つのは結構厄介ですが、本物の辞書を二冊持ち歩くよりははるかに楽なので、今回の購入とは別にこの電子辞書を入手したいなと思います。重要な情報をありがとうございました。

ありがとうございました  投稿者: 英語大好き  投稿日: 3月15日(火)21時42分47秒

Sekkyさん大変参考になる投稿をありがとうございましたm(_ _)m
LP9300の購入を考えていただけに正直助かりました。初夏に出るSIIの新機種を待とうと思います。

>評価されやすい場面にのみ実装し,利用度の低いところには実装するメリットはないと判断する発想
このような発想を私は支持しません。

>辞書マニアさん  投稿者: Sekky@管理者  投稿日: 3月15日(火)17時34分45秒

>LP9300は、英語例文検索では20字まで入力が可能ですが、決定キーを押してから検索を
>開始。一方、セイコーのT6700の例文検索は、30字も入力(&キーを入れなくても自動
>に検索開始)できますし、入力し終わった時点で、ほぼ同時に検索結果が出ています。

これは旧機種と同仕様ですね。解像度が変わり,横方向に余裕ができたので入力ボックスを大きくするのかと思ったら,結局そのままでした。複数のキーワードをつなぐ場合,20文字はけっこう少ないですね。

>技術力の圧倒的な差でしょうか。ユーザの立場に立った心がけの問題?

電子辞書に参入しているメーカーさんは,シェアの差こそあれ技術力自体の差はそれほどないような気もします。むしろ,開発者の(というよりメーカーのかもしれませんが)思想というか,スタンスの違いが少なからず影響を及ぼしているのではないでしょうか。ある機能を実装するときに,せっかく実装するのであればあらゆる場面で使えるようにしようという発想と,評価されやすい場面にのみ実装し,利用度の低いところには実装するメリットはないと判断する発想の違いかもしれません。前者の場合,仕様面での一貫性という点ではすっきりしていると思いますが,ユーザ全員が使う見出し語検索はともかく,ユーザの中の一部しか使わない例文検索にまで同等のインクリメンタルサーチを搭載するのは(見方によっては)無駄だと思う人もいるかもしれません。SIIさんのワイルドカード検索などがその典型でしょうが,コストをかけて英語系コンテンツだけでなく,あらゆる搭載コンテンツに実装しても,おそらくそのことを高く評価するユーザはごくわずかだと思います。ワイルドカード検索の存在すら知らないユーザが多いのに,その中でSIIさんやキヤノンさんの機種に限っては語頭に「?」が置け,しかも「?」と「*」を混在させられるということを知っていて,そのためにこの機種を買いました,というようなユーザは非常に稀だと思います。コストをかけても多くのユーザからの評価に結びつかないことに時間をかけるよりは,もっと多くのユーザが望んでいることにウェイトを置くというスタンスと,たとえわずかであっても普通の人が気づかないような視点でワイルドカード検索をとらえ,特定メーカーの製品を指名買いするユーザがいる以上,そういう人の要望に応えたい,というスタンスの差が根底にはあるのかもしれませんね。メーカーさんも企業である以上,アピールしやすい部分を中心になってしまうのは避けられないでしょうが…。

>別売でワードプラスソフトの「ロイヤル英文法」があるが、これは英語表現で検索できず、
>品詞や文法用語を知っている必要がある。例えば、"suggest"で検索できない。書籍には
>英語表現別の索引がある。

データプラス用のロイヤル英文法は,英単語の索引や日本語表現の索引が付いていないので,はっきり言えばフルコンテンツではないですね。付録の類例リストなどが省かれているのは仕方ないにしても,この手の文法書は通読するものではなく,必要なときに何らかの手がかりをもとに検索するものですから,索引は心臓部分と言っても過言ではないと思います(システムソフト電子辞典シリーズのロイヤルは英単語からでも検索できるのですが…)。

本来,文法書というものは文法を知らない人が文法の知識を得るために引くものであり,そのために文法事項だけでなく,英単語,日本語の意味などからも引ける詳細な索引が付いています。冊子体ロイヤルの索引の詳しさは,数ある文法書の中でも出色だったのですが,データプラス版ではそれが全く生かせません。初学者が「〜すべきだ」ということをどう英語で言うか調べたい場合,和英を引くよりも文法書の日本語索引を引いたほうがはるかに詳しい情報が得られますが,データプラス版ロイヤルのキーワード検索は文法事項を検索するもののようで,こういった表現からは引けません。英単語でも引けないとなると,結局は「〜すべきだ」は助動詞のought toかshouldを使うのだと判断し,目次から助動詞の章を検索し,その中でshould (ought to)の用法の箇所を見つける必要があります。すなわち,「〜すべきだ」をどう表現するか知りたい場合,助動詞のshouldなどで表すという文法的知識がなければデータプラス版ロイヤルは引けないことになります。もっとも,それぐらいの知識がすでにある人であれば,わざわざ文法書を引かなくてもそれなりに英語は書けると思いますが…。

文法学者向けのレファレンスグラマーの本ならともかく,学校英文法ベースの一般向け文法書を引くのに文法の知識が要求されるというのは本末転倒であり,ロイヤルを編集された方もそういう予備知識は想定していないはずです。全文検索など,電子辞書独自の索引を付けろとは言いませんが,最低限冊子体についている索引ぐらいは完備して,冊子体と同様の検索だけでもできるようにしてほしいと思います(冊子体より高価なのですから)。キーワード検索はついていますが,これは日本語しか入れられないですし,インクリメンタルサーチがきかないので,適切なキーワードが入れられなくて該当なしになるケースが多いです。索引こそがロイヤルの生命であるのに,その一部を割愛するというのはちょっと疑問を感じます。

XD-LP9300など(4)  投稿者: Sekky@管理者  投稿日: 3月15日(火)14時50分9秒

(総括)

今回の新機種を使ってみて感じたのは,目で見て(耳で聴いて)分かる面で著しい大進化があった反面,カタログスペックに出にくく,実際にある程度の期間使ってみないと分からないような面の問題点が旧機種以上に目立っているということです。テキストビューアの存在も大々的にPRしていますが,ファイル名に制約がある(DOS時代の8-3の制約)ため,ウィンドウズのようなロングファイルネームが使えない(半角英数字8文字以内にリネームしないといけない)ことや,かんじんのビューアの仕様(テキスト内のジャンプ機能が弱い)などはほとんど表面には出ません。自分のSDカードを持って行って,店頭のデモ機でビューアの使い勝手を調べる勇気のある人などまずいないでしょうから,買ってから気づくことになります。ビューアとして使えるテキストファイルが10ファイルから100ファイルになったのは大きな進歩ですが,テキストファイルはライブラリ画面のコンテンツリストでも常に先頭に表示されるので,何十というテキストファイルと追加の辞書コンテンツをカードに入れている人は,カード内の辞書を検索したい場合,スクロールを何回もしないといけません。ほかにも,カードコンテンツやテキストファイルの並び順を変更できない(インストール順で並ぶ)など,コンテンツ追加を前面に出している割に,そのインターフェイスは初代データプラスと変わっていません。

先ほどもふれた変化形検索にせよ,ワイルドカード検索の仕様にせよ,細かな仕様面の不統一にせよ,カタログからはうかがい知ることのできない面は,旧機種と全く変わっていません。それどころか,複数検索,例文検索の大幅な速度低下やキーアサインの問題など,旧機種のハイエンド機であるH9100/9200よりも後退した面が少なからず見られるのは大変残念です。

たしかに,コンテンツの面ではLP9300は英語上級機の名にふさわしいものを持っています。マクミランの英英やロイヤル英文法といった英語教員向けの増設コンテンツや,理化学英和や自然科学系和英などの専門家向けコンテンツ,独仏西中韓の外国語辞書などをインストールすれば,リーダーズ,G大,理化学英和の3冊の英和に,ODE, OALD, MEDの3冊の英英,NOTE,大修館類語(+CP500付属のActivator,ロジェシソーラス)の4冊の類語,マイペディア,ブリタニカの2冊の百科事典,英語以外の5ヶ国語辞書などが1台ですべて検索できます。コンテンツに関しては申し分ないでしょう。液晶解像度も,HVGAなら全く不自由ありません。今まで述べた細かな点は,普通のエンドユーザなら全く気にならないどころか,それがなぜ問題なのかさえ分からない方も多いと思います。そう考えると,現時点ではカシオさんの一人勝ち状態であることはある程度事実なのかもしれません。

しかし,その差は今後急速に縮まるでしょう。競合他社さんがHVGA液晶を投入してくるのは時間の問題でしょうし,少なからず遅れをとったからには,単なる解像度をあげてお茶を濁すことはしないはずです。たとえば,ダブルウィンドウ表示などは,W検索を実現しているシャープさんならいつ搭載してきてもおかしくないでしょうし,SIIさんにしても,英語専門機の(SR-T6700の後継の)次期機種では大きな動きがあるのではないでしょうか。SR-E9000のプレスリリースの中で,COBUILD搭載の新機種も販売予定である旨の記述がありましたが,わざわざ前後の脈絡もない情報を公式サイトでアナウンスするのもおかしなものですから,もしかしたらCOBUILD搭載というのは当て馬であり,T6700の後継機種はCOBUILD搭載であること以外の(プレスリリースで出していない)部分で決定的な大きな変化があるのではないのか,という気も(勘ぐりですが)します。当然,LP9300をもっとも意識して,しかもSR-E9000とうまく棲み分ける機種になるでしょうから,英語重視の上級学習者が満足するものになるはずです。COBUILDを載せるのであればODEは載せにくいでしょうから,Collins社が最近出したCED(ODEクラスのネイティブ向け英英)やNOTEクラスのthesaurusあたりが搭載されるのでしょうか。SIIさんにせよ,シャープさんにせよ,コンテンツ追加型機種での速度低下は(少なくともROM内蔵コンテンツでは)ないですし,細かな使い勝手には定評のあるメーカーなので,もしLP9300クラスの最上級機が他社から発売されたとき,LP9300が色あせてしまいそうな気はします。

カシオさんは新機種の半数以上をデータプラス仕様にしていますが,言いかえれば専用機の身軽さ,使いやすさよりも発音やコンテンツ追加といった(表面的な)スペックの高さをメーカーさんが重視してきているとも言えます。そのうちにカラー液晶が一般的になり,レスポンスにしても,「パソコンのCD-ROM辞書より速ければ(IC辞書の従来機種より遅くても)いいだろう」というようになっていくと,IC辞書の先行きにも一抹の不安を感じざるをえません。

いつも言っているのですが,とくに辞書のパワーユーザにとっては,電子辞書はステイタスシンボルでもなければ,飾り物でもなく,筆記用具やカバンなどと同等の道具であるにすぎません。自分に必要なコンテンツが過不足なくROMに内蔵されているのであれば,コンテンツ追加の機能などなくてもかまいません。検索速度や操作性といった電子辞書の基本に立ち返り,一からじっくり考え直してみる時期にきているのではないでしょうか。

最近は,各メーカーさんも高校や大学への売り込み(というと言い方が悪いですが)の機会が多くなり,いかに多くの教員や生徒に電子辞書に親しんでもらうかということを日夜考える必要に迫られていると思います。しかし,一方で電子辞書黎明期の頃のように,直接ユーザと接触がなくても電子辞書の根幹を左右するような基礎的な研究もおろそかにしてはならないと思います。最近の電子辞書関係の学会報告は,ほとんどが,いわゆる外国語教育の視点からの実践報告になっています。それはそれとして有益であり,私自身もよくしますが,一方で外国語教育には直接関係ない視点での,いわゆる電子辞書自体に関する基礎研究も重要であると考えています。ユーザの検索行動の観察による電子辞書のユーザビリティーテスト(というと大げさですが)やスペルチェック,変化形検索といった各種機能の検証(スペルチェック機能が多くのユーザに使われていないのは,スペルチェック自体の水準にも一因があるように思われます)などは私も手がけていますが,今後こういう地味なことに関心を持つ同業研究者やメーカーさんの開発者の方々が増えていくことを願っています。

カシオ LP9300 例文検索  投稿者: 辞書マニア  投稿日: 3月15日(火)14時32分2秒

LP9300は、英語例文検索では20字まで入力が可能ですが、決定キーを押してから検索を開始。一方、セイコーのT6700の例文検索は、30字も入力(&キーを入れなくても自動に検索開始)できますし、入力し終わった時点で、ほぼ同時に検索結果が出ています。技術力の圧倒的な差でしょうか。ユーザの立場に立った心がけの問題?

あれやこれやのいろいろな面で、まだまだカシオのLP9300は、使い勝手の練り上げが必要だと思います。セイコーがコンテンツや拡張機能の面でカシオにほぼ追いつけば、やはりセイコーさんが使い勝手では一枚も二枚も上かも。お互いを並べて検索キー手順とスピードの比較をすれば、どこにどんなキーを配列すべきか、どんな機能が優先すべきかが見えてくるはず。

カシオさんの電子辞書開発チーム、頑張って下さいね。もうこのへんにしておきます。

XD-LP9300など(3)  投稿者: Sekky@管理者  投稿日: 3月15日(火)13時29分47秒

(キーアサイン等)

LP9300をXD-H9200+英活と考え,カシオさんの英語ハイエンドの後継機と考えるのなら,おそらくはモードキーの割り当てがもっとも大きな改悪点と言えると思います。根本的な問題は,H9200よりもコンテンツが(それも,オマケ的なコンテンツでなく,英活というメインコンテンツが)増えているのに,モードキーの数は,ライブラリキーの新設により1つ減っているということです。その結果,H9200では(少なくとも英語系コンテンツに関しては)ほぼすべてモードキーに割り当てられていたのに,LP9300ではメニューに追いやられてしまっています。OCDは(H9200でもそうだったので)ともかく,LP9300の目玉であるNOTEや英活がなぜメニューに押し込まれてしまったのでしょうか。このために,LP9300で英活を使おうと思うと,最短でメニュー×2→F(ショートカットキー)の3ストロークが必要になります。英活搭載のH9100はモードキー1つ押すだけだったのに,です。英活はメーカー問わずにハイエンド機の目玉コンテンツということもあってか,モードキーの「おもて」(機能キー等を併用しなくていい)に割り当てられているのに,なぜ他機種で英活をカットしてLP9300だけに残しているのにこんな奥深くに入れてしまうのか,よく分かりません。最上位機のLP9300をわざわざ買う人は,他機種にないLP9300独自のコンテンツが目当てであるわけで,単にリーダーズやG大ぐらいが必要ならもっと安い機種を選ぶのではないでしょうか。皮肉なことに,他のデータプラスシリーズで英活を追加インストールしたほうが,ショートカット機能を使えばシフト→ショートカットの2ストロークで英活が起動するので,使いやすかったりもします。別にコンテンツ間に優劣をつけるつもりはありませんが,それでも英活は冊子版で15000円以上するものであり,これをどうしても使いたいという人がわざわざ高価な英活搭載機を買うのではないでしょうか。LP9300は英語重視の上級機なのですから,せめて,メニューキーで表示される階層メニューの「英語系」をトップに持ってくる(これだけで,英活を2ストロークで選択できます)ぐらいの配慮は必要なのではないでしょうか。

H9100にせよ,H9200にせよ,英語系コンテンツのほとんどは表か裏のモードキーにおさまっていました。今思うと,これが道具としての使い勝手のよさを実現していたのだと思います。プレビューを出した状態で別のモードキーを押せば,入力語はそのまま保持して別辞書モードに簡単に移動できるため,テレビのチャンネルを切り替える感覚で気楽に(ジャンプ操作などをしないで)コンテンツ間の移動が,搭載の英語系コンテンツのほぼすべてでできました。ジャンプの際も,ジャンプ先辞書キーを押すだけでダイレクトに飛べるというのが非常に便利(これはSIIさんの機種ではできない点です)だったのですが,LP9300ではモードキーの数が減ったため,こういうことのできるコンテンツも少なくなりました。

モードキーの数を増やすというのも(筐体寸法をこのままにしていては)無理でしょうが,せめて従来機のように5つのモードキー(裏コンテンツを含めると10コンテンツ)のままであれば,英活とNOTEもモードキーに割り当てられ,ほぼ従来機なみの使いやすさを維持できたと思います。発音キーを訳キーに割り当て(発音は訳を出さないと聴けないので,逆に訳を出してしまったら遊んでしまう訳キーに発音キーを割り当てるのは合理的です)ればキーボード最下部の特殊キーが1つ余るので,そこにライブラリキーをアサインしてもよかったのではないでしょうか。あるいは,下で辞書マニアさんがおっしゃるように,ODEとOALDを同一キーにして串差しできるようにする(SIIさんの機種の中にはOALDとCODを同様に串刺しできるものもあります)とか,G和英とG大和英インデックスも一緒に串差しするようにすればキーが2つ浮きますので,そこにNOTEと英活を入れることは可能です。

欲を言えば,モードキーは完全にカスタマイズできるようにするのも一つの方法です。せっかく高解像度になったのですから,DOS時代のパソコンのファンクションキー表示のように,画面最下部にモードキーの位置にあわせて割り当てた辞書名を表示するようにもできるのではないでしょうか。モードキー1つぐらいは学習機能をつけて,モードキーに登録していない(メニューから呼び出す)コンテンツで,もっとも最近呼び出したもの1つを自動登録するようにすれば,現行のショートカット機能のように主導で登録するものよりもはるかに便利です。

(ジャンプ先の指定)

ジャンプの際,複合語ジャンプに対応したのは大きなメリットだと思います。一方で,ジャンプ先を自動判別するのでなく,ジャンプが(仕様上)可能なコンテンツを(ジャンプ先にその語が載っているかどうかに関係なく)一覧表示する仕様は何とかならないものでしょうか。これも他社製品ではとっくの昔に改善されていることです。ジャンプ先辞書をショートカットのアルファベットで選べるのはいいのですが,増設コンテンツが多い場合など,ジャンプ先候補が1画面でおさまらない場合,スクロールすると辞書ごとのショートカットのアルファベットが変わってしまう(つねに画面最上部のコンテンツがA,最下部がKとなる。そのため,ジャンプ先候補画面を1行スクロールすると,KだったコンテンツはJになってしまう)ので,長年使ううちに「指で覚える」ことができません。そのため,ジャンプのたびに画面を見てアルファベットを確認する必要があります。また,親切心なのでしょうが,ジャンプ先辞書名(とくに英英系)が日本語訳になっているので,似通った名前が並び,分かりにくくなります。「オックスフォード新英英辞典」「オックスフォード現代英英辞典」という書名を見て,前者がネイティブ向けのODE,後者が学習者向けのOALDだということは直感的に理解しにくいです。辞書に慣れている人のために(というより,LP9300はそういう人向けの機種だと思うのですが),ODE,OALDという略称も併記してあると分かりやすいです。そもそも,「オックスフォード”新”英英辞典」というのはおかしな訳語なのではないでしょうか。NODEと呼ばれていた初版は原書名にもNewがついていたので「新英英辞典」でいいのでしょうが,NODEの2版はNewがなくなり,その結果略称もNODEではなくODEになりました。辞書学をやっている人なら(実体はNODEの2版なのでしょうが)NODEの2版とは言わず,ODEと呼ぶと思います。

(その他)

液晶解像度が上がったとはいえ,ファームウェアの仕様が旧態依然なためか,「??」なところはほかにもたくさんあります。たとえば,複数辞書例文検索では,横幅がかなり広くなったのにかかわらず,なぜか辞書種のタブが(旧機種と同じ)4つしか表示されません。解像度が上がり,あと3つぐらいは表示できるスペースが確保されているのに,なぜか昔のままになっています。

変化形検索も相変わらずです。beerにジャンプしようとすると,ジャンプ先候補にbeeが出てくる,deedにジャンプしようとするとdeeが出てくる,挙げ句の果てに,JulyにジャンプしようとするとJu(Juneの略称!)が出てくる,Mrs.にジャンプするとMr.が出てくる(!)というのは,正直なところ失笑ものだと思います。いちおう英語教員をしている私が見れば,beeに形容詞用法があるはずないと常識的に分かりますので,個別単語毎に変化形テーブルを作らないで,er語尾のつく語は機械的にerを除去した語を原形として提示するような仕掛けなのかなと考えるだけですみますが,中学生や高校生(最近は大学生も含めないといけないかもしれませんが(^^;;)ならbeerとbeeが意味的につながりのあると解釈してもおかしくはないでしょう。

かりにも,今回のラインナップの中に「中学生向け機種」というカテゴリーを業界に先駆けて新設しているカシオさんであるのなら,こういった細かな点もしっかり対応していただきたいという気はします(昨年の春モデルの段階で同じことを問題提起しているのですから)。手元にはLP9300しかないので「中学生モデル」「高校生モデル」と称している機種が同じような挙動をするのかどうかは分かりませんが,万一,学販用型番を設定し,学校斡旋販売などをしている機種で,beerからジャンプしてbeeを返すような仕様であるのなら,これは少なからず問題であると思います(LP9300は上級機だから別にいいというわけではありませんが)。こういう挙動をするような変化形対応ジャンプを搭載するぐらいなら,むしろ一切対応しない(変化形を入れても原形を推測せず,該当なしと返す)ほうがはるかに良心的です。後者であれば「仕様」として解釈できるからです。変化形を入れて原形を推測しないというのは,単に「仕様面で遅れている」だけのことで済ませられますが,変化形解析のアルゴリズムで誤った形を返すというのはさすがにまずいでしょう。形容詞でer形の変化をするものは有限であり,数はそれほど多くないのですから,個別に例外措置として変化形テーブルを用意して対応することも可能なはずです。名詞なら,可算不可算のデータを参照するだけで,sがついていてもそれが複数のs(=sをとって原形を返せる)なのか,偶然sで終わる単語であるのかぐらいは機械でも判別できると思いますが…。

もっとも,こういう仕様が放置されているのは,メーカーさんだけの問題ではなく,こういうことに気づく現場の英語教員が少ない(言いかえれば,変化形からのジャンプなどを教室内の電子辞書指導であまり扱っていない)こともあるのでしょうから,我々教員サイドも反省する必要はあると思います。英語翻訳選手権をはじめ,高校現場にも積極的にアピールしているSIIさんの機種と同列で比較するのは酷でしょうが,高校市場にはあまり参入していないシャープさんをはじめ,他社製品でもこんな仕様のものはありません。

XD-LP9300など(2)  投稿者: Sekky@管理者  投稿日: 3月15日(火)11時38分55秒

(仕様の不統一)

カシオさんの製品には伝統的に言えることですが,コンテンツ間での仕様の不統一が目立ちます。今回はハードウェアが全面的に変わるということで,こういった細かな点も改善されるかと期待していましたが,相変わらずです。以下はその一例です。

・単一辞書の検索では,プレビューを出している状態でレイアウトキーを押すと,上下分割と左右分割の切り替えができます。しかし,なぜか複数検索モードではこれができず,上下分割固定になります。なぜモードによってこういう違いが出るのでしょうか。

・訳語フル表示の画面では,文字サイズキーによりフォントサイズの切り替えができます。しかし,プレビュー画面では強制的に16ドットフォント固定になります。なぜこのように固定する必然性があるのか,よく分かりません。他社製品でも昔はそうでした。SIIさんの機種でも,プレビュー初搭載のSR-9200の頃(3年ぐらい前)は,同様の仕様だったはずで,ここでも苦言を述べた記憶がありますが,(そのためかどうかは分かりませんが)翌年夏の次期機種(SR-9700)ではプレビューでも最小フォントで表示できるようになりました。しかし,カシオさんの場合,プレビュー搭載はむしろ後発であり,しかも今回の新製品が初搭載でもないのに,他社がとっくに改善している点がそのままになっています。たしかに解像度が向上したために,フォントサイズが16ドットでも一覧性が向上した(XD-Hシリーズなどは,プレビュー行が少なすぎてプレビューにならないコンテンツも多かったですから)のは事実ですが,だからといって旧機種の仕様をそのままにすればいいというものではないでしょう(12ドットで出せればさらに見通しがよくなるわけですから)。もちろん,中韓コンテンツなど,フォントサイズの制約(12ドット表示ができない)のある辞書種もあるので,複数検索などは16ドット固定でもいいと思いますが,12ドット表示のできるコンテンツの単独検索で,プレビューを16ドットにする必要がなぜあるのか,よく分かりません。

・フォントサイズの問題は,テキストビューアに関しても同様です。一覧性が要求されるテキストビューアであるのに,なぜ16ドットフォント,しかも罫線付きレイアウトに固定されてしまうのでしょうか。罫線の有無は好みの問題があり,線が入ったほうが見やすいという人もいれば,私のように罫線なしでいいから1行でも表示行数を増やしてほしいという人もいます。フォントサイズも同じで,目が悪いので大きなサイズがいいという人もいれば,一覧性を重視して最小フォントのほうがいいという人もいます。カシオさんの最新機種では,フォントサイズに加え,行間も(罫線の有無を含めて)3段階に調節できるようになり,これらを組み合わせて,しかも辞書ごとに独立して設定できるようになったのは大きな進化だと思います。ここまで細かく設定できるのに,なぜプレビューとテキストビューアが例外的に固定されてしまうのか,理解できません。

・ワイルドカード検索に関しては今まで何度も指摘していますが,日本語系辞書で全く(広辞苑の逆引き以外は)対応していないのも時代錯誤でしょう。百科辞典系では「〜」を語頭においたいわゆる後方一致の利用度が高い(「○○の仲間」を一覧するときなど)のですが,一切対応していません。「?」が語頭に置けないということも同様です。

・コンテンツごとの検索方法が微妙に違うのも気になります。多くの辞書では(他社製品同様に)モードキーを押せば見出し語入力の画面になりますが,一部のコンテンツ(ブリタニカや自然科学系和英大辞典など)では,まず検索方法を選ぶ画面になります。もちろん,六法や中日辞典など,検索モードの多いコンテンツならそれでいいと思いますが,ブリタニカは日本語,英語,キーワードの3つですので,それなら検索方法を選ばせるのでなく,G大やリーダーズのように,入力画面にボックスを3つ置いてカーソルキーで選ばせればすむことです。自然科学系和英大辞典にいたっては,日本語とキーワードの2種類しかモードはありません。4種類の検索モードを持つG大でもモードキーを押せばすぐに見出し語入力できるのに,なぜ2種類の自然科学系和英大辞典ではいちいちモードを選んでから見出し語を入れないといけないのでしょうか。さらに不思議なのは,マイペディアは自然科学系和英大辞典同様に2種類のモードしかありませんが,こちらはG大のようにすぐに見出し語入力ができます。細かなことだと思うかもしれませんが,ブリタニカや自然科学系和英大辞典式の入力方法だと,単語を検索し,次の単語のスペリングをタイプしたときに見出し語入力画面に戻らず,検索方法の選択画面に戻ってしまい,キー操作が1つ余分になります。たかがキー1つの問題だと思うかもしれませんが,キー1つ余分に押すかどうかが問題というよりは,同じ機種に搭載されているコンテンツなのに,基本操作の方法が微妙に違うというのは,パワーユーザには非常にストレスを感じると思います。

・プレビュー機能はカタログでも大きく扱っていますが,複数検索や例文検索,成句検索などでは働きません。これも,その必然性が理解できません。

XD-LP9300など(1)  投稿者: Sekky@管理者  投稿日: 3月15日(火)10時53分29秒

↑カシオさんの春モデルもほぼすべて出揃いました。LP9300を中心にふれますが,ハードウェア的には他のP型番の機種(データプラスシリーズ)共通だと思います。

液晶解像度のアップは大きな改善点だと思います。解像度のアップに伴い,左右分割でプレビューが見られる(従来機や他社製品の多くは上下分割)ようになったことで,プレビュー画面の利用価値が大幅に増えました。訳語だけを知りたい場合なら,プレビューだけで(多義語を除けば)用が足りてしまうことも多いです。プレビューだけですませてしまうとヒストリーに残らない(訳キーでフル画面表示しないとヒストリーに記録されないので)ので,引いた単語を後で再呼び出ししたくても残っていないことが多くなりましたが,これは仕方ないでしょう。

しかし,スピードや操作系に関しては,決してほめられたものではありません。他のメディアでは,解像度の向上やTTSによるフルボイスの音声機能などにかきけされ,このようなマイナス面が霞んでしまうでしょうから,ここでは(多少手厳しくなると思いますが)詳細にまとめてみます。

(検索速度)

XD-H9100/9200などの従来機よりも明らかに低下しています。とくに,複数検索がらみ(複数辞書一括検索,複数辞書例文検索)の遅さは目を覆うほどで,体感で分かるとか分からないという微妙なレベルではありません。増設コンテンツに関しては目をつぶるにしても,なぜROMに内蔵されたコンテンツでこれほどまで遅くなるのでしょうか。店頭のデモ機で試してみれば誰でも分かると思いますが,複数検索で(日本語にせよ,英語にせよ)検索すると,リスト画面がずらずらと表示されるのが目で見ても分かるぐらいの遅さです。データプラス系でない機種(XD-Hシリーズにせよ,最新のXD-Fシリーズにせよ)はほぼ一瞬で表示されることからしても,もしかしたらデータプラスシリーズではROM内蔵のコンテンツもファイル形式や圧縮のロジックなどが(増設コンテンツと互換性を確保するために)他機種と違うのではないか,と思いたくなります。これは,増設コンテンツの有無に関係なく,デフォルトの内蔵コンテンツだけの状態でも同じです。

とくにLP9300では,後述のようにコンテンツ数の割にモードキーが少ないので,従来のH9100やH9200以上に複数検索モードを利用する(させられる)ことが多い(英活などをメニューの奥から呼び出すよりは複数検索で検索したほうが楽なので)のに,この遅さでは困ります。多くのコンテンツに搭載されているような単語であれば,時間はかかりますがずらずらと出てくるので,検索経過が分かり,まだいいのですが,1,2のコンテンツ(とくにカードの)にしか出ていない単語だと,「検索中です」のメッセージのまま数十秒という単位で待たされます。これでは,複数検索はとても使い物にならないというのが正直なところです。待たされても求める情報が出てくればまだいいのですが,表記や綴り字間違いのために,何十秒も待たされたあげくに「空振り」になってしまうこともあります。

内部的なことは素人なので外したコメントかもしれませんが,複数検索では,どうやら各コンテンツ毎にあるインデックスを順に検索しているような気もします(検索したコンテンツからリスト画面に結果を逐次出しているため,五月雨式にリストされるのではないでしょうか)。これだと,検索順位が上のほうにある(と思われる)広辞苑やマイペディア,英語ならリーダーズやG大を検索してから,カードコンテンツでもっとも後にインストールしたものを検索するまで,かなりのタイムラグが生じてしまいます。そのため,専門用語などを複数検索すると,リーダーズの候補が出てから(増設した)理化学英和の候補が出るまでかなり待たされることになります。

たとえば,追加コンテンツをインストールするごとに,内蔵,増設含めたすべてのコンテンツを包括したインデックスを自動構築するようにはできないのでしょうか。コンテンツ毎にインデックスを持っているよりも,全コンテンツのインデックスを(膨大であっても)複数検索用として1つ別に用意したほうが迅速になるような気もしますが…。イメージとしては

(リーダーズ)
aaa
bbb
ccc

(G大)
aaa
ccc
ddd

というようなインデックスを
aaa, リ,G大
bbb,リ
ccc, リ,G大
ddd,G大

のようにマージして,複数検索専用のインデックスを作るわけです。これなら,別々のインデックスを順にサーチするよりもはるかに速いような気が(素人目には)するのですが…。というより,コンテンツ追加のできない機種では複数検索も通常検索なみの速さなのは,非データプラスの機種には,こういう専用インデックスがすでに搭載されているからだと思うのですが。もちろん,「閉じた」(追加できない)環境なら,全辞書を統合したインデックスは不変であるのに対し,コンテンツ追加型機種なら追加するたびに統合インデックスを作り直さないといけないので,各辞書ごとのインデックスを順にサーチするしかない(?)というような事情はあるのでしょうが,コンテンツの追加,削除などそうしょっちゅうするわけではないので,追加,削除の際に多少時間を要してもその都度統合インデックスを作成するようにしてもいいのではないでしょうか。

なるほど  投稿者: じゃむ  投稿日: 3月14日(月)21時19分8秒

ななしさんお返事ありがとうございます。

じつは個人的にプチロワを使いたい理由というのが文法説明の親切さと例文の豊富さというところにあるので、もう一度見直してみたら電子辞書だとそんなに変わらないかも、ということに気が付きました。
確かにフランス語だとどうしても見当の付かない変化形が出てきたときにある程度の見当をつけて見出しを引かなくてはいけなかったりします、そのときに間違いがあるというのは困ったところですね。
ただ、クラウンは使用したことがないのでわからないのですが、変化形がそのまま辞書に載っているのはDico以外にはないような気がするのですが、電子辞書のプチロワではそれができるのでしょうか。もしそうならばますますプチロワにこだわって探したいところです。

SIIのものは高校生の時に使用していて、唯一最初からフランス語が入っているものとして重宝していました。
ただExwordと比べると長く使う上で重要な液晶の美しさとか、キーの適当な大きさなどの点で見劣りするものがあります。そのあたりSII製のものを使用している方の意見を聞いてみたいと思います。

Hachetteの仏英・英仏辞書が入っているというのはすごく理想的ですね。私自身フランス語をカナダで習得した、というのがあるのでこの辞書は重宝しておりました。
二つ持つのは結構厄介ですが、本物の辞書を二冊持ち歩くよりははるかに楽なので、今回の購入とは別にこの電子辞書を入手したいなと思います。重要な情報をありがとうございました。

Re: ご相談です  投稿者: ななし  投稿日: 3月14日(月)01時43分13秒

> 1. 何らかの形で仏和和仏辞典が入ること(CD-ROMやデータカードでもOK)
> 2. 英語は人文科学系の専門用語くらいまでを検索可能な学習辞書以上のクラスのもの
> 3. フランス語に関してはできればプチロワイヤルを使いたいと考えています
>
> 特に3番が重要で、この一点でExwordの第二外国語モデルの購入を見送りました。

カシオの場合、別売り追加ソフトでプチロワイヤルも追加できます。XD-LP7200のROM内蔵のクラウンと追加のプチロワイヤルでダブル仏和も可能なわけですが、カシオ製品は変化形の検索・ジャンプに瑕疵があり、個人的にはSIIを薦めたいところです。

なお参考までに、カナダではHachetteの仏英・英仏辞書を収録した電子辞書が出ているようです。
http://www.sharp.ca/products/index.asp?cat=77&id=529
日本で入手は難しいかもしれませんが、ご参考までに。

ご相談です  投稿者: じゃむ  投稿日: 3月14日(月)01時29分40秒

電子辞書の購入を考えています。条件としては
1. 何らかの形で仏和和仏辞典が入ること(CD-ROMやデータカードでもOK)
2. 英語は人文科学系の専門用語くらいまでを検索可能な学習辞書以上のクラスのもの
3. フランス語に関してはできればプチロワイヤルを使いたいと考えています

特に3番が重要で、この一点でExwordの第二外国語モデルの購入を見送りました。
最初からプチロワイヤル収録ならばSII製のものはどうかなと思ったのですが、すこし
小さすぎてどれも使いにくいようで、Exwordかシャープ製のものでデータを足すという
方向で考えています。
となると英和辞書の使い勝手が気になるのですが、アドバイスなどあればどうかよろしくお願いいたします。失礼します。

LP9300はカシオさん  投稿者: 辞書マニア  投稿日: 3月13日(日)16時52分57秒

先程のLP9300のは、カシオさん製です。

LP9300使用感  投稿者: 辞書マニア  投稿日: 3月13日(日)16時44分50秒

昨日LP9300を入手しました。少し辛口ですが、感想です。8点あります。

1.例文検索等でシフトキーを押してから、&キーを押す必要があるのは非常に不便。また、そのシフトキーも、&キーから遠い。

2.「複数辞書検索」「複数辞書例文検索」(後者はさらに「例文検索」と「成句検索」に分割してある)の2つが、キー呼び出し別になっているのは不便。例文と成句の検索を一本化し、日本語の例文も含めて一切の例文を一つのキー・一つの画面内で入力可能にすべき。例えば、例文検索で rain&cat と検索すると、英活の結果は例文検索の場合にのみ、リーダーズの結果は成句検索のみに現れる。ユーザにとって、ある語句列が例文か成句かなど構わない。すっと出るようにしてほしい。

3.「複数辞書例文検索」の例文検索時間が時により6-8秒かかり、とてもじれったい。さらに、結果が辞書別表示で、辞書切り替えるたびに、また6-8秒かかる。

4.「大英英」「英英」の別キー呼び出しは必要なく、一本化すべきではないか。

5.一括履歴がない。辞書別に自動登録されているが、後から「この表現はどの辞書のものか」ということを思い出して、その辞書へ行かないと出ない。英活の履歴なら、いちいちメニューキーから入っていく必要があり、とてもしんどい。

6.PCから自分のテキストファイルを流し込めるのは良いが、少し字が小さく、また大きくできない。

7.LP9300についてではないが、別売でワードプラスソフトの「ロイヤル英文法」があるが、これは英語表現で検索できず、品詞や文法用語を知っている必要がある。例えば、"suggest"で検索できない。書籍には英語表現別の索引がある。

8.これは要望だが、時計機能を電子辞書につけたらどうか。

以上、お金を出して買った消費者の当面の感想です。カシオさん、ご参考に。セイコーさんもご参考に。セイコーSR-T6700から乗り換えた声です。

SII電子辞書ユーザーレポート  投稿者: SII電子辞書ユーザー  投稿日: 3月13日(日)02時11分9秒

電子辞書の掲示板いつも楽しく読ませていただいています.
少し長文のレポートになりますが、2000年から5年あまりのセイコー電子辞書の
使用実績に基いて、感想やら意見を以下に列記させていただきます。
現在電子辞書の購入を検討されている方に少しでも参考にしていただければ幸いです。

●私の電子辞書の利用目的
 主に趣味の英語の学習用ですが一部英語実務(和文英訳、英文和訳等)用と
 しても使っています。

●携帯用電子辞書の利用履歴
@2000年1月〜2004年11月 SII SR-8000(英語専用モデル)
 ロングマンLCED第3版、研究社英和中辞典6版、和英中辞典4版、ロジェシソーラスのみ
 英語関係の辞書だけで収録辞書数もわずか4冊ですがほとんど不便は感じませんでした。
 収録辞書数が少ない分だけ操作がシンプルで使いやすいという面もありました。
 しかし2004年11月に紛失してしまったため同じSIIの新製品を購入.

A2004年11月〜2005年3月(継続中) SII SR-T7100
 OALD第6版、研究社英和活用大辞典、Concise Oxford Thesaurus他が
 入っているSIIでは英語上級モデル。

●CD-ROM等パソコンで利用している電子辞書
 ロングマンLCED第4坂+Activator第2版
 COBULD Learners Dictionary 第3版
 英辞郎Ver81、120万語

●職業
 自動車製造業の技術職。2000年〜2004年欧州駐在。40歳代後半。

●英語学習と活用歴
 大学1年で英検2級取得したものの、就職後英語とは無縁の職業生活を
 約20年続けた後、40歳を過ぎて初めて海外赴任になり、それを機会に
 英語の勉強を20年振りに再開。 TOEIC830点。
 帰国後英語が必要ない仕事に戻り、趣味として英語学習を継続中。
 英英、類語、連語辞書の定義や例文を読むのが楽しく、電車の中や
 喫茶店での待ち時間に電子辞書を取り出しては辞書を読んでいます.

●(学習用)英英辞書が実用的に使えるのはTOEIC700点からだと思います。
 私の経験ではTOEIC700点が一つの目安になると思います.
 TOEIC500〜600点の頃は定義や例文を読んでも理解できないことが多く、
 従って英英辞典や類語辞典を楽しむことができませんでした。
 700点を超えた頃から少しずつ英英辞典を読めるようになり、
 800点を越えた頃から英英辞典を楽しめるようになりました。
 もちろん完全には理解できませんので、わからない単語や熟語は
 英英からさらに英英にジャンプして調べ、それでもわからないときは
 G大やリーダースにジャンプして日本語で意味を理解します。
 この辞書間の自由な移動は電子辞書ならではの楽しみだと思います.

●(学習用)英英辞書はどれを選んでもいいと思います.
昨年11月まで使っていた
SII SR-8000にはLongman Contemporary English Dictionary 3rd Edition
昨年11月に購入した
SII SR-T7100にはOxford Advanced Learners Dictionary 6th Edition
が入っていました。
またパソコンではCOBUILDの第3版、LongmanのLCED第4坂を使っています。

関山先生のWeb-siteにもこれらの英英辞書の比較記事が掲載されています。
一口で申しますとロングマンが一番やさしく、COBUILDが一番難しいと
いうことです。私も関山先生と同じような感想を持っています。
しかしどれも学習者用英英辞書として作られていますので、Longmanが
読めればCOBUILDも読めるというのが私の感想です。Longmanなら
使えるけどCOBUILDは難しすぎて使えないというようなことはないと
思います。
どの学習用英英辞典を選んでも難易度に決定的な差はなく、後は
それぞれの辞書との相性というか好みの問題になると思います。

私も昨年11月の電子辞書の紛失の際に、LongmanからOxfordに
乗り換えました(SR8000==>SR-T7100). 最初のうちは略語や画面の構成が
異なることもあり、少し違和感を覚えましたが、OxfordのOALDにも
1週間くらいでだいたい慣れました。それくらい英英辞書はよく似ている
ということだと思います。

単語の説明(定義)を読んで面白いのはCOBUILDで、例文検索して次から次に
読んでいくのはロングマンがいいと思います。ロングマンの例文は
なかなかよくできていて、面白くて飽きることがないです。

OxfordのOALD第6版も定義は簡潔ですっきりしていていいと思います.
しかしOxfordの場合、例文はフルセンテンスでなかったり、簡潔すぎたり、
また主語がI とか He とかのpronoun(代名詞)になっているので
英文としての臨場感には少し欠けるではないかなと思います。
もちろんOALD第6版搭載の現在のSII SR-T7100で私は十分に
楽しんでいますので、これはあくまでも比較的ということですが。

●ネイティブ用英英辞典はTOEIC950点?以上でないと必要ないのでは?
CASIOの新製品LP9300等にNative向けの本格的な英英辞典ODE、355千語が
掲載されていますが、これを使いこなせるのはごく一部の上級者だけでは
ないかと思います。例外はあると思いますが、私のようにTOEIC800点程度の
英語学習者では歯が立ちません。もちろん辞書を片手にすれば読めないことは
ないのですが「辞書を読むことを楽しむ」ことができないのです。
普通の英語学習者ならまずは学習者向け英英を完全に使いこなせるように
なることが先決だと思います。これでも私にはものすごく高い目標です。
ネイティブ向けのODEの定義は私には難しすぎてあまり読む気になれません。
私がTOEIC500−600点時代に学習用英英辞典が読めなかったのと同じことが、
TOEIC800点程度でのネイティブ用英英辞典利用にも当てはまると思います。

●SII SR-T7100の使用感
@画面・・・暗いとかコントラストが低くて見づらいというコメントが
 この掲示板でも時々ありました。私も購入直後はそう感じましたが
 その後慣れたのかもしれませんが視認性の不満は今は皆無です。
 極めていいということはないですが、実用面では問題なしです。
 とは言え、カシオの最新機種、たとえばXD-LP9300等の高解像度液晶画面は
 (現物はまだ見たことはありませんが)閲覧性や視認性が相当上がっている
 ようなので、SIIさんにも液晶のさらなる改良を望みたいところです。

Aキーボード
 以前使っていたSII SR-8000に比べると格段によくなっています。
 キー入力の取りこぼしや入力ミスも激減しました。
 SIIのものは快適なキーボードだと思います。

B180度開かない点はやはり改良してほしいです。
 液晶部と本体部は、SR-8000やCASIOの製品のようにやはり180度
 開く方が使いやすいと思います。たとえば電車や飛行機の中で読書する
 場合、画面を180度開いたまま、本と重ねて持つというような使い方が
 できますし、電子辞書単体を手で持つ場合もやはり180度開いた方が
 使いやすいと思います。
 以前使っていたSR8000は190度くらいまで開きましたので、180度まで
 開かないSR-T7100は少し使いづらく感じます。
 (人間とは不思議なものでこれも慣れてくると、そんなものかと
  諦めてしまい、今は特別に不便だとまでは思わなくなりましたが、
  やはり180度まで開いた方がいいに決まっています。)

Cジャンプ時に任意の辞書を優先的に選択できるようにしてほしい。
 たとえば英英辞典で単語の意味がわからずジャンプして調べたい場合、
 今の仕様ではジャンプ先候補がジーニアス英和大、リーダース、・・・、
 かなり後の方でOALDとかの英語系辞書になり、カーソルをいちいち
 移動しないと英語系辞書にジャンプできません。
 これはCASIOの電子辞書のようにジャンプする場合の優先辞書をOALD等
 英語系辞書も含めて自由に選択できるようにしてほしいところです。

D英和辞典はたいていはG大で用が足りています.
 ジーニアス英和大辞典255千語でほとんど間に合っていて
 リーダース(プラス)を使うことはあまりありません。
 通常の読書や英作文用の例文検索用としてG大をOALDと併用しています。
 ただしリーダース(プラス)は外国の人名、地名等の固有名詞に
 強いので百科事典的に使えるところはいいと思います。
 なお専門用語や最近の用語・略語を調べる場合は、パソコンに
 入れている英辞郎(125万語)がいいと思います。政府機関、国際機関の
 名称、略称など、オンライン辞書のリアルタイム増補のおかげで
 最近の単語までほぼ網羅されています。

E例文検索
 英和活用大辞典、G大、OALD、Concise Oxford Thesaurus,
  Oxford Collocations dictionary for students of English
  研究社和英中辞典5版から例文検索できるので、それこそ
 たいていの英語表現はこの小さな電子辞書の中に入っているという感じです。
 昨年まで使っていたSII SR8000と比べるとヒット数は雲泥の差です.

 しかしSR8000の時でも、例文が100件以上ヒットすることがよくあり、
 それを全部読むのは結構時間がかかり、時間に余裕があるときにしか
 全部の例文に目を通すことはできませんでした。
 必ずしも例文が多いのが即いいというものでもないと思います。

Fその他の収録辞書
 SR8000には国語系辞書がなかったので利用していなかったのですが、
 SR-T7100には、広辞苑、漢字源、マイペディア、類語例解、カタカナ語
 という日本語系コンテンツが入っています。マイペディア等の説明を
 読むのも結構面白いですしいろいろと知識が広がると思います。

 TOEICテストの3部作(Vocabulary, idiom, Grammar)ですが、私の場合は
 それらを読んでもあまり面白くなく従ってほとんどやっていません.
 英英辞典を読むのは楽しいのですが、TOEICの練習問題をやってもちっとも
 面白くないのです。問題の作り方がもっと興味を持てるものでないと長続き
 しないように思いますので今後改良していただければと思います。
 (単なる英語学習素材ではなく、ストーリー性があって読書の楽しみがある
 ようなTOEIC問題集ができるともっと楽しく学習を継続できるのですが。)

 どうせ入れるなら、Cambridge University pressの English Grammar
  in Use や 同English Vocabulary in Use,
  Oxfordの Practical English Usage などの方がいいのではと思います。
 これらはまだ比較的興味を持って読み進めることができる構成になっていると
 思います。

●現在、電子辞書でやりたいこと

@ヨーロッパの車雑誌やペンギンのGraded Reader、あるいは
 Web-siteの英文ニュース記事や掲示板の書き込み等を
 朝自宅で出勤前に電子辞書に流し込んで通勤途中等で
 読書できればと思います。
 わからない単語があるとすぐにジャンプして調べられるので
 便利ですし読書もはかどるように思います。(一部の機種ではすでに
 実現済みですがSII SR-T7100ではできません。)

A音声読み上げ機能
 単語や文章を読み上げてくれるとあいまいな発音の
 確認ができて便利です。
 パソコンに入れているCOBUILDやロングマンではこれができます。
 (これも一部の機種ではすでに実現済みですが)

Bラジオ
 あまり現実的でないですがBBCのラジオ放送が電子辞書で
 聞けるといいですね。あるいはインターネットで前日に
 ダウンロードしたものを電子辞書に流し込んで聞くとか
 そんなことができれば・・・.

●英語学習用の電子辞書はどれがいいか。
 結論から申しますと、学習用英英辞典さえ入っていれば
 15,000 - 20,000円程度で売られている入門機で十分だと思います。
 私は2000年から5年近くSII SR8000を使ってきましたが、
 英語学習や、海外駐在時の英語実務でも、これだけで
 実用上ほとんど不便を感じませんでした。

 したがって少なくともTOEIC800点くらいまでなら、現在市販されている
 入門機で十分で、最先端かつ複数の大辞典が入っている最上級機種までは
 必要ないと思います。

 簡単に申しますと、英英、英和、和英、類語、連語の5冊が
 あれば十分です。
 (国語系コンテンツはなくても特に困らないと思います.)

 つまり 英語学習が目的ならSIIのSR-8000+α程度で十分だと思います。
 辞書数が多ければいいというものではなく、一つの学習用英英辞典を
 時間をかけて丹念に読み進める方が英語の力はつくと思います。

 必要なコンテンツはだいたい次のようなものになると思います。
 1.学習用英英辞書(OALD, COBUILD, LONGMANどれでも可)
   よほどの上級者でない限りネイティブ向け英英は必要なしと
   いうか、読んでも学習英英ほどは理解できないのでストレスが
   たまるだけだと思います.

 2.英和辞典。G3でも十分ですができればやはり語数が多いG大でしょうか。
   (また小学館のプログレッシブも私は好きですが今は採用機種が
    なかったような気がします.)
   リーダースはなくても通常の英語学習や読書では特には困らないと
   思います。

 3.和英辞典。SII SR-T7100に入っている研究社和英中辞典5版で
   通常の使用ではOKだと思います。後は英辞郎と英和、英英辞書
   との併用で用が足りると思います。

 4.英語類語辞典、連語辞典。
   英英辞典やG大などの解説や例文をじっくり読めばシソーラスや
   コロケーションに関して必要な情報はかなり網羅されています。
   (私は英語の専門家でも何でもないので断定はできませんが・・・.)

   会社対会社の公式な英語文書を作成するような場合を除いて、
   通常の電子メールやレポートの作成程度では特に類語、連語辞典までは
   必要ないと思います。私の場合は例文検索して似たような表現を
   借用する「英借分」をするか、時間がないときは文法的にあっていれば
   多少稚拙な表現でも意味が通じればそれでよしという感じで英文電子
   メールや連絡文を書いていました。

   しかし、ボキャブラや英作文の参考用としてはやはりあった方が
   いいと思います。類語、連語辞書を読書するのも新しい発見が多くて
   楽しいものがあります。

以上、一電子辞書ファン、また一英語学習者として日常感じていることを
書かせていただきました。
長い拙文を最後まで読んでいただきましてありがとうございました。

Re: XD-LP9300  投稿者: ななし  投稿日: 3月12日(土)00時11分3秒

あした(書いているうちに今日になってしまいましたが)第2外国語系モデルの発売なので待っていようかと思いましたが。

> 「例文検索」に至っては、【0%→100%】なる表示が完了するまで(2〜3秒ほど)待たされます。「when&only」で、例文検索を行ってみたのですが、タブを右矢印キーで移動させるたび(辞書を変えるたび)に【0%→100%】なる表示が始まるのにはちょっと参りました。それから面倒だなと思ったのは「&」を入力するのに、「記号」キーを二度押さないといけなくなった点でしょうか(記号キー内にはその他に「〜」「?」が入っています)。

G3収録モデル(機種は忘れましたが)でいろいろ調べてみましたが、例文検索は確かに遅いです。「take&for&to」で例文検索をかけると8秒ちょっとかかりました。XD-DP1000は16秒以上かかっていたのでそれに較べれば進歩ですが、カシオのカード非対応モデルやシャープのカード対応モデルでは2秒とかかりませんでしたし、SIIでも(インクリメンタルサーチが効くので直接の比較は難しいですが)検索語を一度に入力してから結果が出るのにやはり2秒を切っていました。カシオの別のモデルで計ると4秒でしたが、これは最初に検索する辞書がLAADになっていたので、G3を最初に検索するよう設定を変えるとやはり8秒強かかりました。カシオの機種は例文検索で検索する際、最初に検索した辞書からタブ切り替えで他の辞書に移動するときに時間がかかります(実際の検索はおそらくこのときに行っている模様。なお一度それぞれの辞書で検索が終わるとタブ切り替えによる辞書移動はほぼ一瞬です)が、これは最初の検索と合わせてユーザーに無用なストレスを与えるもので、何とかならないものかと思います。それと記号キーですが、どうせ例文検索時には「〜」や「?」は使わない仕様なのだから、カーソルが例文検索欄にあるときは「&」のみ入力されるようにしておけば2度押しする必要もないわけで、こういったところに詰めの甘さを感じます。

変化形の例文からジャンプで原形に戻れるかについては、規則動詞については原形に戻れますが、不規則動詞では不規則の見出し語にジャンプできるだけです(SIIのように原形がジャンプ候補に出てくるわけではない)。例文検索で原形を入力しての検索は、動詞1文字(take)だけなら変化形(took,takenなど)を検索するようですが、他に文字を入れると(take&"任意の文字列")変化形検索ができません。これでは例文検索の用をなしません。カシオ製品の検索機能の不備についてはメーカーに改善を申し入れていましたが、今回も改善されなかったようです。辞書の追加や外部の文章を読み込むなど大きな可能性を持っているだけに、残念です。

P.S. 2月20日(日)20時36分15秒 の書き込みは私ではありません。

XD-LP9300  投稿者: Fine  投稿日: 3月11日(金)21時44分13秒

店頭に並び始めたようです。(少し触れてみた感想ですが)正直言って使いづらいです。
コンテンツはいいのに検索機能がイマイチなのです。まず「複数検索」が遅いです。
「例文検索」に至っては、【0%→100%】なる表示が完了するまで(2〜3秒ほど)待たされます。「when&only」で、例文検索を行ってみたのですが、タブを右矢印キーで移動させるたび(辞書を変えるたび)に【0%→100%】なる表示が始まるのにはちょっと参りました。それから面倒だなと思ったのは「&」を入力するのに、「記号」キーを二度押さないといけなくなった点でしょうか(記号キー内にはその他に「〜」「?」が入っています)。
また、英活がメニュー内に入ってしまったので、たどり着くまで一苦労です(^_^;)

>Sekky@管理者さん  投稿者: Vic  投稿日: 3月10日(木)20時59分58秒

管理者様、ご助言ありがとうございます。
実は、まだどの機種にしようか悩んでおります。もう少し悩む事となりそうです。

シャープのカラー機種は魅力的ですが、プレゼンテーション機能は使わないし、ちょっと高いかなぁと思いました。カシオのXP-DP1000は、新機種が出ても、あまり安くなっていないみたいですし、意外と動作が遅いとも聞きますし......いっそのことカシオの新機種にしようかなあとも思ったりします。
通勤中にテキストビューアーとして使う場合、どの機種がいいのかますます分からなくなって来ました。

検索についてご教授下さい。  投稿者: ティモ  投稿日: 3月 9日(水)22時28分57秒

初めまして。電子辞書の機能について質問させてください。
現在セイコーさんのSR-T5120の購入を検討しています。
必要な辞書が入っていて、辞書には不満はないのですが、英文を書く際に例えば、
「〜するべきだったのに」「〜させられた」などの複合語と言いますか、
熟語・連語は電子辞書で日本語から検索できるのでしょうか?
これが唯一心配な点です。どうかご教授下さい。

>Vicさん  投稿者: Sekky@管理者  投稿日: 3月 8日(火)11時51分31秒

> 具体的には、シャープのPW-C6000かカシオのXD-DP1000を考えています。(カシオの新製品も魅力的に感じています。)

テキストビューアとして使えるのはシャープさんのPW-Cシリーズとカシオさんのデータプラスシリーズですが,手軽さからすれば,テキストファイルの入ったSDカードを差し込むだけですぐに使えるシャープさんのものに軍配が上がります。とくにC8000は付属ケーブルでプロジェクタやビデオモニタの映像入力につないで映し出せるので,プロジェクタのない環境でメモ書きした文書を多人数に見せるといった,プレゼンツールとしても使えます。JPEG画像とテキストファイルが映し出せるので,私もノートパソコンやプロジェクターの突発的な故障に備え,学会等で発表する際は緊急用に必ず持参しています。

テキストビューアの機能的な面もC8000は優れており,9ドットフォントで表示することが可能であったり,文書全体の位置(パーセント指定)を指定したジャンプができるなど,長い文書を扱う際に便利です。

一方,カシオさんのビューアは,ファイル名の制限(漢字が使えないとか,文字数の制限とか)があることや,ファイル総数の制限(最新機種では緩和され,100ファイルまでOKになりましたが)など,使いにくい面も多いです。フォントサイズが固定されている(最小フォントで表示できない)ことや,ジャンプ機能が先頭,最後,しおり登録した位置に限られるなど,不便な点もあります。一方,SDカードから本体メモリに転送すれば,PCと接続しない限り改変や消去ができないので,ちょっとしたバックアップ目的で本体メモリにストックするという使い方もできます。

どんなを?  投稿者: わたる  投稿日: 3月 6日(日)18時34分53秒

電子辞書を買おうとおもってるのですが・・・まったくの無知なもので・・・
単語発音機能をついてるのは絶対です!!今安売りしてるのでカシオのXD-LP4600を買うおうと思ってます!!皆さんの意見をきかせてください!!お勧めもおねがします!!学生です。

re:ニュアンス  投稿者: ゼロレイ  投稿日: 3月 3日(木)03時04分10秒

>英辞郎なら
>「〈和製英語〉ウッディライフ◆【標準英語】natural life」
>と載ってますよ。
jkさんありがとうございます。正しい使い方がわかりました。
しかし、「Woody Life」自体のおかしさというのは
辞書で説明されることは少なそうですね。
どちらかというとスラングなどを
紹介した読み物系に情報がありそうな気がしてきました。
どうも板違いな質問で失礼いたしました。

eランダム大英和  投稿者: てつろう  投稿日: 3月 2日(水)11時09分56秒

Josさん、fnさん貴重な情報ありがとうございます。

eランダム大英和、4月発売予定ということで大いに期待しております。英英辞典を搭載していないのは不満ですが、5万語対応の音声データ収録とは圧倒的ですね。発音記号を自分でよみあげるのもいいですが、耳からもインプットできれば記憶の定着により効果的ではないかと密かに期待しています。

発売日が今から楽しみです。

最もお勧めな機種は?  投稿者: アリエル  投稿日: 3月 2日(水)09時55分37秒

初めての書き込みでいきなりの質問で済みません。
外国人(英語圏の方)で来日されていて
ひらがなが読める程度の人が使える
電子辞書でお勧めって何がありますでしょうか。

日本で学校に行き始め、生徒が外国人なのに
板書が漢字ばかりで困っている、この漢字なんて意味?
という使い方をしたい方向きの機種を
お教え下さい。

ランダムハウス搭載の電子辞書  投稿者: fn  投稿日: 3月 1日(火)23時04分15秒

芳林堂書店というところの外商部のおすすめ商品のページに掲載されています。
税込み予定価格37590円、2005年4月発売予定、ランダムハウス英和の他プログレッシブ英和中辞典第4版・プログレッシブ和英中辞典第3版・デジタル大辞泉をともに収録。だそうです。
見出し語約5万に対応した音声データを収録ってのがすさまじいですねー

http://www.horindo.co.jp/


>専用ケースについて  投稿者: ICHI  投稿日: 3月 1日(火)21時59分52秒

>はるさん

はじめまして。ICHIと申します。SR-T6700を大変気に入って使っています。
Sekkyさんがおっしゃっているケースとは違うかもしれませんが、
僕はエレコムのDJC-T002BKを使っています。

専用の粘着シリコンシートで、ケースとSR-T6700が完全に一体化しますので、
ケースにつけたまま、SR-T6700を使うことができます。
高級感のある黒くて渋いケースですので、僕はとっても気に入っています。

http://www2.elecom.co.jp/products/DJC-T002BK.html


テキストビューワ搭載機種のお勧めは?  投稿者: Vic  投稿日: 3月 1日(火)21時01分2秒

すみません、某掲示板で相談したのですが、アドバイスがなかったので、ここで相談させてください。

TOEICが600点台後半〜700点台前半の社会人です。英文の教材やWebの英文などをテキストファイルにして電子辞書に転送して、テキストビューワとして使いたいと考えています。その場合、みなさんのお勧めの電子辞書を教えていただけませんでしょうか。

PDAやmp3プレーヤーなども考えたのですが、金額や手間を考えると、今はまだ電子辞書のほうが安くて手軽かなと思っております。

具体的には、シャープのPW-C6000かカシオのXD-DP1000を考えています。(カシオの新製品も魅力的に感じています。)

また、既にテキストビューワとして電子辞書をお使いの方がいらっしゃいましたら、使い勝手などもお聞かせいただけるとありがたいです。

みなさん、どうぞよろしくお願いいたします。

>てつろうさん  投稿者: Jos  投稿日: 3月 1日(火)15時23分19秒

1月1日の朝日新聞の広告で発表されたもののことだと思いますが,過去ログの'05年1月前期に,宮川さん,Sekkyさんによる記述があります.
小学館のサイトにも広告が掲載されています(小さくて見にくいですが…).
http://www.shogakukan.co.jp/books/050101asa.html

専用ケースについて  投稿者: はる  投稿日: 3月 1日(火)14時44分48秒

以前、SR-T6700とSR-T7100の比較について質問させていただきましたはると申します。
書き込み遅くなりましたが、Sekkyさん、citrusさん、ご回答ありがとうございました。
昨日ようやく7100をGetすることができました。
前回使っていた辞書が突然、表示されなくなってしまったのは、おそらく持ち歩く際に衝撃を与えすぎたせいだと思い、今回は専用ケースでしっかり守りたいと思います。
Sekkyさんが以前、「シリコンテープを貼り、辞書と一体の状態で使えるケース」があるとおっしゃっていたのですが、そのようなものはどこで手に入れることが出来ますか?

ランダムハウス  投稿者: てつろう  投稿日: 3月 1日(火)13時23分39秒

ランダムハウス搭載の電子辞書が発売されるということを耳にしたのですが、小学館のホームページにも情報がまったくありません。スペックや値段等なにか情報がありましたら教えてくださいおねがいします。

>JFさん  投稿者: Sekky@管理者  投稿日: 3月 1日(火)12時45分23秒

>「2005年度版英語の辞書へのアプローチ」を、もし作成されるのであれば、
>これまで掲示板で何度か解説されていた辞書・参考書についての記述も追加され
>ると、多くの人にとって参考になるのではないかなと思います。まあ、過去ロ
>グ検索を使えばいいかもしれないので、ちょっと心に留めておいてもらえれば
>結構です。

ご提案ありがとうございます。2005年度版は現在準備していますが,電子辞書搭載コンテンツで英語関係の辞書の多くを追加するつもりです。英活やOCD,ODEといった,大学新入生が今まではまず手にすることのなかった辞書でも最近は電子辞書に搭載されていますので,これらのコンテンツに関する記述も取り上げようと思います。

販売価格等の書き込みについて  投稿者: Sekky@管理者  投稿日: 3月 1日(火)12時41分52秒

新年度ということもあり,電子辞書がいろいろなところで売られていると思いますが,販売価格に関しては,拙掲示板では以下の基本ポリシーを考えています。

・公開,非公開に関わらず,販売対象者が限定されている製品の販売価格の記載はお控えください(予告なく削除いたします)。具体的には,生協モデルや高校での斡旋販売向けの学販機種などです。販売価格がウェブサイト等で公表されている場合でも同様です。直接価格を記載しなくても,価格の記載されているウェブサイト等へのリンクも同様とします。販売価格以外に関する情報は全く問題ありません。たとえば,生協モデルや学販モデルを合法的に購入した方のレビュー等はご自由にお書きくださってかまいません。

・量販店等,誰でも購入できる製品の価格であれば,特に規制いたしません。

>サンダーバード2号さん  投稿者: Sekky@管理者  投稿日: 3月 1日(火)12時32分37秒

>たとえば「土曜日限定20台」などと銘打って、SR-T6700が
>1万9800円で販売されているところを目撃しました。
>系列の違う量販店なのに、なぜか同じ1万9800円
>という値づけになっているところに興味を引かれました。
>いよいよ在庫一掃の時期がやってきたということでしょうか。

T6700という性質上,コンテンツを熟知しているパワーユーザを対象としているので,後継機が発表されてから価格を下げても(値段に釣られる人は少ないので?)捌けないという判断なのでしょうか。T6700の後継機がXD-LP9300を意識した内容になるだろうということはなんとなく想像できますが,一方で,搭載のCOBUILDが4版になる?(4版が出ているのに,たとえ用例の数が多いからといって3版のまま載せるというのも不自然ですし)ことや(他の現行機のように)新和英中がG和になるのかといったことなど,懸念される面も多い気はします。

>すみさん  投稿者: Sekky@管理者  投稿日: 3月 1日(火)12時25分5秒

>英活がシルカに収録されると良いのですが・・・

私もこれを望みたいです。E9000でリーダーズや英活といった上級学習者が良く使うコンテンツが搭載されていないのは,意図的(「初夏発売予定」のCOBUILD搭載機と棲み分け)というよりは,メモリ容量の制約が大きいのではないでしょうか。実務翻訳者が求めるコンテンツを搭載していながら,事実上のデファクトスタンダードになっているリーダーズを載せないというのは,(メモリ容量という)物理的制約以外には説明しにくいです。そうなると,E9000の追加コンテンツとして,リーダーズなり,英活なりが発売されれば,実務で英語をお使いの方には最強機種になります。E9000の内蔵コンテンツをベースに,より受信の機会が多い人(翻訳者など)はリーダーズを,発信の機会が多い人は英活を,アジアへの出張が多い人は中国語辞典を,というように,より個人のニーズに即したコンテンツをカードで対応すれば理想的だと思います。

>すみさん  投稿者: Sekky@管理者  投稿日: 3月 1日(火)12時17分25秒

>SEIKOのSR-T7100かE9000か迷っています。
>経済・金融分野の実務翻訳を勉強中なので、どちらかというとE9000の専門的な
>コンテンツや用語辞典類に魅力を感じているのですが、英活が入っていないの
>が気になります。

さとしさんのおっしゃることに同感で,実務翻訳を勉強されているなら,トータルで考えればE9000だと思います。英活は,英語そのものを研究する人が連語関係を探したり一般的に英語を書く際には便利かもしれませんが,一方で用例数が多く,しかも歴史の長い辞書なので,現在のビジネスにおける英文作成にぴったりな用例はそれほど多くはないと思います。一方,E9000に搭載の海野辞書や英文ビジネスレター辞典は,実際の現場でのフルセンテンスの実例(英活は句単位の例が多いです)が豊富に収録されていますので,すぐにそのまま(あるいは,単語を入れ替えるだけで)使える例が多いのではないでしょうか。

>E9000にリーダーズプラスが入っていなくても、その他の専門的辞書でカバーできる
>と思うのですが、英活が入っていないデメリットも補えるものなのでしょうか。

たしかに英活の用例数38万は多いのですが,汎用的な用例が38万入っているのがいいか,ビジネスや科学技術に特化した用例が9万弱(海野辞書の英和のみカウント)入っているほうがいいかとなると,すみさんの用途からすれば後者に軍配が上がるのではないでしょうか。

あと,E9000は,海野辞書やビジネス英語フレーズ辞典などで,用例の日本語部分からの検索ができます。たとえば,「しゅうとう&けいかく」を入れれば,「周到な計画を立てる」「周到な計画」といった例文がヒットします。こういった検索は英活では(他社製品含め)できないもので,ちょっとした翻訳機のようにも使えます。惜しむらくは,この検索はG大ではできない(カシオさんの新製品はできます)ことと,通常の(英単語を入れる)例文検索と違って複数辞書をいっぺんに検索することができないことです。日本語訳からの検索は,海野辞書とビジネス英語フレーズ,英文ビジネスレター辞典に対応していますが,これら3冊をまたいだ検索ができないのは残念です。