カシオの新製品情報・インプレッション(2001-2002年分)

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XD-CP100 投稿者:Sekky@管理者  投稿日:12月13日(金)11時25分24秒

↑ゆっくりニュースリリースを見てみましたが,重さが335グラムというのはすごいです。かなり前の機種でもここまで重いIC辞書はそんなにないと思います。セイコーさんの旧フルキーボードモデルはかなりずっしりした感じですが,それでも250グラムです。発音機能付きのXD-S8500でも265グラムですから,いかに重いかが分かります。USBポートやSDカードのスロットがあるためでしょうか。

月産5000台(XD-R6200などは30000台)ということは,一般向けというよりは,アルクの通販や生協といった教育関係市場を中心に重点的に販売するのかもしれませんね。たしかに,必要な部分のレッスンをPCからダウンロードして使うという発想は,ネットワークウォークマンやMP3プレーヤなどとも共通するものがあり,先進的だと思いますが,うちの大学生を見ていても,自分のパソコンを持っているという学生は,とくに1年生では非常に少なく(地域差があると思いますが),レポートやメール,ウェブブラウジングなどは大学のコンピュータ室のPCで行う学生が多いですので,新入生相手に売り込むときにPC併用が前提のXD-CP100がどれぐらい受け入れられるか,という気はします。もっとも,TOEICという性質上,大学新入生というよりは新入社員をターゲットにしているのかな…? かなり特殊なコンセプトの機種ですが,日本という島国でこれだけ英語産業が繁盛しているという現状を考えれば,意外と受け入れられるかもしれません。アルクの英語系通信添削もけっこう人気があるわけですから。

電子辞書のスペック面で気になるのは,英英辞典が入っていないということです。TOEIC対策の教材をダウンロードして使うという,英語に特化したような機種で,広辞苑や漢字源を載せているのにわざわざ英英を外すというのはふつうは考えられないでしょうから,もしかしたらカシオさんもそれなりの意図があるのかもしれません。下種の勘ぐりかもしれませんが,将来的に,英英はSDカードで複数のブランドを供給するとか?? 英英は海外の出版社ですから,英和・和英・国語を内蔵した機種で英英だけ自由に選べるようにしても,コンテンツの組み合わせに関して出版社側から待ったがかかることもないでしょうから。

XD-CP100 投稿者:Sekky@管理者  投稿日:12月12日(木)19時04分13秒

カシオさんの新製品ですが,ふと思ったのですがSDカードスロットがついているのに,付属品にはSDカードがありません。つまり,SDカードは,パソコンからダウンロードしたデータの保管用ではないのでしょうか? もしダウンロードしたデータはSDに落ちるのでしたら,ブランクのカードが同梱していないと使えないと思いますが…。もしかしたら本体内のフラッシュメモリか何かに読み込まれるのかな?

いずれにしても,なぜSDカードスロットがあるのかは謎です。将来的に,コンテンツのオンラインダウンロードサービス等を予定していて,そのための拡張用か? とも勘ぐってしまいますが(^^;; アルクと組んでいるということや,外からデータを取り込めるという仕様を考えると,将来的には英辞郎なんかにも対応するのでしょうか?

カシオ新製品 投稿者:Sekky@管理者  投稿日:12月12日(木)18時33分50秒

↑搭載辞書自体はありきたりですが,アルクと提携して英語学習教材をパソコンからダウンロードできるという点が目新しいです。USBポートとSDカードを利用して外部から必要なデータをダウンロードして使うという発想は,今後の電子辞書でコンテンツを書き換えたり,自由に組み合わせたりということへの第一歩になるかもしれませんね。

http://www.casio.co.jp/release/2002/xd_cp100.html


店頭にてSR-T6500とXD-R9000 投稿者:あいちゃん  投稿日:12月 2日(月)16時11分26秒

休暇で買い物に出たついでに、某量販店2店にてまたもやCASIO XD-R9000とSII SR-T6500を触り比べました。人間には慣れというものがあるので、XD-R9000のActivatorについての違和感は、初回ほどはありませんでしたが、それでも通常のステップで行くと解説を見るためのキー操作が煩雑でActivatorの特性を考えない、単に「ソフトウェアとして検索手段を作りました」的に感じてなりませんでした。

Activatorについていえば、これは私の個人的な感想なので、書籍版を店頭でじっくり見て(これは大切だと思います)Activatorの特性の片鱗でも知った上で、実際に店頭でしつこく触って見て、この操作系に納得できるのであれば、XD-R9000はActivatorとリーダーズ&リープラだけで買う価値があるという判断は可能でしょうちなみに、XD-R9000WEのモデルもありましたが、WEのほうがやさしい色合いで個人的には好感が持てました。どうもシルバーのほうはなんというか金属っぽいというか、妙に安っぽいかもと感じました。

もうひとつのSR-T6500ですが、こちらにも書き込みがあった速度面ですが、確かにXD-R9000に比べると相対的に遅いですが、私の手持ちのPW-6800に比べて特段遅いとも思えませんでしたし、SII(UK)のER6000やSONY DD-IC100に比べたらダントツに速い(爆笑)ですから、私個人的にはまったく支障を感じませんでした。STN液晶の特性として気温が低いと反応が顕著に悪くなりますから、この時期の屋外では実際の動作速度より遅く感じる可能性が高いので、屋外展示の量販店店頭などで見るときには注意が必要です(これはこの機種に限りませんが...)。

私が興味を持ったのはSR-T6500の検索の強力なことです。これはいいですねぇ、かなり強力な例文検索はCOBUILDとあいまって頼りになりそうです。やはりActivatorは書籍版のNew Editionが出回ってから買う事になりそうです。

http://aichanworld.com/


XD-R9000 投稿者:くずばこ  投稿日:11月25日(月)22時30分54秒

Sekkyさん

 XD-R9000の詳細なインプレッションありがとうございました。

 昨日、久茂地のB電気に行ってSR9200を触ってきました。また冊子版のCOD第10版も近所の本屋で見てみましたが、今使っている第8版に比べてずいぶん平易になっていると感じました。

 一方、B電気には残念ながらT6500もR9000もまだ未入荷でしたが、SR9200とカシオの筐体を比べるとやはりスリムでアルミ製のカシオに惹かれました。SIIのフルキーボードもとても使いやすそうなのですが・・・

 Sekkyさんは10年間Activatorをお使いとのことですから、今回のR9000に期待されていたと思うのですが、まだまだ使い勝手は改善の余地がありそうですね。私は冊子のあの大きさがどうも気に入らず、結局使わずに来ましたので、多少使い勝手がわるくとも、コンパクトな電子辞書に組み入れられたことで敷居がずいぶん低くなりました。

 あと、SR9200との比較ですが、リープラの威力を改めて感じました。パソコンにはDDWINでリーダーズ+リープラを入れているのですが、今日たまたま眺めていると、

Stig [st_g]_n. スティグ 《英国の児童文学作家 Clive King_ の Stig of the Dump (ごみ捨て場の原始人, 1963) に登場する, ごみ捨て穴中に住む石器時代の穴居人

まで載っているのを見て感動しました。この本、初めて読み通したペーパーバックだったものですから・・・やはりCODよりリープラをとろうかと思いました。

 で、CODの方は電子ブックでそれも愛用の第8版が出ていることを確認しましたのでこれをパソコンで使う方向で検討してみます。

 本当はSR9200とXD-R9000を両方手に入れるのがベストかもしれませんが・・・

XD-R9000インプレ(細かいこと) 投稿者:Sekky@管理者  投稿日:11月24日(日)22時36分48秒

Activatorの操作系があまりに「??」なので長くなりましたが,前述の点は技術的にはそれほど難しいという性質のものでもないでしょうから,ぜひ改善が望まれます。これだけでもかなり使いやすくなります。以下は,Activator以外で気づいた点です。

◎ジーニアスの例文検索は原形で入れないとだめ

たとえば,chippedという語が含まれる例文を知りたいとき,例文検索でchippedを入れてもヒットしません。原形のchipを入れると,chip, chips, chippedなど全部ヒットします。セイコーさんの機種の例文検索に似ていますが,セイコーさんの機種はchipを入れると変化形も全部出る(これはR9000も同じ)だけでなく,chippedを入れてもchipped(のみ)が出てきます。※ただし,リーダーズやLAADはこういう仕様ではなく,入れた単語自体のみを検索(変化形はヒットしない)します。

上記のことは,私が偶然発見したもので,説明書には一言も書いてありません。もしかしてメーカーさんも気づいていない?? おそらく,元データのインデックスの仕様の違いによるものでしょうが,他社製品では搭載コンテンツ間でのこのような細かな仕様差がない(英英だろうが,英和だろうが,変化形に対応しているかどうかは一定)というのは事実ですから,言い訳にはならないと思います。

◎Longman-Roget'sだけは,候補語が1語しかなくてもリスト画面が出てしまう

たとえば,abacusを入れると,英和や英英ではそのまま語義が出ますが,Longman-Roget'sでは同スペルの同形異義語がない(=リストを出す必然性がない)のにリスト画面が出ます。これも元データの仕様差?がフィックスできていない例です。

★とりあえず,これぐらいでしょうか。細かいことはともかく,リーダーズ,アクティベータ,Longman-Roget'sという上級辞書のカップリングは何だかんだ言っても非の打ち所がない快挙だと思います。SR-8100ではLongman-Roget'sの中の知らない単語を英英や英和にジャンプしてもヒットしないことが多かったですが,XD-R9000ならまず大丈夫です。

コンテンツを重視し,しかも搭載コンテンツ自身自分でよく分かっている上級者の人なら,XD-R9000は重宝する機種だと思います。大学の英文科に入ったばかりの学生とか,辞書についてよく分からなくても,とりあえずXD-R8100のようにジーニアス英和,和英,広辞苑といった基本コンテンツが入っているR9000は,SR-T6500よりも有利かもしれません。しかし,操作性や付加機能の本当の使いやすさを考えれば,英語専門機の老舗としての蓄積があるSR-T6500に軍配が上がります。

#「使いやすい電子辞書」の基準は人それぞれでしょう。フルキーボードがいいか,普通のキーがいいか,ということでさえ評価は分かれます。しかし,ある程度客観的に使いやすい電子辞書を判断するのにぴったりの問いがあります。

「この機種は,御社の旧機種と比較して,カタログやニュースリリースに出ていない点で,どこが改良されていますか?」

という質問です。もちろん,「カタログやニュースリリースに出ていない点」は杓子定規に言えば非公式な内容ですから,メーカーさんのお客様相談室に質問しても,答えてもらえなくて当然かもしれませんが(^^;; 私としては,上記の質問は,ユーザというよりは各メーカーさんの開発スタッフの方で自問自答していただけると,次期機種の使い勝手にわずかとはいえ反映できるのではないか,と思います。「使い勝手」「操作性」というものはカタログやニュースリリースでPRできるような大きなものではなく,小さな微調整の積み重ねなのですから。実際,カタログやニュースリリースに出ていなくても,細かなリファインがされている機種は多いです。

XD-R9000インプレ(Activatorを中心に2) 投稿者:Sekky@管理者  投稿日:11月24日(日)20時08分21秒

(主にメーカーさん向けかもしれません)

文句を言っているだけでは怒られるでしょうから,建設的に書きます(^^) R9000のActivatorですが,ほんの少し仕様を工夫するだけでかなり使いやすくなると思います。カシオさんはもちろん,他のメーカーさんが今後新規コンテンツで搭載するときの参考にしていただければ,と思い,掲示板に書きます。

◎提言その1:第1ステップ(単語を入れ,キーワードへ参照させる場面)の操作系

R9000では,キーワード以外の語(たとえばswallow)を引いた場合,

swallow
→BELIEVE 2
→EAT 1

のように,キーワードへの参照が出ます。ここからジャンプ操作で自分の意図した意味と思われるキーワード(たとえば,飲み込むということを言いたいならEAT)にジャンプするという操作系です。

この操作はジャンプ機能を知らない人には分かりにくい(というより分からない。説明書のActivatorのところにも何も書いていないのですから)し,知っている人にとってもいちいちカーソルを合わせるのは面倒です。これなどは,同じR9000のLongman-Roget'sと全く同じ参照方法なのですから,Longman-Roget'sのようにショートカットをつけるだけで劇的に使いやすくなります。

swallow

[A] BELIEVE 2
[B] EAT 1

のようにです。もしsearchのように,同じキーワードの複数のカテゴリへのリンク(LOOK FOR 4, 6, 7)がある場合は,それぞれ独立させて

search

[A] LOOK FOR 4
[B] LOOK FOR 6
[C] LOOK FOR 7

のようにするだけのことです。ジャンプ操作で飛ばすのか,ショートカットキー(or反転カーソルによる選択)で飛ばせるかの違いです。後者の方が明らかに分かりやすい操作系であることは言うまでもないでしょう。実に簡単なことだと思いますし,Longman-Roget'sで備わっている操作系なのですから,技術的には問題ないはずです。試作機ならともかく,量産機でなぜこんな操作系になっているのか不思議です(^^;;

◎提言その2:キーワードへジャンプした直後の画面(キーワードインデックス表示画面)

先ほどのswallowをひき,EAT 1へジャンプすると以下のような画面になります(ここでは,この画面をキーワードインデックス表示画面と呼びます)

●EAT
1 to eat food
・eat ・have ・consume ・swallow ・tuck in ・feed ・lick ...[解説]

2 to eat a meal
…(後略)

(キーワードからでなく)類語から引き,ジャンプ操作をした後なら,EAT 1という,自分の必要な類語群がある具体的なカテゴリが分かっているわけですから,このキーワードインデックス表示画面を経由する必要はありません。直接,EATのキーワードの中のカテゴリ1の中身(以下の画面)を出せばいいと思います。
-------------
解説[EAT 1]→このように,上記の操作系にした場合はカテゴリ番号も載せると分かりやすいです。
eat [v I/T]
eat sth

I'm so full. I coudn't eat another thing.
Ken's decided to stop eating meat for a few weeks.
....(例文略)

have
an informal word meaning to eat something [v T]
have sth
(例文略)

consume
…(後略)
------------

※あたりまえですが,キーワードを直接入れて検索した場合は,この画面は表示しないといけません。つまり,

EAT(キーワードを直接入れて検索)→キーワードインデックス画面(上記)→カテゴリ選択により,そのカテゴリの類語詳細表示画面

swallow(類語を入れて検索)→EAT 1へジャンプ→EAT 1の類語詳細表示画面

のようになるわけです。
◎提言その3:キーワードインデックス画面から解説キーで呼び出した画面(類語詳細画面)

キーワードインデックス画面で,各カテゴリ毎にある解説アイコンを反転させると,そのカテゴリの類語の詳細(この画面こそが,マニュアルにある「同義語の使い分け」を解説している画面です)が出ます。たとえば,EATのキーワードインデックス画面で,1のカテゴリを選ぶと
-----------
解説[EAT]
eat [v I/T]
 eat sth

・I'm so full. I coudn't eat another thing.
・Ken's decided to stop eating meat for a few weeks.
....(例文略)

have
 an informal word meaning to eat something [v T]
 have sth
(例文略)

consume
…(後略)
------------
のように出ます。この画面は,各類語ごとのニュアンスの比較(定義)が明確に分かる必要がありますので,例文までいっぺんに出てくるのは好ましくありません。すべて例文は折りたたんだ状態で

-----------
解説[EAT]
eat [v I/T]
 eat sth
[例文]
have
 an informal word meaning to eat something [v T]
 have sth
[例文]

consume
…(後略)

----------------

のようにすれば見やすくなります。

XD-R9000インプレ(Activatorを中心に) 投稿者:Sekky@管理者  投稿日:11月24日(日)19時44分16秒

ここでは,冊子体Activatorの特徴,使い方にふれながら,R9000での操作性に関連してみていきます。前述のように,R9000の説明書にはコンテンツ自体の解説がほとんどありませんので,Activatorをよく知らない人は,購入前にこれを読んで予備知識を持っておいたほうがいいかもしれません(^^)

冊子体Activatorは,収録されている約45000の類語を,1052語のキーワード(上位区分)に分類して載せています。これにより,「基本的な単語力がある人が,もっとスマートな言い方をしたい,もっと英語らしい表現をしたい」という場合に,知っている単語を引くことで,その単語の意味に似ている様々な表現が,ニュアンスの違いとともに分かる,という辞書です。ですから,ふつうのユーザ(とくに上級者)は,1052のキーワードではなく,まず自分の知っている単語をひき,そこに出ているキーワードをもう一度引き直して使う,という使い方をします。

たとえば,「彼は,入社したばかりで経験の浅い」というようなことを言いたいとします。「初心者」という意味でnoviceが思い浮かぶかもしれません。そうしたらActivatorのインデックスでnoviceをひく(R9000ならキー入力する)と,EXPERIENCED 4 と出ています。これは,noviceという語は,キーワードのEXPERIENCEDの中にある4番目の語義に出ていますよ,ということです。そこで,EXPERIENCEDというキーワードをひいて(R9000ではジャンプして)4を見ると,「not experienced in a particular job or activity」というように,この類語群の意味が分かります。つまり,「EXPERIENCED 4では,特定の仕事や活動に経験がないという意味の語が並んでいますよ,という意味です。そこで,その4のグループを下に見ていく(R9000では解説キーを押す)と,noviceとともに,inexperienced, lack experience, be new to, untrained...という類語が並んでいて,それぞれにニュアンスが出ています。ユーザは,そのニュアンスを読んで,ぴったりの語を選べるわけです。

つまり,冊子体Activatorは,

「知っている(基本的な)単語をインデックスで引く」
↓「キーワードが出るので,そのキーワードを引き直す」
↓「引き直したキーワードの中の類語群にあるニュアンスの違いを読み,一番適切な単語をみつける」

というフローで使うのがふつうです。キーワードから直接引こうとすると,たとえば前述のnoviceでも,NOVICEというキーワードがありませんし,それどころか「初心者」とは全く逆のEXPERIENCEDというキーワードの中に(反意語として)入っていますので,見つからなくなります。くどいようですが,「キーワードから引くというよりは,知っている単語をインデックスで引き,どこのキーワードの中にあるかを把握してそのキーワードを引き直す」という使い方がActivatorではふつうなのです。しかし,冊子体ではこの「引き直し」が面倒でした。これが電子化されるわけですから,さぞ使いやすくなっただろうと思ったのですが,結果は,先ほどもふれたように,あらあら,という感じです。

明らかに,R9000のアクティベータの操作系は,1052のキーワードで引くことを想定したようになっています。メーカーさんの設計スタッフは,Activatorをそういう辞書だという認識をされていたのかもしれません。ですから,キーワードで引けば一発で引けますが,類語から引いたときには,一旦ジャンプ操作をしてキーワードに飛び,そこから中を見ていかないといけないので,とても引きにくいのです。

しかも,説明書にはキーワードから引く例しかあげてありません。これはひどいです。つまり,キーワード以外から引いたら,キーワードにカーソルを合わせてジャンプしないといけないのですが,それの説明が全くないのです。言いかえれば,ジャンプ機能を知らない人はActivatorで参照先だけ出てきても途方に暮れてしまうわけです。一番よく使われる引き方が説明書に一言も説明がないということからも,つい「本当にメーカーさんはActivatorの仕組みを理解しているのかなぁ」と言いたくなってしまうわけです(^^;;

XD-R9000インプレ(トリプル類語と説明書の扱い) 投稿者:Sekky@管理者  投稿日:11月24日(日)19時22分17秒

カタログでは「トリプル類語」を強調しているようですが,説明書の記述は実に簡潔です。アクティベータにせよ,Longman-Roget'sにせよ,上級者には愛用されているとはいえ,ふつうの日本人にはなじみの薄い辞書です。これを搭載したのは勲章ものなのですが,かんじんの説明書の解説が,アクティベータはわずか3ページ(実質は2ページ半),Longman-Roget'sは2ページです。一番なじみのないコンテンツの説明が,一番短くなっているわけです。それも,操作自体に関する手順説明に終始していて,(これは説明書に望むのが酷かもしれませんが)「3冊のシソーラスをどう使い分けたらよいか」というヒントが説明書には一言もありません。カタログにもありません。オンラインヘルプ(ガイド機能)では日本語で通り一遍の説明がありますが,おそらく冊子体に付属の活用の手引きの一部分をそのまま載せているだけなので,全くActivatorを知らない人がこれだけ読んでも,よく分からないでしょう。これでは,せっかくのトリプル類語も,すでに冊子体のこれらのシソーラスを使い分けている人以外は,使いこなせないのではないでしょうか。

冊子体Activatorは,刊行当時は(今でもですが)とても変わったコンセプトの辞書で,買っては見たものの使い方が分からない,という人も多かったようです。ロングマンもそれを認識していたようで,冊子体Activatorの冒頭には25ページ近い解説や著名な教授によるActivatorの活用法のエッセイがあります。平易な英語ですが,これを全部読んで理解するのは,かなり英語のできる人でも数時間はかかるはずです。しかし,この解説を一通り読めば,こういうときにはこういうふうに使えばいいんだ,ということがよく分かります。これを全部載せろとはいいませんが,せめてエッセイ以外の使い方説明(これだけでも7ページあります)ぐらいは英語のままでもいいので載せるべきでしょう。

XD-R9000インプレ(総評) 投稿者:Sekky@管理者  投稿日:11月24日(日)18時47分36秒

↑今日入手しました。コンテンツ以外の操作性は,カタログスペックに表れない面では旧機種(XD-R8100)と基本的に同じと考えていいと思います。ワイルドカード検索が英和,英英しかできない,それも語頭にワイルドが使えないということなんかも昔のままです。リーダーズに関しては,他社製品同様に,複合語もインデックスに入っているようで,なみさんが昨日報告してくださったように,インクリメンタルサーチで複合語が直接引けますし,ワイルドカード検索やスペルチェックでも複合語に対応しています。しかし,ジーニアス英和はだめです(旧機種と同じ)。

日本語ジャンプはとてもよくできています。操作性はセイコーさんとほぼ同様で,ジャンプしたい語の語頭にカーソルを合わせると自動的に単語を切り出し,ジャンプ先候補を出してくれます。セイコーさんの機種は,長い語だと切り出すにちょっと待たされますが,R9000は速いです。また,セイコーさんの機種では,広辞苑での語形成を示す区切り記号(「回数」という見出し語をひいたときの「かい」と「すう」の間のハイフン)を語の切れ目と認識してしまうため,広辞苑で「かいすう」をひいて,そこから和英の「回数」にジャンプできない(「回数」が切り出せない)のですが,R9000はOKです。また,ジャンプしたい語にカーソルを合わせて,ジャンプしたい辞書キーを(訳キーの代わりに)押すと,ジャンプ先辞書の選択ダイアログをスキップして(飛ばして)直接押した辞書にジャンプします。シャープさんやキヤノンさん(の旧機種)で採用されているものですが,このへんをとりいれているのも後発機種のメリットでしょう。
もっとも,よい面ばかりではありません。カシオさんは英語専用機が初めてということを差し引いても,「??」な面が多くあります。Activatorですが,基本仕様は昨日なみさんがご指摘くださったように,冊子体Activatorと同様の検索ができます。ただ,後でふれますが,はっきり言って操作系が今一歩(←かなり控えめなことばで表現していますが(^^;;)です。こう言っては何ですが,これの開発や設計をされたスタッフの方は,本当にActivatorをよく分かって(日常的に使って)いらっしゃるのだろうか,と思いたくなる仕様です。設計担当の部署の方はおそらく理系の方が多いでしょうから,Activatorのような特殊辞書にはなじみがないかもしれませんが,電子辞書の部署には海外の出版社とライセンス契約をする仕事をされている人など,英語に堪能な方がかなりいらっしゃるはずで,その中のどなたかがActivatorを使っていて(あるいは,使っていなくても,採用が決定した段階で冊子体Activatorを徹底的に研究して)いれば,もう少し使いやすい操作系になっていたと思いますが…。

これは,仕様に関してだけでなく,説明書やパンフレットの記載内容を見ても分かります。カタログはもちろん,筐体に貼ってあるシールにも,ジーニアス英和とリーダーズ,リープラで「3冊の英和を収録」と書いてありますが,リーダーズの補遺であるリープラをどうやったら1冊の独立した辞書のようにカウントできるのか,理解に苦しみます。補遺はもとの辞書に付属するものですから,ジーニアス&リーダーズ(+プラス)の2冊とカウントするのが普通でしょう。SR-T6500のパンフレットもそうですし,研究社自身が出しているリーダーズ,リープラのCD-ROMでも「(合計)46万語の英和辞典」とは書いてあっても,「2冊の英和を収録」とは言っていません。研究社にとっても,リープラは,リーダーズと組み合わせることで,現代英語の辞書としては世界最大の英語辞書になることが最大のウリだと思いますので,これを2冊に分けられてはあまりいい気持ちはしないのではないでしょうか。このことをカシオさんが認識されているのか,いないのか分かりませんが,万一これを分かっていて(冊数をアピールするために)3冊としているのなら,冗談ではありません。

非常に厳しい書き方で恐縮ですが,XD-R9000は上級機であり,ユーザの目もそれなりに厳しいものがあります。現に,拙サイトでコメントをくださったR9000に関心をお持ちの方の多くは,他社製品をすでに使っていて,買い増しを考えている人ですから,表面的なカタログスペックを飾るだけではすぐにボロが出ます。ワイルドカード検索が英語系コンテンツでしかできないとか,語頭には「?」が置けないというのもその典型でしょう。数年前ならともかく,今日本語系コンテンツでワイルドが使えないのはカシオさんぐらいです。語頭の「?」はシャープさんも未対応ですが,それでも日本語系コンテンツではちゃんとワイルドカード検索ができます。「ワイルドカード検索なんてそんなに使う人もいないだろうけど,他社が皆搭載しているので,カタログスペックで見劣りするのは困る」という発想なのかどうか分かりませんが,搭載するならするで,(アクティベータやシソーラス系のコンテンツまで対応しなくても)基本コンテンツぐらいはすべて対応してほしいものです。それができないなら,「ワイルドカード検索は,英和,英英のみに可能です」のように注意書きをつけるべきでしょう。

>なみさん 投稿者:Sekky@管理者  投稿日:11月23日(土)11時03分50秒

>今朝XD-R9000を買ってきました。
>Sekkyさんの投稿で挙げられていた不明点を記しておきます。

早速のレポートをありがとうございました。東京ではもう売っているんですね(^^) 沖縄にいながらにして最新情報が手に入るのも,なみさんはじめ,この掲示板におこしくださる皆さんのおかげですm(..)m

>→?ogでdogが検索できるか?→×
>〜ogではできる。

ワイルドカード検索は従来機なみですね。語頭の「?」がきかないとなると,クロスワードには向かないかもしれません。リーダーズ+プラスは海外(英語圏)のパズル雑誌のExpertレベルのパズルのカギもかなり入っているので,残念です。

>「〜cheese」でcream cheeseが検索できるか?→リーダーズ○、LAAD○、ジーニアス×
>複合語や派生語が単語を入れるだけで検索できるか?→sea anemoneとタイプするだけで,
>「イソギンチャク」の語義が出るか?→リーダーズ○、ジーニアス×。

リーダーズで複合語ワイルドに対応したのはよかった(リーダーズやリープラは複合語の多さがウリですから)です。新搭載のコンテンツなのでインデックスを作る際のポリシーを変更したのかな…? ジーニアスだけ×なのは,旧機種のデータを流用しているからなのでしょうね。

>activatorは1052のキーワード以外から引くと参照先が出るのでそこからジャンプ機
>能でジャンプします。紙媒体を使うのと同じ感じです。

なるほど。ということは,快適かどうかはともかく,とりあえず冊子体と同じように45000類語がインデックスにはなっているわけですね。たとえば,grossを引くと,DISGUSTING 1,EARN 1,FAT 2,BAD BEHAVIOUR OR ACTIONS 2…(後略)などが参照見出しになっていて,ジャンプ操作でそれぞれのキーワードにジャンプできるわけですよね? 例文検索ができないのは残念ですが,とりあえず冊子体Activatorと同等水準の検索仕様はクリアしているようなのでよかったです(^^)

>メニューの中には10冊の辞書が入っているだけでした。

おそらく,同時並行で開発していたXD-R6200と仕様面で統一したのでしょうが,R9000の場合,モードキーに搭載辞書数がすべてアサインできるので,メニューというのはあまり意味がない気がします。となると,例文検索も各辞書ごとに分かれているんですよね。

予想はしていましたが,せっかく英語上級者にとって有用なコンテンツをいくつも搭載しているのに,その良さを引き出すための細かな操作性にはまだまだ難があるようですね。もっとも,Activator初搭載ということは快挙ですから,コンテンツの勝利と言えなくもないでしょうが(^^)
いずれにしても,今まではセイコーさんの事実上独占状態だった英語上級機,専門機市場に対立候補が参入してきたということは,ユーザにとっても,市場競争を考える上でも望ましいことだと思います。価格やコンテンツ数,デザインといった表面的なこと以上に,道具としての使い勝手やコンテンツの中身を重視する上級ユーザが,SR-T6500とXD-R9000のどちらを選ぶか,興味深いです。

XD-R9000 投稿者:なみ  投稿日:11月23日(土)10時34分58秒

今朝XD-R9000を買ってきました。

Sekkyさんの投稿で挙げられていた不明点を記しておきます。

XD-R9000の改良点(>mackeyさん) 投稿者:Sekky@管理者  投稿日:10月22日(火)09時49分00秒


?→?ogでdogが検索できるか?→×
〜ogではできる。

「〜cheese」でcream cheeseが検索できるか?→リーダーズ○、LAAD○、ジーニアス×

複合語や派生語が単語を入れるだけで検索できるか?→sea anemoneとタイプするだけで,「イソギンチャク」の語義が出るか?→リーダーズ○、ジーニアス×。

例文を折りたたみ×、ジャンプの用例によるキャンセル×、

activatorは1052のキーワード以外から引くと参照先が出るのでそこからジャンプ機能でジャンプします。紙媒体を使うのと同じ感じです。
メニューの中には10冊の辞書が入っているだけでした。

R9000・T6500決定的な違い。 投稿者:Dic  投稿日:11月22日(金)21時37分26秒

店頭でR-9000とT-6500をいじってきました。
どちらも専門的な電子辞書で内容的には文句なしなのですが、決定的な違いを発見しました。それは表示スピードです。
T-6500の方がクイックな表示だろう、と思っていたのですが大間違いでした。
T-6500は、キーを押すと半拍遅れて表示します。これはかったるいです。
何故なのでしょう、天下のSIIの最新型が・・・。
R-9000はタイプするとほぼ同時に表示しますのでストレスは感じません。
内容的にT-6500を選択しようとしてたんですが、
あの表示のかったるさには驚きました。内容以前でしょう、あんなの。
R-9000にしました、迷わず。
Sekkyさん、こんなのアリでしょうか。がっかり・・・。

XD-R9000のActivator 投稿者:Sekky@管理者  投稿日:11月22日(金)12時59分25秒

↑手元に届いたアルクのクリスマスカタログに,XD-R9000等の最新電子辞書が大きく載っていますが,R9000のActivatorは(カシオさんの公式カタログとは違い)収録語数が「1052キーワード」になっています。これだと,冊子体アクティベータと違い,各類語毎にインデックスがついていない(約45000の類語からは引けない)ような感じに思えるのですが,大丈夫なのかな(^^;;;

例文検索ができないのはまだいいとしても,万一類語からダイレクトに引けないとなると,冊子体Activatorをまるごと収録していても,冊子体でできる検索が電子辞書版ではできないというわけですから,これはちょっと引っかかります。まさかそんなことはないと思いたいですが…。Activatorが目当てでR9000を購入しようと思っている人は多いでしょうから,事前に確認した方がいいと思います。もしどなたか店頭等で試された方がいらっしゃいましたらご教示ください。

XD-R9000 投稿者:Sekky@管理者  投稿日:11月14日(木)17時37分56秒

↑カシオさんのHPが更新され,製品情報の中に出ていました。これを見る限りでは,リーダーズはSR-T6500と同様に複合語もインクリメンタルサーチのリストから一発検索できるようです。また,ワイルドカードも複合語に対応しているようです。ジーニアス英和はどうなのか分かりませんけど…。発売日は分かりませんが,ニュースリリースの「11月下旬」が本当であるなら,今度の連休に間に合うような感じでしょうか。

http://www.casio.co.jp/d-stationery/exword/product/xd_r9000/


XD-R9000/SR-T6500 投稿者:Sekky@管理者  投稿日:11月 9日(土)14時55分33秒

↑同一時期に出ることもあり,どちらにしようか迷う人も多いと思います。しかし,私の感覚では,XD-R9000とSR-T6500は一見似たような位置づけの機種ですが,実際には競合機種というよりはコンセプトがかなり違う機種だと思います。現行機で言うなら,SR-9200とPW-6800/DD-IC500Sの対立に近いかもしれません(あくまでも英語系のコンテンツバランスに限った話です)

T6500に搭載のコンテンツは,決して万人向けとは言えません。30000円台後半という価格設定を考えてもそうでしょう。昨年のSR-9200と同じように,「コンテンツがユーザを選ぶ」ような機種かもしれません。COBUILDはいちおう学習英英という位置づけですが,冊子体をお使いの方は分かると思いますが,LDCEやOALDとは一線を画した内容です。単純に難易度で序列をつけると,

←難 COBUILD>>OALD≧LDCE 易→

のような感じでしょうか。LDCEとOALDではOALDのほうが若干難しめですが,どっちも同じような感じだ,と思う人もけっこういるみたいです。しかし,LDCE/OALDとCOBUILDは明らかにレベルが違います。とくに生のコーパスからそのままとってきている例文や,略号を多用した文法表記は,ある程度上級レベルの人でないと分かりにくいものが多いかもしれません。文定義という性質上,語義がきちんと読めないと使いこなせませんし。T6500の場合,英和に学習辞書が入っていないこともあり,リーダーズ(プラス)をしょっちゅう使う人(翻訳者,通訳などの専門職や,道具として英語を使うビジネスパースン,研究者など)をターゲットにしていることがうかがえます。正直な話,私も学部の頃は,LDCEやOALDにくらべてCOBUILDは使いにくいとずっと思っていました。COBUILDの良さが分かったのは院へ入り,英語を書く機会が増えてきてからです。

9200のCODが今回COBUILDになったのは,CODが難しすぎるからというよりは,上級者(は発信の機会も多いので)がこれ1台で受信から発信までこなせるようにするためなのかもしれません。上級ユーザの人は,おそらく人一倍発信の機会も多いでしょうから,リーダーズ搭載機で発信面までこなせる機種の需要は大きいと思います。

一方,XD-R9000は,いわばXD-R8100の上位互換機ですから,XD-R8100を常用している層(大学生や趣味で英語を学んでいる社会人など)の中で,リーダーズがあったら便利だなぁと思っているような人たち(大学学部の上級生,英語非専攻の院生,英語は苦手だけど英語を読む機会の多い会社員など)をとりこむことが主眼にあるのではないでしょうか。言いかえれば,リーダーズがないと仕事にならないというわけではないが,語数の多い英和もたまには引くという人です。今までは,英文科の大学1年生でも,XD-R8100もいいけど,語数の多いリーダーズが入っているほうがいいという理由でSR-9200を使っている人が多くいました。こういう人には,学習英和がそのまま入り,かつリーダーズ(プラス)も入っているというR9000は重宝するでしょう。

カシオさんも,R9000のコンセプトからして,事実上セイコーさんの独占状態だった英語上級機市場に真正面から斬り込むという意図はないでしょうから,両者はうまく棲み分けができると思います。一方,学習系コンテンツが全くないというマニアックなSR-9200が,とくに大学生協では常に売れ筋だったというのは,本来専門機のターゲットからは外れるような英文科の新入生といった層が,リーダーズ目当てで流れてきていたからというのも大きいでしょうから,こういう層を取り込むR9000の登場で,「流れてくる」ユーザが減るので,セイコーさんの上級機も左うちわというわけにはいかないかもしれません(その対策がSR-9700を上級化したSR-T5000なのかもしれませんが)。

荒っぽく言えば,R9000はR8100の延長線上にある上位機であり,T6500はSR-9200の血を受け継いだものといえます。R8100という一般向け英語重視機とSR-9200という専門機は,もともとの土俵が違いますので,購入の際はニーズに合わせて検討する必要があると思います。

カシオ新機種の操作性について 投稿者:猫背  投稿日:11月 5日(火)15時51分16秒

新発売の、カシオXD-R6200の操作性についての私見です。

ジャンプ機能を使用する際にジャンプ先の辞書を選択し、選択しても候補にヒットしない場合があるのは、やはり納得の行かない仕様ですね。恐らくは、候補が多数あった場合、たくさんの辞書の見出し語から目的の辞書を選ぶのが大変であろうと考えて、この仕様にしたのでしょう。たとえば、英単語なら最初から英和の見出し語しか見たくないという人も多いでしょうからね。

ただ、現実問題として、ジャンプ先の辞書がたくさんあって選択に苦労する、という状況も少ないのではないでしょうか。ジャンプ元の単語は、ユーザーが範囲指定するのではなく、最長の候補から選ぶという方式ですし…。ジャンプ先の辞書の表示順を設定できればそれで大抵解決しそうな気がします。

また、例文検索機能についてですが、これもまた複数の辞書をまたいでの検索ができず、各辞書ごとにメニューがある方式になっているのが残念です。
一方、検索結果の例文それぞれに見出し語が表示されているのは非常にいいと思いました。他社の場合、例文が表示されてもどの見出し語に記載されている例文なのか分からないので、今ひとつ使い勝手が悪かったのですが、これならその見出し語にすぐジャンプして調べられるというわけです。ぜひ、他社にも採用して欲しい仕様ですね。さらに欲を言えば、その例文から見出し語の該当部分まで直接ジャンプできると理想的かも。最近の機種は例文が語義より1つ下の階層に置かれているのが普通なので…。

>ぱんさん 投稿者:Sekky@出張中  投稿日:11月 4日(月)08時24分51秒

>まず、スーパージャンプ機能。シャープやキャノンの機種は、言葉を選択するとその言葉
>を複数の辞書から拾い上げて表示してくれるのに対し、R6200は言葉を選択するとまず辞
>書選択画面になります。

そういえばこれを書くのを忘れていました。XD-Rシリーズだけでなく、IDF-4500などもそうですが、ジャンプキーを押してジャンプ先の語にカーソルを合わせ、(4500では範囲指定をする)訳キーを押すと、まずどの辞書にジャンプするかを選ぶダイアログが出ます。それを選ぶと、選んだ辞書にジャンプするという仕様です。これだと、選んだ辞書にその語が載っていない場合は空振りに終わってしまいます。他社(セイコー、シャープ、ソニー)は、ジャンプ先語を指定すると、その語が含まれる辞書のみが一覧で出ますので、載っていない単語を指定して空振りになることがありません。もっとも、IDF-4500はジャンプ先辞書で複数辞書検索を指定すると他社製品と同様に、載っている辞書だけ出るので(ワンアクション多いですが)まだいいのですけど…。せっかくジャンプ先を指定する際に、範囲指定しなくてもいい(始点にカーソルを置くだけでいい)ような仕様にしたのですから、ジャンプ先辞書の選択方法もリファインしてほしかったです。日本語ジャンプを業界で初搭載というのなら、このような細かな操作性に目くじらを立てるのも酷なのでしょうが、最後発なのですから(^^;; 店頭で試した感じではSR-9700よりも最長一致でジャンプ先をリストするスピードが速いというのは大きなメリットですが。

>例文検索機能も辞書ごとらしいですし、かなり買う気が失せてしまいました。

R9000は英語重視のコンテンツですから、もしかしたら例文検索の仕様もリファインされているかな、とほのかな期待を寄せています。「謎のメニューキー」に全辞書一括の例文検索が入っていればいいのですけど…。

ちなみに、R6200はニュースリリースでは例文検索ができないようにも見受けられましたが、実際は(英和のみですが)可能です。ただ、昨日お話ししたように改行が多いこともあり、一覧性が悪いのがネックになります。例文検索というものは、英作文などの際に、頭に思い浮かんだ単語を手がかりに例文を呼び出し、「英借文」の助けにするという使い方が一般的だと思います。そのためには、なるべく多くの例文の中から自分の求める例文を迅速に探せることが要求されます。ただ辞書の例文部分をだらだら出せばいいというものではないんだけどなぁ…。例文検索を重視する人は、購入前に実機を試してみて、その一覧性が許容範囲かどうかチェックしたほうがいいと思います。

SR-T6500(T5000も?)の例文検索は、メーカーさんの公式HPのスクリーンショットでも分かるように、ヒット件数が表示されますね。もちろん、何百とヒットしたときまでカウントはできないのかもしれませんが、それでも、件数が出るというのはコーパス代わりに使うことができるので便利でしょう。全辞書モードと英英のみモードで件数を比較したりしるのも、実際の言語使用を知るうえで有効かも。

XD-R6200・9000 投稿者:Sekky@出張中  投稿日:11月 3日(日)22時43分40秒

カシオさんの新しいカタログにXD-R9000のスクリーンショットが多く出ています。これをもとに操作性に関して気付いた点を述べます。

・アクティベータには例文検索はついていないようです。つまり、冊子体と同等の検索しかできません。スペルを入れると、まず類語群が一覧で出て、各グループごとに解説アイコンによりニュ
アンスの違いの記述や例文などが出るようです。

・Longman-Roget'sも意味グループからの検索はできないようです(SR-8100と同等)

例文検索は各辞書ごとに行います。全辞書の例文をいっぺんには検索できない? 今回新設された英和系辞書の例文検索は、他社製品にくらべて見通しが異常に悪いです。検索元の見出し語、例文、訳のそれぞれで改行されているからでしょう。他機種の例文検索を見慣れていると、特に感じます。

・リーダーズとプラスはいっぺんに検索できます。プラスの見出し語は「P」のアイコンがつきます。

・英単語のジャンプ先は搭載辞書すべて (リーダーズ、ジーニアス、LAAD、アクティベータ、Longman-Roget's、大修館類語)に可能です。

・日本語のジャンプ先は広辞苑、和英、漢和にできます。ジャンプ先指定はセイコー方式(単語の始点のみを指定)です。

★これをみると、コンテンツ以外の基本機能は従来機のものを踏襲しているようです。XD-R6200では、1文字ワイルドカードの語頭使用ができない、複合語が検索できないなどという点も従来機種のままでした。

XD-R6200 投稿者:TAMA  投稿日:11月 2日(土)21時46分41秒

新横浜のビックカメラにXD-R6200の店頭デモ機が置いてありました。気付くのが遅かったため実際に触れたのが3分ほどだったのが悔やまれますが、日本語ジャンプは、スーパージャンプボタンを押して文字選択した後でジャンプ先の辞書を選ぶタイプでした。ほんの少ししか触っていませんが、とても扱いやすい感じでした。

XD-R6200 投稿者:dictian  投稿日:11月 2日(土)02時05分53秒

こちらは11/1の午後に店頭に登場しました。早速使ってみましたが、ジャンプは期待通りで、日本語は長い順に候補が表示されます。複合語のインデックスは改善されていませんでした。スペルチェックはちょっと使った限りでは従来機種と変わらないようです。カタログスペックは充実していますが、使い勝手の改善はまだまだですね。

XD-R6200/R6600 投稿者:Sekky@管理者  投稿日:10月31日(木)17時55分52秒

↑発売が明日なので,大手量販店なら今日並んでいるかな,と思って帰りに立ち寄ったのですが,実機はまだ出ていないようです。予価は29800円になっていました。となると,R9000が32800円ぐらいになるのでしょうか。かなりの値引率だと思います。セイコーさんの機種は定価自体が高めなので,T6500などはこれよりもさらに高くなる(34800-35800円?)かも。もっとも,R9000にせよ,T6500にせよ,このコンテンツを考えれば破格値だと思います。

R9000のアクティベータですが,誤解されている方もいらっしゃるみたいですが,搭載されるのは初版(1993年)です。11月に出る改訂版ではありませんので注意が必要です。改訂版は教員向けのページサンプルが手元にありますが,かなりの大改訂です。とくに例文は最近のコーパスを使って多くが差しかえられています。もっとも,基本語の表現辞典ということを考えれば,新語が搭載されているわけでもないし,口語表現にしてもあまりにスランギッシュなものはなく,外国人が安心して使える表現ばかりが入っているので,10年ぐらいの差は致命的な問題にはならないという気もします。もちろん新しいにこしたことはないのですけど(^^;;

店頭にはR6200の新製品ニュース(A41枚のでニュースリリースの内容を要約したもの)がありましたが,R9000は載っていませんでした。量産の進み具合からして,発売日がまだ確定できないのかな…。いずれにしても,R6200が発売されれば,R9000の操作性もだいたいは見当がつくと思います。

XD-R9000の改良点(>mackeyさん) 投稿者:Sekky@管理者  投稿日:10月22日(火)09時49分00秒

>XD-R9000にかんする情報をこの掲示板でゲットしたら、XD-R9000にかなり魅了されて
>います。来月半ばと思っていいのでしょうか、発売は。

ニュースリリースでは「11月下旬」になってます。「下旬」といっても幅が広いので,いつ出るかを予測するのは難しいですね。私の勘ぐりですが,もし他社も同じようなコンセプトの製品の発表を予定しているのであれば,他社より先に店頭に出すということが戦略上重要になるでしょうから,他社の動きに応じて柔軟に発売日を変えられるように,あえてニュースリリースでは発売日をピンポイントしていないのではないか,という気もします(^^) もちろん,単純に量産品が届くタイミングが現時点では読めないだけなのかもしれませんけど。

>いままでのと比べて操作性等で進化したと思われる点、

ニュースリリースの字面を見る限りですが,

・英単語だけでなく,日本語にもジャンプできるようになった(スーパージャンプ)。そのため,リーダーズで引いた専門用語の意味を広辞苑で調べ直すことができる。

・例文検索が,従来機種の英英に加え,英和にも対応するようになった。

・辞書キーを押すだけで電源が入り,しかもその辞書の検索画面になる。※従来機はまず電源キーで電源を入れ,引きたい辞書のキーを押す必要がありました。

・ジャンプ機能を使う際,ジャンプ先の語を選んでジャンプしたい辞書のキーを押すだけでワンタッチでジャンプできる。※従来機ではジャンプ先の語を選んだ後,ジャンプ先の辞書を選択する画面が出るので,そこで引きたい辞書を選ぶ必要がありました。

・ヒストリー(履歴)が100語まで残る。※これは現行機種の中でもシャープの機種と同じで最高水準。

ぐらいでしょうか。
>改良されていないなと思われる点はどのようなところにあるのでしょうか?

基本的に,通常機能に関しては上記のような改良が加わったので,ほぼ他社製品と同等になったと思います。ただ,以前から問題になっていた点で,今回のニュースリリースに載っていない点もあります(以下に列記します)。いずれも細かな点ですので,ふつうに使う分には気にならないかもしれません。

(注)これらは,実際には新機種で改良されているが,ニュースリリースに載せるほどもないから載っていないのか,新機種でも改善されていないのかが実機を見るまでは分かりません。ですから,ここに載っていることでも実機では改善されているケースがあるかもしれません。あらかじめご了承ください。※改良されていない点ではなく,改良されているかどうかが不明な点,と考えてください(^^;;

・ワイルドカード検索で語頭に不明文字があった場合に検索できるか?→?ogでdogが検索できるか?

・複合語や派生語でワイルドカード検索が使えるか?→「〜cheese」でcream cheeseが検索できるか? スペルチェックの対象になるか?

・複合語や派生語が単語を入れるだけで検索できるか?→sea anemoneとタイプするだけで,「イソギンチャク」の語義が出るか? ※従来機ではまずseaをひき,複合語キーを押してその中から選ぶ必要がありました。

・和英や英英等でも英和のように,例文を折りたたんで(まず語義を出し,必要に応じて例文キーで呼び出す)表示できるか?→例文までいっぺんに出ると一覧性が悪くなります。

・ジャンプキーを押した直後(反転カーソルが出ている状態)に例文キーを押すと,ジャンプがキャンセルされて例文アイコンが反転されるか?(この逆もそうですが)→ジャンプキーと例文キーの押し間違いはけっこうありますから。

ぐらいでしょうか。

>CASIOというメーカーは電子辞書では結構大手のようなのですが、実際どうなのか
>と思いまして。SEIKO製品を持っている方も多いようですし。

セイコーさんは電子辞書の老舗で,10年という蓄積があるぶん,カタログ等に出ない地味な使い勝手に気を配った製品が多いです。たとえば,SR-9500, 9600, 9700のそれぞれの機種では,カタログには全く書かれていませんが,コンテンツの中身だけでなく,処理速度もかなり違います(新しい機種ほど速い)。とくに9600と9700の間の違いは歴然としています。コンテンツの数はかなり抑えていますが,それを逆にカタログ等ではアピールポイントにしています。英英搭載機だけで3種類(SR-9200/8100/9700),それも各機種でコンセプトが全く違うものどうしを出しているのに,他社の多くが出している多コンテンツの汎用機(何十冊という辞書が入っている)が全くないというのも異色です。

カシオさんはとくに学校市場で人気があります。従来機種は,機能面でも他社製品に水をあけられていましたが,見方を変えれば余分な機能がついていない分値段も安く抑えられ,しかも操作も簡単になるというメリットはあります。セイコーさんの機種のよりもパワーユーザの比率は低いと思われますので,コンテンツの数や筐体の薄さ,剛性といった,見た目でアピールしています。他社製品にくらべて新製品を投入する間隔が短いのも特徴です。これは,言いかえればいつ買おうとしても新製品が店頭にあるということになりますね。

#日本では英語重視機のニーズが高いのは事実で,SR-9200のような専門家向けの機種でもけっこう売れているのですから,カシオさんも指をくわえてはいられないので,XD-R9000を入れてきたのでしょう。英語重視機の牙城にきりこまれたセイコーさんにとっても黙ってはいないでしょうから,XD-R9000に対応する機種を入れてくることは疑いないでしょう。嵐の前の静けさかも(^^)

XD-R9000は(こう言うとカシオさんに悪いですが),他社にとっては,今後の英語重視機のコンテンツを考える上での公開実験のようなものかもしれません。ダブル英和,トリプル類語,国語,漢和という,従来の汎用機+英語上級機の2台分のコンテンツが1台に入っているのですから。この中で,どのコンテンツの需要が高いかというものが明らかになるでしょうから,他社製品はそれを参考に自社製品に反映させることができます。R9000の登場を固唾をのんで待ち望んでいるのは,私のようなエンドユーザだけでなく,競合他社さんも同じかもしれません(^^)

XD-R6200/9000 投稿者:Sekky@管理者  投稿日:10月21日(月)11時35分45秒

↑R6200のほうはあまり話題にのぼらないですが,こちらは11/1発売と確定していますので,R9000よりも一足先に手に触れることができます。同一時期に発表する機種間で細かな操作性が変わっていることはないでしょうから,R6200を触ればR9000の使い勝手もだいたい見当はつきますね。ワイルドカード検索が語頭に対応されているかどうかとか,複合語のインデックス,英和以外のコンテンツでの例文等の分離表示,ジャンプ機能の変化形への対応など,上級ユーザにとっては気になる点がどこまで改善されているか気になります。以前に,XD-Rシリーズが発表されたとき,

>シェアトップのメーカーさんだからつい大きな期待をしてしまうのかもしれませんが,
>XD-1000で初めてクオーターVGAの大画面液晶を搭載し,初めてプラスチックのキー
>ボードを載せて電子辞書市場に華々しく参入してきたカシオさんの底力からすれば,
>他社があっと驚くような製品が出てもおかしくはないと思います。たとえは悪いので
>すが,学年トップになれる実力はあるのに,赤点をとらなければ別にいいや,と思
>い,必要最低限の勉強しかしない高校生と同じです。もっとも,勉強していないよう
>にみえても,陰で猛勉強していて大逆転する生徒もいますので,今回はつなぎの製品
>を入れておいて,これとは別に電子辞書業界がひっくり返るようなスーパースペック
>のモデルを開発していてもおかしくはないのですが。

と書いたのですが,まさか1年もしないうちにR9000という形で実現されるとは思いもしませんでした(^^) #IC辞書の老舗のFranklinも,最近はコンテンツがダウンローダブルな機種を発表していますので,もしかしたらこれからの日本のIC辞書にも影響を及ぼすかもしれません。

XD-R6200/9000のカラーリング 投稿者:Sekky@管理者  投稿日:10月18日(金)22時31分22秒

インプレスのページにフロリスモデルを含めた筐体写真があります。無印のR9000はこれを見る感じではくすんだシルバーのような色で,フロリスモデル(WE)は明るめのシルバー(ホワイトということになっていますが,もともと合金の筐体なのでシルバーに近いのでしょう)のようです。ただ,WEの写真には筐体のフタ部分にまだらの模様が見えますが,これは画像ファイルの解像度(拡大などをした際のノイズ?)による偶発的なものなのか,もともと筐体にこういう模様が入っているのかちょっと分かりません。

#カシオさんも,今回の新機種で日本語ジャンプ等の新機能を入れてきたのですが,はじめてということもあり,ニュースリリースの説明は,先行他社のメーカーさんの記述をかなり参考にして,苦労されたあとがうかがえます(^^;; たとえば,

(XD-R9000のニュースリリース)「指定した文字種(日本語・英単語)にあわせて、ジャンプ先の辞書を自動判別し,候補を表示します(以下略)」

(SR-9700のカタログ記述)「指定した文字種別でジャンプ先を自動判別。(以下略)」

……とか(笑)

http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/01135800.html


XD-R9000追加 投稿者:Sekky@管理者  投稿日:10月17日(木)20時44分52秒

ニュースリリースの写真を見てみましたが,筐体は現行のR8100と同じみたいです。その他,各種検索機能も同じです。「スーパージャンプ」という機能名は,おそらくセイコーさんがSR-8000で辞書間ジャンプの意味で使ったのが最初だと思いますが,最近では日本語ジャンプのことをスーパージャンプと呼んでいるようです。でも,これって商標登録がされていないからなのでしょうが,複数メーカーさんが同じ用語を使っているんですね…。シャープ,セイコーに続き,カシオも日本語へのジャンプをスーパージャンプと称しています。ソニーはハイパージャンプ,キヤノンはマルチジャンプと呼んでいるようです。

リーダーズとリーダーズプラスは1冊の英和のようにいっぺんに検索できるようですね。

謎なのは「メニュー」というキーが追加されたことです。XD-R6200ではコンテンツが多いこともあり,辞書選択キーが足りないので,マイナーな辞書はメニューキーの中に入れてあるのだろうということは分かりますが,R9000の場合,ニュースリリースに出ている収録コンテンツはすべて辞書選択キーにアサインされています。その他の付加機能も,今回追加された日本語ジャンプを含め,専用キーがありますし,カシオさんの機種は,例文検索などの特殊検索も各辞書ごとの画面でそれ用の入力ラインを用意していますので,R9000では「メニュー」というキーの必要性が感じられません。もしかしてニュースリリースに載せるほどでもない小さな付加機能がメニューキーの中に入っているのかな,と思ったりもしますが(^^;;

あと,各機種には色違いのフロリスモデルが用意されているようですが,R6200はBUという型名からしてXD-S950のような淡い青だとは見当がつきますが,R9000のWEというのは何色なんでしょうね。

↓続き 投稿者:Sekky@管理者  投稿日:10月17日(木)14時57分45秒

XD-R6200はDD-IC700Sのようなコンセプトの製品のようで,過去のカシオ製品に搭載のコンテンツのオールスターキャスト勢揃いといった感じ(マイペディアが追加されているのは特記できますが)になっていますが,これは別に目新しい点はそれほどありません(私が英語教員だからかもしれませんが)。

やはり注目できるのはXD-R9000でしょう。ダブル英和(リーダーズ+プラス,ジーニアス)にダブル類語(Activator, Longman-Roget),それに加えて広辞苑や漢字源といった日本語系コンテンツもそのまま入っています。コンテンツだけでも英語重視機を求める人には喉から手が出るぐらい魅力的なのではないでしょうか。

もっとも,(ニュースリリースの字面だけでしか判断できませんが)かんじんの「ツボ」の甘さというのもあります。たとえば,例文検索で,R8100と違い,LAADのみでなくジーニアスやリーダーズ(プラス)の英和に対応したのはいいのですが,そこまでやるならなぜActivatorも例文検索できるようにしなかったのでしょうか?(実機ではどうか分かりませんが,少なくともニュースリリースにはActivatorが例文検索可能とは書いてありません) むしろ,リーダーズやプラスの例文検索をカットしてでもActivatorの例文検索に対応したほうがよかったような気がします。Activatorは,コーパスからそのままもぎ取った自然な例文こそがウリであり,これが例文検索で自由にサーチできる(それもLAADのような最近の英英の例文といっしょに)となれば,我々研究者や現場教員にとっては夢のようなことだと思います。リーダーズは,その性質上例文はそれほど多くありませんし,LAADとActivatorがついている機種なら,例文を見たいときに引くコンテンツでもないでしょう。

もちろん,元データのインデックスなど,物理的な要因があるのかもしれませんが,ダブル英和+類語という「濃い」コンセプトをとるなら,付加機能も「濃く」してほしかったというのが正直なところです。リーダーズの例文検索なら,DD-IC500Sでもできますし,EPWINGや電子ブック版でもできるのですから。

そのほか,ワイルドカード検索が語頭にも対応するようになったのかどうかとか,Longman-Roget's thesaurusのウリである意味概念からのサーチができるかなど,細かな点は気になりますが,それは実機を見ないことには分かりません。これで45000円は破格値ですね。

R9000のように,シェアトップのメーカーさんが今までにないコンテンツを入れてきたことは,他社製品にも影響を与えるはずです。カシオさんが最強の英語重視機を出してくるらしいということは噂には前からきいていましたが,Activatorは予想もしませんでした。

カシオ新製品 投稿者:Sekky@管理者  投稿日:10月17日(木)14時35分14秒

↑とりあえずの速報です。最近は某匿名掲示板の情報がとても早いのですでにご存じの方も多いかもしれませんが(^^;;

注目はXD-R9000です。カシオさんにとっては初の英語上級機で、リーダーズ、リーダーズプラスに加え,Longman-Roget'sのthesaurusにActivatorまで入れてきたので,事実上のダブルシソーラス搭載機であるのはすごいです。その他でも,日本語ジャンプやモードキーで電源がオンになるとか,モードキーでジャンプ先を指定することで辞書を限定してワンタッチでジャンプできるといった細かな操作性の向上が見られます。コンテンツだけでなく,とくにシャープ,セイコーの先行機の操作性のおいしいところをとりいれていることがうかがえます。

噂のレベルでは量販店さん等からもいろいろきこえてきますが,カシオさん以外も今までとはちょっとひと味違った機種が発表されるかもしれませんので,購入予定の人はしばらくは要チェックですね。

http://www.casio.co.jp/release/2002/xdr6200_r9000.html


カシオの新機種 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 9月 2日(月)09時55分25秒

XD-S800とS960はすでに店頭に出ています。S800はXD-R8100から広辞苑を抜き,名刺ケースサイズに小型化したものです。仕様上はR8100と同等です。R8100のウリは,学習英和・和英・英英だけでなく,広辞苑,漢字源という国語系コンテンツも入っているということと,液晶解像度の高さだと思いますが,S800ではその両方が失われています。S800に広辞苑が入っていれば,小型機では唯一広辞苑と学習英英を搭載した機種ということで,PW-M670などと大きく差別化できたのですが…。

小型機なので一覧性が低いのは仕方ありませんが,例文検索などでは画面左端に無用なスペース(インデント)が入っていたりして,ただでさえ狭い液晶がさらに狭くなっています。同解像度のPW-M670は9ドットフォントを採用していることに加え,無駄なスペースを極力なくして表示していますが,これとS800をくらべると,一覧性の低さは明らかです。R8100なら,広辞苑+学習英和・英英というコンテンツバランスや,解像度の高さにより,細かな使い勝手には目をつぶれるのですが,S800ではそれができません。たしかに,自社製品としては学習英英搭載の小型機は初めてというメリットはあるでしょうが,PW-M670などの競合機とくらべてS800のほうが優れている点は,正直なところ私には見つけることができませんでした。他社製品とじっくり比較すれば,LAADの熱狂的なファンで,R8100では大きすぎるという人ぐらいしかS800は購入対象にならないのでは…? もっとも,シェアトップのメーカーさんだから,カシオというブランド名や「まわりみんなが使っているから」という理由で買う人が多く,こういう機種でも採算がとれるのでしょうが,ユーザの目も最近は肥えてきているということをメーカーさんは認識していないと,近い将来しっぺ返しを食らうと思います。

カシオの新製品 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 5月22日(水)15時41分41秒

↑XD-S8500という発音つきモデルが出ます。基本的にはXD-S8000の上位機のような感じで,英和をG3にして発音機能をつけたものです。ですから,現行のモデルと違い,スライドキーボードになっています。さすがに,現行のXD-Rシリーズの薄型筐体で発音機能までは載せられなかったのでしょう(^^) 定価が45000円なので,フルコンテンツIC辞書の中では最も高い部類だと思います。発音機能は基本14000語のみですが,セイコーのSD-7200のような合成音声ではなく,ネイティブの発音が収録されています。

14000語の発音機能ということは,学生や初級の学習者をターゲットにしているようですが,45000円という価格がネックになりそうです。SR-9200やIDF-4500が買えてしまうのですから(^^)XD-R8100のような学習英英搭載機は,英語学科の学生や留学予定者,英会話学校へ行っている人など,英語学習に力を入れている(ので,生身のネイティブに接することのできる環境がどこかにある)学習者が比較的よく使っていると思いますが,そういうユーザ層と,基本語のみの発音機能というウリが相反しないのかなあ,という気もします(^^;;

http://www.casio.co.jp/release/2002/xd_s8500.html


(速報)カシオの新製品 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 1月31日(木)14時45分55秒

下のリンクです。

http://www.casio.co.jp/release/xd_r6100.html


カシオは… 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 1月31日(木)15時50分22秒

以下のニュースリリースを見る限り,新製品といってもマイナーチェンジの色彩が濃いです。競合対策というか,他社製品との差(遅れ)をとりもどすような消極的なモデルチェンジです。こういう機種はレビューがしやすいです(^^) 従来機と変わった点は
・ジーニアス英和が第3版になった
・インクリメントサーチがついた
・漢字源の部品検索機能がついた(漢字の部分の読みで引けるようになった)
・スクロール速度が向上した(行スクロールのことなのでしょう)
・薄くなった(従来機よりも約4ミリ薄いです)
・寸法の若干の変更(幅が約9ミリ短くなり,奥行が約9ミリ長くなった
・堅牢化?(アルミ合金採用)
・軽くなった(約25グラム減)
これぐらいです。リリースの写真を見る限りでは,キヤノンのIDF-4000のようなボディーです。例のスライドキーボードは廃止されました。だからこそ4ミリも薄くできたのでしょう。写真を見る限り,キーもキヤノンのIDF-4000のようにちょっと硬めでストロークの浅い感じです。現行機のふにゃふにゃ感がなくなったとしたらありがたいですが。
これ以外は,リリースを見る限りでは現行機と変わりません。キーレイアウトも相変わらずです。薄くなったのはいいのですが,今回の新製品は筐体がアルミになっているのに25グラムも軽くなっているのは不思議です(プラスチックよりもアルミ合金のほうが軽いものなのですか?)。
ラインナップは4種類で,
XD-R6100(XD-S6000の後継機) 42000円
XD-R8100(XD-S8000の後継機) 40000円
XD-R5100(S8000/8100の英英のかわりにカタカナ語を入れた) 40000円
XD-R1300(XD-S1200の後継機)※この機種のみ,インクリメントサーチと部品検索に非対応! 32000円
です。機能はともかく,この価格設定は疑問です。従来機より2000円ずつアップしています。新しいジーニアスとインクリメント,部品検索,薄さのために2000円余分に払うわけです。しかも,R1300にはインクリメントと漢字部品検索はついていません(=S1200と同仕様)。それなのに,同じように2000円高くなっています。4ミリの薄さと多少のスクロールスピードアップだけのために2000円余分に払うわけです。
ちなみに,R6100の42000円という価格は,シャープのPW-9100と同じです。いくらインクリメントをつけてジーニアスが新しい版になったからといっても,9100に追いついたとは思いにくいのですが。
ついでに厳しいことを言うと,XD-R5100(XD-R8100から英英を抜き,カタカナ語を追加)とR8100の値段が同じ(40000円)というのも疑問です。コンテンツの量(ボリューム)はLAADのほうが圧倒的に大きいです。しかも,これの例文検索までつけているわけなので,インデックス等の量もかさんでいるはずです。それなのに,なぜ値段が同じになるのでしょうか。もっとも,このへんは各社の戦略上の都合もあるでしょうし,私は経済学が専門でないのでよくは分かりませんが(^^;;
モデルチェンジといっても,他社製品の水準に追いついただけですから,今回のラインナップで他社製品と差別化できるのはジーニアスが新しくなったことと薄くなったことぐらいでしょう。薄さはともかく,ジーニアスの新版は,今後はSIIにせよ,キヤノンにせよ,シャープにせよ,現行のジーニアスモデルをリプレイスするときに載せてくることは100%間違いないのです。そうなると,今はともかく,あと3ヶ月ぐらいしたときに今回のラインナップがどれほど市場の中で魅力的なんだろう,という気がします。もっとも,カシオさんのモデルチェンジのサイクルからすれば,その頃にはまた新しいモデルを出しているのでしょうが。
フルモデルチェンジはたしかに時間もコストもかかるでしょうが,他社製品に遅れをとっていたところだけをちょこちょことリファインして新製品でございます,というのは,うーん,という気もします。シェアトップのメーカーさんだからつい大きな期待をしてしまうのかもしれませんが,XD-1000で初めてクオーターVGAの大画面液晶を搭載し,初めてプラスチックのキーボードを載せて電子辞書市場に華々しく参入してきたカシオさんの底力からすれば,他社があっと驚くような製品が出てもおかしくはないと思います。たとえは悪いのですが,学年トップになれる実力はあるのに,赤点をとらなければ別にいいや,と思い,必要最低限の勉強しかしない高校生と同じです。もっとも,勉強していないようにみえても,陰で猛勉強していて大逆転する生徒もいますので,今回はつなぎの製品を入れておいて,これとは別に電子辞書業界がひっくり返るようなスーパースペックのモデルを開発していてもおかしくはないのですが。

薄さ 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 1月31日(木)16時05分17秒

それにしても,13.8ミリで「業界最薄」をうたっていたソニーさんのDD-IC5000/7000は大打撃かもしれません。カシオの新製品はこれよりさらに1ミリ近く薄いわけですから。
おもしろいもので,電子辞書のサイズ競争も昔のノートパソコンと同じ流れです。DD-IC100やPW-M710等の「小さいもの勝ち競争」が一息ついたら,今度は,「薄いもの勝ち競争」になりました。ノートパソコンも,A4がB5になり,しまいにはリブレットのようなA6にまでなってしまった後は,A4薄型ノートがどんどん出てきた,というのと同じ感じです。でも,薄くするのは,小さくする以上に耐久性に不安がでてくるんだけど…。

訂正 投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 1月31日(木)16時15分14秒

>A4がB5になり,しまいにはリブレットのようなA6に
すみません。もちろんB6の間違いです。A6サイズのウィンドウズノートがあるなら私も欲しいです(^^)

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