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はじめに

 あなたが誰かを好きになったとき,きっと,その人自身,あるいは,その人の生い立ちや周囲のことをもっともっと知りたい,と思うのではないでしょうか。彼(彼女)はどこで生まれたのだろう? 今どこに住んでるんだろう? 高校時代はどんなクラブ活動をしていたのだろう? 小さい頃はどんな人だったんだろう? ご両親はどんな人なんだろう? などなど。こんなことを,本人から直接,あるいは間接的に見聞きすることによって,その人の個性を今まで以上に理解できるようになるのではないでしょうか。もちろん,誰でも知られたくない過去というものはあるでしょう。でも,そんな秘密をも互いにシェアできる人にめぐり会えたとしたら…とっても素晴らしいだろうなぁ,って思います。

 同様に,英語が好き,英語をもっともっと勉強したい,と思っている人は,英単語の周囲や過去のことをもっともっと知りたい,なんて…思わないか(^^;) 単語なんて単なる記号,綴りと意味を対応させて覚えればすむことさ,人間じゃないんだから,生い立ちも周囲の環境もあるものか! なんて考えるのも,もっともなことでしょう。

 でも… 何十万とある英語の単語も,それぞれが独特の個性を持っています。何回書いてもスペルが覚えられないような変わり者の単語もあれば,舌をかみそうな発音の,わがままな単語もあります。使い方を一歩間違えれば大変なことになるような気むずかし屋の単語もあれば,どんな場面でも安心して使える,人のいい単語もあります。華々しくデビューしたものの,今となっては見向きもされない美人薄命型の単語もあれば,最初はぱっとしなかったけど,今は高い人気を集めている,大器晩成型の単語もあります。暗い過去をいまだに引きずっている単語もあれば,心機一転して出直した単語もあります。人間社会と相通じるものがありますよね。でも,これって人間同様,単なる偶然というわけでもないみたい…。

 このような単語の個性を理解するには,それぞれの単語の生い立ちや周囲の環境を知るということが大切だと思います。「温故知新」なんて言いますよね。単語の生まれ育った過程を探求する研究領域は,専門的には語源学(etymology:蛇足ながら,etymologyという単語のetymologyは「真理を探究する学問」ということだそうです),もっと大きな分類では歴史言語学(historical linguistics)とよばれているもので,一昔前までは,言語学といえば歴史言語学というぐらいの地位を占めていました。

 しかしながら,今世紀始めから半ばにかけての,構造主義や生成文法といった言語理論の台頭により,ともすれば,言語学=現代語の(統語的側面を中心に)研究を行う学問,と思われがちになっています。そして,「言語学者」を名乗る人でさえ,中には,歴史言語学はかび臭いとか,時代遅れだと本気で考えて(しかもそれを堂々と口にして)いる,とんでもない人もいます。正直なところ,社会言語学が本業の私にとっても,歴史言語学という分野は,ふだんは縁もゆかりもない存在です。でも,アマチュアの立場から,何気なくOEDを眺めてみたりすると,意外な面白さもみえてきます。

 「英単語探検隊」は,私たちにとってなじみの深い英単語の語源を,OEDをはじめとした資料にあたり,それらの記述を私なりにそしゃくし,アマチュアである私自身のことばに翻訳してお話しするコーナーです。ただでさえとっつきにくい英語辞書の語源記述を,甘口のたれで味付けしてお届けしようというわけです。週替わり(当面は隔週替わり)の連載形式ですが,それぞれのエピソードは独立していますので,「つまみ食い」でもかまいません(でも,本音を言えば,1週間おきに定期的にホームページを覗いてくださる常連の方々が増えれば,という気持ちもありますが(^^))

 それでは,お楽しみください。ご意見,ご感想,誤りのご指摘,等どんな些細なことでもメールなどでお待ちしております。また,このコーナーでとりあげる単語のリクエストも募集しています。お寄せください。
 

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